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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X30 審判 全部申立て 登録を維持 X30 |
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管理番号 | 1253738 |
異議申立番号 | 異議2011-900374 |
総通号数 | 148 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-04-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-10-18 |
確定日 | 2012-03-23 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5426570号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5426570号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5426570号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成22年10月18日に登録出願、同23年5月6日に登録査定、第30類「三輪産のそうめんのめん」を指定商品として、同年7月22日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 (1)申立人が引用する商標 申立人が引用する登録第2219632号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおり「三輪素麺」の文字からなり、昭和56年7月8日に登録出願、商標法第3条第2項の適用により第32類「そうめん」を指定商品として平成2年3月27日に設定登録、その後、同22年2月10日に指定商品を第30類「そうめんのめん」とする指定商品の書換登録がなされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 (2)具体的理由 ア 本件商標について 本件商標は、「三輪素麺」と縦書きに大書した文字と、その文字の背景にあたかも仏像の光拝のごとく現された図形との結合商標である。 そして、その図形部分は、文字の一部である「輪」「素」「麺」の文字に隠れ分断して現わされているため具体的な図形を明瞭に認識し難く、全体としてその印象は、あたかも仏像の光拝のごとくにしか認識できず、商標の構成上、広義の商品識別力のない部分であり、本件商標の要部は、「三輪素麺」と現した文字にある。 したがって、需要者は、「三輪素麺」と縦書きに大書した文字にまず注意をひかれ、図形部分は具体的な観念を生じない漠然とした図形としか認識できず、しかも図形部分が商標権者の商品「三輪産のそうめんのめん」と必然的に関連する根拠はない。 よって、本件商標は、「三輪素麺」の文字から「ミワソーメン」の称呼を生じるものである。 イ 引用商標について 引用商標は、上記(1)のとおり、「三輪素麺」の文字からなる使用による顕著性を有する周知商標であって、該文字から「ミワソーメン」の称呼を生じるものである。 そして、引用商標は第30類「そうめんのめん」に使用されている。 ウ 商標法第4条第1項第10号について 本件商標と引用商標とは、「ミワソーメン」の称呼を共通にする同一又は類似の商標であって、本件商標の指定商品「三輪産のそうめんのめん」と引用商標を使用している商品「そうめんのめん」は、同一又は類似の商品である。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。 エ 商標法第4条第1項第11号について 上記のとおり、本件商標と引用商標とは「ミワソーメン」の称呼を共通にする同一又は類似の商標である。 そして、本件商標の指定商品「三輪産のそうめんのめん」と引用商標の指定商品「そうめんのめん」とは同一又は類似の商品である。 また、本件商標は、引用商標より後願の商標登録出願に係るものである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 3 当審の判断 本件商標は、別掲(1)のとおり「三輪素麺」の文字と図形とを結合してなるものである。 そして、本件商標の構成中「三輪素麺」の文字は、「奈良県三輪地方特産の素麺」を意味する(株式会社三省堂発行「大辞林第三版」)ものであり、本件商標の指定商品「三輪産のそうめんのめん」については、その商品の産地、品質を表示したものと認識させるにすぎないものと判断するのが相当である。 そうすると、本件商標は、たとえその中央に「三輪素麺」の文字が表されているとしても、該文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないといわなければならないから、当該文字部分だけを分離して他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されないものというべきである。 また、申立人からこれを覆すに足る証拠の提出はない。 してみれば、本件商標の構成中「三輪素麺」の文字部分のみをとらえて、本件商標から「ミワソーメン」の称呼が生じるとし、その上で、本件商標と引用商標とが称呼を共通にする類似の商標であるとする申立人の主張は採用することはできない。 そして、別掲(1)のとおりの構成からなる本件商標と別掲(2)のとおりの構成からなる引用商標とは、外観において相紛れるおそれのないこと明らかであり、称呼及び観念においては本件商標から特定の称呼及び観念を生じないから比較することができないものである。 そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標とはいえないから、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当するものと認めることができない。 以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に違反して登録されたものということができず、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標(色彩については原本参照。) (2)引用商標 |
異議決定日 | 2012-03-13 |
出願番号 | 商願2010-80868(T2010-80868) |
審決分類 |
T
1
651・
26-
Y
(X30)
T 1 651・ 25- Y (X30) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 目黒 潤、金子 尚人 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
瀧本 佐代子 小畑 恵一 |
登録日 | 2011-07-22 |
登録番号 | 商標登録第5426570号(T5426570) |
権利者 | 巽製粉株式会社 |
商標の称呼 | ミワソーメン、ミワメン |
代理人 | 日比 紀彦 |
代理人 | 渡邊 彰 |
代理人 | 築山 正由 |
代理人 | 岸本 瑛之助 |