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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 105
管理番号 1208268 
審判番号 取消2004-31463 
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-01-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-11-09 
確定日 2009-01-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第2635064号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2635064号商標(以下「本件商標」という。)は、平成3年4月26日に登録出願、「WHITE FLOWER」の欧文字を横書きしてなり、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、同6年3月31日に設定登録されたものである。
なお、指定商品については、平成16年10月27日に指定商品の書換登録がされ、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」と書き換えられている。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標登録をその指定商品中の「薬剤」について取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
1 請求の理由
請求人は、本件請求に先立って、職業的調査機関に依頼して、商標権者の業務内容、取扱商品の範囲、そして本件商標の使用の実態について、取引先に対する照会等を含め鋭意詳細に調査を実行したが、本件請求に係る指定商品に関する限り、本件商標が使用されたことを示す資料を発見することが出来なかった。また、本件登録については、専用使用権または通常使用権の登録もされておらず、それらの存在を窺わせる資料も存在しない。
したがって、本件商標は、前記商品については過去3年間にわたって日本国内では使用されなかったものと推認されるので、請求の趣旨のとおりの審決を求める。
2 答弁に対する弁駁
被請求人は、日本国内において、商標法第2条第3項所定の使用事実がないことを自認していると言える。日本からの注文に対して個人輸入の範囲で応じているとも述べるが、一般取引における流通を前提とせず、輸入者個人が費消するために搬入されるに止まるから、商標法第2条第3項各号の使用行為には該当しない。
また、被請求人は、2003年(平成15年)9月29日に、日本のディストリビューターを通じて医薬品輸入承認申請書を厚生労働省に提出しているが、審査が遅延しているためにいまだ許可が下りていないと述べている。
しかしながら、本件商標は、平成6年3月31日に商標登録されており、前記輸入許可申請は、そのほぼ9年半後に至って初めてなされたものであって、認可が下りればすぐにでも正式使用を開始できるという被請求人の主張は、それ自体成り立たないものである。むしろ、このような商標登録の存在こそが第三者の商標採択の余地を不当に狭めるものであって、不使用商標の整理を目的とした不使用取消制度の存在理由に合致するものであると言える。
よって、被請求人の主張立証は理由がなく、請求の趣旨のとおりの審決がなされるべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第10号証(枝番を含む)を提出した。
(1)被請求人は、本件商標を「薬用油」に事実上使用しているが、これは審判請求にかかる指定商品「薬剤」の範疇に含まれるものである。
被請求人の創始者であるGan Geok Eng氏は、メントール、カンフル油及び冬緑油とユーカリ油、ラベンダー油等の一般的な植物油を配合して、消炎作用を有する「薬用油」を開発することに尽力を注ぎ、遅くとも1927年にはその開発に成功し、これを「白花油」なる商標の下に市販し、かつ、「白花」の直意訳「WHITE FLOWER」を副次的商標として併用した(乙第1号証)。
以来、70年以上にもわたり、被請求人による「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」は香港をはじめとするアジア地域の人々に愛用され、いまやアジア地域だけではなく、米国、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、アフリカ、中東等、世界的規模で当該「薬用油」は販売されており、それに伴ってこれらの国々で本件商標に関する情報・知識もまた大なり小なり浸透しつつあるといっても誤りではない(乙第4号証9?15)。
乙第2号証の1ないし15は、本件商標にかかる商品の香港をはじめ、オランダ、カナダ、タイ、フィリピン、インドネシア等販売各国におけるパッケージの写しである。被請求人が香港その他の諸外国で本件商標にかかる商品を販売する際に使用しているものであり、いずれも「白花油」と「WHITE FLOWER」が並列的に使用されている。
また、被請求人は、当該「薬用油」を香港国際空港内の複数の免税店及びシンガポールの空港等で販売しており(乙第4号証の1ないし8)、香港へは買い物に出かける日本人も多く、香港の免税店で被請求人にかかる商品に接する日本人の数は決して少ないとはいえない。そして、インターネットで検索すると、「白花油/WHITE FLOWER」商品は、香港やフィリピンのおみやげとして、また、肩こりや頭痛に効く薬として、日本人により日本語で紹介されている(乙第4号証の9ないし15)。
すなわち、「白花油/WHITE FLOWER」商品は、永年のアジアを中心とする諸外国での販売の積み重ねにより、日本の需要者間にすでに認識されているといえる。
