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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効200489069 審決 商標
無効200135265 審決 商標
無効200135424 審決 商標
無効200335425 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y35
管理番号 1190967 
審判番号 無効2005-89032 
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-03-07 
確定日 2008-11-17 
事件の表示 上記当事者間の登録第4651763号商標の商標登録無効審判事件についてされた平成18年11月21日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成19年(行ケ)第10113号平成19年12月20日判決言渡)があり、また、同判決に対する上告及び上告受理の申立てに対し、最高裁判所において、本件上告を棄却する旨及び本件を上告審として受理しない旨の決定(平成20年(行ツ)第93号及び同20年(行ヒ)第100号、平成20年6月10日決定言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 登録第4651763号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4651763号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成14年6月12日に登録出願され、第35類「事業の管理又は運営,事業の管理又は運営に関するコンサルティング,経営の診断又は経営に関する助言及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,広告,トレーディングスタンプの発行,財務書類の作成,経理事務の代行,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,会計・営業・総務・人事・広報・渉外・企画その他の事務的事項に関する事務処理代行,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与」、第36類「投資,投資事業組合の設立による投資事業組合財産の運用及び管理,投資に関するコンサルティング,企業の税務に関する指導及び助言,税務代理の媒介・取次ぎ,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,中古自動車の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機・現金自動預け払い機の貸与」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,スポーツの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,献体に関する情報の提供,献体の手配,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,運動用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,書画の貸与,当せん金付証票の発売,写真の撮影,通訳,翻訳,カメラの貸与,光学機械器具の貸与」及び第42類「コンピュータソフトウェアの開発,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータシステムの企画・開発・保守及びコンサルティング,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,知的財産権・工業所有権に関する調査・助言,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,気象情報の提供,建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,計測器の貸与,理化学機械器具の貸与,製図用具の貸与」を指定役務として、同15年3月7日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
(1)登録第1373591号商標(以下「引用商標1」という。)は、「INTEL」の欧文字を書してなり、昭和46年1月6日に登録出願、第11類「電子応用機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品とし、同54年2月27日に設定登録され、その後、二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)登録第1415771号商標(以下「引用商標2」という。)は、「INTEL」の欧文字を書してなり、昭和51年3月22日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品とし、同55年4月30日に設定登録され、その後、二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続しているものである。
(3)登録第2332545号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、昭和63年8月19日に登録出願、第11類「電子応用機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品とし、平成3年8月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録され、同15年1月8日に指定商品を第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第8類「電気かみそり及び電気バリカン」、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」、第10類「家庭用電気マッサージ器」、第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」、第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」、第17類「電気絶縁材料」、第21類「電気式歯ブラシ」とする指定商品の書換登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続しているものである。
(4)登録第4456379号商標(以下「引用商標4」という。)は、「INTEL」の欧文字を書してなり、平成11年1月7日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,録音済みの磁気カード・磁気シート・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク,録音済みのコンパクトディスク,その他のレコード,メトロノーム,コンピュータ用の対話式映像ゲームその他のゲームのプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・CDーROM・光磁気ディスク,その他の電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,業務用テレビゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・CDーROM・光磁気ディスク,業務用テレビゲーム機,その他の遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームのプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・CD-ROM・光磁気ディスク,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」を指定商品とし、平成13年3月2日に設定登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続しているものである。
(5)登録第4456379号商標の防護標章登録第1号(以下「引用商標5」という。)は、「INTEL」の欧文字を書してなり、平成13年3月21日に登録出願、第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,写真材料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」、第2類「塗料,染料,顔料,印刷インキ,絵の具,塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の非鉄金属はく及び粉,塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の貴金属はく及び粉,防錆グリース,カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,シェラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」、第4類「工業用油,工業用油脂,燃料,ろう,靴油,固形潤滑剤,保革油,ランプ用灯しん,ろうそく」、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,防虫紙」、第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,金属鉱石,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具,金庫,金属製金具,金属製建造物組立てセット,金属製貯蔵槽類,金属製の滑車・ばね及びバルブ(機械要素に当たるものを除く。),金属製包装用容器,金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー,金属製人工魚礁,金属製セメント製品製造用型枠,金属製の可搬式家庭用温室,金属製の吹付け塗装用ブース,金属製養鶏用かご,金属製航路標識(発光式のものを除く。),金属製道路標識(発光式又は機械式のものを除く。),てんてつ機,金属製管継ぎ手,金属製フランジ,キー,コッタ,いかり,金属製ビット,金製ボラード,かな床,はちの巣,金網,ワイヤロープ,犬用鎖,金属製家庭用水槽,金属製工具箱,金属製貯金箱,金属製のきゃたつ及びはしご,金属製のネームプレート及び標札,金属製のタオル用ディスペンサー,金属製帽子掛けかぎ,金属製郵便受け,金属製靴ぬぐいマット,金属製ブラインド,金属製立て看板,金属製彫刻,金属製の墓標及び墓碑用銘板,金属製のバックル,つえ用金属製石突き,アイゼン,カラビナ,ハーケン,金属製飛び込み台,金属製あぶみ,拍車」、第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,風水力機械器具,農業用機械器具,漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,機械式駐車装置,芝刈機,修繕用機械器具,食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ,電動式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」、第8類「手動工具,手動利器,くわ,鋤,レーキ・組ひも機及び靴製造用靴型(手持ち工具に当たるものに限る。),電気かみそり及び電気バリカン,ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,マニキュアセット,かつお節削り器,角砂糖挟み,缶切,くるみ割り器(貴金属製のものを除く。),スプーン,フォーク,アイロン(電気式のものを除く。),糸通し器,チャコ削り器,水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル,五徳,十能,火消しつぼ,火ばし,殺虫剤用噴霧器(手持ち工具に当たるものに限る。),パレットナイフ,ピンセット」、第10類「医療用機械器具,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓,医療用手袋,家庭用電気マッサージ器,しびん,病人用便器,耳かき」、第11類「電球類及び照明用器具,あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,工業用炉,原子炉,火鉢類,ボイラー,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,業務用揚物器,業務用食器乾燥機,業務用炊飯器,業務用煮炊釜,業務用焼物器,業務用レンジ,冷凍機械器具,アイスボックス,氷冷蔵庫,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置,便所ユニット,浴室ユニット,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),太陽熱利用温水器,浄水装置,家庭用電熱用品類,浴槽類,家庭用浄水器,水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,し尿処理槽,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,ごみ焼却炉,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,化学物質を充てんした保温保冷具」、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品,自転車並びにその部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車いす,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報器,落下傘」、第13類「鉄砲,銃砲弾,火薬,爆薬,火工品及びその補助器具,戦車」、第15類「楽器,演奏補助品,音さ,調律機」、第17類「ゴム,糸ゴム及び被覆ゴム糸(織物用のものを除く。),化学繊維糸(織物用のものを除く。),化学繊維(織物用のものを除く。),ゴム製又はバルカンファイバー製の座金及びワッシャー,蹄鉄(金属製のものを除く。),ゴム製又はバルカンファイバー製のバルブ(機械要素に当たるものを除く。),ゴムひも,石綿ひも,ゴム製包装用容器,ゴム製栓,ゴム製ふた,プラスチック基礎製品,雲母,石綿,岩石繊維,鉱さい綿,石綿網,石綿糸,石綿織物,石綿製フェルト,防音材(建築用のものを除く。),石綿の板,石綿の粉,コンデンサーペーパー,石綿紙,バルカンファイバー,電気絶縁材料,オイルフェンス,ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く。),パッキング,消防用ホース,石綿製防火幕,絶縁手袋,農業用プラスチックフィルム」、第19類「建築用又は構築用の非金属鉱物,陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス,建具(金属製のものを除く。),鉱物性基礎材料,タール類及びピッチ類,可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),人工魚礁(金属製のものを除く。),セメント製品製造用型枠(金属製のものを除く。),吹付け塗装用ブース(金属製のものを除く。),養鶏用かご(金属製のものを除く。),区画表示帯,土砂崩壊防止用植生板,窓口風防通話板,道路標識及び航路標識(金属製又は発光式のものを除く。),貯蔵槽類(金属製又はプラスチック製のものを除く。),ビット及びボラード(金属製のものを除く。),石製彫刻,コンクリート彫刻,大理石製彫刻,石製郵便受け,灯ろう,飛び込み台(金属製のものを除く。),墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。)」