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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X03
審判 全部申立て  登録を維持 X03
管理番号 1246544 
異議申立番号 異議2011-900037 
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-02-07 
確定日 2011-10-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第5366645号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5366645号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5366645号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハミングナチュラル」の文字を標準文字で表してなり、平成22年6月7日に登録出願、第3類「かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同年9月28日に登録査定、同年11月5日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第57号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 申立人の引用する商標
(1)登録第4243520号商標は(以下「引用商標1」という。)は、「ハミング」の文字を標準文字で表してなり、平成9年7月7日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年2月26日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4832383号商標は(以下「引用商標2」という。)は、「HUMMING」の欧文字と「ハミング」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、平成16年5月11日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同17年1月14日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
なお、上記引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用各商標」という。
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用各商標の比較
本件商標は、「ハミングナチュラル」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は全体として既成語ではなく、「ハミング」の文字と「ナチュラル」の文字を結合した結合商標であり、前半部の「ハミング」は申立人が「帯電防止剤、柔軟仕上剤」に使用して、需要者や取引者の間に広く知られている「ハミング」と同じであるから、需要者や取引者は、その語を強く印象付けて記憶し、その語により取引を行う。
してみると、本件商標は「ハミング」の称呼を生じるものである。この称呼は、申立人の所有する引用各商標から生じる「ハミング」の称呼と同一であるから、本件商標は引用各商標に称呼上類似する商標といわなければならない。
イ 指定商品の比較
本件商標に係る指定商品は、引用各商標に係る指定商品と同一又は類似である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用各商標は、「帯電防止剤、柔軟仕上剤」の商標として古くから使用され、本件商標の登録出願前から現在に至るも申立人の商品を示すものとして需要者や取引者に広く認識されている。
よって、引用各商標と同一の称呼を有する本件商標が、その指定商品に使
用されると商品の出所について混同を生じるおそれがある。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標は、引用各商標に称呼上類似する商標であり、その指定商品も引用各商標に係る指定商品と同一又は類似であるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、また、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのある商標であるから、同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきものである。

第3 当審の判断
1 引用各商標の著名性について
引用各商標は、申立人が「柔軟仕上剤、帯電防止剤」について1966年から現在まで継続して使用し、かつ、2001年2月から現在まで継続してテレビ等を通じた宣伝広告活動を行ってきた結果、申立人の業務に係る商品「柔軟仕上剤、帯電防止剤」を表示するものとして、本件商標の登録出願の時から、その需要者の間に広く認識されていたものと認めることができる(甲第9号証ないし甲第50号証)。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり「ハミングナチュラル」の文字を標準文字で同書、同大、等間隔でまとまりよく一体に表してなるものであって、これから生じる「ハミングナチュラル」の称呼も格別冗長なものでなく、無理なく一連に称呼し得るものであるから、本件商標は「ハミングナチュラル」の構成文字全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識されるとみるのが自然である。
また、申立人は、「ハミング」が取引者や需要者の間で広く認識されているから、本件商標は「ハミング」の称呼を生じる旨主張しているが、後述の3のとおり、本件商標はその構成文字全体が一体不可分のものとして認識されるものと判断するのが相当であるから、申立人の主張は採用できない。
してみれば、本件商標は「ハミングナチュラル」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものといわなければならない。
(2)引用各商標について
引用商標1及び引用商標2がそれぞれ上記第2 1のとおり、「ハミング」及び「HUMMING」と「ハミング」の文字からなるものであるから、いずれも「ハミング」の称呼、「ハミング(口を閉じて声を鼻に抜いてメロディーだけで歌うこと)」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用各商標の比較
本件商標から生じる称呼「ハミングナチュラル」と引用各商標から生じる「ハミング」の称呼とは、その音構成及び音数に明らかな差異を有するから、称呼上区別し得るものである。また、両者は、外観においても明らかな差異があり、観念においては比較できないものである。
したがって、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
3 商標法第4条第1項第15号について
引用各商標が上記1のとおり、申立人の業務に係る商品「柔軟仕上剤、帯電防止剤」を表示するものとして、その需要者の間で広く認識されているとしても、引用各商標が使用されている商品が「柔軟仕上剤、帯電防止剤」に限られていること、「ハミング」が既成語であって、独創性を有する文字(語)でないこと、本件商標の指定商品は「柔軟仕上剤、帯電防止剤」と異なる商品であること、及び上記(1)のとおりの本件商標の構成、称呼をあわせみれば、本件商標は看者をしてその構成中の「ハミング」の文字部分に着目するというより、むしろその構成文字全体が一体不可分のものとして認識されるものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、商標権者がこれをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が引用各商標又は申立人を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的、組織的の関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさぜるおそれはないものといわなければならない。
4 まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-10-12 
出願番号 商願2010-45094(T2010-45094) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X03)
T 1 651・ 271- Y (X03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 前山 るり子 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 小畑 恵一
瀧本 佐代子
登録日 2010-11-05 
登録番号 商標登録第5366645号(T5366645) 
権利者 株式会社エイジアイ
商標の称呼 ハミングナチュラル 
代理人 宇野 晴海 

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