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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900257 審決 商標
異議2012900161 審決 商標
異議2012900292 審決 商標
異議2012900299 審決 商標
異議2013900030 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) X03
管理番号 1274066 
異議申立番号 異議2011-900133 
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-04-13 
確定日 2013-04-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5385155号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5385155号商標の指定商品中、第3類「洗濯用柔軟剤,せっけん類,化粧品,香料類」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5385155号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピンクローズ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成22年9月10日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」及び第5類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として同23年1月4日に登録査定がされ、同月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は登録の要件を具備しないものであるから、その登録は取り消されるべきである旨主張するとともに、申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。
「ピンクローズ」の片仮名を表してなる本件商標とその指定商品との関連をかんがみるに、口紅、リップグロス、ほお紅などの本件商標の指定商品には、様々な色調をもつ商品があり、このうち「ローズ」の色調を有する商品においては、「ピンクがかったローズ色」の色調のことを「ピンクローズ」と称して商品に使用され、認識されているものである。
すなわち、本件商標は、これをその指定商品に使用するときは、「ピンクがかったローズ色の商品」を直感させ、単に指定商品の品質を表す標章に過ぎないものであることから、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、また、「ピンクがかったローズ色の商品」以外の指定商品に使用するときは、あたかもその商品が「ピンクがかったローズ色の商品」であるかのごとく直感させ、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあることは明白であって、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。

