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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 117
管理番号 1209969 
審判番号 取消2008-300652 
総通号数 122 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-02-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2008-05-23 
確定日 2010-01-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第2724292号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2724292号商標(以下「本件商標」という。)は、「elle et elles」の欧文字を横書きしてなり、平成3年4月11日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成11年2月26日に設定登録され、その後、平成21年2月17日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上日本国内において使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁
(1)本件商標の使用について
被請求人は、乙第2号ないし第5号証(被請求人のウェブサイト、新聞折込みチラシ及びパンフレット)に、「elle et elles」又は「エルエエル」の表示を使用していることを理由に本件商標の「被服」への使用を主張する。
しかし、以下のとおり、本件商標が被服について使用されたことを示す証拠は存在しない。
ア 乙第1号証
いずれの頁においても、本件商標の掲載はない。したがって、乙第1号証は、本件商標の使用を立証するものではない。なお、17、18頁には、被請求人が事業展開するプライベートブランドの紹介が掲載されているが、ここには本件商標の掲載は一切なされていない。これは、被請求人が本件商標をマイカルのプライベートブランドとしては全く使用していないことを示すものである。
イ 乙第2号証
(ア)1頁目には、左上に「2008 Autumn」の記載があること、さらに2、3頁には、右下に「2008/09/11」の記載があることから、明らかに本件審判の請求後に作成・印刷されたもので、本件審判の請求前3年間の間にこれらの頁が存在したこと、あるいは当該頁に乙第2号証に記載されているような記載があったことが何ら証明されていない。
したがって、被請求人の主張する「C2006」(「C」は、○の中に「c」の文字を入れたマーク。以下「Cマーク」という。)の表示やURLに含まれる「0609」の文字にしても、その当時の表示の内容が現在と同じであることを何ら担保するものではない。
(イ)乙第2号証は、本件商標が指定商品に使用されていることの証拠となるものではないことが明らかである。
すなわち、1頁は、SHOP NAVIという店舗検索を行った結果の店舗リストが記載されているウェブページの中に「エル・エ・エル」又は「エルエエル」との記載があり、また、2頁は、横浜ビブレの店内フロアガイドに含まれるフロアの地図の一区画について「エル・エ・エル」の文字が表示されているものであり、さらに、3頁は、フロアガイドの中の1頁に「elle et elles」及び「エル・エ・エル」の各表示があるが、これらの表示は、何ら具体的な商品についてなされたものではないため、「被服」について本件商標が使用されている事実を何ら示していない。
(ウ)したがって、乙第2号証は、本件商標の指定商品についての商標の使用を何ら裏付けるものではない。
ウ 乙第3号証
(ア)乙第3号証の1は、右上に「2006年9月22日」との記載はあるものの、これが実際に名宛人となっている「報道機関各位」に実際に配布されたという事実は何ら示されていない。したがって、乙第3号証の1は、本件商標の使用の証拠となるものではない。
また、乙第3号証の1の2頁及び5頁には、「ボディケア/エルエエル」との記載があるが、2頁は、当該記載の右部に説明として、「レディスインナーショップ『エルエエル』を複合ショップとして展開いたします。」と記載されているだけであるし、5頁も、リストの「店名」欄に、かかる記載があるだけであり、いずれの箇所にも、具体的な商品についてこれらの表示が使用されている事実が示されているものではないから、本件商標の指定商品についての使用を裏付けるものではない。
