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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y21
管理番号 1225107 
審判番号 取消2009-301257 
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-11-12 
確定日 2010-10-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第4950851号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4950851号商標の指定商品中、「花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4950851号商標(以下「本件商標」という。)は、「Waon」の欧文字を横書きしてなり、平成17年8月1日に登録出願、第21類「デンタルフロス,ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),かいばおけ,家禽用リング,魚ぐし,ガラス製又は陶磁製の包装用容器,なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く。),携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),家庭用燃え殻ふるい,石炭入れ,はえたたき,ねずみ取り器,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,洋服ブラシ,貯金箱(金属製のものを除く。),お守り,おみくじ,紙タオル取り出し用金属製箱,靴脱ぎ器,せっけん用ディスペンサー,花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴,ガラス製又は磁器製の立て看板,化粧用具,ブラシ用豚毛」を指定商品として同18年5月12日に設定登録され、現に、有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成21年12月2日にされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証の1及び2を提出した。
1 請求の理由
請求人の調査によると、本件商標は、指定商品中の「花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴」について、過去3年間使用された事実が認められず、また、当該不使用につき正当な理由も発見できないので、商標法第50条第1項の規定に基づき、その指定商品中、上記商品についての登録は取り消されるべきものである。
2 弁駁の理由
(1)「水盤」の使用について
乙第1号証(結婚式の引出物用パンフレット)、乙第2号証(結婚式の引出物用パンフレット)、乙第5号証(販売店舗の展示状況を示す写真)によれば、被請求人の主張する「ボウル」は、スプーン、パスタプレート、皿、コップ類などの食器類が並んでいる中に展示されており、該「ボウル」とは、料理の材料を交ぜたりする際などに使う用途のものを指称するものというべきである。
ちなみに、乙第3号証(商品同封のしおり)には、「ガラス製品使用上のご注意」として「電子レンジ、オーブンレンジ、食洗器での使用はできません。」との記載があって、明らかに食器類を想定した記載になっており、また、乙第4号証(百貨店向けの説明資料)の「ボウル」の説明でも、その用途として「サラダや素麺、盛り合わせ料理などに最適」である旨記載されており、さらに、広辞苑の「ボール(bowl)」の項には、「料理などに使う丸型の深い鉢。金属製・ガラス製・木製・陶製などの種類が多い。」と記載されている。
そもそも、商品を販売する場合には、需要者のために用途を示す商品名を付して販売するのが当然のことであり、本件の場合は、「ボウル」(乙第1号証及び乙第2号証)の名称が正にこれに当たる。そして、この商品名である「ボウル」の語の意味及びこの「ボウル」と付されている商品が洋食器群の掲載されているパンフレットの同頁に一緒に載っていること(乙第1号証及び乙第2号証)、しかも、実際の京都高島屋での商品展示でもガラス製のグラス及びコップなどが展示されている洋食器売場で当該商品が販売されていること(乙第5号証)等の被請求人提出の証拠を総合的に勘案すれば、ここでいう「ボウル」とは、他の洋食器類と同様に料理の用途に使うものであると理解するのが自然な解釈である。
また、被請求人が「ボウル」を「水盤」であることの根拠にしている乙第4号証の「お花なども美しくアレンジできる商品です」との記載についても、サラダや素麺、盛り合わせ料理などに使う本来の主用途の他に、花をアレンジするのにも使うことができる副次的な用途を単に示したにすぎない。
そうとすれば、たとえ、使用商品が多目的に使用できる商品であるとしても、需要者は、当該商品を「水盤」としてではなく、通常の料理用の「ボウル」として認識し、購入するとみるのが自然である。
以上のとおり、商品取引上の社会通念及び当該商品のパンフレットの掲載箇所及び実際の販売場所など乙各号証により示された事実を総合的に勘案して判断すれば、当該商品が「水盤」であるとは到底認め難いものである。
