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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 009
管理番号 1205141 
審判番号 取消2007-300701 
総通号数 119 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-11-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-05-31 
確定日 2009-09-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第4225567号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 1 登録第4225567号商標の商標登録は取り消す。 2 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4225567号商標(以下「本件商標」という。)は、「ELEKTA」の文字を横書きしてなり、平成8年10月2日に登録出願され、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,救命用具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,レコード,自動販売機,金銭登録機,手動計算機,電気計算機,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,家庭用テレビゲームおもちゃ,電線及びケーブル,電気掃除機,電気掃除機用ホース,電気式ヘアカーラー,電気アイロン」を指定商品として平成10年12月25日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要旨 請求人は、結論1と同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、そのいずれの指定商品においても、過去3年間商標権者によって、日本国内において使用された事実が認められないばかりでなく、商標登録原簿の記載に徴するも、本件商標には、専用使用権者又は通常使用権者の設定登録の事実もないので、本件商標が、これらの使用権者によって使用されているものとも認められない。
してみれば、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用していないものであるから、商標法第50条第1項の規定に基づいて、その登録は取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁
(1)商標法第50条第2項は、本審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品等について登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品等に係る商標登録の取消しを免れない旨規定している。
ところで、商標法第35条で準用する特許法第98条第1項第1号は、商標権の移転(一般承継を除く。)は、登録しなければその効力を生じない旨規定している。
これを本件について見ると、本件商標登録に係る商標権は、平成19年8月13日付単独申請による商標権移転登録申請書により、本審判請求の登録日たる平成19年6月18日(本件答弁書によれば、本件審判請求の登録の日は2007年6月14日としているが、登録原簿上は平成19年(2007年)6月18日である。)よりも遅い平成20年2月13日に、前商標権者たるマラツ・(エイチ・ケー)・リミテッドから被請求人への、特定承継による商標権の移転に係る登録がなされている(甲第1号証)。
したがって、本審判においては、前商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品等について登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品等に係る商標登録の取消しを免れないものとなる。
この点について、被請求人提出の答弁書には、前商標権者たるマラツ・(エイチ・ケー)・リミテッドの使用の事実に関する記述は何ら見当たらない。
また、乙第1号証ないし乙第7号証には、前商標権者の登録商標の使用に係る記載は何ら存在しない。
そして、商標法第30条第4項で準用する特許法第98条第1項第2号は、専用使用権の設定は、登録をしなければその効力を生じない旨規定しているところ、本件商標に係る商標登録原簿には専用使用権の登録に係る記載が何らないため、専用使用権者は存在しない。
さらに、前商標権者たるマラツ・(エイチ・ケー)・リミテッドが許諾した通常使用権の存在に関する主張も証拠も何ら存在しない。
よって、被請求人は商標法第50条第2項所定の、本審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品等について登録商標の使用をしていることを、何も証明していない。
(2)次に、被請求人は本件商標の使用の事実を証明する証拠として、「INVOICE(納品書)」と被請求人が主張する書面(乙第1号証ないし乙第6号証)を提出している。
しかし、被請求人は、実際に使用されている商標の態様を示す証拠(カタログ等)を何ら提出していない。これでは、乙第1号証ないし乙第6号証に記載されるような商品が実際に存在したのか否か、仮に存在していたとしても、誰の商品なのか、実際の商品上における商標の使用態様がどのようなものなのか、本件商標と同一又は社会通念上同一であるのか、何もわからない。
一般に納品書などでは、実際に商品に付されている商標を短縮して記載する場合もある。
また、乙第1号証ないし乙第6号証のような書面は容易に作成できる。乙第1号証ないし乙第6号証の各書面の右上部には、本審判請求の登録の日よりも遅い2008年12月11日を意味すると思われる、「11 DEC 2008」との表示がある。そして、当該各書面中の「Ref No.」「Quantity」、「Price」、「Amount」との記載のすぐ上の部分には空欄がみられる。さらにこれらの書面中の、「Ref No.」「Quantity」、「Price」、「Amount」との記載以下文字と、「ELEKTA BRAND VACUUM CLEANERS」または「ELEKTA BRAND MP4 PLAYERS」なる文字を比較すると、この「ELEKTA BRAND VACUUM CLEANER」または「ELEKTA BRAND MP4 PLAYERS」なる文字の態様(文字を構成する線の太さ等)が明らかに他と異なっており、この部分だけ別途に記載したかのような記載態様になっている。これらの事情を考慮すると、乙第1号証ないし乙第6号証については、その内容の真偽のみならず、その存在自体の真偽についても疑問を持たざるを得ない。
よって、商標法第50条第2項所定の、本審判の請求の登録前3年以内の日本国内における商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによる、その請求に係る指定商品等についての登録商標の使用については、乙第1号証ないし乙第6号証の提出によっては、何ら証明されていない。
(3)以上のとおり、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一性を有する商標を請求に係る商品について使用していることを証明したという被請求人の主張は明らかに失当であるため、請求の趣旨に記載したとおりの審決を求める。