、第20類「家具,貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,葬祭用具,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,うちわ,せんす,買物かご,額縁,家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く。),きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),工具箱(金属製のものを除く。),ししゅう用枠,植物の茎支持具,食品見本模型,人工池,すだれ,装飾用ビーズカーテン,ストロー,盆(金属製のものを除く。),スリーピングバッグ,タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),つい立て,びょうぶ,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),旗ざお,ハンガーボード,ベンチ,帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),マネキン人形,洋服飾り型類,麦わらさなだ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),揺りかご,幼児用歩行器,美容院用いす,理髪用いす,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻,あし,い,おにがや,すげ,すさ,麦わら,わら,きょう木,しだ,竹,竹皮,つる,とう,木皮,きば,鯨のひげ,甲殻,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,さんご,海泡石,こはく」、第22類「原料繊維,編みひも,真田ひも,のり付けひも,よりひも,綱類,網類(金属製又は石綿製のものを除く。),布製包装用容器,わら製包装用容器,ターポリン,帆,雨覆い,天幕,日覆い,よしず,日よけ,ザイル,登山用又はキャンプ用のテント,おがくず,カポック,かんなくず,木毛,もみがら,ろうくず,牛毛,人毛,たぬきの毛,豚毛(ブラシ用のものを除く。),馬毛,羽」、第23類「糸」、第26類「編みレース生地,刺しゅうレース生地,組みひも,テープ,リボン,房類,ボタン類,針類,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),被服用はとめ,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,腕止め,頭飾品,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。),造花,漁網製作用杼,メリヤス機械用編針」、第27類「敷物,壁掛け(織物製のものを除く。),畳類,洗い場用マット,人工芝,体操用マット,壁紙」、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」、第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,うるしの実,コプラ,麦芽,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,果実,野菜,糖料作物,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,生花の花輪,飼料用たんぱく」、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」、第34類「たばこ,紙巻きたばこ用紙,喫煙用具(貴金属製のものを除く。),マッチ」、第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転,船舶の建造,船舶の修理又は整備,航空機の修理又は整備,自転車の修理,自動車の修理又は整備,鉄道車両の修理又は整備,二輪自動車の修理又は整備,育雛器の修理又は保守,ふ卵器の修理又は保守,医療用機械器具の修理又は保守,印刷用又は製本用の機械器具の修理又は保守,映写機の修理又は保守,写真機械器具の修理又は保守,エレベーターの修理又は保守,化学機械器具の修理又は保守,火災報知器の修理又は保守,ガソリンステーション用装置の修理又は保守,ガラス器製造機械の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,自転車用駐輪器具の修理又は保守,牛乳ろ過器の修理又は保守,搾乳機の修理又は保守,業務用食器洗浄機の修理又は保守,業務用調理機械器具の修理又は保守,業務用電気洗濯機の修理又は保守,漁業用機械器具の修理又は保守,金属加工機械器具の修理又は保守,靴製造機械の修理又は保守,耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。)の修理又は保守,栽培機械器具の修理又は保守,収穫機械器具の修理又は保守,植物粗製繊維加工機械器具の修理又は保守,飼料圧搾機の修理又は保守,飼料裁断機の修理又は保守,飼料配合機の修理又は保守,飼料粉砕機の修理又は保守,工業用炉の修理又は保守,鉱山機械器具の修理又は保守,ゴム製品製造機械器具の修理又は保守,蚕種製造用又は養蚕用の機械器具の修理又は保守,自動販売機の修理又は保守,鉄砲の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守,照明用器具の修理又は保守,食料加工用又は飲料加工用の機械器具の修理又は保守,事務用機械器具の修理又は保守,製材用・木工用又は合板用の機械器具の修理又は保守,繊維機械器具の修理又は保守,潜水用機械器具の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守,たばこ製造機械の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,貯蔵槽類の修理又は保守,電気通信機械器具の修理又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROMその他の周辺機器を含む。)の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守,塗装機械器具の修理又は保守,乗物用洗浄機の修理又は保守,土木機械器具の修理又は保守,廃棄物圧縮装置の修理又は保守,廃棄物破砕装置の修理又は保守,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具の修理又は保守,半導体製造装置の修理又は保守,集積回路製造装置の修理又は保守,美容院用又は理髪店用の機械器具の修理又は保守,プラスチック加工機械器具の修理又は保守,包装用機械器具の修理又は保守,ミシンの修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,遊園地用機械器具の修理又は保守,理化学機械器具の修理又は保守,運動用具の修理,おもちゃ又は人形の修理,家具の修理,傘の修理,ガス湯沸かし器の修理又は保守,加熱器の修理又は保守,なべ類の修理又は保守,楽器の修理又は保守,かばん類又は袋物の修理,金庫の修理又は保守,靴の修理,錠前の取付け又は修理,洗浄機能付き便座の修理,釣り具の修理,時計の修理又は保守,はさみ研ぎ及びほうちょう研ぎ,ビリヤード用具の修理,遊戯用器具の修理,身飾品の修理,眼鏡の修理,浴槽類の修理又は保守,毛皮製品の手入れ又は修理,洗濯,被服のプレス,畳類の修理,被服の修理,布団綿の打直し,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,貯蔵槽類の清掃,道路の清掃,公園の清掃,運動場の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,電話機の消毒,有毒動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。),洗車機の貸与,電気洗濯機の貸与,衣類乾燥機の貸与,衣類脱水機の貸与,土木機械器具の貸与,床洗浄機の貸与,モップの貸与,動力付床洗浄機の修理又は保守,水質汚濁防止装置の修理又は保守,原子力発電プラントの修理又は保守,化学プラントの修理又は保守,看板の修理又は保守,放射線の除洗,医療用器具の殺菌・滅菌」、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,自動車の運転の代行,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取り次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,ガスの供給,電気の供給,水の供給,熱の供給,倉庫の提供,駐車場の提供,有料道路の提供,係留施設の提供,飛行場の提供,駐車場の管理,コンテナの貸与,パレットの貸与,自動車の貸与,船舶の貸与,車いすの貸与,自転車の貸与,航空機の貸与,機械式駐車装置の貸与,包装用機械器具の貸与,金庫の貸与,冷凍冷蔵庫の貸与,冷蔵庫の貸与」、第40類「布地・被服又は毛皮の加工処理(乾燥処理を含む。),裁縫,ししゅう,電気めっき,溶融めっき,焼きなまし,焼き戻し,フライス削り,ゴムの加工,プラスチックの加工,セラミックの加工,木材の加工,紙の加工,石材の加工,剥製,竹・木皮・とう・つる・その他の植物性基礎材料の加工(食物原材料の加工を除く),食料品の加工,義肢又は義歯の加工(医療材料の加工を含む),映画用フィルムの現像,写真の引き伸ばし,写真の焼付け,写真用フィルムの現像,製本,浄水処理,廃棄物の再生,原子核燃料の再加工処理,印章の彫刻,グラビア製版,繊維機械器具の貸与,写真現像用・焼付け用・引き伸ばし用又は仕上げ用の機械器具の貸与,金属加工機械器具の貸与,製本機械の貸与,食料加工用又は飲料加工用の機械器具の貸与,製材用・木工用又は合板用の機械器具の貸与,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具の貸与,浄水装置の貸与,廃棄物圧縮装置の貸与,廃棄物破砕装置の貸与,化学機械器具の貸与,ガラス器製造機械の貸与,靴製造機械の貸与,たばこ製造機械の貸与,材料処理情報の提供,一般廃棄物の処分,産業廃棄物の処分」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,研究用教材に関する情報の提供及びその仲介,セミナーの企画・運営又は開催,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,書籍及び雑誌の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組等の制作における演出,照明機器・音響機器であって放送番組等の制作に使用されるものの操作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済みの磁気テープ・磁気ディスク・光ディスク・コンパクトディスクの貸与,録画済みの磁気テープ・磁気ディスク・光ディスク・CD-ROMの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊戯用器具の貸与,遊園地用機械器具の貸与,絵画の貸与,当せん金付証票の発売,ビデオテープの編集,電子計算機端末による通信を利用したゲームの提供,娯楽情報の提供」を指定商品及び指定役務とし、平成14年9月6日に設定登録がなされ、当該防護標章登録に基づく権利は現に有効に存続しているものである。
(6)登録第1415772号商標(以下「引用商標6」という。)は、「インテル」の片仮名文字を書してなり、昭和51年3月22日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品とし、同55年4月30日に設定登録され、その後、二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続しているものである。
(7)登録第4480703号商標(以下「引用商標7」という。)は、「INTEL」の欧文字を標準文字で書してなり、平成10年6月9日に登録出願、第36類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク並びにプリンタその他の周辺機器を含む。)及びこれらの部品・複写機・事務用家具等の事務用備品の購入又はリースのための資金の貸付け,その他の資金の貸付け,手形の割引,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金」を指定役務とし、同13年6月8日に設定登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続しているものである。
(8)登録第3063164号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成4年9月29日に登録出願、第41類「ワ-ドプロセッサの使用並びにコンピュ-タプログラムの作成又は使用及び情報処理に関する教授」を指定役務とし、同7年7月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続しているものである。
(9)登録第3143210号商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成4年9月29日に登録出願、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成及び保守,オンライン又はオフラインによる情報処理,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テ-プその他の周辺機器を含む)の貸与」を指定役務とし、同8年4月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続しているものである。
(10)登録第4614499号商標(以下「引用商標10」という。)は、「INTEL」の欧文字を標準文字で書してなり、平成10年7月27日に登録出願、第37類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM並びにマウスその他の位置入力装置・キーボード・プリンターその他の周辺機器を含む。)・集積回路・マイクロプロセッサ・マイクロコンピュータ・電子計算機通信ネットワーク接続用カード・未記録の電子計算機用電子回路・未記録の電子計算機用磁気ディスク・未記録の電子計算機用磁気テープ・未記録の電子計算機用光ディスク・未記録の電子計算機用光磁気ディスクその他の電子応用機械器具及びその部品の設置工事,モデム・テレビ会議通信機械器具・電話会議通信機械器具・ビデオカメラ・ヘッドフォンその他の電気通信機械器具の設置工事,測定機械器具の設置工事,電気磁気測定器の設置工事,その他の機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設置工事,電気通信工事,電気工事,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM並びにマウスその他の位置入力装置・キーボード・プリンターその他の周辺機器を含む。)・集積回路・マイクロプロセッサ・マイクロコンピュータ・電子計算機通信ネットワーク接続用カード・未記録の電子計算機用電子回路・未記録の電子計算機用磁気ディスク・未記録の電子計算機用磁気テープ・未記録の電子計算機用光ディスク・未記録の電子計算機用光磁気ディスクその他の電子応用機械器具及びその部品の設置工事関する技術支援及びコンサルティング,モデム・テレビ会議通信機械器具・電話会議通信機械器具・ビデオカメラ・ヘッドフォンその他の電気通信機械器具の設置工事に関する技術支援及びコンサルティング,測定機械器具の設置工事に関する技術支援及びコンサルティング,電気磁気測定器の設置工事に関する技術支援及びコンサルティング,その他の機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設置工事に関する技術支援及びコンサルティング,電気通信工事に関する技術支援及びコンサルティング,電気工事に関する技術支援及びコンサルティング,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM並びにマウスその他の位置入力装置・キーボード・プリンターその他の周辺機器を含む。)