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審決分類 再審 一部取消  審決却下 104
管理番号 1195657 
審判番号 再審2007-950007 
総通号数 113 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標再審公報 
発行日 2009-05-29 
種別 再審 
審判請求日 2007-12-04 
確定日 2009-01-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第2219232号商標の登録取消審判事件(取消2005-31062)ついて、平成18年5月15日付けであった確定審決に対して、再審の請求があったので、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求を却下する。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件再審の請求に至る経緯
再審請求人(以下「請求人」という。)は、「ラブ」の片仮名文字を書してなり、第4類「歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、昭和46年8月5日に登録出願、平成2年3月27日に設定登録され、その後、同12年5月23日に商標権存続期間の更新登録がされた登録第2219232号商標(以下「本件商標」といい、その商標権を「本件商標権」という。)について、同17年8月30日に、商標法50条第1項の規定により、その指定商品中「化粧品」についての登録を取り消す旨の審判を請求したところ、当該事件は取消2005-31062事件として審理された結果、同18年4月3日に「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決(以下「本件確定審決」という。)がなされたが、同審決に対する訴えが提起されなかったため、同審決は、同年5月15日に確定したものである。
そして、本件再審は、本件確定審決に対して、請求人により、平成19年12月4日に請求されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件確定審決を取り消す、本件商標は取り消されるべきである、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、本件確定審決(写し)、平成16年(ワ)第7663号判決文(写し)及び甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
(1)被請求人(フィッツ訴訟の原告)は、平成16年(ワ)第7663号商標権侵害差止等請求訴訟事件(以下「フィッツ訴訟」という。)において、登録第2219231号商標、登録第2431617号商標及び本件商標(これらをまとめて「フィッツ訴訟の引用商標」という。)並びにこれと社会通念上同一と認められる商標について、本件確定審決においてその使用時期を認められた時期(2002年(平成14年)12月)には使用していないと述べているのに対して、本件確定審決においては、本件商標を使用していると述べており、その主張に一貫性を欠き、禁反言の原則にも反する。
(2)フィッツ訴訟において、本件商標権の侵害に関する訴えの提起があったことが、裁判所から特許庁長官に通知されている(商標法第56条第1項で準用する特許法第168条第3項)。また、フィッツ訴訟の原告(本件再審の被請求人)は、本件商標権に基づき、フィッツ訴訟の被告(株式会社フィッツコーポレーション)が所有する登録商標について、無効審判の請求(無効2006-89019。以下「フィッツ無効審判」という。)をしており、該無効審判が請求されたことが、特許庁長官から裁判所に通知されている(同法第56条第1項で準用する第168条第4項)。さらに、フィッツ訴訟において、被告が本件商標権の無効の主張をしている旨が裁判所から特許庁長官に通知されている(同法第56条第1項で準用する第168条第5項)。そして、フィッツ無効審判は、請求日が平成18年2月17日(審決註:「7日」は誤記である。)であり、その審判請求書とともに、訴状などフィッツ訴訟関連資料として提出されている。
そうすると、本件確定審決がなされる約2ヶ月前に、特許庁において、本件商標権がフィッツ訴訟の対象となっていることを認識する機会があったと言えるので、審判官は本件確定審決を審理するに当たっては、当然にフィッツ訴訟資料を参照すべきであり、審判官がもしこれらの資料を参照していたならば、本件確定審決における乙第4号証のみから判断すべきでないとし、「本件商標を取り消す」との審決がなされた可能性が非常に高く、それを参照せず、乙第4号証の正当性を審理しなかったことによる「判断の遺脱」に他ならない。
(3)まとめ
したがって、本件確定審決は、商標法第57条第2項において準用する民事訴訟法第338条第1項第9号の「判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと」に該当する。
そして、本件商標は、商標法第50条の規定により取り消されるべきである。

3 当審の判断