(イ)乙第3号証の2は、右下に「2008/09/11」との記載があることから、明らかに本件審判の請求後に作成・印刷されたもので、本件審判の請求前3年間の間にこれらの頁が存在したこと、あるいは当該頁に乙第2号証に記載されているような記載があったことが何ら証明されていない。
また、乙第3号証の2には、「elle et elles」及び「エル・エ・エル」の記載があるが、具体的な商品に関連した記載ではない。具体的な商品の記載としては、「<Tuche UNO COLLECTION>」「<rolian mille」 >」「<トリンプ「C’estca」>」といった記載があるのみである。
(ウ)乙第3号証の3には、「2006 9/23 sat.OPEN!!」の記載はあるものの、かかる文書が一般に配布されたことの証拠は何ら示されていない。さらに、この文書には、「elle et elles」及び「エル・エ・エル」の各表示はあるが、具体的な商品に関連してこれらの記載が行なわれているものではない。確かに同じ頁に、下着姿の女性の写真は写っているが、これにより商品について本件商標の使用がされていたものとは到底言えるものではない。したがって、乙第3号証の3は、本件商標の使用を証明するものではない。
(エ)乙第3号証の4は、一般的に配布された事実は何ら証明されておらず、商標の使用の証拠となるものではない。また、乙第3号証の4の1頁、2頁には、「elle et elles」の表示はあるものの、具体的な商品に関連してこの表示が行なわれているものではない。
エ 乙第4号証
乙第4号証の1及び2には、「キャンペーン期間 2007年3/1(木)?11(日)」との記載はあるものの、そもそもコピーであり、かかる広告の存在、及びかかる広告が実際に一般に配布されたことの証明はされていない。また、内容を見ても、「2F エル・エ・エル」及び「elle et elles」の各表示は、あくまでコーナー名の表示としての意味を有しているにすぎない。確かに、下着の写真が同じ広告に表示されていることは認められるが、「2F エル・エ・エル」及び「elle et elles」の各表示は、具体的な商品と何ら関連付けられて表示されているわけではなく、したがって、本件商標が「被服」について使用されているとは到底認定できるものではない。
オ 乙第5号証
乙第5号証は、かかる広告が本件審判の請求前3年間の間に配布されたことの証明が行なわれていない。乙第5号証には、「セール期間3/1(木)?4(日)」の表示はあるが、それが何年のものであるかの表示はない。「07・店・B」の表示は、これが2007年のものであることの証拠となるものではない。さらに、かかる広告が一般に配布されたことの立証もされてはいない。
さらに、乙第5号証における「エル・エ・エル」及び「elle et elles」の各表示は、本件商標が被服に使用されていることの証拠とはならない。乙第5号証における上記表示は、具体的な商品と関連付けて行なわれているものではない。当該囲み枠の内部には、「ワコール」「トリンプ」「ウイング」等の各表示があり、その下に具体的な商品の写真があり、これらの「ワコール」「トリンプ」「ウイング」の各表示は具体的な商品についての商標の使用と認めうる余地があるとしても、乙第5号証における「エル・エ・エル」及び「elle et elles」の各表示は商品についての本件商標の表示ではない。
カ まとめ
以上のように、乙第1号ないし第5号証は、本件審判の請求前3年間の間に一般に配布されていたことの証明がないものであり、証拠力を欠くものである。加えて、これらの証拠における「エル・エ・エル」及び「elle et elles」の各表示が具体的な商品上に表示されたことを示す証拠は全く提出されていないし、提出された広告等の証拠についても、上記表示が具体的な商品と関連付けられて使用されているものではなく、単なるコーナー名として使用していた事実を立証しているにすぎず、本件商標を指定商品中の「被服」に使用している事実を何ら示すものではない。
(2)小売等役務商標制度について
被請求人は、特許庁「平成18年度小売等役務商標制度説明会」テキストの抜粋を示し、本件商標の使用方法を「商品の商標」とする根拠とする(乙第6号証)。
しかしながら、上記テキスト2頁の記述は、「小売業者等が商品について使用をする商標は、『商品』に係る商標としての範囲内では商標法による保護がある」ことを単に確認している記述にすぎない。上述のように被請求人が、そもそも商品について商標の使用をしていない場合とは別次元の話であるため、本件審判とは関係のない記述である。