3 本件商標に対する取消理由
当審において、登録異議申立に基づき、平成24年6月11日付けで商標権者に対して通知した取消理由は、別掲のとおりである。

4 商標権者の意見
前記3の取消理由に対し、商標権者は、次のように意見を述べている。
(1)本件商標について
一般的に「ピンクローズ」の語が、色ないし香りの名称として日常一般的に使用されるものでないことは明らかである。
本件商標を構成する「ピンク」の文字は「桃色」、「ローズ」の文字は「薔薇」の意味を有するいずれも広く親しまれた英単語であるから、「ピンクローズ」が「桃色の薔薇」を意味することは容易に理解される。
しかしながら、「ピンクローズ」という言葉は辞書に掲載されているような既存の言葉ではなく、また、「桃色の薔薇」も何ら具体的に一定の色ないし香りを特定する言葉としては認識されず、本件商標は、既存の語を構成要素とする任意(arbitrary)に選択された商標の一種であって、当然に識別力を有するものである。
本件取消理由は、本件商標に接する需要者は、商品の色ないし香り、すなわち、単に商品の品質を表示したものと認識するにとどまる、と認定しているが、上述のとおり、「ピンクローズ」は具体的な色又は香りを表す語として認識されていないから、「ピンクローズの色彩又は香りを有する商品」といっても、その具体的な品質は不明であり、「ピンクローズ」が単なる商品の品質を表すにすぎない表示であるとは到底いえない。
(2)新聞報道記事及びインターネット情報
本件取消理由は、取消理由通知書及び申立人の提出に係る証拠で挙げられた新聞報道記事及びインターネット情報において「ピンクローズ」の語が使用されていることのみに基づいて、本件商標が単に商品の品質を表示したものであると結論づけている。
しかしながら、インターネットや新聞上の記事における言葉の使用は、辞書のように編纂者や出版社がその内容に責任を持つものではなく、厳密に定義づけられたものでないから、その使用はいわば偶発的であったり、単なる比喩であったりする場合が多い。つまり、インターネットや新聞等における言葉の使用は、一般に極めて不安定であり、このような使用例を品質表示の「証拠」とすることには相当の慎重さが求められる。
すなわち、商標法上、拒絶理由が限定列挙によって厳密に特定されていることに照らし、ある言葉を、商品の「品質表示」であると認定するためには、その根拠が明確でなければならず、したがって、一定の権威ある辞書類に掲載されているとか、商品(役務)表示として明らかに一般的に通用しているとかの事実が必要であると考えられるが、もし、このようなインターネットや新聞等における広告のような一過性の資料のみを根拠に商標の登録性を審査するのであれば、拒絶理由である「品質表示」の概念が不当に拡大し、結果として商標を使用する者の商標選択の範囲を著しく狭めることになる。
したがって、「ピンクローズ」の文字が商品の色ないし香りを表す言葉として使用された新聞記事やインターネット記事があることは事実であるとしても、「ピンクローズ」はこれらの商品の広告記事にあって、あくまでもある種の色ないし香りを比喩的に表現するためにたまたま用いられたものに過ぎないとみるのが妥当である。
例えば、広辞苑(第6版)の「レモン」の項には「‥・芳香が高い。果汁も香り高く、・・・食品に香味を添え」と記載され、「ラベンダー」の項には「‥・ラベンダー油をとり、香料・薬用とする。」と記載されているが、「ピンクローズ」の語は、そもそも登載さえされていない。つまり、「ピンクローズ」は一定の言葉として日本において認識されるには至っておらず、まして特定の色ないし香りの名称として認識されているという事実はない。
すなわち、取消理由通知書及び申立人提出の甲号証において引用されたインターネット等の情報をもってしては、「ピンクローズ」それ自体が商品の色ないし香りの表示であると当然に理解され、使用されているとは到底認められない。
(3)本件商標の造語性
上述のとおり、本件商標は既存の語(「ピンク」及び「ローズ」)を構成要素としてはいるが、商標権者は、当然ながら、本件商標を、一定の具体的な商品の品質を記述するものとしてではなく、他社製品と区別できるような、一般的には使用されていない表現で、かつ、好感のもてるイメージを創出する目的で採用している。
すなわち、本件商標を構成する語は、それぞれ好感度の高いイメージを醸成する言葉ということができ(「ピンク」→可愛らしくてピュアなイメージ、「ローズ」→高級感があって上品なイメージ)、本件商標は、全体的にそのようなイメージないし雰囲気を醸し出し、消費者に良いイメージで記憶されることを目的としており、その意味において顧客吸引力のある優れた商標ということができる。
事実、色調を表す言葉(レッド、ブルー、グリーン、イエローなど)や植物の名称(ローズ、リリー、ミントなど)は、商品のイメージを表すために、商標の構成中に取り入れることは極めて一般的なマーケティング手段であり(たとえば、せっけん類について「ピンク」「PINK」を含む商標だけでも253件に上り、「ローズ」「ROSE」を含む商標だけでも555件に上る)、このようなイメージで採用された商標を商品の品質表示(すなわち商品に施された具体的な色彩ないし香り)と捉えるならば、上記の例に挙げたような商標は、すべて識別力欠如もしくは品質誤認とされることになり、これが不合理であることは明白である。
すなわち、このような色彩ないし植物を表す言葉を含む商標が商標法第3条第1項第3号に該当することなく登録されているのは、結局、消費者、需要者は、そのような色調、香りを表す言葉が他の言葉と結合した造語として使用されている場合には、それが商品の具体的な色彩ではなく、商品のイメージとして採用されているものであることを十分理解しているという実情があるからである。
したがって、本件商標は、「ピンク」、「ローズ」の各語が有する意味から、ある種の色ないし香りを漠然とイメージさせることがあるとしても、商標全体としては明確な色ないし香りを表すものではなく、良いイメージの言葉を任意に合成したものにすぎない。そして、そのような商標は、いわゆる暗示的な商標にすぎず、特許庁審査基準において「指定商品の品質、効能、用途等を間接的に表示する商標は、本号(商標法第3条第1項第3号)の規定に該当しないものとする」旨規定されていることから考えても、本件商標は、自他商品識別力を有するものと解すべきである。
(4)先例
本件商標と同様に「ピンク+花を表す言葉」、「色調を表す言葉+ローズ」、「色調を表す言葉+花を表す言葉」、「色調を表す言葉+香りを表す言葉」からなる商標が、「洗濯用柔軟剤、せっけん類、化粧品、香料類」について、商標法第3条第1項第3号に該当することなく多数登録されている。
登録例はいずれも、場合によっては色又は香りを意味し得る言葉を2個結合させたものであり、本件商標と観念上同じ構造である。しかし、このような各商標がいずれも登録されているのは、構成要素である各語から漠然と色ないし香りを想起させるとしても、商標全体としては商品の品質等を曖昧に暗示するにすぎず、識別力があると判断されたからに他ならない。
この点において本件商標も登録例と全く同様であって、十分に識別標識として機能する、というべきである。
(5)指定商品との関係
本件取消理由書及び申立人の提出に係る証拠で挙げられた新聞報道記事及びインターネット情報をみると、ほぼすべてが口紅やチークといった「化粧品」について「ピンクローズ」が使用された例であり、「洗濯用柔軟剤、せっけん類、香料類」についての「ピンクローズ」の使用例は、取消理由通知書で挙げられた<新聞報道記事>(2)(3)及び(4)のみであり、(2)及び(3)は、いずれも花王製品「ニュービーズ」にかかるものであって、(4)はアロマオイルにかかるものであり、いずれも商品の香りをイメージした言葉として単に比喩的に使用されているにすぎない。
すなわち、花王製品「ニュービーズ」についての使用とアロマオイルについての使用という事実的に2件の例のみをもって、取消対象商品中「洗濯用柔軟剤、せっけん類、香料類」について、「本件商標は、(中略)これが実際の商取引において商品の色ないし香りを表すものとして多数使用されているものである」(取消理由通知書3/E頁)と認定することは、事実の認定としてあまりにもずさんであり、むしろこの2件の比喩的な使用例のみからは「ピンクローズ」が少なくとも「洗濯用柔軟剤、せっけん類、香料類」については一般的に使用されていないと解すべきである。
以上のとおり、本件商標は、証拠上も取消対象商品中、とくに「洗濯用柔軟剤、せっけん類、香料類」については、広く一般に使用されている事実が全く認められないから、本件商標に接する需要者が特定の香りや色の表示として本件商標を把握することはありえず、上述の本件商標の造語性・意味の曖昧さもあわせて考慮すれば、本件商標は、自他商品識別標識として把握されると解するのが自然である。
(6)結論
以上詳述したとおり、本件商標は、出願人による造語であって、その指定商品との関係において、特定の意味を有するものとして一般に理解され得るものではなく、十分な識別力がある。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号には該当しないことが明らかである。