・集積回路・マイクロプロセッサ・マイクロコンピュータ・電子計算機通信ネットワーク接続用カード・未記録の電子計算機用電子回路・未記録の電子計算機用磁気ディスク・未記録の電子計算機用磁気テープ・未記録の電子計算機用光ディスク・未記録の電子計算機用光磁気ディスクその他の電子応用機械器具及びその部品の修理又は保守,モデム・テレビ会議通信機械器具・電話会議通信機械器具・ビデオカメラ・ヘッドフォンその他の電気通信機械器具の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守,電気磁気測定器の修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,半導体製造装置の修理又は保守,集積回路製造装置の修理又は保守,業務用テレビゲーム機その他の業務用遊戯機械器具及び遊園地用機械器具の修理又は保守,ビリヤード用具及びスロットマシンその他の遊戯用具の修理又は保守,家庭用テレビゲームおもちゃ・電子おもちゃ・その他のおもちゃの修理又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM並びにマウスその他の位置入力装置・キーボード・プリンターその他の周辺機器を含む。)・集積回路・マイクロプロセッサ・マイクロコンピュータ・電子計算機通信ネットワーク接続用カード・未記録の電子計算機用電子回路・未記録の電子計算機用磁気ディスク・未記録の電子計算機用磁気テープ・未記録の電子計算機用光ディスク・未記録の電子計算機用光磁気ディスクその他の電子応用機械器具及びその部品の修理又は保守に関する技術支援及びコンサルティング,モデム・テレビ会議通信機械器具・電話会議通信機械器具・ビデオカメラ・ヘッドフォンその他の電気通信機械器具の修理又は保守に関する技術支援及びコンサルティング,測定機械器具の修理又は保守に関する技術支援及びコンサルティング,電気磁気測定器の修理又は保守に関する技術支援及びコンサルティング,民生用電気機械器具の修理又は保守に関する技術支援及びコンサルティング,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守に関する技術支援及びコンサルティング,半導体製造装置の修理又は保守に関する技術支援及びコンサルティング,集積回路製造装置の修理又は保守に関する技術支援及びコンサルティング,業務用テレビゲーム機その他の業務用遊戯機械器具及び遊園地用機械器具の修理又は保守に関する技術支援及びコンサルティング,ビリヤード用具及びスロットマシンその他の遊戯用具の修理又は保守に関する技術支援及びコンサルティング,家庭用テレビゲームおもちゃ・電子おもちゃその他のおもちゃの修理又は保守に関する技術支援及びコンサルティング」及び第42類「通信用の電子計算機のプログラムその他の電子計算機のプログラムの電子計算機記憶装置への導入,通信用の電子計算機のプログラムその他の電子計算機のプログラムの電子計算機記憶装置への導入に関する技術支援及びコンサルタティング,通信用の電子計算機のプログラムその他の電子計算機のプログラムの設計・実装において他人が使用するための標準の設計その他の通信用の電子計算機のプログラムその他の電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,通信用の電子計算機のプログラムその他の電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する技術支援及びコンサルティング,電子計算機通信ネットワークシステムの構築,電子計算機端末・ページャー・移動体電話機・携帯情報端末による通信ネットワークを利用した電子計算機技術に関する情報の提供,通信回線による電子計算機情報技術に関する情報の提供,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,通信回線による電子計算機プログラムの提供,コンピュータデータベースの設計及び作成,書籍・小冊子・白書・カタログ・パンフレットその他の印刷物の画像及び文字の電子計算機用の磁気テープ・磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM用データへの変換・編集,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM並びにマウスその他の位置入力装置・キーボード・プリンターその他の周辺機器を含む。)・集積回路・マイクロプロセッサ・マイクロコンピュータ・電子計算機通信ネットワーク接続用カード・未記録の電子計算機用電子回路・未記録の電子計算機用磁気ディスク・未記録の電子計算機用磁気テープ・未記録の電子計算機用光ディスク・未記録の電子計算機用光磁気ディスクその他の電子応用機械器具及びその部品の設計・実装において他人が使用するための標準の設計,その他の電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM並びにマウスその他の位置入力装置・キーボード・プリンターその他の周辺機器を含む。)・集積回路・マイクロプロセッサ・マイクロコンピュータ・電子計算機通信ネットワーク接続用カード・未記録の電子計算機用電子回路・未記録の電子計算機用磁気ディスク・未記録の電子計算機用磁気テープ・未記録の電子計算機用光ディスク・未記録の電子計算機用光磁気ディスクその他の電子応用機械器具及びその部品の設計,モデム・テレビ会議通信機械器具・電話会議通信機械器具・ビデオカメラ・ヘッドフォンその他の電気機械器具の設計・実装において他人が使用するための標準の設計その他のモデム・テレビ会議通信機械器具・電話会議通信機械器具・ビデオカメラ・ヘッドフォンその他の電気通信機械器具の設計,測定機械器具の設計・実装において他人が使用するための標準の設計その他の測定機械器具の設計,電気磁気測定器の設計・実装において他人が使用するための標準の設計その他の電気磁気測定器の設計,その他の機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計・実装において他人が使用するための標準の設計その他の機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM並びにマウスその他の位置入力装置・キーボード・プリンターその他の周辺機器を含む。)・集積回路・マイクロプロセッサ・マイクロコンピュータ・電子計算機通信ネットワーク接続用カード・未記録の電子計算機用電子回路・未記録の電子計算機用磁気ディスク・未記録の電子計算機用磁気テープ・未記録の電子計算機用光ディスク・未記録の電子計算機用光磁気ディスクその他の電子応用機械器具及びその部品の設計に関する技術支援及びコンサルティング,モデム・テレビ会議通信機械器具・電話会議通信機械器具・ビデオカメラ・ヘッドフォンその他の電気通信機械器具の設計に関する技術支援及びコンサルティング,測定機械器具の設計に関する技術支援及びコンサルティング,電気磁気測定器の設計に関する技術支援及びコンサルティング,その他の機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計に関する技術支援及びコンサルティング,通信用の電子計算機のプログラムその他の電子計算機用プログラムの貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM並びにマウスその他の位置入力装置・キーボード・プリンターその他の周辺機器を含む。)・集積回路・マイクロプロセッサ・マイクロコンピュータ・電子計算機通信ネットワーク接続用カード・未記録の電子計算機用電子回路・未記録の電子計算機用磁気ディスク・未記録の電子計算機用磁気テープ・未記録の電子計算機用光ディスク・未記録の電子計算機用光磁気ディスクの貸与,測定機械器具の貸与,電気磁気測定器の貸与,カメラ・光学機械器具の貸与,火災報知器・消火器の貸与,加熱器・調理台・流し台の貸与,冷暖房装置の貸与,印刷用機械器具の貸与,製図用具の貸与,理化学機械器具の貸与,ルームクーラーの貸与,自動販売機の貸与,事務室用家具の貸与,カーテンの貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法に関する紹介及び説明」を指定役務とし、同14年10月18日に設定登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続しているものである。
(11)登録第4634154号商標(以下「引用商標11」という。)は、「INTEL」の欧文字を標準文字で書してなり、平成12年3月30日に登録出願、第9類「半導体収納用カートリッジ,マイクロプロセッサ収納用カートリッジ,半導体収納用パッケージ,マイクロプロセッサ収納用パッケージ,キャッシュサーバーコンピュータ,インターネットサーバーコンピュータ,その他のサーバーコンピュータ,キャッシュサーバーコンピュータ用プログラム・インターネットサーバーコンピュータ用プログラム・その他のサーバーコンピュータ用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM,電子計算機端末装置・移動体電話機・携帯電話機・ページャー・携帯情報端末機(PDA)・その他のインターネット接続用電気通信機械器具などのインターネット及びウェブへの接続用端末機・ウェブタブレット・その他のインタ-ネット又はウェブへの接続装置,コンピュータの無線リモート周辺機器,ウェブポータルを可能にする電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROMその他の周辺機器を含む。),デジタル方式の暗号化・同一人証明及び認証用の電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROMその他の周辺機器を含む。),リモート暗号化ネットワーキングを可能にする電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROMその他の周辺機器を含む。),ネットワーク・インターネット及びワールドワイドウェブを介した安全なデータ伝送を可能にする電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROMその他の周辺機器を含む。),その他の電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROMその他の周辺機器を含む。),集積回路,その他の電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。),半導体素子,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,録音済みの磁気カード・磁気シート・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク,録音済みのコンパクトディスク,その他のレコード,メトロノーム,オゾン発生器,電解槽,ロケット,業務用テレビゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM,その他の業務用テレビゲーム機,その他の遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みのビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROM,その他の家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」及び第42類「インターネットにおけるウェブサイトの設計・作成・保守及びこれらに関する技術支援・コンサルティング,インターネット等の電子計算機端末・移動体電話機・携帯情報端末機(PDA)・その他の通信端末による通信ネットワークにおける第三者に対するオンラインによるユーザーの本人確認・証明,その他のデジタル方式による本人確認・証明,インターネット等の電子計算機端末・移動体電話機・携帯情報端末機(PDA)・その他の通信端末による通信ネットワークにおける第三者に対するオンラインによるユーザーの本人確認・証明に関する技術情報の提供・技術的助言・コンサルティング,デジタル方式による本人確認・証明に関する技術情報の提供・技術的助言・コンサルティング,コンピュータによるデジタルデータ(音声・映像・画像のデータを含む)の保管・管理及びこれに関する技術情報の提供・技術的助言・コンサルティング,インターネット等の電子計算機端末・移動体電話機・携帯情報端末機(PDA)・その他の通信端末による通信ネットワークにおけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与及びこれに関する技術情報の提供・技術的助言・コンサルティング,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸及びこれに関する技術情報の提供・技術的助言・コンサルティング,インターネット等の電子計算機端末・移動体電話機・携帯情報端末機(PDA)・その他の通信端末による通信ネットワークにおける検索エンジンの提供及びこれに関する技術情報の提供・技術的助言・コンサルティング,インターネット又はオンラインによるダウンロードできないコンピュータプログラムの提供及びこれに関する技術情報の提供・技術的助言・コンサルティング,コンピュータサイト又はウェブサイトのホスティング,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク・CD-ROMその他の周辺機器を含む。)の貸与,機械器具に関する試験又は研究,デザインの考案,気象情報の提供,建築物の設計,測量,地質の調査,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,社会保険に関する手続の代理,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,家事の代行,会議室の貸与,展示施設の貸与,家具の貸与,敷物の貸与,カーテンの貸与,壁掛けの貸与,美容,理容,入浴施設の提供,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る),あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,健康診断,歯科医業,調剤,医療情報の提供,栄養の指導,家畜の診療,コンバインの貸与,超音波診断装置の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,求人情報の提供,ファッション情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露宴を含む)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,身の上相談,編み機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,計測器の貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与,布団の貸与,ルームクーラーの貸与,理化学機械器具の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,鉱山機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,凸版印刷機の貸与,動力機械器具の貸与,風水力機械器具の貸与,冷凍機械器具の貸与,暖冷房装置の貸与,業務用調理機械器具の貸与,ガソリンステーション用装置の貸与(自動車の修理又は整備用のものを除く),芝刈機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,タオルの貸与,装身具の貸与,製図用具の貸与」を指定商品及び指定役務とし、同15年1月10日に設定登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続しているものである(「引用商標1」ないし「引用商標11」を以下、「引用商標」という。)。
第3 請求人の主張
請求人は、結論と同旨の審決を求めると主張し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第156号証(枝番を含む。)を提出した。
1 請求の理由
(1)請求の根拠
本件商標は、以下の理由および証拠(甲第1号証ないし甲第151号証)より明らかなとおり、商標法第4条第1項第15号、同第8号、同第19号、同第10号、同第11号、同第7号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項第1号により無効とすべきである。
(2)利害関係
請求人は、世界的に広く知られている半導体メーカーであり、その所有に係る引用商標「INTEL」は、請求人の商号商標、ハウスマークとして同人の取り扱いに係るほぼ全ての商品及び役務の出所識別標識として継続使用されており、本件商標の登録出願時には既に請求人の商品及び役務を表示するものとして周知著名であった。