(2)本件商標の使用であるか否かについて
被請求人は、乙第5号証(京都高島屋での展示状況を示す写真)において、奥に見える「水盤」を説明するものとして、「WAON-和おん-」と表示している旨主張している。
しかし、乙第5号証にある「WAON-和おん-」の文字を示した表示札は、グラスやコップなどの食器類が展示されている4段の展示棚中の最も下の棚の右端前面に1つだけ置かれており、しかも、その表示札には、「和と洋のテイストを越えて、くらしに華やかなハーモニーを演出する Waon-和おん- ハンドメイド・使いやすさにこだわりながら、上品さ・かわいらしさをプラスしました。」と記載されている。これは、商品のイメージを「Waon」という言葉で表したものであって、「Waon」という文字を具体的な商品についての識別標識としての機能を有する商標として使用したものではない。
また、被請求人は、乙第4号証(百貨店向けの説明資料)において、「水盤」について「WAON-和おん-」のブランドで宣伝広告していることが示されている旨主張している。
しかし、乙第4号証は、百貨店に対する商品提案書であって、具体的な商品に対する識別標識として「Waon」という文字を使用していないことは明らかであり、また、「Waon」の文字を洋食器群のイメージを表現する言葉として使用しているにすぎない。
したがって、本件商標は、具体的な商品の識別標識としての機能を発揮する商標的使用態様で使用していないものである。
ちなみに、商標的使用態様で使用している商標は、乙第1号証及び乙第2号証の商品パンフレットに商品写真及び商品名と共に表示されている「<和おん>」であるが、これは、本件商標に対する平仮名、片仮名及びローマ字の文字表示を相互変更するものではなく、かつ、社会通念上同一と認められるものではないので、本件商標を使用しているとはいえない。
(3)以上のとおり、乙第1号証ないし乙第6号証をもってしては、本件商標をその指定商品中の「水盤(貴金属製のものを除く。)」について使用している事実を立証しているとはいえない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
被請求人は、2005年秋頃から、株式会社高島屋京都店に営業提案を行い、本件商標の指定商品である「ボール(水盤)」を納品している(乙第6号証)。乙第5号証は、京都高島屋での販売風景の写真であり、奥に見える「水盤」を説明表示するものとして「WAON-和おん-」と表示している。
また、被請求人の商品(「水盤」を含む。)を販売する際には、商品箱のなかに、乙第3号証の商品の広告・取引書類を梱包している。
さらに、各百貨店向けの取引書類(乙第4号証)には、指定商品の「水盤」について、「WAON-和おん-」のブランドで宣伝広告していることが示されている。
これらは、商品に関する広告等に登録商標を使用するものであり、いずれも商標法第2条第1項第8号の使用にあたるものである。
次に、乙第1号証及び乙第2号証における「ボウル」とあるのが「水盤」である。この点は、乙第4号証の商品説明において、「ボウル」は“お花なども美しくアレンジできる商品です”とあるように「水盤」であることも明らかにしている。販売時には、「水盤」を現代風的に「ボウル」と標記しているが、実際に販売している商品は「水盤」そのものである。また、「水盤」を広辞苑で調べてみると、「陶製・鉄製・木製などの浅い器。中に水をはって花を生け、または盆石などを置く。水盆。」とある。被請求人の商品は、まさにガラス製の浅い器であり「水盤」であることに間違いはない。
したがって、被請求人は、本件商標をその指定商品中「水盤(貴金属製のものを除く。)」について使用している事実があるので、本件商標の登録を取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断
1 本件商標の使用について
被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品中の「水盤(貴金属製のものを除く。)」について使用している旨主張して、乙第1号証ないし乙第6号証を提出しているので、以下、被請求人の提出に係る乙各号証について検討する。
(1)認定事実
ア 乙第1号証は、「Takashimaya Bridal Catalogue 2006」と題する高島屋の結婚式の引出物カタログの写し(抜粋)であり、裏表紙には、「2006.3月-2007.2月」と記載されている。
そして、その25頁には、左上に「タカシマヤ引出物好適品 洋食器」とあり、右上には、図形と小さく書された「和おん」の文字からなる標章が表示されており、中央部分には「食卓できらりと輝く、こだわりデザインのグラス&カトラリーセット。」と記載され、さらに、その上段部分には、「<和おん>ワイングラスペア」、「<和おん>SAKEグラスペア」、「<和おん>ボウル」の各文字が商品の写真とともに掲載されており、下段部分には、コーヒースプーンやフルーツフォーク、バターナイフ等のセット商品がその写真とともに掲載されている。
イ 乙第2号証は、「TAKASHIMAYA BRIDAL CATALOGUE 2007」と題する高島屋の結婚式の引出物カタログの写し(抜粋)であり、裏表紙には、「2007.1月-2007.12月」と記載されている。