5 当審の判断
(1)本件商標は、前記1のとおり、「ピンクローズ」の片仮名を表してなるところ、その構成中、前半の「ピンク」の文字は、色彩を表すカタカナ語として、また、後半の「ローズ」の文字も、「バラ(の花)、バラの色香、ばらの香水、ばら色、淡紅色」などを意味するカタカナ語として、ともに広く親しまれているものである。
そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、例えそれが「ピンクローズ」と一連に表されたものであるとしても、容易に「ピンク」と「ローズ」の文字からなるものと理解し得るものである。この点、申立人及び商標権者も争っていない。
そうとすると、本件商標からは、「ピンクの薔薇」程の観念を容易に認識するというべきである。
しかして、「ピンクローズ」の文字は、口紅、ほお紅やアイシャドーなど様々な色調をもつ商品において、色彩を表す語として普通に使用されている実情があることは、本件取消理由からも明らかである。
また、「ばら【薔薇】」は、「バラ属の観賞用植物の総称。花の王といわれる。香料用にも栽培」(広辞苑(第六版))と記載されており、例えば、洗濯用柔軟剤、洗剤やアロマオイルなどの商品においても薔薇の香りが採択され、その一つとして「ピンクローズ」と称して販売されている実情があることは、本件取消理由のとおりである。
上記取引の実情からすれば、本件商標を様々な色調をもつ化粧品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商品の色彩を表示したものと理解、認識するに止まり、また、香りを有する洗濯用柔軟剤、せっけん類、香料類に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商品の香りを表示したものと理解、認識するに止まり、そうとすると、本件商標は、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当である。
したがって、本件商標をその指定商品中「洗濯用柔軟剤,せっけん類,化粧品,香料類」に使用したときは、単に商品の品質(色彩、香り)を表示するにすぎないものであるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該
当する。
(2)なお、商標権者は、前記3の取消理由に対し、前記4のとおり意見を述べているが、商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するかどうかは、取引者、需要者が、商品の品質等を表したものであると認識するかどうかに重点を置いて判断されるべきであって、その商標が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年(行ケ)第76号、東京高裁平成12年9月4日判決言渡参照)。仮に
、商標権者が主張するように、申立人が提出した証拠及び当審における職権調査によるウェブページや新聞報道記事の使用例が少ないものがあるとしても、化粧品など取消理由に係る商品を取り扱う業界においては、「ピンクローズ」の文字が、商品の色彩を表示するもの、あるいは、商品の香りを表示するものとして現実に使用されている以上、上記判断の妨げにはならない。
また、商標権者は、「洗濯用柔軟剤,せっけん類,化粧品,香料類」について、本件商標と観念上同じ構造からなる色又は香りを意味する言葉を結合した商標が登録されている例を示し、本件商標についても、造語商標であって自他商品識別力を発揮し得るものである旨主張しているが、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様と指定商品に基づいて、その取引の実情を踏まえ、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの登録例をもって、本件商標が同号に該当することを否定することはできない。
よって、商標権者の上記主張は、採用しない。
(3)したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第3類「洗濯用柔軟剤,せっけん類,化粧品,香料類」について、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、商標第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものとし、その余の指定商品については、取り消すべき理由はないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1 職権による調査によれば、「ピンクローズ」の語は、新聞報道記事及びインターネット情報において、以下の記述が認められる(商品の発売日などの日付は、いずれも本件商標の登録査定日前である。)。
<新聞報道記事>
(1)「資生堂、「エリクシール」の口紅にローズ新色を追加」(2000年6月5日付化学工業日報4頁)の見出しの下、「・・・、知的なシックローズ、華やかなビビッドローズ、ソフトなピンクローズの三色をラインアップ。」の記載。
(2)「花王、天然柔軟成分配合のニュービーズを発売」(2005年9月14日付化学工業日報5頁)の見出しの下、「・・・、香りはほのかな「ピンクローズ」で、着る時まで香りが長続きする。」の記載。
(3)「ライオン、来年1月「トップ」新洗剤 香り持続に消費ニーズ」(2007年11月27日付FujiSankei Business i.7頁)の見出しの下、「・・・、香りを重視した洗剤について、花王は『香りのバリエーションが市場を広げるのは近年の傾向』とし、同社は『ニュービーズ』で、『ピンクローズ』『トロピカルブーケ』などの期間限定『香り』を提案。」の記載。
(4)「お天気キャスター・甲斐まり恵さん 香りで眠りを穏やかに」(2008年6月26日付読売新聞東京夕刊10頁)の見出しの下、「・・・、就寝前の貴重な時間に欠かせないのが、アロマオイル。・・・優しい香りで落ち着いた気持ちにさせてくれる『ピンクローズ』や、・・・」の記載。
(5)「美 マリオン」(2008年11月4日付朝日新聞東京夕刊7頁)の見出しの下、「月光の輝きをイメージ」の項に「15日[土]、カネボウ化粧品が、・・・ピンクローズなど4色が入ったアイシャドー、・・・」の記載。
<インターネット情報>
(6)「ルリビオ ピンクローズ ゾンビパック」の見出しの下、商品「パック用化粧品」を紹介して、「[2010]10月1日発売」「ピンクローズ ゾンビパック限定登場」「バラの香りとピンク色のゾンビをお楽しみ下さい。」の記載(http://www.soukai.net/fs/soukai/9026)。
(7)「APIVITA(アピヴィータ) / リップケア ピンクローズ」の見出しの下、商品「リップクリーム」を紹介して、「発売日 2010/9/23」「商品情報詳細 リップケア ピンクローズ」の記載(http://www.cosme.net/product/product_id/10016520/top)。
(8)「MONDAY MOON」において、商品「リップグロス」を紹介して、「秋色グロスキット?オータムピンクローズ?」及び「共同購入 販売期間」の欄に「2010年09月10日22時00分?2010年09月14日10時00分」の記載(http://www.soukai.net/fs/soukai/9026)。