本件商標は、請求人の商品、役務の出所表示として極めて著名な引用商標と同じ「INTEL」の文字を看者の注意を最も強く引き付ける語頭部分に含み、かつ、請求人が実際に取り扱う役務と同一又は類似の役務を指定役務に多く含むものであるから、請求人の業務に係る役務と出所の混同を生ずるおそれがある。また、本件商標は、引用商標の世界的な名声、顧客吸引力に便乗するものであり、少なくとも、請求人と無関係の被請求人が本件商標を使用すれば、請求人の著名商標「INTEL」の出所表示力が希釈化され、請求人に精神的および経済的な損害を与えることが明らかである。
したがって、請求人は、本件商標の登録無効審判請求について利害関係を有する。
(3)無効理由の詳細
(3-1)本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由
(A)引用商標の著名性
(イ)請求人会社の沿革及び名声
請求人「Intel Corporation」(インテル コーポレーション)は、1968年7月18日にアメリカ合衆国カリフォルニア州でGordon E.Moore(ゴードン・E・ムーア)およびRobert N.Noyce(ロバート・N・ノイス)により創業された世界最大の半導体製品メーカーである。請求人の日本での本格的な営業活動は、1971年10月開設の「インテルコーポレーション日本支社」(東京都渋谷区)により開始され、1976年4月28日には「インテルジャパン株式会社」(東京都世田谷区)として法人登記され、その後、つくば本社(茨城県つくば市東光台5丁目6番)及び東京本社(東京都千代田区丸の内3丁目1番1号)が設置された。同社は1997年に「インテル株式会社」と名称変更して現在に至る(以上、甲第8号証ないし甲第16号証、甲第32号証、甲第134号証)。
半導体業界における請求人の名声は、1970年に世界初のICメモリ(商用DRAM)「1103」を、また、1971年に世界初のマイクロプロセッサ「4004」を開発したことに始まり、これ以後、現在に至るまで、例えば、デスクトップ型パソコン向けプロセッサでは、「8008」「8086」「286」「INTEL386」「INTEL486」「Pentium」「PentiumII」「Celeron」「PentiumIII」「Pentium4」といったように、数年毎に先進技術のマイクロプロセッサを開発、製品化し(甲第17号証)、マイクロプロセッサの世界市場の約80%を専有する(甲第15号証、甲第16号証、甲第18号証、甲第19号証、甲第21号証)。
請求人の世界半導体市場の売上ランキングは、1989年の8位、1990年の5位、1991年の3位に続き、1992年に1位を獲得して以降、2003年まで12年間連続して1位を維持している(甲第15号証、甲第16号証、甲第32号証、甲第135号証)。
1990年末から1991年初頭、請求人は、引用商標「INTEL」を冒頭に冠した「INTEL INSIDE」の文字及び甲第47号証に示すとおりの構成からなるロゴマーク「intel inside」を自己の商標として採択した。請求人は、当該商標に関して定めた「INTEL INSIDE PROGRAM」(インテル・インサイド・プログラム)(甲第72号証)と呼ばれるライセンスプログラムに基づき、これらの商標を世界中のOEMメーカーに使用許諾すると共に、ライセンシーの広告宣伝活動の支援を開始した。請求人の上記商標は、日本国内では、日本電気、松下電器産業、日立製作所、シャープ、三菱電機、東芝、ソニー、富士通、日本IBM、セイコーエプソン、デルコンピュータといった日本を代表する大手電機・コンピュータメーカー等に使用許諾され、ライセンシーが製造販売する商品及びその広告に広く使用されている(甲第73号証の1ないし30)。
上記「INTEL INSIDE PROGRAM」の成功と請求人及びライセンシー各社による商標「INTEL INSIDE」及び「intel inside」の広範な使用により、一般消費者が請求人半導体製品を搭載したパソコン等の最終製品を外部から認識することができるようになったと同時に、一般消費者が請求人の商号「INTEL」を取り込んだ商標「INTEL INSIDE」及び「intel inside」を直に目にする機会が増大したことで、一般の消費者の間における請求人の知名度は大きく上昇した(甲第138号証、甲第139号証)。
加えて、1994年頃から急速に浸透した職場環境におけるパソコン一人一台時代の到来(甲第74号証)、一般家庭へのパソコンの普及、インターネット等情報通信技術産業の発展と相俟って、請求人及び引用商標は、半導体・コンピュータ関連の取引者、需要者のみならず、業種を越えて、一般の消費者を含む広範囲の需要者の間でも広く知られるようになった。
輝かしい発展を遂げた請求人は経済産業界等からも高い評価を受けている。1994年「日経ビジネス」誌におけるインテルジャパン株式会社(現インテル株式会社)社長西岡郁夫氏のインタビュー記事(甲第20号証、1995年「日経ビジネス」誌における「特集・強い会社インテル」(甲第18号証)、1995年「週刊東洋経済」誌における「インテルジャパン成功への道」(甲第21号証)、1996年「週間ダイヤモンド」誌における「特集インテル最強経営の秘密」(甲第19号証)等の掲載、「TIME」誌の1997年度「MAN OF THE YEAR」に請求人現会長Andrew Grove(アンドリュー・グローブ)氏が選出(甲第22号証)、1999年「Business Week」誌の「The Top 25 Executives of the Year」(今年の経営者ベスト25人)に請求人最高経営責任者 Craig Barrett(クレイグ・バレット)氏が1位選出(甲第31号証)、1996年「FORTUNE」誌の「America’s Most Admired Companies」(アメリカの最も称賛すべき企業)で総合5位(甲第23号証)、同じく1997年7位(甲第26号証)、同じく1998年4位(甲第29号証)、1998年「FORTUNE」誌の「World’s Most Admired Companies」(世界の最も賞賛すべき企業のコンピュータ産業部門で1位(甲第30号証)、1998年「FORTUNE」誌の「The 100 Best Companies to Work for」(勤務したい会社ベスト100社)で総合32位(甲第28号証、「Asia’s Leading Companies 200」(アジアの主要企業200社)にも掲載される(甲第34号証)など、請求人とその取扱に係る商品及び役務を紹介、賞賛する多数の特集記事が新聞及び雑誌に度々掲載されている。
(ロ)辞書、用語集における掲載
引用商標「INTEL」及びその音訳である「インテル」は、請求人インテル社を意味するものとして英和辞典(甲第140号証)、コンピュータ用語辞典(甲第141号証)、カタカナ外来語辞典(甲第142号証)に掲載される程度まで広く認識されている。
(ハ)引用商標のブランド価値
請求人のハウスマーク「INTEL」のブランド評価額は、既に1993年の時点で178億1000万ドル(全米第3位)と推定された(甲第24号証)が、その後も上昇を続け、英国のブランド評価コンサルティング会社インターブランド(Interbrand)社が行った2000年度評価では、390億4900万ドル、世界第4位にランキングされている(甲第33号証)。インターブランド社による最新の評価でも、2003年は、311億1000万ドルで世界第5位(甲第136号証)、2004年は、334億9900万ドルで世界第5位にランキングされている(甲第137号証)。
(ニ)引用商標に関する商標登録
請求人は、引用商標「INTEL」を日本を含む世界106国以上で商標登録している(甲第70号証)。甲第2号証ないし甲第7号証、甲第129号証ないし甲第133号証に示す引用商標は、日本における商標登録中、本件商標の指定役務と同一又は類似の商品及び役務あるいは本件指定役務との関係が密接な商品又は役務について登録されているものである。
(ホ)冒頭部分に「INTEL」の文字を有する商標の商標登録
請求人は「INTEL」の文字を冒頭部分に有する様々な商標についても、日本を含む世界各国で商標登録を取得している(甲第71号証)。その例は下記のとおりである。
これらは、実際に請求人が取り扱う商品及び役務の商標として過去に使用され、あるいは現在使用中のものである(甲第15号証、甲第16号証)。
INTEL586(甲第42号証)
INTEL386(甲第43号証)
INTEL IN IT(甲第44号証ないし甲第46号証)
INTEL/INSIDE(甲第47号証)
INTEL INSIDE(甲第53号証、甲第56号証)
INTEL ANSWEREXPRESS(甲第48号証)
INTEL TEAMSTATION(甲第49号証)
INTEL STRATAFLASH(甲第50号証)
INTEL CREATE&SHARE(甲第51号証)
INTEL INBUSINESS(甲第52号証)
WITH/INTEL OPTIMIZER(甲第54号証)
INTEL ANYPOINT(甲第55号証)
INTEL INSIDE PENTIUM!!!(甲第57号証)
INTEL IMAGING(甲第58号証)
INTEL XEON(甲第59号証)
INTEL INSIDE XEON(甲第60号証)
INTEL NETSTRUCTURE(甲第61号証)
INTEL SPEEDSTEP(甲第62号証)
INTEL CHATPAD(甲第63号証)
INTEL POKET CONCERT(甲第64号証)
INTEL DOT.STATION(甲第65号証)
INTEL GIGABLADE(甲第66号証)
INTEL XSCALE(甲第67号証)
INTEL NETBURST(甲第68号証)
INTEL NETMERGE(甲第69号証)
INTEL INSIDE CENTRINO(甲第148号証、甲第149号証)
INTEL/INSIDE PENTIUM 4HT(甲第150号証)
INTEL/INSIDE PENTIUM 4HT EXTREME/EDITION(甲第151号証)
(ヘ)引用商標に関する防護標章登録の存在
引用商標は、商品及び役務の区分全42区分中31区分において、防護標章登録(商標登録第4456379号防護標章登録第1号)がされており(甲第5号証の2、甲第6号証)、引用商標「INTEL」は、特許庁ホームページで「日本国周知・著名商標」として掲載されている(甲第41号証)。
(ト)審決等における著名性の認定
第三者が登録した「INTEL」の文字を冒頭部分に有する件外商標「INTEL/インテル」(登録第4091440号)、同「Intelbee」(登録第第4015851号)、同「intellidge」(登録第4340433号)、同「Intelbee」(登録第4015851号)、同「Intelbee」(登録第3043875号)、同「Intelbee」(登録第2723464号)に対する登録無効審判及び登録異議申立事件における審決及び異議決定において、引用商標は請求人の商品及び役務の出所表示として著名なものであり、また、引用商標は請求人の名称の著名な略称であることが認定され(甲第35号証ないし甲第40号証)、上記件外商標の登録の無効又は取消が確定している。
以上により、引用商標は、本件商標の登録出願時の平成14年(2002年)日から登録査定時の平成15(2003年)年2月19日に至るまで、請求人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして取引者及び需要者の間で広く認識され著名であったことが明らかである。
(B)本件商標の指定役務と請求人の業務に係る商品及び役務の密接な関連性
本件商標は、甲第1号証の2に示すとおりの指定役務(以下、「本件指定役務」という。)について使用されるものである。これに対して請求人の取扱いに係る商品及び役務は以下に述べるとおりであるから、本件商標は、請求人の業務に係る商品及び役務と同一又は類似の役務、あるいは少なくとも、請求人の業務に係る商品及び役務と関連が密接な役務に使用されるものである。
(C)本件商標と引用商標の類似性と出所混同のおそれ
本件商標は、甲第1号証の1に示すとおり、英文字で「INTELL ASSET」と横書きした文字及び「GROUP」と横書きした文字、並びにこれらを上下二段に分割する赤色のほぼ水平な線から構成される商標である。上段の「INTELL ASSET」の文字は、下段の「GROUP」の文字よりも遥かに大きく表記され、しかも、「INTELL ASSET」と「GROUP」の文字は、上記ほぼ水平な線で区切られて物理的に分離している。したがって、両者を一体不可分のものと捉えることは不可能であり、「INTELL ASSET」の文字は「GROUP」の文字からは独立した自他商品役務の識別標識として機能することが明らかである。
この「INTELL ASSET」の文字において、冒頭の「I」の文字と中間の「A」の文字は、その他の構成文字に比べて大きく表記されているため、視覚上、明らかに前半の「INTELL」の部分と後半の「ASSET」の部分に分断される。
それのみならず、「INTELL ASSET」の文字は、全体が特定の意味を有する既成語あるいは熟語として存在するものではない。この点に加えて、後半部分の文字「ASSET」は「資産、財産」等を意味する英単語であり、その音訳「アセット」は外来語の「アセット」(甲第143号証)として取引者、需要者に親しまれているものである。
さらに、本件商標の指定役務に含まれる「事業の管理又は運営、事業の管理又は運営に関するコンサルティング、経営の診断又は経営に関する助言及び指導、投資、投資事業組合の設立による投資事業組合財産の運用及び管理、投資に関するコンサルティング、企業の税務に関する指導及び助言」等は、その内容、対象が「資産、財産、アセット」と深く関連するものであり、これらに「ASSET」の文字を使用しても自他役務の識別力を著しく欠き、出所表示として機能し得ない。一方、前半部分の文字「INTELL」には、本件指定役務に関して自他役務の識別機能を欠くといった事情は存在しないから、「INTELL ASSET」の文字においては、前半部分の文字「INTELL」の部分が自他役務の識別標識としての機能を担うことが明らかである。
換言すれば、「INTELL ASSET」の文字は、視覚的にも意味的にも一体不可分のものと言えないのみならず、本件指定役務に照らし、自他商品役務識別力の強弱の点からみても、前半部分の文字「INTELL」と後半部分の文字「ASSET」には大きな差異があり、一体不可分のものとは言えない。
よって、「INTELL ASSET」の文字は、前半部分の文字「INTELL」に後半部分の文字「ASSET」を結合したものとして容易に把握し得るものである。
そして、前半部分の文字「INTELL」は、特定の意味を有する成語あるいは熟語として存在するものではないことに加え、看者の注意、関心を最も強く惹きつける冒頭部分に引用商標と同じ「INTEL」の文字を有する。しかも、この前半部分の文字「INTELL」は、引用商標「INTEL」の語尾にアルファベット文字「L」を一文字を付加したものであって、引用商標と外観上相紛らわしいのみならず、引用商標と同じ「インテル」の称呼を生ずるものである。
したがって、本件商標に接する取引者、需要者は、請求人の商品及び役務の出所表示として著名な引用商標と対応する冒頭部分の文字「INTEL」に強く惹きつけられるというべきである。
上記(A)(ホ)の欄で示したとおり、請求人は、冒頭部分に「INTEL」の文字を包含し、「インテル」の称呼の冒頭音に含む商標を多数登録しており(甲第42号証ないし甲第69号証、甲第148号証ないし甲第151号証)、かつ、これらを請求人の取り扱う個別の商品名あるいは役務名として実際に使用している(甲第15号証、甲第16号証)。このような商品名あるいは役務名の中には、請求人が本件指定役務と同一又は類似の役務の名称として使用している「Intel Capital」、「インテルキャピタル」、「Intel 64 Fund」、「Intel Innovation Education」、「Intel Teach to the Future」、「Intel Computer Clubhouse」、「Intel international Science and Engineering Fair」(IntelISEF)、「Intel Solution Services」、「Intel Developer Services」等も存在する。
また、引用商標「INTEL」を冒頭に冠した請求人の著名商標のひとつである「intel inside」(甲第47号証)は、請求人のみならず、請求人から使用許諾を受けた多数のライセンシーによって使用されていることが取引者、需要者の間で広く知られている(甲第73号証の1ないし30)。