そして、その27頁には、左上に図形と「和おん」の文字からなる標章が表示されており、「<和おん>ワイングラスペア」、「<和おん>カップ&ソーサーペア」、「<和おん>ボウル」、「<和おん>パスタプレートペア」の各文字が商品の写真とともに掲載されている。
ウ 乙第3号証は、被請求人の主張によれば、商品に同封される「しおり」とするところ、小型の見開き頁からなるものであって、見開き頁の左側には、「和と洋のテイストを超えて、くらしに華やかなハーモニーを演出する -Waon(和おん)-」との記載のほか、「ガラス製品使用上のご注意」として、「電子レンジ、オーブン、食洗器でのご使用はできません。・・・」等と記載され、裏表紙には、「株式会社 イクス」、「京都市南区上鳥羽大物町51」等と記載されている。
なお、乙第3号証が配布された時期を特定する記載は見当たらない。
エ 乙第4号証は、被請求人の主張によれば、「百貨店向けの説明資料」とするところ、表紙の右下に「(株)イクス」と記載され、表紙等の数箇所には図形と「和おん」の文字からなる標章が表示されており、2枚目の冒頭部分には、「■和おん コンセプト」として、「『日本人の生活に、使いやすくこだわりのある洋食器を取り入れる』をコンセプトに海外の各地からアイテムをセレクトしました。・・・さらなる洋食器の普及を目指すべく、和おんワールドを拡大していきます。」との記載ほか、「■イメージコピー」として、「和と洋のテイストを越えて、くらしに華やかなハーモニーを演出する -Waon-(和おん)」等と記載され、その下の商品説明等の欄には、「ワイングラスペア」、「トットグラスペア」等の商品名とともに、「ボール M・L」との商品が記載され、その「商品説明」の欄には、「フチの形がかわいい、シンプルだけれどおしゃれなボールです。サラダや素麺、盛り合わせ料理などに最適であり、また、お花なども美しくアレンジできる商品です。」と記載されている。そして、4枚目には、各種商品が一覧表として紹介され、5枚目には、「ワイングラスペア」、「トットグラスペア」等の各種の食器類が写真付きで掲載されており、それらの中には、「WBO0001 ボウルM」及び「WBO0002 ボウルL」と記載された商品も掲載されている。
なお、乙第4号証が配布された時期を特定する記載は見当たらない。
オ 乙第5号証は、「京都高島屋洋食器売場」と題する写真(全体写真及び部分拡大写真)であり、これらの写真によれば、ボウルを含むガラス製のコップ等の食器類が展示されている4段の展示棚中の最も下の棚の右端前面に表示札が置かれており、2枚目の右及び3枚目に掲載された写真がその表示札の拡大写真と解されるところ、そこには、「WAON」及び「-和おん-」との標章が大きく表示されている。
そして、展示されている商品毎に表示札が置かれており、そこには、「<和おん>」の標章とともに、「トットグラスペア」等の商品名、料金等が表示されている(2枚目の左及び中央の写真)。
被請求人は、2枚目の右及び3枚目に掲載された写真の奥に写っている商品が水盤であると主張するところ、かかる商品のもとに置かれた表示札の記載は、不鮮明のため判読不能である。
なお、乙第5号証の撮影時期を特定する記載は見当たらない。
カ 乙第6号証は、被請求人が2009(平成21)年7月28日に(株)高島屋京都店へ商品を納品した際の納品伝票(買取)の写しと認められるところ、納品場所として「高島屋京都店 6F洋食」、売場名として「洋食器」と記載され、「品名」の欄には、「ボールL WBO0002」ほかの商品が、納品数量や原価単価、売価金額等とともに記載されている。
(2)判断
前記において認定した事実によれば、高島屋のブライダルカタログの2006年版及び2007年版(乙第1号証及び乙第2号証)には「<和おん>ボウル」を含む被請求人の取扱いに係る商品が掲載されていた事実が認められ、しおり(乙第3号証)及び百貨店向けの説明資料(乙第4号証)には「-Waon(和おん)-」、「-Waon-(和おん)」の各文字が表示され、京都高島屋の洋食器売場の写真(乙第5号証)には「WAON」及び「-和おん-」の文字が表示されていたことが認められる。そして、本件審判の請求の登録前3年以内である2009(平成21)年7月28日に、被請求人は、商品「ボールL WBO0002」を(株)高島屋京都店に対して販売したものと推認することができる(乙第6号証)。
しかし、乙第3号証ないし乙第5号証に表示された「Waon」又は「WAON」の各文字からなる標章は、本件商標と社会通念上同一のものといえるとしても、乙各号証に掲載されている「ボウル(ボール)」なる商品は、以下の理由により、請求に係る指定商品中の「水盤(貴金属製のものを除く。)」に該当するものとは認められない。
すなわち、被請求人が「水盤」である旨主張している商品は、乙第1号証(結婚式の引出物カタログ)には、ワイングラス、コーヒースプーン、フルーツフォーク、バターナイフ等の洋食器類とともに「ボウル」と表示して掲載されており、乙第2号証(結婚式の引出物カタログ)には、ワイングラス、カップ、パスタプレート等とともに「ボウル」と表示して掲載されており、乙第3号証(しおり)には、「ガラス製品使用上のご注意」として「電子レンジ、オーブンレンジ、食洗器での使用はできません。」と記載されており、乙第4号証(百貨店向けの説明資料)には、「ボール」の商品名とともに、その用途として「サラダや素麺、盛り合わせ料理などに最適」である旨記載されており、乙第5号証(京都高島屋洋食器売場の写真)には、ガラス製のコップ等の食器類とともに展示されており、更に、乙第6号証の納品伝票も納品場所として「6F洋食」、売場名として「洋食器」と記載されていることが認められる。