また、上記テキスト14頁目によると、「食料品スーパーの広告チラシに掲載される目玉商品の写真と表示価格付近に表示された商標は、需要者からみて、商品の出所を表すものと認識されますから、このような表示形態は、商品の商標の使用と認められます。」と記述されている。しかしながら、乙第1号ないし第5号証によっても、商品写真や表示価格付近に本件商標が表示されているものはない。
したがって、上記テキストの基準に照らしても、需要者は、「エル・エ・エル」及び「elle et elles」の各表示について、商品の出所を表すものとしては認識しないため、商品の商標の使用とは認められないから、乙第6号証は、被請求人が、本件商標を「被服」について使用しているという事情の何の証拠ともなり得ていない。
(3)むすび
以上から、乙各号証は、本件商標の「被服」及びその他請求に係る指定商品への使用を客観的に推認し得るものとはいえず、答弁の内容については疑義が残るものであるから、本件商標は不使用と判断せざるを得ない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号ないし第6号証(枝番を含む。)を提出した。
1 使用の事実
(1)被請求人の事業内容は、総合小売業であり、全国各地に110店舗を運営しているところ、「ビブレ(VIVRE)」という店舗名のファッション専門店は、現在15店舗展開している(乙第1号証)。
ビブレの店内にあるレディースインナー(婦人肌着類、レディースアンダーウェア)ショップの名称として、本件商標の態様と同じ「elle et elles」を売場に表示し、チラシ、パンフレット、ウェーブ画面、売場案内等には、「elle et elles」の読み方として、記述的に「エルエエル」のフリガナを付けて案内している。
(2)被請求人のホームページには、本件商標の態様と同じ「elle et elles」を表示したレディースインナーショップがあるビブレの一例とその店舗の中で横浜ビブレのサイトの中にある店内フロアガイド(売場案内)に掲載されている(乙第2号証)。
(3)ビブレで販売されている商品の販売促進を目的に配布された新聞折込みチラシの中に、レディースインナーショップ「elle et elles」が掲載されている(乙第3号ないし第5号証)。
ア 乙第3号証の1ないし4は、福岡東ビブレのパンフレット等である。
(ア)福岡東ビブレは、2006年9月23日(土)にオープンし、そのプレスリリースには、レディーズインナーショップ「エルエエル」と記載されている(乙第3号証の1、2頁下段)。
(イ)被請求人のホームページには、福岡東ビブレのフロアガイド(売場に番号を付してある。)を掲載し、その中の「(3) エル・エ・エル(レディースインナー)」をクリックすると、「elle et elles エル・エ・エル」を紹介した画面が開くようになっている(乙第3号証の2)。
なお、この頁をアクセスした日は、「2008/09/11」であるが、この頁は2006年には存在していた。このことは、「Copyright(c)2006MYCAL VIVRE.」及び「http://www.mycal.co.jp/vivre/news/0609fuku_higasi」と記載されていることから明らかである。
(ウ)福岡東ビブレのオープン(2006 9/23)の際に配布したパンフレットの中面の左下付近に本件商標を記載し、「トレンドに敏感な女性のためのランジェリーショップ」の文字とランジェリーを着た女性の写真を3点掲載している(乙第3号証の3)ことから、レディースインナーを取り扱っていることがわかる。裏面のフロアガイドには乙第3号証の2と同じフロア図面が記載されている。
(エ)パンフレット(乙第3号証の4)の両面に、本件商標が記載されており、裏面には「エロカワ系ほかラブリーブラ&ショーツセット」と記載されていることからも、レディースインナー取り扱っていることがわかる。また、裏面の上段に「2007.3.16fri?3.18sun」のセール期間の記載があることから2007年3月に発行されたチラシである証明となる。
イ 乙第4号証の1及び2は、「茨木ビブレ」及び「枚方ビブレ」の新聞折込みチラシである。
これらのチラシ表面の左下に「MYCAL/VIVRE」、「セール期間3/1(木)?4(日)」等と記載され、この面の衣料品関係の商品写真が掲載されている左側中段に本件商標と同様の態様で「elle et elles」が記載され、春のインナー特集としてランジェリーファンデーション等商品の写真が4点掲載されている。当該チラシが発行された日付は、左上に「大創業祭特別企画 キャンペーン期間2007年3/1(木)?11日(日)」と記載されていることから、2007年3月である。