第3 被請求人の答弁の要旨
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。
1 乙第1号証ないし乙第5号証として提出するのは、被請求人の日本の販売代理店であって、兵庫県神戸市中央区に所在する「ACTIVE BOEKI K.K.(アクティブ貿易株式会社)」が、神戸市中央区に所在する「ATTIVO Y.K.」、神戸市須磨区に所在する「ALPHA ZONE」に販売した商品「VACUUM CLEANERS(電気掃除機)」に関する「INVOICE(納品書)」である。
当該「INVOICE」においては、右上にその発行日が記載されており、乙第1号証から順に「2007年1月10日」、「2007年1月20日」、「2007年1月26日」、「2007年3月3日」、「2007年4月28日」の日付が明記されている。
また、左から「Quantity(数量)」、「Description of goods(商品名)」、「Price(単価)」、「Amount(合計金額)」の欄(その下方には「C.TAX(消費税)」の項目も表記されている。)が設けられているものであるところ、当該「Description of goods(商品名)」の欄においては、商品の型番が記載されている他に「ELEKTA BRAND VACUUM CLEANERS」の文字が記載されているものであって、これより当該「VACUUM CLEANERS」の商標が「ELEKTA」であることが容易に理解できるものである。

2 乙第6号証として提出するのは、同じく被請求人の販売代理店である「ACTIVE BOEKI K.K.(アクティブ貿易株式会社)」が上記「ALPHA ZONE」に販売した商品「MP4 PLAYERS(MP4プレーヤー)」に関する「2007年4月8日」付発行の「INVOICE(納品書)」である。当該「INVOICE(納品書)」においても、「ELEKTA BRAND」に係る製品であることが明記されている。

3「ACTIVE BOEKI K.K.(アクティブ貿易株式会社)」が販売した「VACUUM CLEANERS(電気掃除機)」及び「MP4 PLAYERS(MP4プレーヤー)」が本件商標の指定商品に属するものであることは明らかであり、また、本審判請求の予告登録日は「2007年6月14日」であるから(乙第7号証)、上記「INVOICE(納品書)」の発行日がこれより前であることも明白である。

4 以上説明したように、商標権者である被請求人は、被請求人の販売代理店であって、ライセンシーである「ACTIVE BOEKI K.K.(アクティブ貿易株式会社)」を通じて、本件審判請求の予告登録前3年以内に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一性を有する商標を請求に係る商品について使用していることを証明したので、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取消されるべきものではない。

第4 当審の判断
1 商標法第50条の立法趣旨
商標法第50条の立法趣旨は、次のように解される。
商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来的な姿であるから、一定期間登録商標を使用しない場合には保護すべき信用が発生しないか、あるいは発生した信用も消滅してその保護の対象がなくなると考え、他方、そのような不使用の登録商標に対して排他的な権利を与えておくのは国民一般の利益を不当に侵害し、かつ、その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標の選択の余地を狭めることとなるから、請求をまってこのような商標登録を取り消そうというのである。
また、商標法第50条第1項の審判の請求があった場合においては、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。ただし、その指定商品又は指定役務についてその登録商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしたときは、この限りでない(商標法第50条第2項)。

