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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない X25
審判 査定不服 観念類似 登録しない X25
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X25
管理番号 1246461 
審判番号 不服2010-18583 
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-08-18 
確定日 2011-11-01 
事件の表示 商願2009-30815拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年4月23日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同22年2月23日受付の手続補正書により、第25類「被服,運動用特殊衣服(剣道衣,柔道衣,空手衣を除く。)」と補正されたものである。

2 引用商標
原審において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)商標登録第482726号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和30年9月30日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同31年6月7日に設定登録され、その後、昭和52年3月7日、同61年7月17日、平成8年11月28日及び同18年3月28日の四回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同19年7月11日に第24類「布製身の回り品」及び第25類「被服(頭から冠る防虫網・あみ笠・すげ笠・ナイトキャップ除く。),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,運動用特殊衣服(剣道衣・柔道衣・空手衣を除く。)」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)商標登録第522909号商標(以下「引用商標2」という。)は、「Champion」の欧文字を筆記体で横書きしてなり、昭和29年2月24日に登録出願、第65類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同33年7月3日に設定登録され、その後、昭和53年9月1日、同63年7月21日、平成10年7月28日及び同20年7月8日の四回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同20年12月3日に第6類「アイゼン,カラビナ,ハーケン,金属製飛び込み台」、第8類「水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル」、第9類「ウエイトベルト,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」、第19類「飛び込み台(金属製のものを除く。)」、第20類「スリーピングバッグ,揺りかご,幼児用歩行器」、第21類「コッフェル」、第25類「剣道衣・柔道衣・空手衣,スポーツ用のウエットスーツ(潜水用のものを除く。)」及び第28類「おもちゃ(おもちゃ花火・折り紙・きびがら・千代紙を除く),人形,運動用具(体育用器械器具・体操用器械器具・スターターピストル・スケート靴を除く。)」とする指定商品の書換登録がされたものである。

3 当審における審尋(要旨)
当審において、平成23年2月17日付け審尋をもって、本願商標は、同21年10月13日付け拒絶理由通知に引用した登録第482726号商標(引用商標1)と類似の商標であって、当該商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、引用商標2のほかに引用商標1との関係においても商標法第4条第1項第11号に該当するという先の拒絶の理由は解消していない旨をあらためて通知し、相当の期間を指定して請求人に対し意見を述べる機会を与えた。

4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
本願商標は、引用商標1とは、その外観を著しく異にすること及び本願商標は、我が国を含め世界的に広く知られた商標であるから、出所の混同を生ずるおそれのない商標である。また、本願商標と引用商標2とは、その指定商品が完全に非類似である。

