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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X30
審判 一部申立て  登録を維持 X30
審判 一部申立て  登録を維持 X30
管理番号 1248135 
異議申立番号 異議2011-900169 
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-05-10 
確定日 2011-11-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第5402361号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5402361号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5402361号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成21年8月20日に登録出願、 第30類「菓子及びパン,氷菓子,ゼリー菓子,茶,紅茶,コーヒー及びココア」を指定商品として、同23年4月1日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1474596号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和52年6月29日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同56年8月31日に設定登録され、その後、指定商品については、平成13年11月21日に、第30類「菓子,パン」に書換登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)理由の要点
本件商標の構成中、「Baby」の文字部分及び飾りと認識される花や蝶等の図形部分は自他商品識別機能を有さないから、本件商標の要部は「Mon chouchou」の文字部分にあり、これより「モンシュシュ」の称呼及び「私のお気に入り」の観念が生じる。
他方、引用商標からも「モンシュシュ」の称呼及び「私のお気に入り」の観念が生じる。
してみれば、本件商標は、その構成中、要部である「Mon chouchou」の文字部分において、外観、称呼及び観念上、引用商標と同一又は類似するものであり、本件商標の指定商品中「菓子及びパン,氷菓子,ゼリー菓子」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「菓子及びパン,氷菓子,ゼリー菓子」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断
本件商標は、別掲(1)のとおり、「Baby」、「Mon」及び「chouchou」の欧文字を上中下三段に分けて、「Baby」と「Mon」を同じ大きさで、「chouchou」を僅かに小さく、それぞれ筆記体で横書きし、その左側に蕾の図形を配し、さらに、上段の「B」の文字の左上に蝶とおぼしき図形を配置した、文字と図形を組み合わせた結合商標である。
そして、本件商標は、構成中の三段からなる欧文字部分は同じ書体で書してなるものであること、中段の「M」の文字は、該文字の左下端と右上端がそれぞれリボン状に延びた飾り文字となっており、該文字の左下端をリボン状に延ばした部分は、左側の蕾の曲線状の茎へと、該文字の右上端をリボン状に延ばした部分は、上段の「a」の文字と接した後に、上段の「y」の文字の下端へとそれぞれ繋がっていること、上段の「B」の文字は、該文字の左上端がリボン状に延びた飾り文字となっており、蝶とおぼしき図形が該リボン状に延ばした部分にとまっているかのように配されていること、下段の最初の「h」の文字の上端が中段の「M」の文字と接していることなどから、文字及び図形の構成全体として、外観上、まとまりよく一体的に表されているものである。
また、構成文字中の「Baby」が「赤ん坊。(普通より)小さい物[人]。」の意味を有する英語(株式会社研究社発行「研究社 新英和大辞典 第6版」)、「Mon」が「私の」の意味、「chouchou」が「お気に入り」の意味をそれぞれ有する仏語(株式会社白水社発行「ディコ仏和辞典」)であるところ、このうち「Mon」及び「chouchou」の仏語については、我が国において一般に知られているものとはいえず、本件指定商品との関係で、商品の品質等を表示するものともいえないものである。
一方、「Baby」の英語については、前記した意味を有する語として我が国において親しまれたものであるが、当審における職権調査によれば、本件指定商品中「菓子及びパン,氷菓子,ゼリー菓子」の分野において、「Baby」の文字が、例えば「mini(ミニ)」の文字のように、既存の商標に付加する形でその商品が通常の大きさや形よりも小さなものであるといった商品の品質等を表すものとして、取引上普通に使用されているという実状を見いだすことはできなかった。
これに加えて、前記した本件商標の構成態様も考慮すれば、本件商標が指定商品中「菓子及びパン,氷菓子,ゼリー菓子」について使用されたとしても、構成中「Baby」の文字部分が商品の品質等を表示するものとして直ちに理解され得るものとも言い難く、また、他に構成中の「Mon」及び「chouchou」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情も見いだせない。
さらに、構成全体から生ずる「ベビーモンシュシュ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
よって、本件商標は、構成中の「Mon」及び「chouchou」の文字部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとも、また、構成中の「Mon」及び「chouchou」の文字以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものとも認められないものである。