また、集英社発行の雑誌「BAILA」2005年4月号の付録にも「白花油/WHITEFLOWER」商品が掲載されている(乙第10号証)。
(2)「白花油/WHITE FLOWER」商品の個人輸入について
上述の日本人旅行者による「白花油/WHITE FLOWER」商品の持ち帰りを機に、被請求人のもとへは、当該商品を手に入れた日本人から、日本での販売の有無や香港から日本への送付の可否を問い合わせる手紙が永年にわたり相次いで届いている(乙第5号証の1ないし8)。
承認・許可・登録を取得していない医薬品等の個人輸入等については、決められた数量の範囲内であれば、個人用等としての輸入であることが明らかであるとして、税関限りの確認で通関できることになっている(乙第9号証)ことから、被請求人は、日本からの注文に対しては、個人輸入の範囲に限り応じている(乙第6号証の1ないし10)。
(3)医薬品輸入承認申請書の提出について
被請求人は、「白花油/WHITE FLOWER」を正式に日本で販売するため、2003年9月29日に、「医薬品輸入承認申請書」を厚生労働省に日本のディストリビューターを通じて提出している(乙第7号証の1)。なお、乙7号証の1における「成分」等の欄が空白であるのは、記載事項が多いために添付別紙(乙第7号証の2)で説明しているためである。
当該申請書には、販売名として「白花油YY」の記載のみがあるが、これは、厚生労働省において英文字のみの販売名での申請が認められていないこと及び厚生労働省において販売名の記載は一品目一表示と定められていることに基づくものである。
厚生労働省によると、申請書に記載した販売名は、法定表示とされ、許認可後、申請人が当該販売名を使用する際に、法定表示以外の表示(付加表示という。)を使用する場合があっても、法定表示が同時に使用されていれば、薬事法上問題はないとのことである。
「WHITE FLOWER」が「白花油」の副次的商標であることは「WHITE FLOWER」が「白花」の直意訳であることから明らかであり、また香港をはじめとする諸外国でも「白花油」と「WHITE FLOWER」は並列的に使用されてきていることから、「WHITE FLOWER」は付加表示として問題ないと思われる。
現在、厚生労働省による審査が遅延しており、未だ輸入許可はおりていない。これは、平成17年4月施行の改正薬事法の施行細則等の詳細が決まっていなかったため、本件をはじめ、多くの申請の審査が遅れているということである。被請求人は、厚生労働省の許可が下りればすぐに本件商標を正式に使用開始できるよう、既に、日本におけるディストリビューターと2001年10月15日に契約を締結し、その後、輸入申請に必要な臨床試験を2年ほどかけて繰り返し、日本におけるパッケージデザインを決定(乙第8号証)し、日本に売り出せる環境を万全に整えて待機している最中である。
(4)よって、本件審判請求は、棄却されるべきである。

第4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
乙第1号証(被請求人のカンパニープロフィール)によれば、被請求人の創始者であるGan Geok Eng氏は、遅くとも1927年には、メントール、カンフル油及び冬緑油とユーカリ油、ラベンダー油等の一般的な植物油を配合して、消炎作用を有する「薬用油」の開発に成功し、これを「白花油」なる商標の下に市販し、かつ、「白花」の直意訳「WHITE FLOWER」を副次的商標として併用したこと。
乙第2号証の1ないし15(「WHITE FLOWER」商品の各国におけるパッケージ写)によれば、被請求人は、香港をはじめ、アメリカ、オランダ、カナダ、スイス、タイ、フィリピン、インドネシア等の各国に「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」を販売しており、各国における商品のパッケージの写しには、いずれも、「白花油」と「WHITE FLOWER」の文字が並列的に使用されていること。
乙第4号証の1ないし8(被請求人に係る商品に関する免税店との取引書類等)によれば、被請求人は、当該「薬用油」を香港国際空港内の複数の免税店及びシンガポールの空港等で販売していること。
乙第4号証の9ないし15(インターネット資料)によれば、「白花油/WHITE FLOWER」印の商品は、香港やフィリピンのおみやげとして、また、肩こりや頭痛に効く薬として、ウェブサイトにおいて日本語で紹介されていること。
乙第5号証の1ないし8及び乙第6号証の1ないし10は、日本の需要者による「白花油/WHITE FLOWER」印の商品に関する問い合わせや個人輸入に関する取引書類の写しであり、例えば、乙第6号証の1によれば、2004年2月25日に日本の個人消費者Kawahara氏と被請求人との間で、個人輸入取引がなされたことが認められる。
(2)上記において認定した事実を総合してみれば、被請求人は、「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」を香港をはじめとするアジア地域だけではなく、米国、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア等、多くの国々において販売しており、香港国際空港内の複数の免税店等においては、日本からの観光客も多いことからみれば、「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」に接する日本人の数も決して少なくないといえる。また、インターネットによっても、「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」は、日本語で紹介されており、我が国においても、被請求人の業務に係る「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」は、この種商品に関心のある需要者間においては、一定程度知られていたものと推認することができる。