2 申立人の提出に係る甲第4号証ないし甲第17号証によれば、以下の事実を認めることができる。
甲第4号証ないし甲第14号証は、商品「口紅」「パウダーチークス」「リップグロス」などの化粧品に「ピンクローズ」の語が使用されている証左であるが、いずれもインターネットからの紙出力日は2011年3月16日である。
同じく、甲第15号証ないし甲第17号証は、商品「パウダーチークス」「口紅」に「ピンクローズ」の語が使用されている。

3 前記1及び2で認定した事実によれば、「ピンクローズ」の語は、本件商標の登録査定日以前に,メーカー各社により、口紅やアイシャドーなどの化粧品をはじめ、洗剤、アロマオイルなどに使用された結果、これらに接する需要者を含め当該商品を取り扱う業界において、該語が商品の色ないしは香りを表すものとして、定着していたものということができる。
なお、申立人が提出した甲第4号証ないし甲第14号証からは、「ピンクローズ」の語が商品「化粧品」に使用されている時期が明確に把握できないものの、少なくとも本件登録査定時の平成23年1月4日の直後ということができる同年(2011年)3月16日に紙出力されたインターネット情報から判断すると、本件商標登録査定後においても、「ピンクローズ」の語が継続して使用されていることが認められる。
してみると、本件商標は、「ピンクローズ」の文字を標準文字により表してなるものであり、これが実際の商取引において商品の色ないしは香りを表すものとして多数使用されているものである以上、本件商標をその指定商品中、第3類「洗濯用柔軟剤,せっけん類,化粧品,香料類」に使用したときは、これに接する需要者は、商品の色ないしは香り、すなわち、単に商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別機能を発揮する商標とは認識しないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。

異議決定日 2013-03-04 
出願番号 商願2010-71678(T2010-71678) 
審決分類 T 1 651・ 13- ZC (X03)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 田中 幸一 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 寺光 幸子
田中 亨子
登録日 2011-01-21 
登録番号 商標登録第5385155号(T5385155) 
権利者 小林製薬株式会社
商標の称呼 ピンクローズ 
代理人 大島 厚 
代理人 柴田 泰子 

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