ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効としない Y14 |
---|---|
管理番号 | 1219916 |
審判番号 | 無効2008-890108 |
総通号数 | 128 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-08-27 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2008-11-07 |
確定日 | 2010-07-15 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5010048号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5010048号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成18年6月28日に登録出願、第14類「キーホルダー,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製針箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製コンパクト,貴金属製靴飾り,時計,貴金属製喫煙用具」、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,シャワーカーテン,のぼり及び旗(紙製のものを除く。),織物製トイレットシートカバー,織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕,ビリヤードクロス,布製ラベル」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年12月8日に設定登録されたものである。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した。 〈理由〉 1 請求の利益について 請求人は、別掲(2)のとおりの構成よりなる商標(商願2008-11617)(以下「請求人出願商標」という。)を平成20年2月19日に登録出願したところ、「本願商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号に該当する。」との拒絶理由を受けており、そのうちの商標法第4条第1項第11号に該当するとの先登録商標の一つとして本件商標が引用されているものである。 以上のとおり、本件商標の存在が請求人出願商標の障害になっているものであるから、請求人は、本件商標の登録を無効にすることについて訴えの利益を有するものである。 2 具体的無効理由 (1)商標法第4条第1項第7号について 前記1のとおり、請求人出願商標は、本件商標を引用され商標法第4条第1項第11号に該当すると同時に「米国セミー・モズレー若しくは同人の設立したモズライト社あるいやユニファイド・サウンド・アソシエーション社の業務に係るギターを表示するものとして、本願商標の登録出願前より、取引者、需要者間に広く認識されている商標と類似するものであるから、同人と何らの関係も認められない出願人(本件請求人)が、自己の商標として、本願商標を採択使用することは、公の秩序を害するおそれがあり、穏当ではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」との拒絶理由を受けた。 そうとすると、前記した請求人出願に対する拒絶理由は、そのまま本件商標の無効理由として援用できる。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 (2)引用商標の著名性について 前記1の拒絶理由通知では、取引者、需要者間に広く認識されている商標について具体的に示されていないが、平成19年(ネ)第10094号(甲第3号証)において、「mosrite」及び別掲(3)のとおりの構成よりなる「マルM mosrite of California」などの商標(以下「引用商標」という。)は、少なくとも平成15年から平成20年にいたるまで、ギターに関して、その取引者及び需要者間において周知著名であると認定している。 そして、平成14年(行ケ)第283号事件に判決(甲第4号証)のとおり、引用商標は、昭和47年以降、少なくとも判決のあった平成14年までモズライトギターの商標として、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されていたことが明らかである。 (3)請求人とセミー・モズレー氏との関係 請求人は、平成20年7月11日に、商標権者セミー・モズレーの登録商標(登録第2015101号商標)について、遺言書など数点の必要書類(甲第5号証の3)を添付し商標権移転登録申請書を提出した。その結果、請求人へ移転する手続きが認められ、商標登録原簿には、一般承継による本件の移転として平成20年9月3日に登録されている。(甲第5号証の4) このように、他の商標権の移転の案件ではあるが、請求人はセミー・モズレーの商標権の一般承継人という特別な関係を有する者であることが、特許庁において認められている。 