• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X03
審判 査定不服 観念類似 登録しない X03
審判 査定不服 外観類似 登録しない X03
管理番号 1272531 
審判番号 不服2012-17536 
総通号数 161 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-09-10 
確定日 2013-03-11 
事件の表示 商願2011-74698拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ナイトケアホワイトリッチ」の片仮名を標準文字で表してなり、第3類「化粧品,美容液,せっけん類,香料」を指定商品として、平成23年10月19日に登録出願されたものである。

2 引用商標
本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4776201号商標(以下「引用商標」という。)は、「WHITERICH」の欧文字と「ホワイトリッチ」の片仮名を二段に書してなり、平成13年6月27日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同16年6月4日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「ナイトケアホワイトリッチ」の文字からなるものであるところ、構成文字全体から生じる「ナイトケアホワイトリッチ」の称呼は12音と比較的冗長なものといえる。
ところで、商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁 平成19年(行ヒ)第223号 平成20年9月8日 第二小法廷判決)。
そこで、これを本願商標についてみると、その構成中「ナイトケア」の文字部分は、「夜間の手入れ」の意味合いを容易に認識しうるものであって、「化粧品、美容液」等については「夜用の化粧品」程の意味合いで使用されていることは別掲のとおりであり、商品の品質(用途)を表示するものとして一般に使用されているものである。
そうとすれば、「ナイトケア」の文字部分は、本願指定商品中「化粧品,美容液」については、「夜用の化粧品」であることを認識させるものであり、商品の品質(用途)を表示するものというのが相当である。
一方、「ホワイトリッチ」の文字部分は、「ホワイト」と「リッチ」の語が知られているとしても、具体的な意味合いを認識させるものではなく、例えば「白色が豊かな」の意味合いを暗示させる場合があるとしても、指定商品の品質を直ちに表示するものいうことはできないから、出所識別標識としての機能を有するものといえる。
してみれば、本願商標は「ナイトケア」の文字と「ホワイトリッチ」の文字からなるものと容易に認識されるものであり、その構成中「ホワイトリッチ」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものであって、その構成文字に相応して、「ホワイトリッチ」の称呼をも生じ、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、上記2のとおり「WHITERICH」と「ホワイトリッチ」の文字からなるものであるから、その文字に相応して「ホワイトリッチ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、それぞれの構成は上記のとおりであって、外観においては、「ホワイトリッチ」の文字部分を共通にする類似の商標といえる。
次に称呼においては、両者は、前記のとおり「ホワイトリッチ」の称呼を共通にし、観念においては、特定の観念を生じるものとはいえないから比較し得ないものである。
そうとすると、本願商標と引用商標は、その観念において比較し得ないものであるとしても、外観において「ホワイトリッチ」の文字を共通にし、「ホワイトリッチ」の称呼を共通にすることから、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標というべきである。
また、本願商標の指定商品は引用商標の指定商品に含まれるものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
なお、請求人は、本願商標は、前部の「ナイトケア」と後部の「ホワイトリッチ」との間に区切り文字やスペースはなく、全体が一体的にまとまりをもった一つの商標である旨主張しているが、「ナイトケア」の語が化粧品分野において、前記のとおり商品の品質・用途を表わすものであって、出所識別標識としての機能を果たし得る部分は「ホワイトリッチ」というべきであるから、請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1.「楽天市場」の「自然派化粧品・コスメブランド>ハウシュカ>フェイスケア>ナイトケア」において、「ドクターハウシュカ」の「Night Careナイトケア」の見出しのもと「28日間、夜のスペシャルケア 夜間、お肌の機能を助け、水分量を保ちつつ・・・イキイキトした素肌に導きます。」の記載がある(http://item.rakuten.co.jp/bio-cosme/c/0000000152/)。
2.「アイビューティストアー」の「シスレーボタニカルナイトケア」において、「シスレーのプロダクトライン」に「デイケア、集中ケア、スペシャルケア、ボディケア、等と併せて『ナイトケア』」が表示されており、「ナイトクリーム」が商品として掲載されている(http://www.ibeautystore.com/brands/13.sisley/lines/288.botanical-nightcare)。
3.「スリムビューティコスメティックス」において「NS化粧品ナイトケア3点セット」として、ローション、エッセンス、保湿クリームがセット販売されている(http://www.slim-net.jp/fs/house/gd17)。
4.「薬用雪肌精のナイトケア(夜用化粧品)のラインナップ」の見出しのもと「夜は乳液よりこちらを│雪肌精クリーム」「雪肌精は毎日使い続けることで美白を叶えてくれるスキンケア製品です。デイリーに使用するのはもちろん、しっかりナイトケアをして、肌の透明度をよりUPさせましょう。」の記載とともに、エッセンス、クリームパック等の商品が掲載されている(http://www.natual7.net/sekkisei/)。
5.全国の最新美容情報が集まるポータルサイトの美容ニュースにおいて、「Shu uemuraディプシーハイドラビリティに2つのナイトケア誕生」の見出しのもと、「肌の浸透性が一日の中で一番高いのは夜。この『肌のゴールデンタイム』=『夜』にしっかりとケアを施し、睡眠中の肌にたっぷりとうるおいを届けることは、肌の回復と再生のサポートへとつながる。・・・週1?2回のスペシャルナイトケアをプラスすることで、より一層うるおいに満ちた輝く美肌へと導いてくれる。」の記載とともに夜用美容液の商品が掲載されている(http://be-core.net/news/item.php?id=682)。

審理終結日 2013-01-17 
結審通知日 2013-01-18 
審決日 2013-01-29 
出願番号 商願2011-74698(T2011-74698) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X03)
T 1 8・ 262- Z (X03)
T 1 8・ 263- Z (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯田 亜紀 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 小俣 克巳
梶原 良子
商標の称呼 ナイトケアホワイトリッチ、ナイトケア、ホワイトリッチ、リッチ 
代理人 松下 昌弘 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