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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y29 |
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管理番号 | 1262920 |
審判番号 | 取消2012-300076 |
総通号数 | 154 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-10-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2012-02-01 |
確定日 | 2012-08-13 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4863497号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4863497号商標(以下「本件商標」という。)は、「宝龍」の漢字を楷書で毛筆風に横書きしてなり、平成16年10月26日に登録出願、第29類「ミミズの粉末又はその抽出物を主成分とする粉末状・顆粒状・錠剤状・タブレット状・丸薬状・液状・ゲル状・ゼリー状・固形状・ウエハース状・ビスケット状・カプセル状の加工食品」を指定商品として、同17年5月13日に設定登録されたものである。 なお、本件審判請求の登録日は、平成24年2月20日である。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べた。 1 請求の理由 本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専使用権者又は通常使用権者のいずれもが、第29類の指定商品「ミミズの粉末又はその抽出物を主成分とする粉末状・顆粒状・錠剤状・タブレット状・丸薬状・液状・ゲル状・ゼリー状・固形状・ウエハース状・ビスケット状・カプセル状の加工食品」について使用していないものであるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 2 請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第6号証を提出した。 1 理由 (1)本件商標は、その指定商品中「ミミズの抽出物を主成分とするカプセル状の加工食品」につき、商標権者自らによって使用されているので、請求人の主張には理由がない。 (2)乙第1号証 乙第1号証は被請求人たる商標権者作成の本件商標に係る商品のリーフレットであり、卸売店や小売店に対して配布されているものである。 その上欄左側に掲載された写真には、商品の個包装用化粧箱と、該化粧箱内に封入される蓋付き包装用小瓶が示されている。そして、これら化粧箱と小瓶の側面には、本件商標「宝龍」が墨文字風の筆記書体でやや斜めにずらして縦書きされている。 また、リーフレット上欄中ほどには、カプセル1球あたりの組成として「LR末」が主成分であることが記載されているとともに、上欄右側部分に該「LR末」の説明として「ルンブルクスルベルスとは北米等に生息する赤ミミズの学名でこのミミズの中に含まれている血栓溶解酵素(ルンブロキナーゼ)を美原恒教授が発見し、研究開発されたものです。」と記載されていることから、当該商品が「ミミズの抽出物を主成分とするカプセル状の加工食品」であることがわかる。 そして、リーフレット最下欄には、当該商品の製造・総販売元として被請求人たる商標権者「株式会社宝友」が記載されている。 (3)乙第2号証 乙第2号証は、被請求人たる商標権者が、本件商標に係る商品を卸売りした際の納品書写しである。 納品先は健康食品の小売業者であって、平成20年11月10日に5個、平成21年6月3日に10個販売されたことが示されている。なお、先のリーフレットに示されるように、商品の小売価格は14,700円であるが、卸売りのために納品単価は5,880円となっている。 (4)乙第3号証ないし乙第6号証 乙第3号証は、被請求人たる商標権者が、本件商標に係る商品について他社(株式会社作和一級建築士事務所)から所謂OEMによる商品提供の要望を受けて提示した見積書写しである。 平成22年6月4日、ミミズ抽出物たる「LR末」を主成分とするカプセル状の加工食品につき、本件商標「宝龍」を付した商品の納品費用として、10万カプセル、15万カプセル、20万カプセルの3パターンで見積もりしていることが示されている。 乙第4号証は、OEMによる商品提供の要望を受けた前記他社(株式会社作和一級建築士事務所)代表者の名刺写しである。 乙第5号証は、前記OEMによる商品提供にあたり、製造会社(ワキ製薬株式会社)の注文窓口となっている商社(株式会社岩田天仁堂)が被請求人に宛てた見積書写しである。前述のように、被請求人が他社にOEM提供を企画した商品について、乙第3号証に示した費用見積もりの前提として、平成22年(2010年)5月27日、10万カプセル、15万カプセル、20万カプセルの3パターンで製造・納品する場合の費用見積もりがなされたことが示されている。 乙第6号証は、やはり前記OEMによる商品提供にあたり、製造会社(ワキ製薬株式会社)に対して包装資材の制作会社(富山スガキ株式会社)が提示した個包装用化粧箱などの見積書写しである。前述のように、被請求人が他社にOEM提供を企画した商品について、乙第3号証に示した費用見積もりの前提として、平成22年(2010年)5月28日、化粧箱等を作成する場合の費用見積もりがなされたことが示されている。 