上記(B)の欄で詳述したとおり、本件商標は,請求人が取り扱う商品及び役務と同一又は類似あるいはこれらと密接な関係を有する役務に使用するものであるから、このような事情の下で、本件商標に接した取引者,需要者は、冒頭部分の文字「INTEL」より、著名な引用商標「INTEL」とその所有者である請求人インテル(Intel)社を容易に想起連想することが明らかである。
したがって、本件商標が指定役務に使用されたときには、請求人あるいは請求人と経済的もしくは組織的な関係を有する者(請求人が出資する合弁会社・系列会社等)の業務に係る役務であると誤信し、当該役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
商標法第4条第1項第15号に規定されている「混同を生ずるおそれ」の判断基準については、平成16年(行ケ)第85号審決取消請求事件の判決(甲第144号証)が次のように述べている(下線は請求人によるもの)。
商標法4条第1項第15号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無については、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的に照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきであって(最高裁平成12年7月11日第3小法廷判決・民集54巻6号1848頁)、上記に掲げた個々の事情ごとに峻別して悉無律的にその存否を判断するのではなく、個々の事情ごとにその程度を検討した上、最終的にこれらを総合して「混同のおそれ」の有無を決すべきものである。すなわち、「混同を生ずるおそれ」の要件の判断においては、当該商標と他人の表示との類似性の程度が商標法第4条第1項第11号の要件を満たすものでないにしても、その程度がいかなるものであるのかについて検討した上、他人の表示の周知著名性程度や、上記諸事情に照らして総合的に判断されるべきものである(甲第144号証)。
本件商標に対して請求人が提出した登録異議申立事件(異議2003-90321)の異議決定は、本件商標中の「INTELL ASSET」の文字は「一連一体に構成されたもの」(註:「一連一体」と認定する根拠は何ら示されていない。むしろ、冒頭の「I」と中間の「A」の文字が他の文字よりも大きく表きれている事実を認定している)であるから、外観、称呼及び観念のいずれにおいても引用商標と非類似のものであると認定し、引用商標の著名性の程度、請求人(申立人)が取り扱う商品及び役務と本件指定役務との関連性の程度等を考慮することなく、商標が類似しないから出所混同のおそれは無いと認定したが、上記判決に示された商標法第4条第1項第15号の規定適用の判断基準に照らせば、かかる異議決定が充分な審理を尽くしてなされたものとは到底いえないものであるのみならず、その結論においても不当なものであることが明らかである。
上述したとおり、「INTELL ASSET」の文字を一連一体のものとして把握することができないことは明らかであるが、仮にこれが「一連一体に構成されたもの」であるとしても、構成中の「INTEL」の文字部分は請求人の商品役務の出所表示として世界屈指の著名性を有するものである。本件商標の構成文字「INTELLASSET」の取引者、需要者における認識の程度が引用商標の著名性に遠く及ばないことは明らかであり,本件商標に接する取引者、需要者は、構成中の「INTEL」の文字部分に強く印象付けられ、請求人のハウスマークである引用商標「INTEL」を想起連想するとみるべきである。
この点に関して、登録第4382255号商標「金盃菊正宗」の登録を商標法第4条第1項第15号に該当するものとして取消した特許庁の異議決定を支持した平成13年(行ケ)第494号商標登録取消決定取消請求事件の判決(甲第145号証)は次のとおり示している。
「確かに、本件商標の構成中の『金盃菊正宗』の文字部分が、同書、同大、同間隔にまとまりよく表示されていることは請求人の指摘するとおりであるが、『菊正宗』商標が補助参加人の製造販売に係る清酒を表示するものとして著名性を有するものであって、しかも、請求人に係る『金盃』の取引者、需要者における認識の程度が『菊正宗』商標の著名性の程度に到底及ばないことは前示のとおりであるから、本件商標をその指定商品である清酒に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、『菊正宗』の部分に強く印象付けられ、補助参加人に係る『菊正宗』商標を想起すると解するべきであり、このような観点に基づいて、本件商標の要部というべき『菊正宗』の部分に着目して商品の出所混同のおそれを検討した審決の判断過程に誤りはないというべきである。」(甲第145号証)。
特許庁における近年の審決等においても、構成中に他人の著名商標を含む商標であって、当該著名商標に相当する部分が既成の語の一部になっていないものについては、商標法第4条第1項第15号に該当するという認定判断がなされている。例えば、登録第4564582号商標「ラボーグ」(第29類、第32類)について、構成文字全体として特定の語意を有するものとして一般に親しまれているものではないところ、構成中の「ボーグ」の文字部分がファッション誌の題号として著名な「VOGUE」を容易に想起させ、当該文字部分に強く印象付けられることから、出所混同のおそれがあると認定し、商標法第4条第1項15号違反を理由に登録を無効とした無効2003-35280号審決(甲第146号証)や、登録第4534448号商標「omegaLand」(第9類)について、全体として特定の意味を有する成語(熟語)として存在するものではなく、取引者、需要者の間で広く知られている「omega」の文字を有しており、取引者、需要者は「omega」の文字部分に強く印象付けられ、著名商標「OMEGA」及び「オメガ」を想起連想することから、出所混同のおそれがあると認定し、商標法第4条第1項第15号違反を理由に登録を取消した異議2002-90226号決定(甲第147号証)等が存在する。
本件商標と引用商標の類似性の程度、引用商標の周知著名性及び独創性の程度、本件商標の指定役務と請求人の業務に係る商品及び役務との関連性の程度に照らし、本件商標の指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば、本件商標が請求人の業務に係る商品及び役務と混同を生じるおそれがあることは明白である。
(D)フリーライド及び稀釈化
本件商標は、請求人の著名商標「INTEL」の文字を冒頭部分に有することにより取引者、需要者の注意、関心を集め、引用商標の顧客吸引力にフリーライドし、あるいはまた、引用商標の有する強力な出所表示機能を稀釈化するものである。
請求人が提供する商品及び役務と同一又は類似の指定役務を取り扱う被請求人が、本件商標の登録出願時に、請求人のハウスマークとして世界的に広く知られている引用商標について不知であったとは到底考えられない。
本件商標は、引用商標が獲得している世界的な名声と顧客吸引力にフリーライドし、これにより、被請求人の市場参入を容易化し、不当に商業的利益を得んとする意図が窺える。
それのみならず、本件商標は、引用商標の出所表示力を稀釈化して引用商標のブランド価値を低下させ、請求人の資産価値を毀損するものである。引用商標は辞書に無い創造語よりなるものであり、独創性の高い標章である。
上述したとおり、専門家による2000年度のブランド価値評価において、引用商標のブランド価値は、2000年が390億ドル4900万ドル(世界第4位)、2003年が311億1000万ドル(世界第5位)、2004年が334億9900万ドル(世界5位)といったことによる、極めて高い評価を受けており(甲第33号証、甲第136号証、甲第137号証)、引用商標は請求人の資産を形成する重要な要素となっている。
近年、企業経営、企業戦略におけるブランドの重要性は一層高まっており、ブランドは無形資産として企業価値の重要な源泉とされている。企業経営におけるブランドの重要性が注目されることを背景として、わが国でも、平成14年6月24日付で経済産業省企業法制研究会から「ブランド価値評価研究会報告書」が公表されている(甲第76号証)。
このような状況の下で、取引者、需要者に請求人を容易に連想、想起させる本件商標を、請求人と無関係の被請求人が使用すれば、請求人の業務に係る商品及び役務と強く結合している引用商標の出所表示力が希釈化され、これにより、世界有数の著名商標に数えられている引用商標のブランド価値が低下し、請求人の資産に重大な損害を及ぼすことは避けられない。
商標法第4条第1項第15号の規定が、いわゆる狭義および広義の出所混同を防止する趣旨にとどまらず、著名商標へのフリーライド、さらには「フリーライドのみならず、ダイリューションなどをも防止する趣旨であると解される」(甲第144号証)ことは、前掲の平成16年(行ケ)第85号審決取消請求事件の判決でも確認されているとおりである。
本件商標は、引用商標の著名性へのフリーライド、出所表示力の稀釈化(ダイリューション)という観点からも本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当することは明白である。
以上により、本件商標は請求人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるものであることが明らかである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は無効とすべきである。
(3-2)本件商標が商標法第4条第1項第8号に該当する理由
請求人は、その名称「Intel Corporation(インテル コーポレーション)」から法人格を示す「Corporation」(コーポレーション)を省略した略称「Intel」(引用商標)を1968年から現在までハウスマークとして採択使用しており、日本では遅くとも1971年から現在まで、請求人を表示するために「INTEL」「Intel」「intel」あるいはこれらの発音をカナ文字で転写した「インテル」の表示を用いていること、これらが請求人の名称の略称として本件商標の登録出願時及び査定時に著名であったことは、上記「本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由」の欄で述べたとおりである。
また、同欄で詳述したとおり、本件商標の構成文字中「INTELL ASSET」の文字は、前半部分の文字「INTELL」と後半部分の文字「ASSET」を結合したものとして容易に把握しうるものである。前半部分の文字「INTELL」は特定の意味を有する成語あるいは熟語として存在するものではないことに加えて、看者の注意、関心を最も強く惹きつける冒頭部分に著名な引用商標と同じ「INTEL」の文字を有している。
よって、本件商標に接する取引者、需要者は、著名な引用商標に対応する冒頭部分の文字「INTEL」に強く惹きつけられるというべきである。
しかも、本件商標は、請求人が取り扱う商品及び役務と同-又は類似あるいはこれらと密接な関係を有する役務に使用するものであるから、取引者、需要者は本件商標の冒頭部分の「INTEL」の文字から著名な引用商標「INTEL」と請求人会社(インテル社)を直感する。
商標法第4条第1項第8号の規定が他人の氏名・名称等及びこれらの著名な略称を含む商標の登録を禁じる趣旨は、「自己の氏名・名称等が他人によってその商品・役務の商標として使用され、これによって世人がそれらの氏名・名称等と商品・役務との間になんらかの関係があるかのように認識し、そのために氏名・名称を有する者がこれを不快としその人格権を毀損されたものであると感ずるであろうことが、社会通念上客観的に明らかであると認められる場合において」、その者の人格権を保護せんとするものであると解される(甲第75号証)。
本件商標が本件指定役務に使用されれば、これに接する者は、その文字部分「INTELL ASSET」の冒頭部分に包含される「INTEL」の文字及びこれより生ずる称呼「インテル」に注意を惹きつけられ、これに着目して請求人会社を観念し、当該指定役務と請求人との間に何らかの関係があるかのように誤った認識がなされることは明らかである。
被請求人は、本件商標の登録出願について請求人の承諾を得ていない。
したがって、被請求人が本件商標を使用すれば、請求人の人格権が毀損される。
以上より、本件商標は、他人の著名な略称を含むものであることが明らかである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものであるから、その登録は無効とすべきである。
(3-3)本件商標が商標法第4条第事項第19号に該当する理由
引用商標が本件商標の登録出願時及び査定時に請求人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして取引者、需要者の間で広く認識されていたことは、上記「本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由」の欄で述べたとおりである。
また、同欄で詳述したとおり、本件商標の構成文字中「INTELL ASSET」の文字は、前半部分の文字「INTELL」と後半部分の文字「ASSET」を結合したものとして容易に把握しうるものであり、前半部分の文字「INTELL」は特定の意味を有する成語あるいは熟語として存在するものではないことに加えて、看者の注意、関心を最も強く惹きつける冒頭部分に著名な引用商標と同じ「INTEL」の文字を有している。
本件商標に接する需要者は著名な引用商標と対応する冒頭部分の文字「INTEL」に強く惹きつけられるというべきである。
当該冒頭部分の文字「INTEL」からは、「インテル」の称呼、並びに請求人会社「インテル社」の観念が生ずる。それのみならず、前半部分の文字「INTELL」全体からもまた「インテル」の称呼が生ずることが明らかである。明らかに、当該称呼「インテル」は請求人会社インテル社を容易に想起、連想させるものである。
したがって、本件商標は、引用商標「INTEL」と「インテル」の称呼および請求人会社「インテル社」の観念を共通にする類似のものである。
本件商標は、取引者、需要者の注意、関心を惹きつける冒頭部分に著名な引用商標「INTEL」を有することにより、引用商標が獲得している世界的な名声と顧客吸引力にフリーライドするものである。本件商標は、また、引用商標の出所表示機能を稀釈化し、引用商標のブランド価値を低下させて請求人の資産価値を毀損するものと言わざるを得ない。
したがって、本件商標は不正の目的で使用するものである。
以上より、本件商標は、請求人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用されるものであることが明らかである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は無効とすべきである。
(3-4)本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当する理由
引用商標が本件商標の登録出願時及び査定時に請求人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして取引者、需要者の間で広く認識されていたことは、上記「本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由」の欄で述べたとおりである。
また、上記「本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当する理由」の欄で述べたとおり、本件商標は、引用商標と「インテル」の称呼および請求人会社「インテル社」の観念を共通にする類似ものである。また、本件商標は、引用商標が使用される商品及び役務と同一又は類似の指定役務に使用されるものである。
以上より、本件商標は、請求人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と類似の商標であって、その商品及び役務と同一又は類似の役務に使用をするものであることが明らかである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるから、その登録は無効とすべきである。
(3-5)本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する理由
上記「本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当する理由」の欄で述べたとおり、本件商標は、引用商標と「インテル」の称呼および請求人会社「インテル社」の観念を共通にする類似ものである。
