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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
管理番号 1192448 
異議申立番号 異議2008-900225 
総通号数 111 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-03-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-06-02 
確定日 2009-01-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第5115215号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5115215号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5115215号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示したとおりの構成よりなり、平成19年5月22日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同20年2月29日に設定登録されたものである。

2 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1560711号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示したとおりの構成よりなり、昭和54年9月25日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同58年1月28日に設定登録、その後、平成5年6月29日及び同15年1月28日の二回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、同18年1月4日に指定商品の書換登録があった結果、第6類「金属製のバックル」、第14類「身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」とするものである。
同じく、登録第1635912号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)に示したとおりの構成よりなり、昭和54年9月25日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同58年11月25日に設定登録、その後、平成6年1月28日及び同15年12月2日の二回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、同16年2月4日に指定商品の書換登録があった結果、第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」とするものである。
同じく、登録第2072497号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)に示したとおりの構成よりなり、昭和54年9月25日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同63年8月29日に設定登録、その後、平成10年3月31日及び同20年9月2日の二回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、同20年10月1日に指定商品の書換登録があった結果、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とするものである。
同じく、登録第972813号商標(以下「引用商標4」という。)は、「VALENTINO」の欧文字を横書きしてなり、1969年10月16日にオランダ王国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、昭和45年4月16日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同47年7月20日に設定登録、その後、同57年9月22日、平成4年12月24日及び同14年7月2日の三回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成2年6月25日に一部放棄による本件登録の一部抹消登録がなされた後、同16年5月26日に指定商品の書換登録、及び、一部放棄による本件登録の一部抹消登録が同16年7月5日、同17年9月30日及び同19年9月21日にあった結果、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。)」とするものである。

3 本件登録異議の申立ての理由
申立人は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第21号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標1ないし引用商標3と類似する商標について同一又は類似の指定商品について登録されたものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、イタリアの著名なファッションデザイナーであるヴァレンティノ・ガラヴァーニのファッションブランドである「VALENTINO GARAVANI」を有し、我が国においても、引用商標4を始めとして多数の商標登録を有している。該ブランドが我が国において著名である点については、甲第11号証に示す商標登録第5035341号に対する異議の決定(平成20年3月12日、審判番号:異議2007-900305)において、「『VALENTINO』の表示は、ヴァレンティノ・ガラヴァー二又はそのデザインに係る商品群に使用されるブランドの略称を表すものとして、我が国の取引者及び需要者の間に広く認識されており、その状態が現在においても継続しているものと認められる。」と認定され、その状態は、現在においても継続していると思料される。また、申立人は、上記のとおり本件商標に係る指定商品について欧文字「V」を看取できる引用商標1を有しているだけでなく、「V」の文字が独立して看取される態様で用いられた登録商標も多数有している(甲第12号証ないし甲第19号証)。ファッションの分野において、申立人のブランドである「VALENTINO」が取引者及び需要者にとても広く認識されており、かつ、申立人は、「V」の文字が独立して看取できる態様の商標も広く用いていることから、これらと同じ分野に属する本件商標の指定商品について「V」の文字が単独で表示された場合、その態様が近似していると、申立人の著名ブランドの略称である「VALENTINO」を想起しうると思料される。甲第20号証は、申立人のウェブサイトトップページの写しであり、甲第21号証は、文書作成ソフトウェア「WORD」の通常の欧文字用書体である「Times New Roman」で書された「VALENTINO」の文字である。両者を比較すると、申立人ウェブサイトに表示されている「VALENTINO」の頭文字「V」は、通常の欧文字用書体とは異なり、「V」の左斜線部分が非常に太く、右斜線部分が非常に細い態様で描かれており、かつ、二本の斜線の重なる角度が通常の書体よりも鋭角に交わっている。本件商標の中央部に表示された「V」は、この態様と酷似していることが分かる。
これらの状況からかんがみるに、当該指定商品について欧文字「V」が単独で表示された場合であっても、我が国における取引者及び需要者は、申立人の著名ブランド「VALENTINO」を想起しうると思料する。本件商標が申立人の商標と非類似であったとしても、引用商標を連想し、想起する以上、出所の混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条1項15号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、正方形内にアルファベットの22番目の文字「V」を上下逆向きにした多数の小さな図形を地模様風に規則正しく組み合わせ、その中央に「V」の文字を大きく配した構成よりなるものであるところ、該構成は、全体にまとまりよく表されており、その全体構成において、自他商品識別機能を発揮し得るものというを相当とし、本件商標からは、格別の称呼、観念は、生じないものというべきである。
他方、引用商標1ないし引用商標3(以下「引用各商標」という。)は、別掲(2)に示したとおり、欧文字「V」の両上端部から下端部にかけて、左右対称に弧を描いて表してなるものであるところ、これらは、その全体構成において、自他商品識別機能を発揮し得るものというを相当とし、格別の称呼、観念は、生じないものといわざるを得ない。
そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、両商標は、外観上相紛れるおそれがない程度に相違し、いずれも称呼、観念を生じないものであるから、これらを比較すべきところがない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人が述べるように、申立人は、イタリアの著名なファッションデザイナーであって、ファッションブランドである「VALENTINO GARAVANI」を有し、我が国においても、引用商標4を始めとして多数の商標登録を有し、該ブランドが我が国において著名である点については、認め得る(甲第11号証)としても、その使用商標は、引用商標1のような、単に「V」よりなるとはいえないものであり、また、「V」の文字が独立して看取される態様で用いられた登録商標も多数有しているとして示された甲第12号証ないし甲第19号証にしても、単に「V」よりなるとはいえないものである。
以上のとおり、申立人の引用に係る商標は、引用商標4を含めて、本件商標とは、自他商品の識別機能を目的とする商標としての構成が明らかに相違するものであり、その意味で通ずるところが何らなく、相紛れるおそれがないものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係にある者の商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
なお、甲第20号証において、申立人のウェブサイトトップページに示された構成の「VALENTINO」中の「V」が、甲第21号証により示された文書作成ソフトウェア「WORD」の通常の欧文字用書体である「Times New Roman」で書された「VALENTINO」中の「V」と異なり、特徴を備えている旨述べているが、この程度の異同は、格別なものということができず、加えて、申立人の「VALENTINO」は、一連のものとして機能しているものであり、特段「V」を抽出して、その機能を論ずべきでないことは、いうまでもないところである。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものでもない。
(3)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項の規定に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標


(2)引用商標1ないし引用商標3



異議決定日 2008-12-24 
出願番号 商願2007-55593(T2007-55593) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X25)
T 1 651・ 271- Y (X25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 内山 進
岩崎 良子
登録日 2008-02-29 
登録番号 商標登録第5115215号(T5115215) 
権利者 株式会社バレンザ
代理人 杉村 憲司 
代理人 三好 秀和 
代理人 長谷川 綱樹 

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