2 商標権者について
(1)本件の商標登録原簿の記載からは、以下のことが認められる。
本件審判の請求の登録は、平成19年6月18日になされたものである。
本件審判の請求の登録日における商標登録原簿上の商標権者は、「マラツ・(エイチ・ケー)・リミテッド(以下『前商標権者』という。)」である。
また、前商標権者から、「メトロポール・ホールディングス・リミテッド(以下『現商標権者』という。)」への特定承継による本件の移転については、特許庁による受付が平成19年8月13日になされ、その登録が平成20年2月13日になされている。
そして、専用使用権及び通常使用権は、商標登録原簿に登録されていないものである。
(2)請求人は、弁駁書において、「本審判においては、前商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品等について登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品等に係る商標登録の取消しを免れないものとなる。・・・乙第1号証ないし乙第7号証には、前商標権者の登録商標の使用に係る記載は何ら存在しない。・・・前商標権者が許諾した通常使用権の存在に関する主張も証拠も何ら存在しない。」旨述べている。
(3)被請求人は、平成21年4月23日付けで提出した第2回目の審理再開申立書において、「本件商標については、本審判請求の後に商標権の移転登録申請を行ってはいるものの、前商標権者と現商標権者との間では、既に1997年10月27日の時点において、本件商標権を現商標権者に譲渡する旨の契約が交わされていたものであって、本審判請求の予告登録がなされる前3年の期間においては、既に現商標権者が実質的な商標権者の地位にあったものであり、少なくとも、本件商標を使用する正当な地位にあったものである。」旨、述べ「平成19年8月13日付けの単独申請による商標権移転登録申請書の写し(資料4)」を提出している。
(4)上記した商標権移転登録申請書の写し(資料4)の2枚目及び17枚目には、「the 27th day of October one thousand nine hundred and ninety seven」の文字が記載され、資料4の6枚目及び21枚目には、「SCHEDULE B(Pending Applications)」の下に「ELEKTA」の文字が記載され、資料4の7枚目及び22枚目には、「Country」欄に相当する場所に「JAPAN」の文字、「Appl.No.」欄に相当する場所に「110614/96」の文字、「Class」欄に相当する場所に「9」の文字が記載され、資料4の11枚目及び26枚目には、前商標権者と現商標権者の代表者の署名がなされている。
ここで、単独申請による商標権移転登録申請書の提出日(平成19年8月13日)は、商標登録原簿に記載されている前商標権者から現商標権者への特定承継による本件の移転の受付日と一致している。
また、「the 27th day of October one thousand nine hundred and ninety seven」の文字は、1997年10月27日を、「ELEKTA」の文字は本件商標を、「110614/96」の文字は、1996年に商標登録出願された110614番、すなわち、「商願平8-110614」をそれぞれ表したものと認められる。
してみれば、前商標権者と現商標権者との間では、1997年10月27日において、本件商標に係る商標登録出願を現商標権者に譲渡する旨の契約が交わされていたものと認めることができる。
したがって、現商標権者が実質的な商標権者の地位にあったものであり、少なくとも、本件商標を使用する正当な地位にあったものと推認される。

3 商標権者による使用について
乙各号証には、現商標権者が表示されている取引書類等が一切ないことから、現商標権者がその請求に係る指定商品のいずれかについて本件商標を使用していることを証明しているものとは認められない。

4 専用使用権及び通常使用権について
専用使用権及び通常使用権は、本件の商標登録原簿に登録されていないものである。
また、被請求人は、答弁書において、「兵庫県神戸市中央区に所在する『ACTIVE BOEKI K.K.(アクティブ貿易株式会社)』が被請求人(現商標権者)の日本の販売代理店である」旨主張するが、「ACTIVE BOEKI K.K.(アクティブ貿易株式会社)」と現商標権者である「メトロポール・ホールディングス・リミテッド」との関係については、何ら立証していないものであるから、「ACTIVE BOEKI K.K.(アクティブ貿易株式会社)」を通常使用権者と認めることはできないものである。

