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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201014228 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 X30
審判 査定不服 商3条1項4号 ありふれた氏、名称 取り消して登録 X30
管理番号 1236715 
審判番号 不服2010-6189 
総通号数 138 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-03-23 
確定日 2011-05-23 
事件の表示 商願2008-76057拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成20年9月17日に登録出願され、その後、指定商品については、当審において同23年3月7日付け手続補正書により、第30類「洋菓子」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、ありふれた氏である『山崎』をローマ文字で『Yamazaki』と普通に用いられる方法で表してなるところ、ありふれた氏普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。また、出願人は、本願商標が同法第3条第2項の要件を満たす旨主張し、資料を提出しているが、出願人が、本願商標をその指定商品の『菓子及びパン』に使用し、それが著名性を有している事実を確認することができないことから、本願商標は、同法第3条第2項の要件を満たすものではない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第4号該当性について
本願商標は、別掲のとおり、「Yamazaki」のローマ文字を書してなるところ、「Yamazaki」のローマ文字は原審説示のごとく、ありふれた氏である「山崎」をローマ文字で「Yamazaki」と普通に用いられる方法で表してなるから、本願商標は、ありふれた氏普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎず、商標法第3条第1項第4号に該当するものである。
(2)商標法第3条第2項適用の可否について
請求人は、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備すると主張し、証拠方法として原審において第1号証ないし第39号証を、当審において第40号証ないし第223号証を提出している。
そこで、以下、商標法第3条第2項適用の可否について検討する。
(ア)請求人が使用している商標及び商品
請求人が、商品「洋菓子」に使用しているとして第8号証ないし第11号証、第45号証ないし第48号証、第177号証及びそのほかの証拠で示している商標(以下「使用商標」という。)は、いずれも本願商標とその構成において同一の商標といえるものである。
(イ)使用開始時期、使用期間及び使用地域
「洋菓子」の包装に使用商標を付したものが、1988(昭和63)年に特約店、販売店等に配布される請求人の報誌に掲載され(第67号証)、その後、使用商標は「洋菓子」に付されて、2005(平成17)年まで同誌に掲載されている(第68号証、第70号証、第71号証、第73号証、第75号証、第77号証、78号証、第81号証、第83号証、第85号証、第88号証、第96号証、第100号証及び第101号証)。
また、第15号証ないし第18号証によれば、使用商標は「洋菓子」に付されて、2007(平成19)年の雑誌に掲載されている。
以上の事実に、北海道から鹿児島県にわたり所在を有する同業他社の証明書(第103号証ないし176号証及び第185号証ないし第222号証)を総合して勘案すれば、請求人は、遅くとも1988(昭和63)年から継続して現在まで、全国規模において使用商標を「洋菓子」に使用していると認め得るものである。
(ウ)商品の販売数量及びシェア
使用商標を付した「洋菓子」の総売上高は、2007(平成19)年度において、225億5000万円、2008(平成20)年度において、257億9000万円(第43号証)、2009(平成21)年度において、287億円(第44号証)及び2010(平成22)年度上半期(1月から6月)において、170億400万円である(第223号証)。
また、商品「洋菓子」の範ちゅうの商品である「洋生菓子」の2007(平成19)年度の市場占有率は、量販店、コンビニエンスストア等の小売店で販売する流通系卸商品においては、請求人のシェアは42.5パーセントであり、このうち使用商標を使用した洋生菓子のシェアは13.0パーセントであり、2位のメーカーのシェアが9.9パーセントである。
さらに、商品「洋菓子」の2009(平成21)年度の市場占有率は、請求人のシェアは12.6パーセントであり、このうち使用商標を使用した洋菓子のシェアは、3.3パーセントであり、2位のメーカーのシェアが3.28パーセントである(第223号証)。
これらのことを考慮すれば、請求人の「洋菓子」についての販売数量及びシェアは相当程度の実績を得ているものというべきである。
(エ)広告宣伝の方法及び回数
第15号証ないし第18号証、第49号証及び第50号証並びに第51号証ないし62号証によれば、使用商標を付した「洋菓子」に関する広告が、一般紙及び女性誌などの各種雑誌に掲載されていることが認められる。
これらのことから、使用商標を付した「洋菓子」についての宣伝活動・実績は、一定程度あるとみて差し支えない。
(オ)他者による「Yamazaki」の商標の使用の有無
当審において調査しても、本願の指定商品に関して「Yamazaki」の文字が、請求人以外の者により使用されている事実は発見できなかった。
(カ)小括
以上、上記の(ア)ないし(オ)を総合して検討すれば、本願商標は、遅くとも1988(昭和63)年より継続して商品「洋菓子」に使用された結果、これが、請求人の取扱いに係る商品の商標として、本願の指定商品の取引者、需要者間において広く認識されるに至ったものといい得るものである。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、その指定商品について、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できるに至ったといわざるを得ない。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当するものであるとしても、同条第2項を適用して登録すべきものである。
したがって、原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標


審決日 2011-04-28 
出願番号 商願2008-76057(T2008-76057) 
審決分類 T 1 8・ 14- WY (X30)
T 1 8・ 17- WY (X30)
最終処分 成立  
前審関与審査官 津金 純子大森 健司 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 酒井 福造
大島 勉
商標の称呼 ヤマザキ 
代理人 梅村 莞爾 

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