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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服2008650098 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない X25 |
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管理番号 | 1211504 |
審判番号 | 不服2009-650027 |
総通号数 | 123 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-03-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-02-24 |
確定日 | 2009-12-01 |
事件の表示 | 国際登録第938040号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する不服審判について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲のとおりの構成からなり,第25類「Footwear and parts thereof.」を指定商品として,2007年3月1日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成19年8月23日を国際登録の日とするものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は,「本願商標は,単に四角黒枠内に,『加算法記号』若しくは『加える』の意の記号+を単に書したもので,極めて簡単で,かつ,ありふれれた標章と認められるので,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当する。」と認定,判断をして,本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)本願商標は,別掲に示すとおり,黒の正方形の輪郭内の中央に,「+」の標章を配してなるところ,構成中の正方形の枠線は,三角形,円形及び菱形の図形などと同様に,例えば紋の輪郭図形として使用されており,我が国において古くから,標章の輪郭図形等として普通に採択使用されるものであるから,ありふれた簡単な図形というべきである。また,「+」の標章については,「プラス:加号又は正の数の符号。すなわち「+」。」,「加号:加法を示す記号。プラス記号。すなわち「+」。」(「広辞苑 第6版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行),「プラス ァ)加えることを表す符号。加号。「+」。ィ)正数を表す符号。正号。「+」。」,「加号 加法を示す記号「+」のこと。プラス記号。」(「大辞泉」株式会社小学館 1998年12月1日発行)等の意味合いを表すものとして,我が国で広く一般に知られているものであるから,構成中の「+」の標章は,「加号又は正の数の符号」を表すありふれた標章といい得るものである。 そうすると,ありふれた正方形の輪郭図形で,ありふれた加号又は正の数の符号を囲む構成の本願商標は,単に加号又は正の数の符号である「+」を強調ないし印象づける域を出ず,輪郭図形があることによって,とりたてて独自の観念を想起させるものではないから,全体としても,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標といわざるを得ない。 (2)請求人は,「本願商標は十字図形を正方形の枠内に配したものであり,『+α』『C+』のように表した場合には算術記号の『加える』の意味に捉えられるが,本願商標は,正方形の外枠との組み合わせによりまとまりのある一つの図形となっているから,全体より加算法記号としては看取し得ない。」旨述べ,本願と同じ商標が外国で登録されていること及び過去の登録例を挙げて,本願商標も同様に登録されるべきである旨述べている。 しかしながら,本願商標構成中の正方形の枠線は細い黒線で描かれ,その枠線と「+」の標章との間には,かなりの空間を有していることから,視覚的に,その正方形の枠線と「+」の標章とが常に一体に看取されるものともいい難く,また,正方形の黒い枠線は,輪郭として使用されていることが一般的であることは前記(1)のとおりであるから,看者に,強い印象を与えるものではない。そして,「+」の標章が,十字図形と理解される場合があることを否定するものではないが,商標は,当該商標の客観的な構成に照らして,これに接する取引者、需要者が通常どのように理解,認識するものであるかについて判断すべきであると解されるところ,加号又は正の数の符号である「+」の標章は,我が国においては義務教育課程である小学生の頃から親しんだ算術記号であって,一般に広く知られているものであるから,数字や他の欧文字と一連に表されていない場合でも,本願商標の「+」の標章部分から,加号又は正の数の符号と理解されることも決して少なくないものというべきである。また,請求人は登録例を挙げているが,登録出願に係る商標が,商標法第3条第1項第5号に該当するか否かの判断は,請求人が例示する過去の登録例が存在することのみによって,本願商標が同号に該当することを否定することはできないし,また,本願商標についての同号該当性の判断が,かかる過去の登録例に拘束されるものでもない。さらに,請求人は,諸外国における登録例を挙げているが,我が国に商標登録出願された商標は,あくまでも,我が国の商標法及び我が国の商品取引の実情に照らして登録されるか否かが判断されるものであり,外国で登録されている事実は,我が国における商標登録の可否を左右するものでない。したがって,請求人のいずれの主張も採用できない。 (3)以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当するものであるから,本願を拒絶した原査定は妥当であって,取り消すことはできない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
【別記】 |
審理終結日 | 2009-06-29 |
結審通知日 | 2009-07-01 |
審決日 | 2009-07-17 |
国際登録番号 | 0938040 |
審決分類 |
T
1
8・
15-
Z
(X25)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 八木橋 正雄 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
野口 美代子 清川 恵子 |
代理人 | 西村 雅子 |
代理人 | 田畑 浩美 |
代理人 | 宮永 栄 |