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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X30
管理番号 1238491 
異議申立番号 異議2010-900313 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-10-08 
確定日 2011-05-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5336205号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5336205号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5336205号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成20年6月2日に登録出願、第30類「宇都宮産のぎょうざ」を指定商品として、同22年6月14日に登録査定、同年7月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4546706号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成12年5月17日に登録出願された商願2000-53565に係る商標法第11条第2項の規定による商標登録出願として、平成13年8月2日に団体商標として登録出願され、同法第3条第2項の要件を具備する商標として、第30類「ぎょうざ」及び第42類「ぎょうざの提供」を指定商品及び指定役務として、平成14年2月22日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
引用商標は、申立人の組合員等が製造、販売する「ぎょうざ」及び「ぎょうざの提供」について使用された結果、商標法第3条第2項の適用を受けて登録された商標であり、需要者の間に広く認識されている商標である。
本件商標は、引用商標と同一の文字である「宇都宮」及び「餃子」の文字を構成中に含んでなるものであるから、これをその指定商品について使用した場合は、申立人又は申立人の組合員と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)引用商標の著名性等について
引用商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなるものであるところ、前記2のとおり、商品及び役務の区分第30類「ぎょうざ」及び第42類「ぎょうざの提供」について使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができる商標として、商標法第3条第2項の適用を受けて登録された団体商標であって、その著名性については、本件商標の登録出願日(平成20年6月2日)及び登録査定日(平成22年6月14日)の時点においても継続していたことは、申立人の提出した甲第4号証ないし甲第90号証を総合勘案すると認めることができる。
そうすると、引用商標は、本来的には、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得なかった標章であったが、使用をされた結果、商品及び役務の区分第30類「ぎょうざ」及び第42類「ぎょうざの提供」について、自他商品及び自他役務の識別力を有するに至った商標であるから、別掲(2)のとおりの構成そのものが自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を発揮するというべきものである。したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「ウツノミヤギョウザ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「宇都宮餃子」の観念を生ずるものといわなければならない。
(2)本件商標と引用商標の類否
ア 本件商標は、別掲(1)のとおり、「宇都宮」の文字を太字で大きく横書きし、その右に、眼鏡をかけた女性の顔を漫画風に表した図形と該図形の下に「たまちゃん」の文字を細字で小さく横書きし、さらに、これらの文字と図形の下に、「玉ちゃん餃子」の文字を太字で大きく横書きして(ただし、「ちゃん」の文字部分は、「玉」及び「餃子」の各文字に比べ小さく表されている。)なるものである。
ところで、栃木県宇都宮市が、商品「ぎょうざ」の産地・販売地、あるいは、提供場所として全国的に知られていることは、申立人の提出した証拠からも認め得るところである。そうすると、本件商標中の「宇都宮」の文字部分は、その指定商品との関係から商品の産地ないし販売地を表したと直ちに理解されるものである。また、本件商標中の「餃子」の文字部分は、商品の普通名称を表すものである。してみると、本件商標をその指定商品「宇都宮産のぎょうざ」について使用するときは、その構成中の「宇都宮」及び「餃子」の各文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない部分であるのに対し、図形部分並びに該図形の愛称と理解される「たまちゃん」及び「玉ちゃん」の各文字部分は、需要者に強く印象付けられる部分であり、自他商品の識別標識としての機能を強く発揮する部分であるといわなければならない。
したがって、本件商標は、その構成文字全体を称呼した場合の「ウツノミヤタマチャンギョウザ」の称呼、あるいは、産地・販売地としての「宇都宮」の文字部分を省略した場合の「タマチャンギョウザ」の称呼のほか、自他商品の識別標識としての機能を強く発揮する図形部分並びに該図形の愛称と理解される「たまちゃん」及び「玉ちゃん」の各文字部分が一体となって、「タマチャン」の称呼をも生ずるものであって、「玉ちゃん」なる愛称の観念を生ずるものということができる。
イ 本件商標より生ずる「ウツノミヤタマチャンギョウザ」、「タマチャンギョウザ」、「タマチャン」の称呼と引用商標より生ずる「ウツノミヤギョウザ」の称呼は、これらを構成する各音の音質、音感等の差により、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、その語調、語感が著しく相違したものとなり、互いに紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と引用商標は、前記のとおりの観念を生ずるものであるから、観念上明らかに相違するものである。
さらに、本件商標と引用商標は、別掲(1)及び(2)のとおりの構成からみて、外観上類似するものではない。
ウ したがって、本件商標と引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれの点においても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
(3)出所の混同
以上によれば、引用商標が申立人の業務に係る商品「ぎょうざ」及び役務「ぎょうざの提供」について使用され、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、需要者の間に広く認識されていた商標であるとしても、本件商標は、引用商標と商標それ自体、明らかに区別し得る非類似の商標というべきものであるから、本件商標に接する需要者が、引用商標を想起又は連想することはないというべきであって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人の組合員と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標が、商標法第4条第1項第15号に該当するとする申立人の主張は理由がない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1) 本件商標




別掲(2) 引用商標





異議決定日 2011-05-11 
出願番号 商願2008-46321(T2008-46321) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大渕 敏雄武谷 逸平田崎 麻理恵小田 明 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 内山 進
前山 るり子
登録日 2010-07-09 
登録番号 商標登録第5336205号(T5336205) 
権利者 株式会社宇都宮ぎょうざ本舗
商標の称呼 ウツノミヤタマチャンギョーザ、タマチャンギョーザ、タマチャン、タマ、ウツノミヤギョーザ 
代理人 田中 景子 
代理人 大河原 遼平 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 中村 勝彦 

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