5 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「C」の欧文字を図案化しているとはいえ、「Champion」の欧文字からなるものと容易に看取されるものであるところ、当該「Champion」の文字は、我が国で広く親しまれた英語であることから、本願商標は、当該文字に相応して「チャンピオン」の称呼及び「(競技の)優勝者」の観念を生ずるものというのが相当である。
(2)引用商標1について
引用商標1は、別掲2のとおりの構成よりなるところ、その構成に係る図形部分と文字部分とを常に一体不可分のものとして観察しなければならない格別の事情もないから、その構成中の「CHAMPION」の欧文字部分も独立して取引に資されるものというのが相当である。そうすると、当該文字は、先に説示のとおり、我が国でも広く一般に親しまれた英語であるから、引用商標1は、当該文字に相応して「チャンピオン」の称呼及び「(競技の)優勝者」の観念を生じるものである。
(3)引用商標2について
引用商標2は、前記2(2)のとおり「Champion」の欧文字を筆記体で書してなるところ、そのつづりは、本願商標と同一であり、かつ、当該文字は、先に説示のとおり、我が国でも広く一般に親しまれた英語であるから、引用商標2は、当該文字に相応して「チャンピオン」の称呼及び「(競技の)優勝者」の観念を生じるものである。
(4)本願商標と引用商標1及び2との類否について
前記(1)及び(2)のとおり、本願商標と、引用商標1とは、外観において相違するとしても、称呼及び観念を共通にする類似の商標といわざるを得ず、また、本願の指定商品と引用商標1の指定商品とは、同一又は類似するものである。
また、前記(1)及び(3)のとおり、本願商標と、引用商標2とは、それらの構成に係る欧文字のつづりを同一とするから、書体が相違するとしても、外観において近似した印象を受けるものというべきであって、かつ、称呼及び観念を共通にする類似の商標といわざるを得ない。
しかして、本願の指定商品「運動用特殊衣服(剣道衣,柔道衣,空手衣を除く。)」には、「剣道衣,柔道衣,空手衣」が含まれないことから、引用商標2の指定商品とは、同一の商品ではないとしても、「剣道衣,柔道衣,空手衣」を除く本願の指定商品「運動用特殊衣服」と、引用商標2の指定商品「剣道衣,柔道衣,空手衣」とは、それらの製造者、取引者、販売者、需要者の範囲が一致することも少なくないことからすれば、類似するものというべきである。
加えて、引用商標2の指定商品中には、前記「剣道衣,柔道衣,空手衣」以外にも本願の指定商品と類似する商品が存する。例えば、引用商標2の指定商品中、第28類「運動用具(体育用器械器具・体操用器械器具・スターターピストル・スケート靴を除く。)」と、本願の指定商品「運動用特殊衣服(剣道衣,柔道衣,空手衣を除く。)」とは、それらの製造者、取引者、販売者、用途、需要者の範囲が一致することも少なくないことからすれば、類似する商品であるというべきである。
以上からすれば、本願の指定商品と引用商標2の指定商品とは類似するものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、引用商標1のように、図形と文字からなる商標は、全体から判断するのが需要者・取引者の通念である旨主張する。
しかしながら、簡易、迅速をたっとぶ取引の実際においては、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必らずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである。しかして、この場合、一つの称呼、観念が他人の商標の称呼、観念と同一または類似であるとはいえないとしても、他の称呼、観念が他人の商標のそれと類似するときは、両商標はなお類似するものと解するのが相当である(昭和37年(オ)第953号、最高裁判所第一小法廷昭和38年12月5日判決参照)。しかして、引用商標1の図形部分と「CHAMPION」の欧文字部分とは画然と分かれて表されているものであり、それらを分離して観察することが取引上不自然と思われるほどに不可分的に結合しているものとは認められないというのは、前記(2)のとおりである。したがって、引用商標1の構成中の「CHAMPION」の欧文字部分を抽出して、本願商標と対比して類否を判断することも、本件において適切なものというべきである。
イ 請求人は、前記アに続けて、本願商標のように、長年使用し、日本国内を含む世界各国において広く知られた商標である場合は、一般にその外観のみでも十分に識別力を有している旨主張する。
しかしながら、請求人の主張に係る「一般にその外観のみでも十分に識別力を有しており」との主張は、本件の審理に係る商標法第4条第1項第11号の判断にどのように関連するのか判然としないが、本願商標からは、その構成に相応して「チャンピオン」の称呼及び「(競技の)優勝者」との観念を自然に生ずるものといえ、そうとするならば、それらの称呼、観念をもって引用商標1及び2との類否を判断することも本件において適切なものというべきである。
ウ 請求人は、引用商標2の書換登録に係る第25類「剣道衣、柔道衣、空手衣、スポーツ用ウエットスーツ(潜水用のものを除く。)」は、原商標登録に含まれているとは認められないから、これを認めた書換登録は誤りであり、少なくとも当該部分は無効である。本願の指定商品は補正により、第25類「被服,運動用特殊衣服(剣道衣・柔道衣・空手衣を除く。)」であり、「運動用特殊衣服」から「剣道衣・柔道衣・空手衣を除く。」としている。よって、本願の指定商品「運動用特殊衣服(剣道衣・柔道衣・空手衣を除く。)」が引用商標2の指定商品と類似するとした原査定は誤りである旨主張する。
しかしながら、引用商標2の設定登録時(昭和33年7月3日)の指定商品は、大正10年法下における商品ノ類別第65類「玩具及び運動遊戯具」であることが、その商標登録原簿の記載に徴して明らかである。しかして、当該指定商品中の「運動遊戯具」については、その中に「剣道衣,柔道衣,空手衣」が含まれるものであり、商標法附則第14条第1項第1号にいう「その書換登録が申請に係る商標権の指定商品の範囲を実質的に超えてされたとき」には、当たらないものというべきである。そうとすれば、引用商標2の書換後の指定商品「剣道衣,柔道衣,空手衣」については、前記の無効事由(商標法附則第14条第1項第1号)が存するものということはできない。
してみれば、前記(4)で説示したとおり、本願の指定商品と引用商標2の指定商品とは、同一の商品ではないとしても、本願の指定商品「運動用特殊衣服(剣道衣,柔道衣,空手衣」を除く。)」と、引用商標2の指定商品第25類「剣道衣,柔道衣,空手衣」とは類似の商品であるから、請求人の主張は理由がないものというべきである。
エ 請求人は、前記ウに続けて、必要ならば引用商標2の書換登録の無効審判を請求することも検討する旨、審判請求の理由中で主張する。
しかしながら、前記ウのとおり、商標法附則第14条第1項第1号の要件に照らすならば、請求人の所論に係る「剣道衣,柔道衣,空手衣」についての書換登録の無効事由が存するということはできない。加えて、審判請求日(平成22年8月18日)から相当の期間が経過した現在において、引用商標2に係る商標登録原簿の記載に徴しても、いまだ書換登録の無効審判の請求に係る予告登録(商標登録令第1条の2第3号)がなされていない。
そうとすれば、請求人の主張に係る前記の書換登録の無効審判の請求を待つべき合理的な理由も存しない。
したがって、前記の請求人の主張は、いずれも採用できない。
(6) むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)


別掲2(引用商標1)


審理終結日 2011-06-08 
結審通知日 2011-06-10 
審決日 2011-06-21 
出願番号 商願2009-30815(T2009-30815) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X25)
T 1 8・ 262- Z (X25)
T 1 8・ 263- Z (X25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 正樹 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 内田 直樹
前山 るり子
商標の称呼 チャンピオン 
代理人 本多 庸二 

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