ウ 乙第5号証は、「宇多津ビブレ」の新聞折込みチラシである。
このチラシのセール期間は、3/23(金)?25(日)であり、チラシ左下に「VIVRE」と表記した下に小さく「07・店・B」とあるのは、2007年発行という記号である。また、乙第5号証に添付する「2007年カレンダー」からも2007年の日付であることが証明できる。このチラシの裏面左側上段に本件商標と同様の態様で「elle et elles」が記載され、ランジェリーファンデーション等のレディースインナー関係の商品写真が13点掲載されている。
エ 以上のとおり、本件商標の指定商品中の「肌着類」の広告(乙第3号ないし第5号証)に本件商標と同様の態様を付して頒布したことは明らかである。

2 被請求人は、本件商標の使用方法は「商品」に係わる商標と確信しているが、小売等役務商標になるという異論があることも考慮して、あえて小売等役務商標制度導入前の2007年3月以前に配布した新聞折込みチラシ等を使用の証拠資料として提出した。
乙第6号証は、特許庁「平成18年度小売等役務商標制度説明会」テキストの抜粋であり、被請求人が本件商標の使用方法は「商品の商標」とする根拠の一例である。
このテキストの2頁に「小売業者等によるサービス活動に使用される商標は、今回の商標法の改正の施行前までは『役務』に係る商標としては保護されていません。ただし、小売業者等が商品について使用をする商標は『業として商品を(中略)譲渡する者がその商品について使用するもの』(商標法第2条第1項第1号)に該当しますから、『商品』に係る商標としての範囲内では商標法による保護が図られてきたといえます。このような事情から、小売業者等は、自己が使用する商標について商標法上の保護を求める場合には、自らが販売する商品の商標権を取得して、商品の商標として保護を受けることができるにとどまっていました。」と記載され、また、14頁には、商品の商標と小売等役務の商標との関係が記述されており、(2)商品の商標と小売等役務の商標の使用で、「例えば、食料品スーパーの広告チラシに掲載される目玉商品の写真と表示価格付近に表示された商標は、需要者からみて、商品の出所を表すものと認識されますから、このような表示形態は、商品の商標の使用と認められます。」と記載されている。
以上のことからも、本件商標の使用方法は、「商品に係わる商標」であることが確認できる。
3 むすび
以上のとおり、請求人の主張は、正当なものではなく、本件商標は正当な権利を有する登録商標であることは明白である。

第4 当審の判断
1 乙第1号ないし第5号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)被請求人(商標権者)は、「高感度なティーンズのさまざまなニーズにあわせて、トレンドを効かせたアイテムを提供するファッション専門店」なるコンセプトのもとに、若い世代を対象とした被服やこれに関連する雑貨、靴下等の各専門店を店舗内に集合させた「ビブレ(VIVRE)」なる店舗を、2008年4月現在全国に15店舗を営業している(乙第1号証)。
(2)被請求人のホームページ(VIVRE 2008.Autumn)には、「エル・エ・エル」がVIVREの直営店であることが表示されている(乙第2号証)。
(3)被請求人は、2006年9月23日に開店した「福岡東ビブレ」(福岡県糟屋郡粕屋町)の開店にあたり、2006年9月22日付けでニュースリリースをした。該ニュースリリースにおける「福岡東ビブレのポイント」の項目(2頁)の「1.レディースファッションゾーン」には、「エルエエル」について、「・・『美しさ・かわいさ・エレガンス』をテーマにしたレディースインナーショップ『エルエエル』を複合ショップとして展開いたします。」と記載された。また、被請求人は、上記「福岡東ビブレ」の開店の際には、「福岡東ビブレ」内の店舗について、パンフレットで広告をした。該パンフレットには、「elle et elles エル・エ・エル」の表示と共に「レディースインナー」の表示及び下着姿の女性の写真が掲載された。さらに、被請求人は、「福岡東ビブレ」の2007年3月16日から同18日に行われたリニューアルセールについて、チラシで広告をした。該チラシには、「elle et elles」の表示と共に「レディースインナー」の表示が掲載され、店舗紹介として、「ロリアンミル、BonManiereのブランドをはじめキャラクターショーツ(XOXO、キティ、スヌーピー、アメユミ)やエロカワ、レース&フリル、プリントなどのブラジャー&ショーツセットの種類がかなり豊富!」などと掲載された(乙第3号証の1、3、4)。