してみれば、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成全体をもって、一体不可分のものと認識し、把握するとみるのが自然であるから、本件商標は、その構成全体から「ベビーモンシュシュ」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じないものとするのが相当である。
そうとすれば、本件商標の要部を「Mon」及び「chouchou」の文字部分とした上で、外観、称呼及び観念上、本件商標が引用商標に類似するものであるとの申立人の主張は認められない。他に、本件商標が引用商標に類似するとみるべき理由もない。
したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似するものと判断することはできないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
ところで、申立人は、本件商標に係る拒絶査定不服審判事件の登録審決(甲1の3)は、本件商標権者による「baby/Mon/chouchou(図形付き)」「ベビーモンシュシュ」等の標章の使用が引用商標の商標権を侵害する旨の判決(甲6)、及び「baby/Monchouchou」「ベビーモンシュシュ」に対する需要者の認識に基づく取引の実情(甲7)を無視したもので、商標法第4条第1項第11号の適用を誤ったものである旨述べている。
しかしながら、申立人が指摘する商標権侵害差止等請求事件(東京地方裁判所平成22年(ワ)第4461号、甲6)は、本件商標とはその構成等が異なる別の商標(甲6の被告標章目録参照)に関する判決である上、そもそも同判決は、商標権の侵害の成否を争点とする訴訟の判決であり、同判決の判示が、商標の登録要件に関する本件異議決定の認定、判断に影響を与えるものでないことは明らかであるから、同判決に係る申立人の主張は採用することができない。
また、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、単に当該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的な実情を指すものではなく、指定商品全般についての一般的、恒常的な実情を指すものと解すべきである(最高裁判 第一小法廷昭和49年4月25日判決・昭和47年(行ツ)第33号参照)ところ、申立人主張に係る取引の実情は、甲第7号証によれば、そもそも本件商標とはその構成等が異なる別の使用商標(「ベビーモンシュシュ」「Baby Mon chou chou」「baby/Mon/chouchou(図形付き)」等)に係るものであることに加え、当該使用商標が現在使用されている「洋菓子」という一部指定商品についてのみの特殊的、限定的な実情にとどまるものであるから、採用することはできない。
なお、仮に、申立人が主張する取引の実情を考慮する余地があったとしても、甲第7号証によれば、その内容は、洋菓子店「ベビーモンシュシュ」について、堂島ロールで有名な本件商標権者(株式会社モンシュシュ)の「パティシェリーモンシュシュ」又は「モンシュシュ」の姉妹店として大丸東京店又は同梅田店にオープンした新ブランド(姉妹ブランド)と紹介している雑誌記事等であって、これに接する需要者もそのように認識しているものと認められるから、結局、具体的な取引の実情においては何ら出所の混同が生じていないということにほかならないものである。
また、申立人は、既存の商標に「baby(ベビー)」の文字を付加することによりブランドのバリエーションを図りつつも、「baby(ベビー)」以外の部分の出所識別力によって同一の出所を表示するものとして一般に認識されている事情が存すると述べ、具体的に「トイザらス」に対する「ベビーザらス」、「ディオール/Dior」に対する「ベビーディオール/babyDior」の例を指摘している。
しかしながら、当審における職権調査によれば、申立人が挙げる具体例はいずれも主として赤ちゃん関連の商品(おもちゃ、ベビーカー、哺乳瓶、おしゃぶり、被服等)について使用されているケースであり、「baby」の意味する内容や商品の分野が本件の争点とは異なるものであることに加え、「ベビーザらス」については、そもそも「baby(ベビー)」の文字が既存の商標(「トイザらス」)に付加されている例ではないこと、また「ベビーディオール/babyDior」については、「Dior(ディオール)」が著名な高級ブランドと認められることなどから、いずれも本件とは事情を異にするものといわざるを得ない。
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標



(2)引用商標



異議決定日 2011-11-16 
出願番号 商願2009-63581(T2009-63581) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (X30)
T 1 652・ 263- Y (X30)
T 1 652・ 261- Y (X30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 薩摩 純一大森 健司 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 森山 啓
小川 きみえ
登録日 2011-04-01 
登録番号 商標登録第5402361号(T5402361) 
権利者 株式会社モンシュシュ
商標の称呼 ベビーモンシュシュ、ベビーモンシューシュー、モンシュシュ、モンシューシュー 
代理人 永田 良昭 
代理人 特許業務法人 有古特許事務所 

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