5 したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、請求に係る指定商品についての使用が証明されていないというべきであり、かつ、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められないから、商標法第50条第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

6 なお念のため、被請求人が提出した乙各号証を検討する。
(1)乙第1号証ないし乙第5号証は、兵庫県神戸市中央区に所在する「ACTIVE BOEKI K.K.(アクティブ貿易株式会社)」が、兵庫県神戸市中央区に所在する「ATTIVO Y.K.」、兵庫県神戸市須磨区に所在する「ALPHA ZONE」に販売した商品「VACUUM CLEANERS(電気掃除機)」に関する「INVOICE(納品書)」とされるものである。
乙第6号証は、「ACTIVE BOEKI K.K.(アクティブ貿易株式会社)」が上記「ALPHA ZONE」に販売した商品「MP4 PLAYERS(MP4プレーヤー)」に関する「2007年4月8日」付発行の「INVOICE(納品書)」とされるものである。
なお、乙第8号証ないし乙第13号証の翻訳文には、「INVOICE(納品書)」について、「見積送り状」の訳になっている。
そして、乙第1号証ないし乙第6号証は、神戸市内の業者間の取り引きにもかかわらず、英語で作成されているものである。
(2)乙第7号証は、本審判に関する審判情報が記載されているにすぎないものである。
(3)乙第8号証ないし乙第13号証は、乙第1号証ないし乙第6号証のINVOICE(納品書)の翻訳文と認められるところ、例えば、乙第8号証には、「見積送り状番号 A-0607420 ABK-6383」、「神戸07年1月10日付け」、「ATTIVO Y.K.御中」、「ATTIVO Y.K.の住所、郵便番号、電話番号、ファックス番号」、「我々は、ここに下記の商品が貴方のために、貴方の 付けのテレックス/ケーブル/レターと我々の 付けのテレックス/ケーブル/レターとを参照し、予約されたことを確認いたします。」、「包装:輸出用カートン」、「荷積:2007年1月10日」及び「ACTIVE BOEKI K.K.」の各文字が記載されており、これらの記載は、乙第8号証の原文(乙第1号証)と一致する。
ただし、乙第1号証には、「Marks&Clerk」、「Hong Kong」、「Incordoratino Lloyd wise」、「11 DEC 2008」及び「RECEIVED」の文字が押印されているのに対し、乙第8号証の翻訳文には、これらの文字は翻訳されていない点が相違する。これらの関係は、乙第2号証ないし乙第6号証と乙第9号証ないし乙第13号証においても同様である。
例えば、乙第1号証と乙第8号証は、「・・・貴方の 付けのテレックス・・・」及び「・・・我々の 付けのテレックス・・・」のように日付と思われる部分が空白になっている点も一致する。これらの関係は、乙第2号証ないし乙第6号証と乙第9号証ないし乙第13号証においても同様である。
しかしながら、商取引に重要な日付が空白になっている点が、不自然である。
(4)答弁書によれば、被請求人の日本の販売代理店である兵庫県神戸市中央区に所在する「ACTIVE BOEKI K.K.(アクティブ貿易株式会社)」が、兵庫県神戸市中央区に所在する「ATTIVO Y.K.」及び兵庫県神戸市須磨区に所在する「ALPHA ZONE」に商品を販売した旨が記載されている。
被請求人の主張によれば、「ACTIVE BOEKI K.K.(アクティブ貿易株式会社)」は、日本の販売代理店であることから、メーカーのように自らは生産しないこと、外国で生産された商品を日本へ輸入し、「ATTIVO Y.K.」や「ALPHA ZONE」に商品を販売しているものと認められる。
ところが、例えば、乙第1号証及び乙第8号証には、「包装:輸出用カートン」と記載されている点が、答弁書の主張と一致しない。これらの関係は、乙第2号証ないし乙第6号証と乙第9号証ないし乙第13号証においても同様である。
さらに、乙第1号証及び乙第8号証には、「神戸07年1月10日付け」、「予約されたことを確認いたします。」及び「荷積:2007年1月10日」の各文字が記載されているところ、「予約されたことを確認いたします。」とする日付の「神戸07年1月10日付け」と「荷積:2007年1月10日」は、同日と認められる。
そして、予約の確認日と日本へ輸出するために外国で荷積みした日が、同日になっている点が不自然であり、この点に関する説明がされていない。これらの関係は、乙第2号証ないし乙第6号証と乙第9号証ないし乙第13号証においても同様である。
(5)また、乙第1号証ないし乙第6号証には、右上に「11 DEC 2008」及び「RECEIVED」の文字が表示されていることから、本件審判の請求の登録後の平成20年(2008年)12月11日に受領されたものと認められる。なお、この受領は、誰によって受領されたものか定かではないものである。
そして、例えば、乙第1号証の右上に表示されている「DATE:KOBE 10-Jan-07」と「11 DEC 2008」「RECEIVED」との間には、約2年近い差が存在することから、全体として不自然の感が否めないものである。これらの日付の関係は、乙第2号証ないし乙第6号証についても同様である。
(6)さらに、乙第1号証ないし乙第5号証の「Description of goods」の欄において記載されている「ELEKTA BRAND VACUUM CLEANERS」の文字及び乙第6号証の「Description of goods」の欄において記載されている「ELEKTA BRAND MP4 PLAYERS」の文字は、文字を構成する線の太さが、他の文字と異なるものである。
(7)したがって、被請求人が提出した乙各号証は、信憑性が乏しいものである。

