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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
管理番号 1218483 
異議申立番号 異議2009-900444 
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-07-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-12-07 
確定日 2010-06-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5261264号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5261264号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5261264号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)の構成よりなり、平成21年7月17日に登録出願、第9類「眼鏡,眼鏡の部品及び付属品」を指定商品として、同年8月17日登録査定、同月28日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4863868号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)の構成よりなり、2003年10月24日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して平成16年4月23日に登録出願、第9類及び第14類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同17年5月13日に設定登録されたものである。

(2)登録第5113112号商標(以下「引用商標2」という。)は、「THE ROW」の文字を標準文字で表してなり、平成19年7月17日に登録出願、第9類、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同20年2月22日に設定登録されたものである。

(3)登録第4588345号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)の構成よりなり、2001年7月11日にオランダ王国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して平成13年12月17日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同14年7月19日に設定登録されたものである。

(4)登録第4530883号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(4)の構成よりなり、1999年11月24日にグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して平成12年5月22日に登録出願、第3類、第6類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第24類、第25類、第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同13年12月21日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由(要点)
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、図案化されているが、「RAW」からなることは明らかであるから、その構成文字に相応して「ロー」の称呼及び「原料のまま、未加工の(もの)」の観念を生ずる。
引用商標1及び引用商標2は、その構成中の「RAW」又は「ROW」の文字部分より「ロー」の称呼を生じ、かつ、引用商標1からは、「原料のまま、未加工の(もの)」の観念を生ずる。
したがって、本件商標は、引用商標1と称呼及び観念において類似する商標であり、また、引用商標2とは、称呼上類似する商標である。
さらに、本件商標の指定商品と引用商標1及び引用商標2の指定商品は類似する。

イ 本件商標が「RW」の文字よりなるものと認識され、かつ、自他商品の識別機能を有するとした場合、その称呼は、「アアルダブリュー」である。
一方、引用商標4の称呼も「アアルダブリュー」である。
したがって、本件商標と引用商標4とは、「アアルダブリュー」の称呼を同じくする称呼上類似する商標である。
また、本件商標の指定商品と引用商標4の指定商品は類似する。

(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標1及び引用商標3は、申立人の業務に係る服飾雑貨について使用されているところ、これらの商標及びその要部である「RAW」の文字部分は、我が国の需要者の間に広く認識されている。
本件商標は、引用商標1及び引用商標3の要部である「RAW」と類似する商標である。
したがって、本件商標をファッション性の高いその指定商品について使用するときは、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

(3)商標法第3条第1項第5号について
本件商標が「RW」の文字よりなるものと認識された場合は、商品の規格、形式等を表示するための記号、符合を表したとものと理解される。
したがって、本件商標は、極めて簡単、かつ、ありふれた商標として認識されるにとどまり、自他商品の識別機能を果たし得ないものである。