したがって、請求人出願商標について、セミー・モズレー氏と何らの関係も認められないとして、出願人(請求人)が、自己の商標として採択使用することは、公の秩序を害するおそれがあり穏当ではない、との拒絶理由には該当しないことが明らかである。 (4)しかしながら、米国セミー・モズレー若しくは同人の設立したモズライト社あるいやユニファイド・サウンド・アソシエーション社の業務に係るギターを表示するものとして、本件商標の登録出願前より、取引者、需要者間に広く認識されている商標と類似する本件商標を、同人と何らの関係も認められない被請求人(本件商標権者)が、自己の商標として、ギター以外の商品に本件商標を採択使用することは、公の秩序を害するおそれがあり、穏当ではない。 したがって、商標法第4条第1項第7号に該当し、同法第46条1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。 3 答弁に対する弁駁 (1)被請求人は、商標法第4条第1項第7号の趣旨について、知財高裁平成20年6月26日判決(無効2006-89180号)を引用する。 しかし、この判決は、「原告が被告の日本国内への参入を阻止しているという具体的な事実は何ら認定されていない。」という前提のものであった。 ところが、被請求人は、関連する事件で、「請求人がマルM やmositeの商標を付した商品の日本国内への参入が明らかになれば、差止請求訴訟をおこすことになろう」と具体的に請求人の日本国参入を阻止しているのである。したがって、被請求人の引用した判決はその前提条件に欠ける。 (2)被請求人は、請求人は引用商標の著名性について、判決を引用するのみであり、何ら証明していないと主張するが、引用商標が周知、著名であることは、確定した知財高裁などの判決において明確である。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べた。 1 請求理由の要点に対して 請求人は、本件商標は、セミー・モズレー若しくは同人設立のモズライト社あるいはユニファイド・サウンド・アソシエーション社の業務に係るギターを表示するものとして、その登録出願前より、取引者、需要者間に広く認識されている商標と類似するものであり、同氏と何らの関係も認められない出願人が、自己の商標として採択使用することは、公の秩序を害するおそれがあり、穏当ではないから、商標法第4条第1項第7号に該当するものである、と主張する。 しかしながら、請求人は商標法第4条第1項第7号の解釈を誤っているから、この主張は理由がなく、失当である。 2 請求人の訴えの利益に対して 請求人によれば、請求人は、第28類ゴルフ用具関係の商品を指定商品として「Mマークmosrite」の標章を登録出願したところ、拒絶引用された3つの登録商標の中に本件商標があったので、本件商標を無効するについて利益があるという。 3 請求人出願の「公序良俗違反」に対して 請求人によれば、請求人の前記商標の登録出願に対して、セミー・モズレーと関係のない出願人(請求人)がこれを自己の商標として採択使用することは公の秩序を害するから、商標法第4条第1項第7号に該当するとの拒絶を受けたという。 請求人は、自からの出願商標に対する拒絶理由について分析しているが、この登録出願に対する拒絶と本件商標に対する審判請求事件とは直接関係のないものであるから、その主張は失当である。 4 本件商標に対して 本件商標に係る標章が、請求人主張のような構成態様に成るものであること並びに指定商品であることを認める。しかし、本件商標に係る標章には、Mマークの周囲に“MOSRITE COLLECTION FILLMORE”と読める英文字表記があり、関係商品の出所を明らかにしている。 5 被請求人の「公序良俗違反」に対して (1)請求人は、請求人出願商標の拒絶理由を本件商標の無効理由として引用するというが、失当である。けだし、請求人出願商標と本件商標とは全く別異の指定商品並びに別異の標章から成り立っているものである。 また、商標法第4条第1項第7号は公益的不登録事由であるのに対し、請求人の主張は公益性のない私益的商標に対するものであるから、失当である。商標法第4条第1項各号に規定する個別的具体的不登録商標に対する各事由を考えるべきである。 そこで、被請求人は、商標法第4条第1項第7号の趣旨について、これを説示している知財高裁平成20年6月26日判決(無効2006-89180号)を引用する。 同判決の説示事項を整理すれば、当該判決は、商標法第4条第1項第7号に該当する商標としては、 (a)商標を構成する「標章」自体が公序良俗違反の場合(商標の構成に着目)、 (b)商標登録を受けるべきでない者からの出願について、権利を付与しないことを目的として適用される場合(主体に着目)、があると分析している。 このうち後者の場合については、例えば、外国で周知著名となった商標について、その商標の付された商品主体とはおよそ関係のない第三者が我が国に無断で商標登録した場合、何人も自由に使用できる公有状態となり、特定人に独占させることが好ましくない商標を特定人が商標登録した場合は、社会通念に照らし著しく妥当性を欠き、国家・社会の利益、即ち公益を害すると評価し得る場合もあり得る。 しかし、商標法は、出願商標については、特定の権利利益を有する者との関係ごとに、類型に分けて、商標法第4条第1項各号で個別的かつ具体的に規定しているのだから、出願が商標登録を受けるべきでない者からされたか否かは、特段の事情がない限り、当該各号の該当性の有無によって判断されるべきである。 