2 結語 以上説明したとおり、本件商標「宝龍」は、本件審判請求に係る指定商品中「ミミズの抽出物を主成分とするカプセル状の加工食品」の商品商標として使用されていたものであり、日本国内において、少なくとも本件審判請求前3年以内となる平成21年6月3日に、被請求人たる商標権者自らが当該商品を現実に販売した事実があり(商標法第2条第1項第2号)、また、平成22年6月4日に商標権者自らが当該商品に関する取引書類を展示又は頒布した事実があるから(同法第2条第1項第8号)、請求人の主張には理由がない。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出に係る乙各号証からは、以下の事実が認められる。 (1)乙第1号証は、リーフレットであるところ、その上欄左側には、商品の化粧箱と、小瓶の写真が掲載されている。そして、その化粧箱の左上部から中央部にかけ、やや斜めに縦書きされた「宝龍」の文字(行書で毛筆風に書されている。)及び「宝」の文字の右側に、「健康補助食品」の文字等の記載がある。 また、多数のカプセルが入った小瓶の側面には、化粧箱に記載されたものと全く同じ「宝龍」の文字(化粧箱に記載された「宝龍」を併せて、以下「使用商標」という。)が記載されている。 さらに、当該商品の商品の小売価格が14,700円である旨の記載及び当該商品の説明として、「■組成(1球340mg)」の項目中に、「LR末/120mg」「田七人参/45mg」「桑の葉エキス/45mg」「ポリフェノール/30mg」「賦形薬/100mg」の記載、また、その「LR末」の説明として「ルンブルクスルベルスとは北米等に生息する赤ミミズの学名でこのミミズの中に含まれている血栓溶解酵素(ルンブロキナーゼ)を美原恒教授が発見し、研究開発されたものです。」等の記載がある。 さらにまた、リーフレットの左最下欄には、「製造・総販売元」として、商標権者の住所及び名称が記載されているが、作成日などの記載はない。 (2)乙第2号証の2枚目の「納品書(控)」(以下、単に「納品書」という。)は、平成21年6月3日付けで商標権者から「末菅」に宛てたもので、これには、「品名/宝龍」「数量/10」「単価/5880」等の記載がある。 2 以上の事実及び被請求人の主張を総合してみると、以下の事実が認められる。 (1)被請求人は、乙第2号証の納品書により、商標権者が健康食品の小売業者に、本件商標を付した健康食品を販売していることを立証する旨主張しているところ、卸売店や小売店に対して配布されているとする商標権者作成の本件商標に係る商品のリーフレット(乙1)は、その作成日は確認できないとしても、当該リーフレット上欄に記載された健康補助食品(以下「使用商品」という。)に付された使用商標は納品書(乙2)に記載された「品名/宝龍」と符合する。 そして、被請求人は、リーフレットと納品書に掲載された金額(14,700円と5,880円)は一致しないが、5,880円が卸売り価格である旨主張するところ、当該被請求人の主張は肯首し得るものであるから、リーフレット及び納品書に掲載された商品は同一のものと推認し得る。 そうしてみると、リーフレットに掲載された、使用商標「宝龍」の文字を付した使用商品である健康食品が、本件審判の請求の登録前3年以内である平成21年6月3日付けで商標権者から、顧客に納品されたものと推認し得る。 そして、使用商品は、その組成の1つとして、赤ミミズの抽出物に由来する「LR末」を含むものであって、かつ、他の組成と比べてみれば、「LR末」が使用商品の主成分であることが認められるものである。 してみれば、使用商品は、「ミミズの抽出物を主成分とするカプセル状の加工食品」に相当する商品といえるものであって、これは、取消請求に係る指定商品の範疇に属する商品といえる。 また、使用商標は、本件商標と書体の態様等の違いはあるものの、同じ構成文字からなるから、本件商標と社会通念上同一の商標といえる。 (2)小括 以上によれば、本件審判の請求の登録前3年以内である平成21年6月3日に、商標権者は、請求に係る指定商品の範疇に属する「ミミズの抽出物を主成分とするカプセル状の加工食品」に本件商標と社会通念上同一の商標を付したものを顧客に譲渡したものと認められる。 そして、商標権者による上記行為は、「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為」(商標法第2条第3項第2号)に該当するものである。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者によって、本件商標と社会通念上同一の商標を請求に係る商品について使用していたことを証明したものというべきである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-06-14 |
結審通知日 | 2012-06-18 |
審決日 | 2012-07-02 |
出願番号 | 商願2004-97896(T2004-97896) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Y29)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
鈴木 修 小川 きみえ |
登録日 | 2005-05-13 |
登録番号 | 商標登録第4863497号(T4863497) |
商標の称呼 | ホーリュー、タカラリュー |
代理人 | 森 寿夫 |
代理人 | 佐藤 英世 |