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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X12
管理番号 1238411 
審判番号 不服2009-650087 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-07-15 
確定日 2011-03-31 
事件の表示 国際登録第942476号商標に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、2007年3月26日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し、第12類「Parts of land vehicles included in this class.」を指定商品として、2007年(平成19年)9月26日に国際商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、商品の包装のための立体的形状を容易に認識させるものであるから、これをその指定商品に使用しても、需要者は、商品の包装用容器の一般的な形状であると認識するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)立体商標について
立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるところ、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・自他役務(以下「自他商品等」という。)を識別する標識として採択されるものではない。
イ そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品等を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能又は美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するにとどまり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、いまだ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。
ウ また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
エ そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者・需要者間において、当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
(2)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲のとおりの構成からなるものであって、全体として箱型の形状を表した立体商標と認められる。
そして、本願商標の側面には黄色の色彩が施され、上面には黄色を用いた9本の直線を異なる間隔で配した模様を描き、手前縁部のやや幅広の長方形に側面と同色の黄色の色彩が施されているものの、当該色彩や模様は、原審説示のとおり、商品の美観を効果的に高めるためのものにすぎないというのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、その指定商品との関係においては、単に商品の包装(収納容器)の形状を表したものと容易に認識させるにとどまるものである。
また、本願指定商品の包装について、本願商標と同様の形状のものが使用されていることは、例えば、以下のインターネット情報からも窺えるものである。
ア 「張家港航宇重型包装株式会社」のウェブサイトによれば、「自動車部品包装カートン」において「製品は主に七重ダンボール(AAA)、プラスチック製の板を採用し、普通のカートン、木製箱と合板ボックスの重型包装カートンを変わる。製品は強度が高く、重量が軽く、燻蒸が要らなく、回復が安く、折りたたみができ、リサイクルができ、環境保護などの点で多くのお客様の愛物になっている。このシリーズの製品は主に様々な部品の外包装に使用し、特に自動車スペアパーツ。エンジン、ローラー、摩擦フィルム、カーシート、自動車部品、ベアリング、スプリング、スピーカー、車シェル、精密機械、時計、電子製品、機械、工作機械などの製品の組み立てに適している。また、われわれはアクセサリーのサイズによってダンボールを作り、企業に製品の設計図を提供することができる。」との記載とともに、自動車部品が段ボール箱に収められている写真が掲載されている(http://www.hangyupack.com/jp/proview.asp?id=395)。
イ 「フジダン株式会社」のウェブサイトによれば、「自動車部品梱包」において「ノックダウン等の輸出に適した、パーツ毎の集合梱包例です。複雑な形のものもまとめて梱包できます。」との記載とともに、自動車部品が段ボール箱に収められている写真が掲載され、包装用に使用する「強化ダンボール製品」が紹介されている(http://fujidan.co.jp/packing/post_9.html)。
ウ 「太陽インダストリー株式会社」のウェブサイトによれば、「[クランク部品]」や「[ギア部品]」が、段ボール梱包されている写真が掲載されている(http://www.kitakyushucci.or.jp/parts-net-k/pps/taiyo-industry.htm)。
上記実情からすれば、本願指定商品との関係において、この種の商品を包装するための容器等に箱型のものが用いられているものであって、そうとすれば、たとえ、色彩や模様が施されたものであるとしても、本願商標は、全体としてその指定商品の包装用容器の形状を表したにすぎないものであるから、これをその指定商品に使用しても、自他商品を識別するための標識としての機能は、果たし得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2010-10-28 
結審通知日 2010-11-01 
審決日 2010-11-18 
国際登録番号 0942476 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X12)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池田 光治小林 裕子 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 田中 亨子
野口 美代子
代理人 山川 茂樹 
代理人 山川 政樹 

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