判決は、商標法第4条第1項の規定についてこのような説示を与えた後、審決の判断理由を検討し、本件は本来、私人間の紛争であって、一般国民に影響を与える公益とは関係のない事項であるから、これを公益ととらえて商標法第4条第1項第7号を理由に登録無効の判断をした審決は誤りであると判断したのである。 (2)また、請求人は、セミー・モズレー、モズライト社、ユニファイド・サウンド・アソシエーション社などの固有名詞をあげているが、それぞれの実体については主張も証明もされていない。これでは問題にならない。 さらに、本件商標に係る指定商品にはギターなどは含まれていない。 6 「マルM mosrite」などの著名性に対して (1)請求人は、他人間で争われた知財高裁事件の判決(平成19年(ネ)第10094号:甲第3号証)を借用しているが、ここでもセミー・モズレーやモズライト社やユニファイド・サウンド・アソシエーション社の実体については何にも明らかにしていない。 また、引用している高裁判決は地裁判決をコピーしたような内容のものであるのみならず、商標法第4条第1項第10号(私益的事由)を問題としている事案である。 ところが、請求人は、これを公序にすり変えて商標法第4条第1項第7号の適用を主張しているから、前記判決を引用すること自体、失当というべきである。 (2)請求人はまた、やはり他人間で争われた東京高裁事件の判決(平成14年(行ケ)第283号:甲第4号証)を借用しているが、ここでもセミー・モズレーやその関係会社のことについてその実体を立証していないから、そのような主張自体、失当である。 前記東京高裁は、商標法第4条第1項第7号を適用して、我が国の取引者・需要者間に広く認識されていたと認定しているのではない。 (3)請求人は、他人間の訴訟事件を借用することによって、2つの高裁事件の判決文を証拠と称して提出するだけで、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当すると主張している。しかし、このような他人間の訴訟事件に便乗し、本件を有利に運ぼうと考えている請求人には、利害関係はないというべきである。 7 請求人とセミー・モズレーの関係に対して 請求人の主張並びに甲第5号証の3、同4によれば、甲第5号証の2に係る登録第2015101号商標「SEMIE MOSELEY」に対し、遺言書に基いて一般承継が認められ、商標権者の名義が本件請求人に登録されたと主張する。 これについて、請求人は、この遺言書は特許庁で検討されたというが、特許庁は登録時にその文書の内容いかんについては何の検討もしていない。 そこで、被請求人は反論する。甲第5号証の3に添付されている遺言書なるものはニセモノである。その理由は、第1に日付が1986年1月14日であること、第2にセミー・モズレーのサインは本人のものではなく、実は請求人自身のものであるからである。 この事実は、現在、USPTOのTrademark Trial and Appeal Boardにおいて、請求人が被請求人に対し請求しているCancellation No.92049881事件において、米国の請求人代理人が提出した取消請求書において主張しかつ提出している前記セミー・モズレーの遺言書が、提出後撤回されたことによって明らかになったといえる。この撤回の通知によって、同審判部におけるディスカバー(Discovery)のオープンは1か月ほど延期され、2008年12月17日となったのである。 被請求人代理人(LADAS&PARRY,NY)からは、前記期日までに、請求人に対して、“Respondent’s First Request For Production of Documents”(第1回文書作成物の提出要求書)及び“Respondent’s First set of Interrogatories“(第1回質問状)が提出されており、これらに対し請求人代理人からの返答期限は今年1月21日となっている。前者に対しては、請求人が作成するに要した書類等の提出を請求人はしなければならないし、後者については本件に関係する人物各その他を全部明示しなければならないことになっている。 したがって、これらに対する請求人の返答いかんによっては、我が国における全ての紛争事件も大きな影響を受けることになるだろう。 すると、甲第5号証の4に係る商標登録2015101号商標に対する「一般承継による移転の登録に対しては、その無効を理由とする行政訴訟の提起を視野に入れている。そして、もしこの訴訟が通れば、この商標権は存続期間の満了によって当然消滅することになる。 なお、必要ならば、米国における同時進行の前記事件について、本件において上申書のかたちで全部報告することもやぶさかでないことを申し上げておく。(被請求人からは、我が国における請求人との間の本事件その他についての間合わせがあったから、全部通知している。) また、セミー・モズレーの最初の妻バージー・モズレーの長女であるダーナ・モズレー(Dana Moseley)は、セミー・モズレーが、その後3人の女性を妻としても、常に父と行動を共にしているから、4番目の妻である請求人の言動についてもすべて熟知していることを付言しておくとともに、ダーナ・モズレーは被請求人と米国においてギターの製作を始めていることを付言する。 