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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 X19 |
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管理番号 | 1228279 |
審判番号 | 不服2009-20121 |
総通号数 | 133 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-01-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-10-20 |
確定日 | 2010-12-01 |
事件の表示 | 商願2008- 27507拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲に示すとおりの構成からなり、第19類「コンクリート柱」を指定商品として、平成20年4月9日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同21年10月20日付け手続補正書により、第19類「セメントにリサイクル可能なコンクリート柱」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、三角形を描くように3本の矢印を右回りに表した図形中に、本願の指定商品と認められるコンクリート柱の図を配した構成よりなるところ、近年、本願指定商品をはじめとする各種業界において、事業者による製品の回収・リサイクルの実施など、リサイクルを促進することによる循環型経済システムの構築が目指されているところ、上記のような矢印を有する図形は、リサイクルを進めるために業界団体等が表示するマークに広く使用されている実情があり、このことからすれば、前記構成よりなる本願商標をその指定商品に使用しても、取引者・需要者は、特定の商品についての出所を識別するための標識とは理解しえず、何人の業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号について 商標法第3条第1項第6号の趣旨については、「同法3条1項6号が、『需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標』を商標登録の要件を欠くと規定するのは,同項1号ないし5号に例示されるような,識別力のない商標は,特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに,一般的に使用される標章であって,自他商品の識別力を欠くために,商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである。」と判示されている(知財高裁 平成21年《行ケ》第10270号、平成22年1月27日判決言渡)。 上記判決を踏まえて、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、検討する。 (2)本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、別掲に示すとおり、循環を表わす図形として一般に使用されている三角形を描く3本の矢印(以下、「三角図形」という。)と、その内側に一本の肉太の垂直線を描き、その垂直線の上部にその垂直線に交わる二本の水平線とを描いた図形(以下、「垂直図形」という。)を配してなるものである。 しかして、事業者による製品の回収・リサイクルの実施など、リサイクルを促進することによる循環型経済システムの構築が目指されており、需要者が、製品のリサイクル等を表示したものと直ちに認識し得るような、矢印で循環を表した三角図形、四角図形、円図形等の様々な図形(以下、「リサイクルマーク」という。)が採択され、使用されている実情がある。 そして、本願商標構成中の三角図形は、需要者等に、「リサイクルマーク」の一類型であると容易に理解させるものといえる。 しかしながら、本願商標構成中垂直図形が、特に、簡単かつありふれた図形とはいえず、また、特定の商品を表示するとは、認識できないものであることからすれば、垂直図形は、原審で説示するような、商品「コンクリート柱」の図であるとはいえないものと判断するのが相当である。 さらに、「垂直図形」が、本願の指定商品を取り扱う業界において、指定商品「セメントにリサイクル可能なコンクリート柱」の品質等を表示するものとして、実際に使用されている事実は、確認することができなかった。 さらにまた、指定商品を取り扱う業界やその業界団体が、商品のリサイクルを推進するための象徴的な標章として、本願商標と同様の標章を、使用している事実は見受けられないものである。 してみれば、本願商標は、「特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないもの」に該当するとはいえず、かつ、「一般的に使用される標章であって,自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないもの」に該当するともいえないものと判断するのが相当である。 そうすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分果たし得るものというべきであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえない。 (3)まとめ したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、取り消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標)![]() |
審決日 | 2010-11-12 |
出願番号 | 商願2008-27507(T2008-27507) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
WY
(X19)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 長柄 豊 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
豊田 純一 小林 由美子 |
代理人 | 樺澤 聡 |
代理人 | 樺澤 襄 |
代理人 | 山田 哲也 |