請求人は、上記2のとおり、本件確定審決が商標法第57条第2項において準用する民事訴訟法第338条第1項第9号の「判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと」に該当すると主張するので、その是非について判断する。
(1)商標法第57条第2項において準用する民事訴訟法第338条第1項第9号は、「判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと。」と規定されており、これは、確定審決に対する再審の事由としては、「本件確定審決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと」と読み替えることとなる。
ところで、本件確定審決は、商標法第50条に基づく商標登録の取消審判であるところ、同条第2項により、本件商標の証明責任を負う被請求人(本件再審被請求人)が各要証事実を証明するために証拠を提出し、これに基づいて審判官の合議体は、各要証事実を認定し、本件商標の使用をしていたか否かを判断すれば足りるのであって、その審判の係属中に、別途の商標権侵害差止等請求訴訟事件(フィッツ訴訟)において、その当事者が主張した事実を当該審判で審理し、事実を認定しなければならない理由はない。
ましてや、本件確定審決は商標権者等が登録商標を所定の期間や商品等に使用していたか否かを争う取消審判であるのに対して、別途のフィッツ訴訟は自己の商標権に基づき、他人の商標の使用行為が当該商標権を侵害するか否かの差止請求等であり、訴訟物を異にするものである。
そして、本件確定審決は、上述したとおり、本件商標の証明責任を負う被請求人(本件再審被請求人)が証拠によって要証事実を証明し、これに基づいて審判官の合議体は、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者(クラブ化粧品販売株式会社)が請求に係る指定商品中の「ネイルポリッシュ(ネイルエナメル)、ネイルリムーバー(除光液)」について、本件商標の使用をしていたと認定、判断し、当該取消審判の請求は、成り立たないとの審決に至ったものであり、何ら審決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったことにはならないこと明らかである。
なお、仮に、本件確定審決において、被請求人(本件再審被請求人)が提出し、審決の証拠となった文書等が偽造又は変造されたものであるとの理由で再審を請求するならば、民事訴訟法第338条第2項により、罰すべき行為について、有罪の判決等が確定したときに限り再審の請求が可能であるが、本件確定審決には、そのような点が争われて有罪の判決等が確定したという事実もない。
(2)請求人は、フィッツ訴訟において、被請求人(フィッツ訴訟の原告)がフィッツ訴訟の引用商標及びこれと社会通念上同一と認められる商標について、本件確定審決における使用時期を認められた時期(2002年(平成14年)12月)には使用していないと述べているのに対して、本件確定審決においては、本件商標を使用していると述べており、その主張に一貫性を欠くと主張するが、フィッツ訴訟において、上記フィッツ訴訟の引用商標及びこれと社会通念上同一と認められる商標を使用していないと述べている使用の主体は、被請求人(フィッツ訴訟の原告)であるのに対して、本件確定審決における本件商標の使用者は本件商標の通常使用権者と認め得るクラブ化粧品販売株式会社であり、それぞれの商標の使用者を異にしているものである。
(3)まとめ
以上のとおり、本件確定審決の係属中に、別途のフィッツ訴訟において、その当事者が主張した事実を当該審判で審理し、事実を認定しなければならない理由はないばかりでなく、フィッツ訴訟と本件確定審決における商標の使用者を相違するものであるから、本件確定審決が商標法第57条第2項において準用する民事訴訟法第338条第1項第9号の「判決(本件確定審決)に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと」とする理由の前提を欠く主張といわなければならない。
したがって、本件再審の請求は、不適法な請求であって、その補正をすることができないものに該当し、商標法第61条において準用する特許法第174条第2項において準用する同法第135条の規定によって却下すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2008-05-28 
結審通知日 2008-06-02 
審決日 2008-06-16 
出願番号 商願昭46-84214 
審決分類 T 5 32・ 01- X (104)
最終処分 審決却下  
前審関与審査官 有阪 正昭半戸 俊夫 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 小林 由美子
鈴木 修
登録日 1990-03-27 
登録番号 商標登録第2219232号(T2219232) 
商標の称呼 ラブ 
代理人 竹内 耕三 
代理人 工藤 一郎 
代理人 森田 俊雄 
代理人 野田 久登 
代理人 吉良 香 
代理人 深見 久郎 
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