そして、被請求人が本件商標の使用をしたとする商品「ボール」ないし「ボウル」について、当審は、平成22年6月18日付けで、以下のアないしエの事実を示した上で、乙第1号証ないし乙第6号証のほかに本件商標の使用を証明する証拠の提出を求める旨の審尋をしたところ、被請求人は、新たな証拠の提出をしておらず、かつ、かかる審尋に対しての釈明を一切していない。
ア 「ボウル【bowl】ボール」及び「ボール【bowl】材料を混ぜ、また卵を泡立てるなど、調理に用いる半球状の容器。また、サラダなどを盛る同様の形の器。ボウル」との記載(「広辞苑 第六版」2008年1月11日 株式会社岩波書店発行)。
イ 「ボウル【bowl】料理に用いる深い鉢。『サラダボウル』」及び「ボール【bowl】ボウル」(「大辞泉 増補・新装版」1998年12月1日 株式会社小学館発行)。
ウ 「ボウル【bowl】料理に使う深い鉢。粉を練ったり材料をまぜたりするのに用いる。ボール」及び「ボール【bowl】ボウル」(「大辞林 第三版」2006年10月27日 株式会社三省堂発行)。
エ 「ボール〔bowl〕=ボウル。半球状の調理容器。材料を洗う・混ぜる・あえる、卵を泡立てるなどに用いる。」(「講談社 カラー版 日本語大辞典」1989年11月6日 株式会社講談社発行)。
前記乙第1号証ないし乙第6号証における「ボウル」ないし「ボール」の表示又は展示状況等に加え、上記アないしエの事実を総合すれば、一般的な取引者、需要者は、洋食器類が紹介されている中にあって、「ボウル」ないし「ボール」の語が表示されていれば、該商品は、調理容器又は食器と認識、把握するものとみるのが自然である。
そうすると、被請求人が「水盤(貴金属製のものを除く。)」である旨主張している乙第1号証ないし乙第6号証における「ボウル」ないし「ボール」なる商品は、料理の材料を交ぜたり、卵を泡立てたり、サラダ等を盛りつける際に使用するガラス製半球状の調理容器又は食器というべきであり、請求に係る指定商品のいずれにも該当するものではない。
(3)被請求人の主張について
被請求人は、同人が本件商標の使用をする商品について、乙第4号証の商品説明において「お花なども美しくアレンジできる商品です。」と記載されているように「水盤」であることも明らかにしており、「水盤」を現代風的に「ボウル」と表記している旨主張している。
しかし、乙第4号証にある「お花なども美しくアレンジできる商品です。」との記載は、調理容器又は食器としての本来の用途の他に、花をアレンジするのにも使うことができる旨の副次的な用途を単に併記したにすぎないものというべきであって、このような被請求人の主観的な意図によって、商品の性格や帰属が左右されるものではない。
また、商品を販売する際には、これを購入する需要者のためにも用途を示す商品名を付して販売されるのが通常であり、被請求人自身も「水盤」とは表示せずに、専ら「ボウル」、「ボール」と表示しているものと認められ、前記したとおり、「ボウル」ないし「ボール」の語からは調理容器又は食器を認識、把握させるものであるから、「水盤」を現代風的に「ボウル」と表記している旨の被請求人の上記主張は、一般的な商取引の実情に沿わない独自の解釈にすぎないものといわなければならない。
したがって、被請求人の主張は採用できない。
(4)小括
以上(2)及び(3)によれば、被請求人が本件商標の使用をする商品「ボール」ないし「ボウル」は、いずれも「水盤(貴金属製のものを除く。)」に該当するものではなく、調理容器又は食器というべきものであるから、乙各号証によっては、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、「水盤(貴金属製のものを除く。)」について本件商標の使用をしたということはできない。
ほかに、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについて本件商標の使用の事実を認めるに足る証拠の提出はない。
2 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。
また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品に使用していなかったことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第21類「花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-08-10 
結審通知日 2010-08-12 
審決日 2010-08-24 
出願番号 商願2005-71152(T2005-71152) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Y21)
最終処分 成立  
前審関与審査官 加園 英明 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 末武 久佳
小畑 恵一
登録日 2006-05-12 
登録番号 商標登録第4950851号(T4950851) 
商標の称呼 ワオン 
代理人 宮田 信道 
代理人 新保 斎 

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