また、請求人が引用商標について商標登録を受けている登録第4634154号(引用商標11)(甲第133号証の1、2)は、本件商標よりも先に登録出願され、かつ、第35類の本件指定役務中「求人情報の提供、自動販売機の貸与」と同一又は類似の指定役務について登録されたものである。
同じく、請求人が引用商標について商標登録を受けている登録第4480703号(引用商標7)(甲第129号証の1、2)は、本件商標よりも先に登録出願され、かつ、第36類の本件指定役務と同一又は類似の指定役務について登録されたものである。
同じく、請求人が引用商標について商標登録を受けている登録第3063164号(引用商標8)(甲第130号証の1、2)は、本件商標よりも先に登録出願され、かつ、第41類の本件指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授」と同一又は類似の指定役務について登録されたものである。
同じく、請求人が引用商標について商標登録を受けている商標登録第4634154号(引用商標11)(甲第133号証の1、2)は、本件商標よりも先に登録出願され、かつ、第41類の本件指定役務中「写真の撮影、通訳、翻訳、カメラの貸与、光学機械器具の貸与」と同一又は類似の指定役務について登録されたものである。
同じく、請求人が引用商標について商標登録を受けている登録第1373591号(引用商標1)(甲第2号証の1、2)、同第1415771号(引用商標2)(甲第3号証の1、2)、同第2332545号(引用商標3)(甲第4号証の1、2)、同第4456379号(引用商標4)(甲第5号証の1、2)、同第1415772号(引用商標6)(甲第7号証の1、2)、同第3143210号(引用商標9)(甲第131号証の1、2)、同第4614499号(引用商標10)(甲第132号証の1、2)及び同第4634154号(引用商標11)(甲第133号証の1、2)は、本件商標よりも先に登録出願され、かつ、第42類の本件指定役務と同一又は類似の指定商品及び指定役務について登録されたものである。
以上より、本件商標は、その登録出願日前の登録出願に係る請求人の登録商標(上記の引用商標)と類似するものであって、その登録に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の役務について使用をするものであることが明らかである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は無効とすべきである。
(3-6)本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当する理由
本件商標は、世界的に著名な引用商標と同じ「INTEL」の文字を看者の注意、関心を強く引き付ける冒頭部分に有し、かつ、請求人が取り扱う商品及び役務と同一又は類似の役務もしくはこれらと密接に関係する役務に使用するものであるから、請求人の業務に係る商品及び役務と出所混同を生ずるおそれがあるのみならず、引用商標の著名性にフリーライドし、その出所表示力を毀損、稀釈化し、世界の著名トップブランドの引用商標の経済的な価値を低下させ、請求人に精神的及び経済的な損害を及ぼすものである。
したがって、本件商標は、社会一般の道徳観念に反するものであり、また、公正な取引秩序の維持と需要者の利益保護を目指す商標法の目的、さらには国際信義の精神に反するものである。
以上より、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものであることが明らかである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものであるから、その登録は無効とすべきである。
(4)結語
(ア)商標法第4条第1項第15号
本件商標が指定役務に使用された場合には、請求人の業務に係る商品及び役務と出所混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標の登録は商標法第4条第1事項第15号の規定に違反してなされたものであるから、無効とすべきである。
(イ)商標法第4条第1項第8号
本件商標は、請求人の名称の著名な略称を含む。したがって、本件商標の登録は商標法第4条第1項第8号の規定に違反してなされたものであるから、無効とすべきである。
(ウ)商標法第4条第事項第19号
本件商標は、請求人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と類似するものであって、不正の目的をもって使用されるものである。したがって、本件商標の登録は商標法第4条第1項第19号の規定に違反してなされたものであるから、無効とすべきである。
(エ)商標法第4条第1項第10号
本件商標は、請求人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と類似し、かつ、その商品及び役務と同一又は類似の指定役務に使用されるものである。したがって、本件商標の登録は商標法第4条第1項第10号の規定に違反してなされたものであるから、無効とすべきである。
(オ)商標法第4条第1項第11号
本件商標は、引用商標と類似し、かつ、引用商標の登録に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似の指定役務に使用されるものである。したがって、本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものであるから、無効とすべきである。
(カ)商標法第4条第1項第7号
本件商標は、商標法の精神に反し、国際信義にも反するものであるから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある。したがって、本件商標の登録は商法第4条第1項第7号の規定に違反してなされたものであるから、無効とすべきである。
2 弁駁の理由
被請求人の平成17年4月28日付審判事件答弁書(以下、「答弁書」)に対して次のとおり弁駁する。
(1)被請求人は答弁書の(1)「答弁の理由の要約」の欄において、本件商標が商標法第4条第1項第15号、同第8号、同第19号、同第10号、同第11号及び同第7号に違反して登録されたものであるという請求人の主張に対して次のように述べている。
「本件商標は、以下に詳述するとおり、その構成中「INTELLASSET」の文字部分の全体が一体不可分のものとして認識・把握されるものであって、少なくとも「INTEL」の文字部分が殊更に分離・抽出されて認識されることはないから、請求人の主張は理由がなく、前記法条に該当するものではない。」
被請求人は、上記主張の理由づけとして、「INTELLASSET」の文字部分は視覚上一連一体なものと看取されるものであるから「インテラセット」の称呼が生じる、という独自の理論を繰り返すことに終始している。
しかし、「INTELLASSET」の文字部分から「インテラセット」の称呼のみが生じ、「インテルアセット」の称呼は生じないとみるべき証左はなく、上記被請求人の主張は明らかに合理的根拠を欠くものである。
「INTELLASSET」の文字部分からは、その構成に基づき「インテルアセット」の称呼が自然に生じるというべきである。
(2)「INTELLASSET」の周知性に関する被請求人の主張について
被請求人は、本件商標の構成中の「INTELLASSET」の文字部分が被請求人の英文名称の主要部を表したものとして需要者に広く知られていると主張し、乙第3号証ないし乙第21号証を証拠方法として提出している。
しかし、上記乙号証のうち、「INTELLASSET」の文字の使用を示すものは乙第3号証ないし乙第5号証の広告のみであり、しかも、乙第3号証は、被請求人会社の英文名称「INTELLASSET,INC.」を表示したものに過ぎない。乙第6号証ないし乙第20号証は、被請求人会社について記述した記事であって、被請求人会社の商号としてインテラセットの文字が使用されているものに過ぎない(しかも、乙第9号証は、被請求人会社ではなく件外フロンティアネット社を取材したもので、被請求人会社は文中のごく一部で触れられているのみである)。乙第21号証は、「INTELLASSET」の文字部分が本件登録に係る構成態様とは異なり、前半部分「INTELL」の冒頭の「I」の文字と後半部分「ASSET」の頭文字「A」のみを大文字で、その他の文字を小文字で記載して、「IntellAsset」と表示される事実を示しているのみである。
上記証拠方法から、本件商標の構成中の「INTELLASSET」の文字部分が、指定役務について広く認識されている事実を認定することは到底不可能である。被請求人の上記主張に理由が無いことは明らかである。
(3)「INTELLASSET」から生じる称呼に関する被請求人の主張について
本件商標の構成中の「INTELLASSET」の文字が本件指定役務の需要者に広く認識されていると認められないことは明らかであるが、仮に、そのような事実が存在し、あるいは、被請求人を熟知する需要者が当該文字を「インテラセット」と称する場合があるとしても、そのことをもって、「INTELLASSET」からは「インテラセット」の称呼のみが生じ、「インテルアセット」の称呼は生じない、ということはできない。
「INTELLASSET」の文字部分からいかなる称呼が生じるかは、その構成文字に基づいて定めなければならず、本件商標あるいは被請求人会社を熟知する一部の需要者のみを基準として認定すべきではない。
この点に関して、昭和38年4月29日(昭和37年(オ)8号)最高裁判決の論旨は次のとおり述べている(甲第152号証)。
原判決が、標章「不二コロンバン」について、同業者や顧客の間から「フジコロンバン」「フジコロ」なる称呼をもって呼ばれることがあると認定したからといって、その事実から「コロンバン」なる称呼を生じないとはいえないのみならず、本来、商標、標章の類否は、その商品を熟知している業者や一部の顧客のみを対象として考えるべきではないから、右のような認定をしながらも、上告人の標章から「コロンバン」なる称呼を生ずるとしたのは、なんら異とするに足りない。また、上告人の本件標章から「コロンバン」、「フジコロ」等の称呼を生ずるとしても「コロンバン」なる称呼も生ずる以上、いずれが多く称呼されるかを判断するまでもなく、上告人の本件標章は被上告人の本件商標に類似するものといわなければならない。
本件商標の構成中の「INTELLASSET」の文字部分は、被請求人自身が認めるとおり、冒頭の「I」と中間の「A」をその他の文字よりも大きく表示してなるものであり、「INTELL」と「ASSET」を結合させたものであることが一見して明らかである。
実際に、被請求人自らが証拠方法として提出した乙第21号証の英字新聞では、冒頭の「I」と中間の「A」の文字のみを大文字で、その他を小文字で記載して、「IntellAsset」と表示されているほどである。
また、被請求人自身が、「INTELLASSET」の文字部分が「『INTELL』の文字を含む」ことを自認している。
要するに、「INTELLASSET」の文字部分をその構成に基づいて客観的に考察すれば、「INTELL」の文字と「ASSET」の文字を結合したものであることが容易に把握、認識されるのである。
請求人が本件審判請求書で詳述したとおり、「INTELLASSET」の文字は、既成語ではなく、既存の意味、観念を持たない。
「ASSET」の文字は、「資産、財産」を意味する英単語、あるいは、外来語「アセット」(甲143号証)として親しまれているものであるから、容易に「アセット」と発音できるものである。
また、平均的な日本人の英語教育水準に照らせば、「INTELL」の文字は、その構成と同様に「L」(l)の文字を2つ連ねた語尾を有し、外来語としても親しまれている平易な英単語、例えば、「bell」「cell」「sell」「shell」等の発音と音訳「ベル」「セル」「セル」「シェル」(甲第153号証)から類推して、容易に「インテル」と発音できるものである。
したがって、「INTELLASSET」の文字部分からは、上記発音に相応する「インテルアセット」の称呼が自然に生じるというべきである。
なお、瑣末な点であるが、被請求人は請求人が審判請求書において故意に「INTELL」と「ASSET」の間にスペースを挿入していると反駁しているが、本件商標の「INTELLASSET」の文字部分は、ワープロソフトのフォントのポイント数を調整して冒頭の「I」と中間の「A」の文字のみを他の文字よりも大きなポイント数で表示するといった特別の手法をとらない限り、その構成態様を紙面で表示することは不可能である。
請求人は便宜的にスペースを用いたのであって、被請求人が、本件登録の実際の構成態様とは異なり、全ての構成文字を同一ポイント数で「INTELLASSET」と表示していることと差異は無い(したがって、請求人は本稿において、被請求人の手法で「INTELLASSET」と表示することに吝かではない)。
言うまでもなく、本件商標の構成中の「INTELLASSET」の文字部分の構成態様は、請求人が提出した甲第1号証の1(本件商標掲載公報)に示すとおりのものであって、それ以外のいかなるものでもない。
(4)「INTELL」の文字に関する被請求人の主張ついて
被請求人は、「INTELL」の文字は知性を意味するものであり、本件商標は「INTEL」ではなく「INTELL」を包含するものであるから、請求人の業務に係る商品及び役務と出所混同を生じるおそれはないと主張している。
しかし、「INTELL」は、既成の語ではなく、既存の意味、観念を持たないものであるし、上記(3)の欄で述べたとおり、「INTELL」は「インテル」と発音されるものである。
被請求人は、「INTELL」の文字を含む英単語を挙げて、「INTELLASSET」の文字中の「INTELL」は知的なものを連想させる、云々と主張しているが、まことに我田引水な解釈といわざるを得ない。
第一に、被請求人が上記主張に関する証拠方法として提出した乙第22号証の英和辞典に掲載された英単語の中に「INTELL」なる単語は存在しない。
第二に、上記英和辞典に掲載されている英単語は、「intellect」「intellectual」「intelligence」「intelligent」等、「INTELLE-」又は「INTELLI-」の文字を共通して有し、当該部分が「インテレ」又は「インテリ」と発音されるものである。
第三に、被請求人の提出に係る乙第23号証の「広辞苑」に掲載されている「知的なものを連想させる」語は、「インテリ」「インテリゲンチア」「インテリジェンス」「インテレクチュアル」「インテレクト」であって、「インテル」ではない。
第四に、知的な人物、教養人を指して「インテリ」(INTELLI)と言うことはあるが、「インテル」(INTELL)とは言わない。
以上のとおり、「INTELL」が「知的なもの」を表すという被請求人の上記主張は合理的根拠を欠くことが明らかであり、失当である。
なお、被請求人は、上記主張に関連して、他の登録商標についても纏々述べているが、そもそもこれらの他の登録商標は本件商標と構成文字を異にするものである。
さらに言えば、上記他の登録商標の多くは、「INTELLECT」「INTELLIGENCE」等の既成の英単語から構成されるものであり、あるいは、「INTELLE-」又は「INTELLI-」の文字を有し、「インテレ」又は「インテリ」の呼称を包含するものであるから、本件商標と関連しない。
また、これら他の登録商標は、本件商標の文字部分「INTELLASSET」とは異なり「INTELL」の文字と一般に広く親しまれている既成語(ASSET)を結合させたものとして容易に看取されるものではない。
したがって、これら他の登録商標と本件商標とを同様に取り扱うことは不適当である。
(5)本件指定役務における引用商標の周知性の程度に関する被請求人の主張について
被請求人の主張は必ずしも明瞭ではないが、引用商標が本件指定商品に関しては半導体製品における程度に周知著名でないから出所混同のおそれはない、と述べているようである。
しかし、商標法第4条第1項第15号は、或る商標が他人の著名商標が広く認識されている商品等と非類似の商品等について使用された場合でも当該他人の業務に係る商品等と出所混同を生じることがあるから、そのようなおそれのある商標の登録を排除して出所混同を防止する趣旨の規定である。
したがって、本件商標が指定役務に使用された場合に、請求人又はその関連会社等と同一の出所に係るものであると誤認混同されるおそれがあれば足り、本件指定役務の分野において引用商標が周知著名であることを要しない。
しかも本件については、請求人は引用商標を本件指定役務(第35類、第36類、第41類および第42類の各指定役務)と同-又は類似の役務に本件商標の登録出願日のはるか以前から使用し、需要者において広く認識されている点については、甲第77号証ないし甲第128号証で詳述したとおりである。