8「まとめ」に対して 以上の理由から、本件商標に対する請求人の請求はすべて理由がない。 また、本件は真実の究明のために、当事者を含め関係者を証人尋問する必要があると思われる事案であるから、商標法56条1項により準用する特許法145条1項による口頭審理によることを要望する。 第4 当審の判断 1 請求の利益について 請求人は、別掲(2)のとおりの請求人出願商標を平成20年2月19日に登録出願したところ、「該請求人出願商標は、商標法第4条第1項第7号及び商標法第4条第1項第11号に該当する。」との拒絶理由を受けており、そのうちの商標法第4条第1項第11号に該当するとする先登録商標の一つとして本件商標が引用されているものである。 したがって、請求人は、上記本件商標の存在が請求人出願商標の障害になっているものと認められるから、本件商標の登録を無効にすることについて、訴えの利益を有するものというべきである。 2 商標法第4条第1項第7号について (1)商標法第4条第1項第7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれるというべきである(平成17年(ケ)第10349号参照)。 また、商標自体に公序良俗違反のない商標が商標法第4条第1項第7号に該当するのは、その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に限られるものというべきである。そして、当事者間における利害の調整に関わる事柄のような私的な利害の調整は、原則として、公的な秩序の維持に関わる商標法第4条第1項第7号の問題ではないというべきである(平成14年(ケ)第616号及び平成19年(ケ)第10391号参照)。 (2)以上を前提として、本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当するか否かについて検討する。 ア 本件商標について 本件商標は、別掲(1)のとおり、小さな星を配した輪の中心部に、黒地の円を配し、その黒地の円内にギザギザのある白抜き円を配し、その白抜き円内に「M」の欧文字を極めて大きく表示し、上記一番外側の小さな星を配した輪と黒地の円の円周に沿って、上半部に「MOSRITE COLLECTION」、下半部に「FILLMORE」の欧文字を表記した構成よりなるものであり、全体として円形状にまとまりよく構成された一体の商標として、把握、認識されるものである。 イ 引用商標について 引用商標は、別掲(3)のとおり、周囲にギザギザのある黒地の円内に、「M」の欧文字を白抜きで極めて大きく表示し、その右横に「mosrite」、その下部に「of California」の各欧文字を配した構成よりなるものである。 ウ そこで、両商標を比較するに、本件商標は、前記のとおりその構成全体として一体の商標とみるのが相当であり、かつ、たとえ、その構成文字中に「MOSRITE」の欧文字を有するとしても、該文字部分のみが注目されるとする理由がないばかりでなく、図形部分についても、引用商標の図形部分とは外観上印象を異にするから、本件商標と引用商標とは、別異の商標といわなければならない。 加えて、引用商標は、ギターの愛好家等においては、周知、著名な商標といえるところ、本件商標の指定商品(前記第1に記載のとおり第14類に属 する商品)においてまでも、著名性を有するものとは言い難い。 そうとすると、本件商標に接した取引者、需要者をして、引用商標を想起、認識させるものとは認められない。 以上よりすれば、本件商標の商標権者が、引用商標の商標権者等に承諾を得ることなく、本件商標を登録出願し、登録を受けたことについて、その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものとはいえない。 3 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。 なお、被請求人は、本件は当事者を含め関係者を証人尋問する必要がある事案であるから、商標法第56条で準用する特許法第145条第1項による口頭審理を要望しているが、本件は上記とおり判断するのが相当であり、証人尋問及び口頭審理の必要性はないものと判断した。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(1)本件商標 別掲(2)請求人出願商標 別掲(3)引用商標 |
審理終結日 | 2009-08-27 |
結審通知日 | 2009-09-01 |
審決日 | 2009-09-14 |
出願番号 | 商願2006-60153(T2006-60153) |
審決分類 |
T
1
11・
22-
Y
(Y14)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 平澤 芳行 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
内山 進 岩崎 良子 |
登録日 | 2006-12-08 |
登録番号 | 商標登録第5010048号(T5010048) |
商標の称呼 | モズライトコレクションフィルモア、モズライトコレクション、モズライト、フィルモア、エム |
代理人 | 山口 朔生 |
代理人 | 牛木 理一 |