(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同法第3条第1項第5号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)の構成よりなるものであるところ、本件商標の構成全体が、いずれの文字よりなるものであるのか判別し難い。
してみれば、本件商標は、直線と曲線を組み合わせて一筆書き風に表したものと認識されるというのが相当であり、本件商標に接する需要者は、一筆書き風に表した本件商標の構成全体の特異性に印象づけられ、図形商標の一種として記憶するというべきである。
したがって、本件商標は、その構成より、直ちに特定の称呼、観念を生じないものといわなければならない。
してみると、本件商標が「RAW」又は「RW」の文字よりなり、これより「ロー」又は「アアルダブリュー」の称呼を生ずるとし、これを前提として、本件商標と引用商標1及び引用商標2とが「ロー」の称呼を、また、本件商標と引用商標4とが「アアルダブリュー」の称呼を、それぞれ共通にするものであって、かつ、本件商標と引用商標1とが「原料のまま、未加工の(もの)」の観念において類似する商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、理由がない。
他に本件商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標4とが類似するとみるべき特段の理由は見いだせない。
以上によれば、本件商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標4とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標1及び引用商標3並びにこれらの構成中の「RAW」の文字の著名性について
(ア)甲第20号証ないし甲第40号証によれば、申立人は、1989年(平成元年)に、オランダ国アムステルダムに設立された、デニムを原材料に使用した被服の製造販売を主たる業務とする企業であり、1996年(平成8年)に、「縮まない、ねじれない、色落ちしない」というRAW DENIMを発表して以来、急成長を遂げ、2009年(平成21年)4月現在において、ヨーロッパ諸国やアメリカ、オーストラリアなど世界13カ国に現地法人を設立し、現在に至っていること(甲第36号証)、我が国においても、申立人の業務に係るデニム製品は、2005年(平成17年)ころから、若者を中心に購読されるファッション関連の雑誌において宣伝、広告されはじめ、2007年から2008年にかけて、上記雑誌やポスターなどで宣伝、広告ないし紹介されたこと(甲第23号証ないし甲第31号証)などが認められ、上記広告においては、例えば、「ジースターの名品」、「ジースターのベスト」(甲第23号証)、「G-STAR RAW」、「ジースター」(甲第24号証)、「G-STAR International」(甲第25号証)、「G STAR」、「ジースター」、「ロウデニムでおなじみのジースターが・・」(甲第26号証)、「ジースターロー」、「G-STAR RAW」(甲第27号証)、「G-STAR RAW」(甲第28号証ないし甲第30号証、甲第32号証、甲第33号証、甲第35号証、甲第36号証、甲第38号証)、「G-Star」(甲第39号証)などのように表示される場合が多いのに対し、引用商標1及び引用商標3が表示された事例は、甲第36号証で認められるにすぎないこと、まして、「RAW」の文字が、申立人の業務に係るデニム製品を表示するものとして単独で使用されている事例は、甲第32号証にわずかに認められるにすぎないこと、加えて、本件商標の登録出願時には既に、申立人の業務に係るデニム製被服をはじめ、同業他社の製品について、その原材料となるデニムが「未加工のデニム」であることを表示するものとして、「ローデニム」、「ロウデニム」の語が使用されていた事実が存在すること(甲第26号証、甲第27号証、甲第33号証)などが認められる。

(イ)前記(ア)で認定した事実によれば、申立人の業務に係るデニム製品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、「G-STAR RAW/ジースターロー」、「G STAR/ジースター」の文字が使用されていたことは認められるものの、引用商標1及び引用商標3並びにこれらの構成中の「RAW」の文字が、申立人の業務に係るデニム製品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
むしろ、「RAW」の語それ自体は、デニムを原材料に使用した被服については、「未加工」の意味をもって、商品の原材料を表示するものとして需要者に認識されるというのが相当であるから、自他商品の識別機能を有しないものということができる。

イ 出所の混同
前記ア認定のとおり、引用商標1及び引用商標3並びにこれらの構成中の「RAW」の文字は、申立人の業務に係るデニム製品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができないことに加え、前記(1)認定のとおり、本件商標は、「R」、「A」、「W」の文字を図案化して結合させたものと直ちには理解されないものであって、一筆書き風に表した構成全体の特異性に印象づけられる図形商標というべきものであるから、これをその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者が、当該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないものいわなければならない。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある商標ということはできないから、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)商標法第3条第1項第5号について、
本件商標は、前記(1)認定のとおり、一筆書き風に表した構成全体の特異性に印象づけられる独創性を有する構成よりなるものであり、図形商標の一種として記憶されるものであるから、単に商品の記号、符号等を表したものと認識されるということはないというべきである。
してみれば、本件商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標ということはできず、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第5号に該当しない。

(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第5号並びに同法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲


(1)本件商標





(2)引用商標1




(3)引用商標3


(色彩は、原本参照)

(4)引用商標4






異議決定日 2010-05-24 
出願番号 商願2009-54559(T2009-54559) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X09)
T 1 651・ 15- Y (X09)
T 1 651・ 261- Y (X09)
T 1 651・ 262- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 斎豊田 緋呂子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 酒井 福造
末武 久佳
登録日 2009-08-28 
登録番号 商標登録第5261264号(T5261264) 
権利者 有限会社ビューマスター
商標の称呼 ロー、アアルエイダブリュウ、アアルエイエヌ 
代理人 石川 達久 
代理人 小笠原 史朗 

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