(6)「一連一体」の表示によって出所混同のおそれは払拭されない
被請求人は、請求人が証拠方法として提出した「金盃菊正宗」(甲第145号証)、「ラボーグ」(甲第146号証)、「omegaland」(甲第147号証)に関する高裁判決及び特許庁の審決・決定は、本件商標と事案と異にすると主張している。
しかし、上記事例は、商標(又はその主要部分)の構成文字がたとえ「一連一体」に表記されているものであっても、当該構成文字が全体として既成の意味を有するものでないときには、その一部に包含される他人の著名商標に相応する文字部分が看者に注意を惹き特定の出所を想起連想させ、商品等の出所について混同を生ずるおそれがあると認められる、という判断基準を特許庁が明確に示し商標法第4条第1項第15号を適用した事例であり、また、特許庁による判断が高裁でも支持された事例である。これらに共通して考察される認定判断の基準は本件にも十分に妥当するというべきである。
本件商標と具体的な構成文字の各々が異なることを理由として、本件とは「事案が異なる」といって複数の類似する事案で共通に示された認定判断を顧みないとすれば、特許庁及び裁判所による審決、決定及び判決の蓄積は当事者以外には何ら意義を有さない無用のものと化し、人々は商標選択の基準を失うことにならないだろうか。
甲第37号証に示す商標「Intellidge」に関する異議決定は、上記事案と同じ判断基準に基づいてなされたものである。すなわち、「Intellidge」の文字は既成の意味を有さない造語からなるものであるから、当該文字からは「インテリッジ」のみならず「インテルリッジ」の称呼も生ずると認定し、商標法第4条第1項第15号を適用して登録を取消した事例である。
上記商標「Intellidge」は、標準文字で纏まりよく「一連一体に」表示したものであり、本件商標の「INTELLASSET」の文字部分と同様に、冒頭に「INTELL」(Intell)の文字を包含するものである。
また、上記商標「Intellidge」の指定商品は、第9類の半導体及びコンピュータ・通信関連の指定商品に限定されるものではなく、これらの商品と特許庁の審査基準において非類似のものとして取り扱われている第2類及び第16類の指定商品を数多く含むものであるが、すべての指定商品に係る登録の取消しが確定している。
さらに類似する事例を挙げれば、総務大臣(郵政大臣)名義で出願された商願2000-135896号「ミニインテル」(第38類)及び商願2000-135897号「ミニインテル」(第39類)については、請求人の取り扱いに係るものかのごとく役務の出所について混同するおそれがあり(商標法第4条第1項第15号)、また、請求人の所有する引用商標「INTEL」と類似するものであって同一又は類似の役務に使用するものである(商標法第4条第1項第11号)という理由で拒絶査定が確定している(甲第153号証、甲第154号証)。
この商標「ミニインテル」もまた、標準文字で纏まりよく「一連一体に」表示したものである。また、半導体製品、コンピュータ・通信関連製品と特許庁審査基準において非類似のものとして取り扱われている第38類および第39類の指定役務について使用するものであったことを付言する。
本件商標の「INTELLASSET」の文字部分は、被請求人自身が認めるとおり、本件商標の主要部分と認められ、独立の自他商品役務識別標識として取引に資するものである。
「INTELLASSET」は、既成の意味、観念を有するものではない。「INTELLASSET」は、「INTELL」と日本人に馴染み深い英単語の「ASSET」を結合したものと容易に看取されるものであるから、これより「インテルアセット」の称呼が自然に生じる。
同じく、構成中の「INTELL」の文字部分もまた、既成の意味、観念を持たないものである。「INTELL」は、「インテル」と発音されるものであるのみならず、引用商標「INTEL」の文字と比較して、末尾の「L」の文字の数が一つであるか二つであるかの相違を有するのみで、視覚上、見間違うおそれがある紛らわしいものである。
本件商標が使用される指定役務は、本件商標の登録出願日前より請求人が引用商標を用いて実際に提供している役務と同-又は類似のものである。それのみならず、請求人が引用商標を用いて当該役務を提供していることは本件指定役務の需要者にも広く知られている。
上記各事例に示された商標法第4条第1項第15号の適用における認定判断に照らせば、本件商標の構成文字に含まれる「INTEL」の文字と本件商標から生ずる称呼「インテルアセット」に含まれる「インテル」の発音が看者の注意・開心を惹きつけ、本件指定役務の需要者に請求人会社及び引用商標を想起連想させ、その役務の出所について混同を生じさせるおそれがあることが明らかである。
本件商標が商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであることは明白であり、本号に該当しないと主張する被請求人の答弁は失当である。
(7)商標法第4条第1項第8号の適用の基準について
平成17年7月22日最高裁判決(第二小法廷、平成16年(行ヒ)第343号審決取消請求事件)(甲第155号証)は、(イ)引用商標「自由学園」が指定役務の需要者において周知性を獲得しているに至っていないこと、(ロ)本願商標「国際自由学園が一体不可分のものとして称呼、観念されることを理由に、本願商標「国際自由学園」が他人の著名な略称「自由学園」(引用商標)を含むものとして認識されるとは認められないとして本願商標の商標法第4条第1項第8号該当性を否定した原審(東京高裁の判断の違法性を認め、原判決破棄、差し戻しを命じている。
引用商標は本件指定役務の需要者においても広く認識されているものであるが、仮にそのような事実がなくとも、そのことが本件商標に対する商標法第4条第1項第8号の規定の適用を妨げるものではない。また、本件商標の構成中の「INTELLASSET」の文字部分が纏まりよく一連一体に表記されていることもまた、本件商標に対する本規定の適用を妨げるものではない。
被請求人は、「INTELLASSET」の文字部分が纏まりよく一体的に表示されており「インテラセット」の称呼を生ずるから、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当しないと主張しているが、既に詳述したとおり、本件商標から「インテラセット」の称呼のみが生じ「インテルアセット」の称呼が生じないとすべき理由は存在しない。
被請求人は「本件商標は、もとより「インテル」の文字・称呼を含むものではない」と言うが、本件商標の主要部分として認識理解される「INTELLASSET」は「インテルアセット」と称されるものであって、構成文字の冒頭に「INTEL」の文字を含み、「インテル」の称呼を包含する(構成中の「INTELL」の文字部分も「INTEL」の文字と視覚的に紛らわしいものであって、「インテル」と発音される)ものであるから、被請求人の上記主張は不条理なものといわざるを得ない。
本件商標が使用されれば、これに接した需要者は、「INTELLASSET」の文字の冒頭の「INTEL」の文字と、「INTEL」又は「INTELL」から生ずる「インテル」の称呼から、引用商標及び請求人会社を直感する。したがって、これにより請求人の人格権が毀損されることは明らかである。
本件商標が商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものであることは明白であり本号に該当しないと主張する被請求人の答弁は失当である。
(8)その他の点について
被請求人は、本件商標が商標法第4条第1項第19号、同第10号、同第11号、同第7号に該当するという請求人の主張に対しても縷々述べているが、被請求人の主張はすべて、本件商標の構成中の「INTELLASSET」の文字部分からは「インテラセット」の称呼のみが生じ「インテルアセット」の称呼は生じないという独自の理論に基づくものである。そのような主張が被請求人の独断であって合理性が認められないことは上記(2)?(7)の欄で詳述したとおりである。
請求人が本件審判請求書で詳述したとおり、本件商標が上記各規定に違反して登録されたものであることは明白であり、当該各号に該当しないと主張する被請求人の答弁は失当である。
(9)結語
以上に述べたとおり、請求人の主張(請求の理由)に対する被請求人の答弁はいずれも失当であって、本件商標が商標法第4条第1項第15号、同第8号、同第19号、同第10号、同第11号及び同第7号に違反して登録されたものであることは明らかであるから、その登録は無効にすべきである。
したがって、請求の趣旨のとおりの審決を求めるものである。
第4 被請求人の主張
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第47号証を提出した。
1 答弁の理由の要約
本件審判請求人は、請求人の商標「INTEL」及び略称「Intel」「インテル」の著名性について縷々述べて、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第8号、同第19号、同第10号、同第11号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により無効とすべきであると主張している。
しかし、本件商標は、以下に詳述するとおり、その構成中「INTELLASSET」の文字部分の全体が一体不可分のものとして認識・把握されるものであって、少なくとも「INTEL」の文字部分が殊更に分離・抽出されて認識されることはないから、請求人の主張は理由がなく、前記法条に該当するものではない。
以下、本件商標について述べるとともに、請求人による各法条に関する主張に対して具体的に答弁する。
(1)本件商標について
(1-1)本件商標は、その商標公報(乙第1号証)に表示されているとおりの構成であって、「INTELLASSET」の欧文字(「I」と「A」の文字は他の文字に比しやや大きく表されている。)を同一の書体で一連に横書きし、その下部に両端を薄くした朱色の横線を介して「GROUP」の欧文字を小さく横書きして成る商標であって、第35類・第36類・第41類及び第42類に属する役務を指定役務とするものである。
本件商標の構成は上記のとおりであるから、その構成文字「INTELLASSET」及び「GROUP」の全体をもって看取され、これら文字に相応して「インテラセットグループ」の称呼を生ずるものである。
(1-2)そして本件商標は、前記「INTELLASSET」の文字部分を商標の主要部とするものと認識されて、これより「インテラセット」の称呼をも生ずることは被請求人もこれを否定するものではない。しかし、本件商標中の「INTELLASSET」の文字部分が独立して認識されるにしても、さらにすすんで、この文字部分が「INTELL」の文字部分と「ASSET」の文字部分に分断されるというのは不自然である。
本件商標中の文字部分「INTELLASSET」は、前述のとおり、その文字中「I」と「A」の文字が他の文字に比しやや大きくあらわされているにしても、その差は僅か(高さ比、約6:5)であり、しかも、各文字が同一の書体で且つ同一の間隔に横書き一連に配置されている。
本件商標に対する請求人による登録異議申し立て事件(異議2003-90321)の決定(乙第2号証)において、「『INTELLASSET』の文字は、一連一体に構成されているものであり、これを殊更、分離観察して見なければならない特段の理由は認められない」と説示されているのは、まさに上述した理由によるのであって、正当である。
(1-3)本件商標中「INTELLASSET」の文字部分は、上述のとおり、視覚上、一連一体に看取されることのみならず、その構成文字全体が被請求人を指称するものとして一体的に認識されるものである。
即ち、「INTELLASSET」は、被請求人(商標権者)の商号である「株式会社インテラセット」の英文名称「INTELLASSET,INC.」の主要部(法人形態を示す部分を除いた部分)を表わしたものに他ならない。
被請求人は、経営コンサルティング・ファームとして1995年1月に設立された法人である。
被請求人の前記英文名称「INTELLASSET,INC.」又はそのグループ名称「INTELLASSET GROUP」は、被請求人等による新聞広告、例えば、1998年5月11日付け「日経産業新聞」(乙第3号証)、2000年3月15日付け「日経産業新聞」(乙第4号証)及び2003年2月19日付け「日本経済新聞」(乙第5号証)等に大きく表示されている。
そして、被請求人は、「インテラセット」の略称のもとに、多くの新聞・雑誌記事等に掲載されている。この事実を示すため、「日経ビジネス」1996年7月8日号(乙第6号証)、1996年12月24日付け「日本経済新聞」(乙第7号証)、1997年1月23日付け「日経産業新聞」(乙第8号証)、1997年4月7日付け「日経金融新聞」(乙第9号証)、1997年7月2日付け「日本経済新聞」(乙第10号証)、同日付け「日経産業新聞」(乙第11号証)、「Venture Club」1997年3月号(乙第12号証)、同「Venture Club」1997年6月号(乙第13号証)、1997年12月12日付け「日経産業新聞」(乙第14号証)、「SOHOコンピューティング」1998年2月号(乙第15号証)、1998年6月2日付け「日本経済新聞」(乙第16号証)、「週間ダイヤモンド」1998年6月20日号(乙第17号証)、「金融財政」1998年6月22日号(乙第18号証)、「アントレ」1999年5月号(乙第19号証)及び「LOOP」2003年7月号(乙第20号証)を提出する。また、英字新聞においては、被請求人は「IntellAsset」と表記されている(1997年5月12日付け「THE NIKKEI WEEKLY」、乙第21号証)。
上記事実から、本件商標は、被請求人グループを表示するものであること、そして本件商標中の「INTELLASSET」は、「インテラセット」と称され、被請求人の英文名称の主要部を表わしたものとして、少なくとも本件指定役務の属する分野において広く知られているというべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号該当に関する主張について
(2-1)請求人は、本件商標中の文字部分「INTELLASSET」を、殊更に「INTELL ASSET」と表現して「INTELL」と「ASSET」との間にスペースを設けているけれども、本件商標の構成は前記のとおりであり、このようなスペースは存在しない。また、前述したとおり、本件商標中の前記文字部分において「I」と「A」の文字が他の文字に比しやや大きくあらわされているにしても、その差は僅かであり、しかも各文字が同一の書体で且つ同一の間隔により横書されているから、視覚上、一連一体なものとして看取されるものというべきである。
そして請求人は、本件指定役務との関連から、本件商標中の前記文字部分は前半部分の文字「INTELL」に後半部分の文字「ASSET」を結合したものと把握されると述べているけれども、むしろ本件指定役務との関連を考慮すれば、本件商標中の「INTELLASSET」は、本件指定役務の分野において、「インテラセット」と称され被請求人の英文名称の主要部を表わしたものとして広く知られていることは前述したとおりであるから、尚更のこと一体的に認識されるというべきである。
(2-2)さらに請求人は、「前半部分の文字『INTELL』は特定の意味を有する成語あるいは熟語として存在するものではないことに加えて、看者の注意、関心を最も強く惹きつける冒頭部分に引用商標と同じ『INTEL』の文字を有する。しかも、この前半部分の文字『INTELL』は、引用商標『INTEL』の語尾にアルファベット文字『L』を一文字を付加したものであって、引用商標と外観上相紛らわしいのみならず、引用商標と同じ『インテル』の称呼を生ずるものである。」と述べ、また「本件商標に接する取引者、需要者は、請求人の商品及び役務の出所表示として著名な引用商標と対応する冒頭部分の文字『INTEL』に強く惹きつけられる」と述べている。
しかし、この請求人が述べるところのことは明らかに無理がある。
(イ)冒頭部分に「INTELL」の文字を有する語としては、「intellect」(知的機能)、「intellectual」(知的な)、「intelligence」(知性)、「intelligent」(高い知能を持つ)、「intelligentsia」(インテリ)等々、多数ある(小学館「ランダムハウス英和大辞典」第1390頁及び第1391ページ、乙第22号証)。
そして、冒頭部分に「Intel」の文字を有する語としては、「Intelpost」(インテルポスト)、「Intelsat」(インテルサット)がある(乙第22号証)。