そして、株式会社薬業時報社発行「医薬品等輸入の手引き 2000」(乙第9号証)によれば、我が国における承認・許可・登録を取得していない医薬品等の個人輸入等については、決められた数量の範囲内であれば、個人用等としての輸入であることが明らかであるとして、税関限りの確認で通関できることになっており、「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」の購入を希望する者は、個人輸入の形で被請求人から輸入していたことを認めることができる(乙第5号証の1ないし8及び乙第6号証の1ないし10)。
そうとすれば、「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」は、本件審判の請求の登録日(平成16年11月30日)前3年以内に、日本国内に輸入されていたものといわなければならない。そして、使用に係る商標は、「白花油」の漢字とともに「WHITE FLOWER」の欧文字も併せ表示されていたものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であり、また、使用に係る商品「薬用油」は、メントール、カンフル油及びユーカリ油、ラベンダー油等の植物油を配合した消炎作用等を有する商品と認められるものであるから、取消請求に係る「薬剤」の範疇に属する商品と認められるものである。
(3)この点について、請求人は、個人輸入は、一般取引における流通を前提とせず、輸入者個人が費消するために搬入されるに止まるから、商標法第2条第3項各号の使用行為には該当しない旨主張している。
しかしながら、上記において認定したとおり、被請求人は、日本の消費者からの注文に対して、個人輸入の範囲に限り応じていたものであり、「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」を日本に居住する一般の消費者に販売したものであるから、日本において商標法第2条第3項第2号に該当する行為、すなわち、「商品・・・に標章を付したものを譲渡」する行為をなしたものであることは明らかである。
(4)また、請求人は、被請求人が「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」を正式に日本で販売するため、2003年9月29日に、「医薬品輸入承認申請書」を厚生労働省に提出していることに対して、該輸入許可申請は、商標登録された後、ほぼ9年半後に至って初めてなされたものであって、不使用取消制度の趣旨からみて、このような被請求人の主張は、それ自体成り立たないものである旨主張しているので、この点についても言及する。
確かに、商標法第50条に基づく登録取消審判において、同条第2項ただし書に規定する正当な理由を判断するにあたっては、当該登録商標が登録後、引続き長期間に亘る不使用の状態にあるときは、その不使用の事実ないし状況は、不使用についての正当な理由の存否の判断に当って、考慮されるべきものであることは、請求人の主張するとおりである。
しかしながら、本件商標の場合、被請求人の主張によれば、被請求人は、日本におけるディストリビューターと2001年10月15日に契約を締結し、その後、輸入申請に必要な臨床試験を2年ほどかけて繰り返し、2003年9月29日に、「医薬品輸入承認申請書」を厚生労働省に提出しており、日本におけるパッケージデザインも決定し(乙第8号証)、日本に売り出せる環境を整えて待機している状態にある。
そうとすれば、厚生労働省の許可が下りていないため、「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」の日本での正式な販売が未だできないことは、我が国において本格的な販売ができないことについての正当な理由とみても差し支えないものというべきである。
しかも、前記のとおり、本件商標は、香港への旅行客を通じて、また、インターネット情報により、あるいは、個人輸入の形式によって、既に、我が国においても、一定程度の信用が蓄積されているものであるから、何らの信用も蓄積されることなく、長期間に亘って不使用の状態のまま放置されていた商標と同一に扱うことは、むしろ、不使用取消制度の趣旨に反するものというべきである。したがって、この点についての請求人の主張は採用できない。
(5)以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を請求に係る商品「薬剤」について使用していたものである。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る「薬剤」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-09-29 
結審通知日 2005-10-05 
審決日 2005-10-18 
出願番号 商願平3-43931 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (105)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 金子 茂田中 敬規上村 勉 
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 山本 良廣
池田 光治
登録日 1994-03-31 
登録番号 商標登録第2635064号(T2635064) 
商標の称呼 ホワイトフラワー、フラワー 
代理人 青木 博通 
代理人 西津 千晶 
代理人 中田 和博 
代理人 足立 泉 
代理人 柳生 征男 
代理人 樋口 豊治 
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