(4)被請求人は、「茨木ビブレ」(茨木市松ケ本町)の2007年3月1日から同4日に行われたセールに際し、同店舗内の直営店やテナントなどの各専門店が取り扱う商品をチラシで広告した。該チラシには、「2F/エル・エ・エル」、「elle et elles」の表示のもと、「ラブリー系&めりはりボディ系など春インナー特集」として「キャミソール、ガードル」などの婦人用下着の写真が掲載された(乙第4号証の1)。
(5)被請求人は、「枚方ビブレ」(枚方市岡本町)の2007年3月1日から同4日に行われたセールに際しても、上記(4)と同様に、同店舗内の直営店やテナントなどの各専門店が取り扱う商品をチラシで広告した。該チラシには、「4F/エル・エ・エル」、「elle et elles」の表示のもと、「ラブリー系&めりはりボディ系など春インナー特集」として「キャミソール、ガードル」などの婦人用下着の写真が掲載された(乙第4号証の2)。
(6)被請求人は、「宇多津ビブレ」(香川県綾歌郡宇多津町)の2007年3月23日から同25日に行われたセールに際し、同店舗内の直営店やテナントなどの各専門店が取り扱う商品をチラシで広告した。該チラシには、「2F/エル・エ・エル」、「elle et elles」の表示のもと、「婦人肌着のブランドランジェリー・ファンデーション/ワコール、トリンプ、ウイング」などとして、婦人用下着の写真が掲載された(乙第5号証)。

2 前記1で認定した事実によれば、被請求人は、その営業に係る「福岡東ビブレ、茨木ビブレ、枚方ビブレ、宇多津ビブレ」の各店舗内に、被請求人の直営店である「elle et elles/エルエエル(又は「エル・エ・エル」)」なる「レディースインナー」、すなわち「婦人用下着」の専門店を設置したこと、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成20年6月10日)前3年以内である2006年(平成18年)9月22日に福岡東ビブレの開店にあたり、「レディースインナーショップ『エルエエル』」についての広告をし、さらに、2007年3月16日から同18日にかけて行われた福岡東ビブレのリニューアルセールに際し、チラシをもって「レディースインナー/elle et elles」と広告をしたこと、また、被請求人は、茨木ビブレや枚方ビブレ、あるいは宇多津ビブレの各店舗内に設置した「elle et elles」についても、本件審判の請求の登録前3年以内である2007年(平成19年)3月に、チラシをもって「エル・エ・エル/elle et elles」の表示のもと、婦人用下着について、その写真と共に広告をしたことが認められる。
そして、「elle et elles/エルエエル(又は「エル・エ・エル」)」の取り扱う「婦人用下着」は、本件請求に係る指定商品中の「被服」の範疇に含まれる商品と認めることができる。
してみると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件請求に係る指定商品に含まれる「婦人用下着」について、「エル・エ・エル/elle et elles」、「elle et elles/エルエエル」、「elle et elles」の表示のもとに、チラシ、パンフレットなどで広告をしたと認め得るところであり、上記「エル・エ・エル/elle et elles」、「elle et elles/エルエエル」、「elle et elles」が本件商標と社会通念上同一の商標であることについては、当事者間に争いがない。
したがって、被請求人(商標権者)の上記行為は、商標法第2条第3項第8号に該当するものということができる。

3 請求人の主張について
(1)乙第1号証について
請求人は、本件商標の掲載がないから、本件商標の使用を立証するものではない旨を主張する。
しかし、乙第1号証は、被請求人が「ビブレ(VIVRE)」なる店舗を全国展開していることを立証するためのものであるから、これに本件商標が掲載されていないことをもって、直ちに被請求人が本件商標を使用していないことにはならない。したがって、請求人の上記主張は理由がない。
(2)乙第3号証について
ア 請求人は、乙第3号証の1が実際に報道機関に配布されたという事実は示されていないし、また、具体的な商品に「エルエエル」が使用されている事実が示されていない旨主張する。
