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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 X09 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X09 |
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管理番号 | 1259763 |
審判番号 | 不服2011-21387 |
総通号数 | 152 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-08-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-10-04 |
確定日 | 2012-07-17 |
事件の表示 | 商願2009-96507拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年12月21日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、同22年12月6日付けの手続補正書によって、第9類「多数のLEDを用いたスリム型のテレビジョン受信機,多数のLEDを用いたスリム型のコンピュータ用モニター」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、近時のレタリング技法の多様等を考慮すると、未だ普通に用いられる域を脱しない方法で表示してなるものといい得るものであり、また、その指定商品との関係において、その構成中の「FULL」の文字部分が「全部」等を、「LED」の文字部分が「発光ダイオード」等を、「Slim」の文字部分が「細いさま」等を、「Contrast Ratio」の文字部分が「コントラスト比」をそれぞれ意味する語として親しまれるものであって、また、「7,000,000:1」の数字部分は、上記コントラスト比を表したものと看取されるものであるから、本願商標は、全体として「全部LEDを用いたスリム型であって、コントラスト比が700万:1である」程の意味合いを容易に想起させるものである。そして、「テレビジョン受信機」等においては、省電力や高速応答性等を向上させるために、バックライトにすべてLED(発光ダイオード)を用いたスリム型の商品が広く開発、販売されている実情が見受けられることからすれば、本願商標をその指定商品中、「テレビジョン受信機」等に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、「全部LEDを用いたスリム型であってコントラスト比が700万:1であるテレビジョン受信機」であること、すなわち、単に商品の品質(機能)、形状を表示したものとして理解するにとどまり、自他商品の識別標識として機能し得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、別掲のとおり、左方から順に、矩形内に書された「FULL」の欧文字、点描で描かれた「LED」の欧文字、「slim」の欧文字、下部を黒塗りした矩形内の上部に「7,000,000:1」の文字を、黒塗りされた下部に白抜きで「Contrast Ratio」の欧文字をそれぞれ異なる書体、異なる大きさで横一列に表してなるものである。 そして、その構成中の「FULL」の文字は、「全部」の意味を、「LED」の文字は、「発光ダイオード」の意味を、「slim」の文字は、「ほっそりした」の意味をそれぞれ意味する英語である(「講談社英和中辞典」株式会社講談社 1994年11月28日発行)。また、「Contrast Ratio」の文字部分は、「ディスプレイやプロジェクターなどの性能を示す指標の一つ。白を表示したときと黒を表示したときの輝度を測定し、2つの輝度の比で表す。」(「日経パソコン用語辞典2009年版」日経BP社 2008年10月20日発行)を意味する語として知られ、本願の指定商品との関係よりすれば、「コントラスト比」と称されるものであるから、該文字と上段の「7,000,000:1」の文字との組み合わせからは、「コントラスト比が700万:1」の意味を容易に理解させるものである。 しかして、本願商標の各構成部分は、上記のとおり、それぞれ構成態様が異なり、その構成文字同士の結合度合いは低いものであるから、たとえ各構成文字に上記のような意味をそれぞれが有するとしても、かかる構成からなる本願商標からは、原審において説示する「全部LEDを用いたスリム型であってコントラスト比が700万:1であるテレビジョン受信機」の意味合いを直ちに認識させるとまではいい難く、全体を一つの造語とみるべきものである。 そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、単に商品の品質(機能)、形状を普通に用いられる方法で表示してなるものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、その指定商品中のいずれの商品に使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないというべきである。 したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に、本願についての拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標![]() |
審決日 | 2012-07-02 |
出願番号 | 商願2009-96507(T2009-96507) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
WY
(X09)
T 1 8・ 13- WY (X09) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大房 真弓、中島 光、冨澤 美加、鈴木 斎 |
特許庁審判長 |
関根 文昭 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 吉野 晃弘 |
商標の称呼 | フルエルイイデイスリム、フルレッドスリム、フルエルイイデイ、フルレッド、フル、コントラストレシオ、コントラストラティオ、コントラスト、レシオ、ラティオ |
代理人 | 田島 壽 |
代理人 | 山口 現 |
代理人 | 青木 篤 |