7 なお、請求人と被請求人は、双方が平成20年5月7日付け上申書において、本件商標の譲渡交渉中であるため、本件審理の猶予を求めていた。平成20年12月22日付けで、本件について第1回目の審理終結通知を発送したところ、被請求人は、審理終結通知の発送日から4日後の平成20年12月26日付けで答弁書を提出したものである。
実際に使用している商標であれば、商標権の譲渡交渉を行うはずもなく、また、短期間で答弁書及び証拠を作成した事情を考慮すると、被請求人が提出した書類は、さらに信憑性に乏しいものである。

8 また、被請求人は、第2回目の審理再開申立書(平成21年4月23日付け提出)において、「本件商標については、本審判請求の後に商標権の移転登録申請を行ってはいるものの、前商標権者と現商標権者との間では、既に1997年10月27日の時点において、本件商標権を現商標権者に譲渡する旨の契約が交わされていたものであって、本審判請求の予告登録がなされる前3年の期間においては、既に現商標権者が実質的な商標権者の地位にあったものであり、少なくとも、本件商標を使用する正当な地位にあったものである。このような事情は、上記移転登録申請書に添付した『譲渡証書及び単独申請承諾書及びその訳文』に明らかであるので、当該移転登録申請書の写しを資料4として提出する。本審判については、上記した事情を考慮した上で審理を尽くすべく、審理の再開を申立てるものである。」旨、述べているが、本件審判の請求からすでに約2年を経過しており、上記したとおり、乙各号証の内容は、不自然であって、かつ、信憑性に乏しい証拠であって、2回目の審理再開申立にあたっても資料4しか提出されないものであるから、本件の審理再開の必要は認められないものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-12-16 
結審通知日 2009-04-21 
審決日 2009-05-07 
出願番号 商願平8-110614 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (009)
最終処分 成立  
前審関与審査官 池田 光治 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 井出 英一郎
鈴木 修
登録日 1998-12-25 
登録番号 商標登録第4225567号(T4225567) 
商標の称呼 エレクタ 
代理人 岡野 光男 
代理人 潮崎 宗 
代理人 幡 茂良 
代理人 鈴江 武彦 
代理人 浅村 皓 
代理人 浅村 肇 
代理人 高原 千鶴子 
代理人 橋本 良樹 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 小出 俊實 
代理人 河野 哲 
代理人 石川 義雄 

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