しかし、前記認定のとおり、乙第3号証の1には、「エルエエル」について、「『美しさ・かわいさ・エレガンス』をテーマにしたレディースインナーショップ『エルエエル』」の記載があり、「エルエエル」が婦人用下着を取り扱う店舗名であることは明らかであって、乙第3号証の3、4等を総合すれば、「elle et elles/エルエエル(又は「エル・エ・エル」)」の表示のもとに、婦人用下着の販売がされていると認めることができるから、乙第3号証の1に示される「エルエエル」が、当該店舗で取り扱う婦人用下着のすべてについて、自他商品の識別標識としての機能を果たしているものとみることができる。また、ニュースリリース等にあっては、特段の事情がない限り、これが報道機関に配信されたと推認するのが相当である。したがって、請求人の上記主張は理由がない。
イ 請求人は、乙第3号証の3及び4が配布されたという事実は示されていないし、また、具体的な商品に「elle et elles エル・エ・エル」又は「elle et elles」が使用されているものではない旨主張する。
しかし、チラシ等に様々な商品の広告が表示され、商標が表示がされているような場合は、特段の事情がない限り、同一の商標を付した商品を販売する目的をもって配布されたと推認するのが相当である。また、乙第3号証の3及び4における「elle et elles エル・エ・エル」又は「elle et elles」は、当該店舗で取り扱う婦人用下着すべてについて、自他商品の識別標識としての機能を果たしていると認められることは、前記アと同様である。したがって、請求人の上記主張は理由がない。
(3)乙第4号証について
乙第4号証の1及び2は、コピーであり、実際に存在した広告であるのか、また、実際に配布されたものであるのか証明はされていないし、「エル・エ・エル」、「elle et elles」の表示が具体的な商品と関連づけられていない旨主張する。
しかし、乙第4号証の1及び2がコピーであるとしても、その掲載内容から判断すれば、これが全く存在していなかったとはいえない(なお、本件審判の答弁書(正本)には、乙第4号証の1及び2として、チラシの原本が添付されている。)のみならず、「エル・エ・エル」、「elle et elles」の各表示が当該店舗で取り扱う婦人用下着すべてについて、自他商品の識別標識としての機能を果たしていると認められること及びこれが配布されたと推認し得ることは、乙第3号証の3及び4と同様である。したがって、請求人の上記主張は理由がない。
(4)乙第5号証について
請求人は、乙第5号証が配布されたという事実は示されていないし、また、その発行年も不明である。さらに、乙第5号証における「エル・エ・エル」及び「elle et elles」の各表示は、具体的な商品と関連付けて行なわれているものではない旨主張する。
しかし、乙第5号証が配布されたと推認し得ることは、乙第3号証の3及び4と同様である。また、乙第5号証の発行年が2007年であることは、これと同時に提出されたカレンダーからも明らかである。さらに、乙第5号証において、「エル・エ・エル」及び「elle et elles」の各表示のもとに、「婦人肌着のブランドランジェリー・ファンデーション/ワコール、トリンプ、ウイング」などの記載があることは前記認定のとおりであるが、「エル・エ・エル」及び「elle et elles」の各表示は、上記商品を含めた当該店舗で取り扱う婦人用下着すべてについて、自他商品の識別標識としての機能を果たしているものとみるのが相当である。したがって、請求人の上記主張は理由がない。

4 むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件請求に係る指定商品中の「婦人用下着」に本件商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2009-03-04 
結審通知日 2009-03-06 
審決日 2009-03-18 
出願番号 商願平3-37596 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (117)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 小川 きみえ
佐藤 達夫
登録日 1999-02-26 
登録番号 商標登録第2724292号(T2724292) 
商標の称呼 エルエエル 
代理人 達野 大輔 
代理人 関根 秀太 
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