• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) X30
管理番号 1225185 
異議申立番号 異議2009-900455 
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-11-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-12-15 
確定日 2010-08-31 
異議申立件数
事件の表示 登録第5267845号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5267845号商標の指定商品中「3年物(製造後2年以上経過した)のそうめんのめん以外のそうめんのめん」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5267845商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成21年2月12日に登録出願、第30類「そうめんのめん」を指定商品として、同年7月30日に登録査定され、同年10月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

3 本件商標に対する取消理由の要点
登録異議申立人の提出に係る証拠によれば、商品「そうめん」における「大古」について、以下の事実が認められる。
(1)「全国乾麺協同組合連合会表示等のガイドライン」(甲第5号証)には、「第5条…(2)『古/ひね』等の用語の表示が出来る基準は…手延べそうめんにおける1年物『新』、2年物『古』、3年物『大古/おおひね』の表示についての基準は次のとおりとする。」とあり、「3年物『大古』」の用語の基準の欄に「9月から12月までに製麺し、製品熟成した後、翌々々年3月以降販売するもの及び翌年1月から3月までに製麺し、製品熟成した後、翌々年3月以降販売するもの」と記載されている。
(2)「食品産業事典」改定第八版(日本食糧新聞社 平成20年3月17日)(甲第6号証)には、「3・手延べそうめん…また『古(ひね)』といわれる製めん後、1年余貯蔵した手延べそうめんがある。さらに1年余貯蔵した手延べそうめんは『大古(おおひね)』とよばれている」と記載されている。
(3)「兵庫県手延素麺協同組合」(甲第7号証の2:平成21年6月1日付け)、「奈良県三輪素麺工業協同組合」(甲第7号証の4:平成21年5月20日付け)及び「小豆島手延素麺協同組合」(甲第7号証の9:平成21年5月22日付け)の各代表者証明書に、「上記標章『大古』(「おおひね」又は「おおふる」)は、9月から12月の間に製麺し、製品熟成した後、翌々々年3月以降に販売する『そうめん』、または、翌年1月から3月までに製麺し、製品熟成した後、翌々年3月以降に販売する『そうめん』(『3年物のそうめん』)の品質表示として、全国乾麺協同組合連合会の『表示等のガイドライン』に定められる用語であり、日本の伝統食品である手延べそうめんを取り扱う業界においては、『大古』が『3年物のそうめん』を表す用語として慣用されていることを、ここに証明します。」と記載されている。
また、登録査定後の証明日付ではあるが、全国乾麺協同組合連合会を始め、素麺に関係する組会等から、同様の証明書が提出されている。
(4)「大きな目 小さな目 2004年9月 第77号」独立行政法人 農林水産消費技術センター (甲第10号証)には、「4.手延べ干しめんの特徴…貯蔵が長期間で二度の梅雨を越したもの(「古物(ひねもの)」といいます)、三度の梅雨を越したもの(「大古物(おおひねもの)」といいます)は『コシ』が強い等の特徴が増す」と記載されている。
(5)日本食糧新聞 臨時増刊「全国麺類特集」(甲第13号証)には、「主力商品は『熟成の極・大古(おおひね)』、蔵の中で2年以上熟成した商品で…」と掲載されている。
(6)日経テレコン21-記事検索のオンライン版(甲第14号証)には、「主力商品は『熟成の極・大古(おおひね)』、特級ヒネを2年以上熟成した商品で…」(日本食料新聞)と掲載されているほか、同趣旨で「大古」に関する箇所には、いずれも同趣旨の記事が多数掲載されている。
(7)百貨店のお中元カタログ中(甲第15号証)には、商品の写真とともに多数の「大古」と記載の商品が掲載され、また、甲第15号証の9には、「特選品(赤帯)「大古」…製造されて三年。風味豊かでコシが一段と強くなった高級品です。」との記載のある商品が掲載されている。
(8)インターネット情報(甲第16号証)には、「製造から1年以上寝かしたものを『古物(ひねもの)』、2年以上は『大古(おおひね)』と呼ばれ珍重される。」(甲第16号証の1)と掲載されているほか、同趣旨で「大古」について記載されたホームページが多数ある。
以上の認定事実によれば、「大古」の語は、本件商標の登録査定以前より「そうめんのめん」の取引者、需要者の間で、「3年物(製造後2年以上経過した)」の「そうめんのめん」を指称する語として認識され、取引上普通に使用されていたものということができる。
そうすると、本件商標は、その構成中に「大古」の文字を有しているものであるから、これを「3年物のそうめんのめん」以外の「そうめんのめん」に使用するときは、あたかも「3年物のそうめんのめん」であるかの如く、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

4 商標権者の意見
商標権者は、前記3の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。

5 当審の判断
本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成22年5月10日付けで、前記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
そして、本件商標についてした前記3の取消理由は、妥当なものである。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、結論掲記の指定商品について、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定によって、取り消すべきものとする。
しかし、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由が認められないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標(登録第5267845商標)





(色彩については、原本を参照されたい。)


異議決定日 2010-07-16 
出願番号 商願2009-13399(T2009-13399) 
審決分類 T 1 651・ 272- ZC (X30)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 守屋 友宏 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小林 由美子
小川 きみえ
登録日 2009-10-02 
登録番号 商標登録第5267845号(T5267845) 
権利者 有限会社野村屋
商標の称呼 シマバラテノベソーメンオーコノムラヤ、シマバラテノベソーメンオーヒネノムラヤ、シマバラテノベソーメンオーコ、シマバラテノベソーメンオーヒネ、シマバラテノベソーメン、シマバラソーメン、シマバラメン、オーコ、オーヒネ、ダイコ、ノムラヤ、ノムラ、タイコ 
代理人 特許業務法人 有古特許事務所 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