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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X25
管理番号 1201988 
審判番号 不服2008-30515 
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-12-01 
確定日 2009-07-22 
事件の表示 商願2007-45540拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類及び第35類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年4月23日に登録出願されたものである。
そして、指定商品及び指定役務については、同20年4月23日付け手続補正書により、第25類「履物」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、『OTSUKA』の文字と『M-5』の文字を上下二段に普通に用いられる方法で表してなるところ、『OTSUKA』の文字部分は、ありふれた氏姓の『大塚』を欧文字で表したものと理解されるものであり、また「M-5」の文字部分は、商品の品番・等級などを表すための記号・符号として取引上普通に用いられる欧文字の『M』と数字の『5』とを『-』(ハイフン)で結合してなるにすぎないものであるから、本願商標は、ありふれた氏『大塚』の氏を有する者によって製造販売される商品であることを理解させるにすぎず、その指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり「OTSUKA」の文字と「M-5」の文字とを上下二段に横書きしてなるところ、各文字が多少デザイン化がなされているとはいえ、一般に標章が商品の包装、ラベル等に付されるときの構成や文字が装飾されている実情を踏まえると、該文字の構成態様は格別なものとはいえず、「OTSUKA」及び「M-5」の各文字によって構成されるものとして認識する以上に、その構成態様が強く印象されるほどの特徴のあるものとはいえないから、いまだ普通に用いられる方法の域を脱しない程度の態様で表されているというべきものである。
そして、電話帳「ハローページ(東京都23区個人名全区版)東日本電信電話株式会社発行」には、「大塚」の氏を有する者が相当数掲載されていること、及び佐久間英著「日本人の姓」(六藝書房発行)において「多い姓の六千傑」として「大塚」の氏が「46位 約十五万」との記載があることからすると、「大塚」はありふれた氏であると認められ、また日常の商取引において氏を表す場合、漢字に限らず、欧文字で表す場合も決して少なくないことからすると、構成中「OTSUKA」の文字部分は、ありふれた氏の「大塚」を欧文字で表したものと容易に理解するものというのが相当である。 また、本願商標の構成中「M-5」の文字部分は、特定の意味合いを表す語又は表示として一般に親しまれているものとは認められないから、欧文字の「M」と数字の「5」とを「-(ハイフン)」をもって結合してなるものとして看取されるとみるのが相当である。
そして、一般に各種商品の製造・販売又はこれを取り扱う業界においては、それぞれ自己の業務に係る商品を生産・管理し又は流通過程におく場合に、商品管理又は取引の便宜性等の事情から、欧文字1文字と数字とを「-(ハイフン)」を用いて又はそのままで組み合わせた標章を、特定の商品の品番、型式又は規格等を表示するための記号、符号表示として取引上普通に採択・使用されている実情があるが、例えば次のようなインターネット情報からもうかがい知ることができるように、本願の指定商品を取り扱う分野においても、かかる標章が商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号として採択・使用されている実情が認められる。

(1)「【楽天市場】長靴屋のささき」のホームページにおいて「スリムなデザインのレインシューズR-3」との記載がある。(http://item.rakuten.co.jp/kohshin-shop/01-02-0090/)

(2)「きもの白かべ」のホームページにおいて「印伝付オリジナルシューズY-1」との記載がある。(http://www.kimonoshirakabe.com/SHOP/japanstyle-y-1.html)

(3)「【楽天市場】楠橋白衣」のホームページにおいて「ナガイレーベン白衣 ナースシューズ/ナースサンダル 商品番号M-1」との記載がある。(http://item.rakuten.co.jp/amu-kai/0001/)

(4)「趣味の総合サイト ホビダスショッピング」において「ベイツ M-6ゴアテックス インサレート ウォータープルーフサイドジップ」との記載がある。(http://shopping.hobidas.com/shop/captaintoms/item/001036.html)

(5)「【楽天市場】JORDAN BRAND」において「ジョーダン メロ M5」の記載がある。(http://item.rakuten.co.jp/kinetics-tokyo/10001407/)

(6)「シバタ工業株式会社」のホームページにおいて「商品情報の履物」として「安全防寒フェルト長N-5ロール底」の記載がある。
(http://www.sbt.co.jp/seihin/hakimono/05an_bhi/01n-5/01n-5.htm)

以上のとおりであるから、欧文字1文字と数字をハイフンで組み合わせた「M-5」の部分は、本願の指定商品を取り扱う分野においても、商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号の一類型を表示したものと理解するに止まるものということができる。
そうとすると、「OTSUKA」と「M-5」の語を上下二段に書してなる本願商標は、その各構成文字部分が前記のとおりに理解、認識されるものであって、これらが全体として特定の意味合いを生じるものとはいえず、その他特定の観念のある語又は表示として親しまれているものともいえないから、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は「大塚なる者の取り扱いに係る品番・型番M-5の商品」の如き意味合いを理解、認識するに止まり、結局、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するの相当である。
請求人(出願人)は、原査定で示した前記(1)及び(2)の例が「シューズ」の用語とともに欧文字1文字及び数字が使用されているから、履物の品番を示すものであることが明らであるものの、本願商標は、ありふれた氏の欧文字と、欧文字1文字と数字とをハイフンで組み合わせたものを二段併記にした結合商標であって、これを二つの部分に分け、それぞれの部分に特別顕著性がないことから、全体としても特別顕著性がないとして結論づけるのは失当であり、本願商標は、前記のように結合商標とすることによって、新たな独特の観念が創出されて自他商品識別力が発揮されるものである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、「OTSUKA」及び「M-5」の文字を上下二段に横書きしてなるところ、前記のとおり、その文字の構成態様もいまだ普通に用いられる方法の域を脱しない程度のもので、これらを常に一体不可分のものとして看るべく事情も見いだせないものであるから、両者は分離して看取されるとみるのが相当である。
そして「OTSUKA」及び「M-5」の文字自体も、ありふれた氏の「大塚」の欧文字と、商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号の一類型を表したものと、それぞれが理解、認識されるものであるから、本願商標全体からは「大塚なる者の取り扱いに係る品番・型番M-5の商品」の如き意味合いを理解、認識するという以外に、特定の意味合い又は観念が生ずるとみるべき特段の事情を何ら見いだすことができないものである。
そうとすると、本願商標が全体として新たな独特の観念が創出されるものであるとはいい難く、前記の意味合いのとおりに理解、認識されるものと判断するのが相当であるから、結局請求人の主張は採用することはできない。
してみれば、本願商標は、その指定商品に使用をしても、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものといわなけばならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)


審理終結日 2009-05-18 
結審通知日 2009-05-22 
審決日 2009-06-02 
出願番号 商願2007-45540(T2007-45540) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 茂木 裕子 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 佐藤 淳
岩崎 良子
商標の称呼 オーツカエムゴ、オーツカエムファイブ、オーツカ 
代理人 小橋 正明 

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