国語辞書(岩波書店「広辞苑第5版」第209頁、乙第23号証)にも、これらの語「インテリ」、「インテリゲンチア」、「インテリジェンス」、「インテリジェント」、「インテルサット」、「インテレクチュアル」及び「インテレクト」が掲載されている。ちなみに同辞書には、カタカナ「インテル」の項目も見える。これは「(interlineの略訛)活字組版で、行間を適当な広さにするため挿入する木製または金属製の薄い板」を意味する。
(ロ)本件指定役務が属する分野においても、冒頭部分に「INTELL」又は「INTEL」の文字を有する登録商標は多数存在する(乙第24号証)、例えば「INTELECT」(第5類、登録第3163827号[乙第25号証])、「INTELLIGENCE/インテリジェンス」(第35類、登録第3231526号[乙第26号証])、「INTELLEC」(第35類・42類、登録第3243412号[乙第27号証〕及び第3348750号[乙第28号証])、「Intellution」(第42類、登録第4017674号[乙第29号証])、「INTELINK」(第36類・第42類、登録第4208701号(乙第30号証)及び登録第4208703号(乙第31号証〕)、「INTELLIGON」(第42類、登録第4215300号(乙第32号証〕、「Inte1listore」(第9類・第42類、登録第4436770号(乙第33号証〕)、「IntelliELF」(第9類・第38類・第42類、登録第4519299号(乙第34号証〕)、「インテリオペ/INTELLIOPE」(第9類・第10類・第42類、登録第4563663号[乙第35号証〕)、「INTELLINEX」(第9類・第35類・第41類・第42類、登録第4582431号[乙第36号証〕)、「インテリクス/intelix」(第42類、登録第4635410号[乙第37号証〕)、「intellitest」(第9類・第35類、登録第4657394号[乙第38号証〕)、「INTELLIGENCE」(第35類・第41類・第42類、登録第4693672号[乙第39号証〕・第4693673号[乙第40号証〕及び第4714535号[乙第41号証〕)、「INTELLECTUAL」(第35類、登録第4747629号〔乙第42号証〕)、「intelligence」(第35類・第36類・第37類・第38類・第39類・第40類・第41類・第42類・第43類・第44類・第45類、登録第4796425号〔乙第43号証〕)等々、枚挙に暇がない。
(ハ)以上を要するに、冒頭部分に「INTELL」の文字または請求人の引用商標と同じ「INTEL」の文字を有する商標は、極めて多数存在する。即ち、冒頭部分に「INTELL」又は「INTEL」の文字を有することをもって、「請求人の商品及び役務の出所表示として著名な引用商標と対応する冒頭部分の文字『INTEL』に強く惹きつけられる」というのは不当である。
(ニ)そればかりでない、語頭部分の「INTELL」は、単に引用商標「INTEL」の語尾にアルファベット文字の一文字「L」を付加したものということも妥当ではない。
「INTELL」の文字を語頭部分に有する語は、先に例示したように「intellect」(知的機能)や「intelligence」(知性)のように、その殆どが「知性」に関係する語であるに対して、「Intelpost」や「Intelsat」における語頭部分の「INTEL」は、その意味合いを異にし、必ずしも「知性」に関係するものとして直感されない。
先に例示した商標も、「INTEL」の文字から始まる商標は特定のイメージを生じ難いが、「INTELL」の文字から始まる商標は、知性に関係するものであることを想起させるものである。
被請求人の商号の主要部「INTELLASSET」も、被請求人の理念の一つである「実物資産からインテレクチュアル・アセットヘ」という標語から名づけられたものである。
(ホ)請求人は、冒頭部分に「INTEL」の文字及び「インテル」の称呼を包含する多数の商標を登録し使用しているというが、これらは「INTEL586」(甲第42号証)のように「INTEL」と他の文字・数字との間にスペースを設けたもの、または「intel inside」(甲第47号証)のように「intel」と他の文字(この場合は「inside」)とを二段書きして構成した商標であって、これら文字を一連に表した商標(例えば「intelinside」や「INTELINSIDE」のような商標)を使用している形跡は見当たらない。
また、請求人は「intel」の文字中「e」の文字を半段下げて特徴的な構成とした商標「intel」(甲第4号証の1、甲第8号証)を主として使用されているようである。
本件商標は、このような特徴的な構成の「intel」を、その構成の一部に含むものではない。
(ヘ)請求人は、本件商標から殊更に「INTELL」の文字部分を抽出して、この文字「INTELL」は、引用商標と同じ「インテル」の称呼を生ずるものであると述べている。
しかし、前述した本件商標に対する登録異議申立事件の決定(乙第2号証)において正しく認定されているとおり、「『INTELLASSET』の文字は、一連一体に構成されているものであり、これを殊更、分離観察して見なければならない特段の理由は認められないものであるから、該文字よりは『インテラセット』の称呼のみを生ずるものというのが自然である。」。
そして、この「インテラセット」の称呼は、簡潔な音構成であり語呂よく一連に称呼されるものである。本件商標がその語頭部分に「INTELL」の文字を有するとしても、この文字部分から「インテル」の称呼を生ずるということはできない。
(2-3)請求人は、前記異議決定が、本件商標中の「INTELLASSET」の文字を「一連一体に構成されている」と認定したことにつき、その根拠は何ら示されていないと論じているが、本件商標中の前記文字部分における「I」と「A」の文字が他の文字に比しやや大きくあらわされているにしても、その差は僅かであり、しかも各文字が同一の書体で且つ同一の間隔により一段に横書されていることを根拠に「一連一体に構成されている」と認定されたことは明らかである。
また請求人は、前記異議決定が「引用商標の著名性の程度、請求人(申立人)が取り扱う商品及び役務と本件指定役務との関連性の程度等を考慮することなく、商標が類似しないから出所混同のおそれはないと認定した」として前記異議決定を論難しているが、異議決定においては「申立人の使用する引用商標は、我が国において、本件商標の登録前から、商品『半導体関連商品』等に使用され、広く認識されていたことは認め得るものである。」と記載されていることから明らかなとおり「引用商標の著名性の程度」は考慮されている。
被請求人も、請求人(申立人)の引用商標「INTEL」(インテル)が商品「半導体関連商品」の分野において周知であることを否定するものではない。なお、本件指定役務には「コンピューターソフトウェアの開発」等(第42類)を含むが、この役務と請求人の主たる業務であるマイクロプロセッサ等の半導体製品とが「同一の事業者によって研究開発がなされ、製造販売及び提供されることが一般的であり、その用途、需要者の範囲においても一致する」というのは疑問である。また、請求人が本件指定役務に含まれる役務の一部に引用商標を使用している事実があるにしても、半導体製品の分野におけるほどに本件指定役務の分野において周知であるとは思えない。
そして、異議決定は、その「引用商標の著名性」を考慮し、「本件商標の構成中に申立人の使用する引用商標『INTEL』の文字を有するにしても、取引者、需要者をして、一連一体に構成された別異の商標と認識、理解されるものとみるのが相当である。」とされている。この点については、上述したように、「INTELL」の文字を語頭部分に有するものは「intellect」(知的機能)や「intellectual」(知的な)そして「intelligence」(知性)の如く「知性」に関係する語として多数あり、これを反映して、特に知的活動の分野における役務に使用される商標として多数存在すること等が考慮されているものと思料する。
なお請求人は、「金盃菊正宗」、「ラボーグ」、「omegaland」に関する審判決を引用しているが、本件とは明らかに事案を異にする。
請求人が引用している最高裁平成12年7月11日第3小法廷判決において、商標法第4条第1項第15号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無については、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的に照らし、当該商標の指定商品等の取引者又は需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきであるとされていることについては、被請求人も同意見である。
かかる観点からすれば、本件商標が請求人の業務に係る商品及び役務と混同を生ずるおそれがないことは明らかである。
(2-4)請求人は、「本件商標は、請求人の著名商標『INTEL』の文字を冒頭部分に有することにより、取引者、需要者の注意、関心を集め、引用商標の顧客吸引力にフリーライドし、あるいはまた、引用商標の有する強力な出所表示機能を希釈化するものである」と述べている。これは、請求人の独断というほかない。
冒頭部分に「INTEL」の文字を有することによって、引用商標の顧客力にフリーライドし、引用商標の出所表示機能を希釈化するというのであれば、前述した「INTEL」の文字を冒頭部分に有する表示又は商標は、引用商標の顧客力にフリーライドし、引用商標の出所表示機能を希釈化するというのであろうか。このような主張が当を得ないものであることは、多言を要するまでもなく明らかである。
本件商標の構成中「INTELLASSET」の文字部分は、冒頭部分に「INTEL」の文字を含むというよりも、冒頭部分に「INTELL」(勿論のこと、この文字部分が独立して認識されるものではない)の文字を含むというべきであり、この「INTELL」は「intellectual」(知的な)等に通ずるものと認識されることは既に述べたとおりである。
(2-5)以上に述べたとおり、本件商標が商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたとする主張は理由がなく、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第8号該当に関する主張について
請求人は、「本件商標が本件指定役務に使用されれば、これにで接する者は、その文字部分『INTELLASSET』の冒頭部分に包含される『INTEL』の文字及びこれより生ずる称呼『インテル』に注意を惹きつけられ、これに着目して請求人会社を観念し、当該指定役務と請求人との間に何らかの関係があるかのように誤った認識がなされることは明らかである。」と述べている。
しかし、本件商標を本件指定役務に使用して「当該指定役務と請求人との間に何らかの関係があるかのように誤った認識がなされること」がないことは、前項(商標法第4条第1項第15号に該当しない理由)で既に述べたとおりである。
また、本件商標に接する者が本件商標中の一部文字部分によって「請求人会社を観念」することも想定できない。本件商標中の文字部分「INTELLASSETT」は纏まりよく一体的に表されていること、この文字部分は被請求人の商号の主要部「インテラセット」を指称するものと認識されること、そして少なくとも前記文字「INTELLASSET」の冒頭部分が請求人の略称としての「INTEL」であると認識されることがないこと、これらのことは前述したところから明らかである。本件商標は、もとより「インテル」の文字・称呼を含むものでもない。
そして、本件商標を被請求人が本件指定役務に使用して、社会通念上客観的に請求人の人格権が毀損されるということはない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当に関する主張について
商標法第4条第1項第19号の規定は「同一又は類似の商標」を要件とするところ、請求人は「本件商標に接する需要者は著名な引用商標と対応する冒頭部分の文字『INTEL』に強く惹きつけられる」と述べ、さらに「当該冒頭部分の文字『INTEL』からは、『インテル』の称呼、並びに請求人会社『インテル社』の観念が生ずる」ことを前提として、「本件商標は、引用商標『INTEL』と『インテル』の称呼及び請求人会社『インテル社』の観念を共通にする類似のものである」と主張している。
本件商標は、その構成中の「INTEL」の文字が独立して看取され認識されるものではないこと、そして本件商標からは「インテル」の称呼は生じないことは、商標法第4条第1項第15号に該当しない理由の項(3)で既に述べたとおりであり、また勿論のこと本件商標より請求人会社「インテル社」の観念を生ずるようなことは全くないから、請求人が主張するところはその前提において既に失当である。本件商標は引用商標に類似するものではない。
請求人は、さらに「本件商標は、取引者、需要者の注意、関心を惹きつける冒頭部分に著名な引用商標『INTEL』を有すること」を理由として、本件商標が引用商標にフリーライドするものであり引用商標を希釈化させるものであるから不正の目的で使用するものであると主張している。
これは請求人の独断に基づく主張であって、本件商標が「不正の目的」をもって使用するものであるというに至っては、寧ろ暴言である。
本件商標は、引用商標にフリーライドするものでは全くなく、また引用商標を希釈化するものでも全くないことは、既に商標法第4条第1項第15号に該当しない理由の項で述べたとおりである。
本件商標は、引用商標に類似するものではなく、また不正の目的をもって使用するものでないことは明らかであるから、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(5)商標法第4条第1項第10号該当に関する主張について
請求人は、本件商標が「引用商標と『インテル』の称呼および請求人会社『インテル社』の観念を共通にする類似」のものであることを前提として、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当すると主張している。
しかし、本件商標からは「インテル」の称呼は生じないこと、そして本件商標から請求人会社「インテル社」の観念を生ずるようなことはないから、本件商標は、引用商標と類似するものではなく、したがって商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。
(6)商標法第4条第1項第11号該当に関する主張について
請求人は、「本件商標は、引用商標と『インテル』の称呼および請求人会社『インテル社』の観念を共通にする類似」のものである旨を主張しているけれども、先に述べたとおり、本件商標からは「インテル」の称呼は生じないこと、そして本件商標から請求人会社「インテル社」の観念を生ずるようなことはないから、本件商標は、引用商標に類似するものではなく、したがって、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(7)商標法第4条第1項第7号該当に関する主張について
請求人は、繰り返し本件商標が引用商標にフリーライドするものであり引用商標を希釈化させるものであると述べ、「したがって、本件商標は、社会一般の道徳観念に反するものであり、また、公正な取引秩序の維持と需要者の利益保護を目的とする商標法の目的、さらには国際信義の精神に反するものである」と主張している。
本件商標が、引用商標にフリーライドするものでは全くなく、また引用商標を希釈化するものでも全くないことは、既に論じたところであり、寧ろ請求人は、独断に基づき徒に被請求人を誹謗しているとさえ言うべきであって、極めて不当である。
本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するようなおそれは更々ないから、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
(8)その他
請求人は、審決等における引用商標の著名性の認定を立証するものとして、甲第35号証ないし甲第40号証を提出している。
引用商標の著名性については、既に本書で商標法第4条第1項第15号に該当しない理由の項(3-3)で論じたから、以下に、これらの審決等について検討する。
甲第35号証(平成10年異議第90832号の異議決定)は、「INTEL」の欧文字と「インテル」の片仮名文字を上下二段に横書きした商標についての決定であり、甲第36号証(平成9年異議第90315号の異議決定)は、「Intel」と「Bee」の文字の間にハイフン(-)が表わされている商標についての決定であるから、「INTELLASSET」の文字部分を同一の書体で一連に横書きしてなる本件商標とは事案を異にする。
甲第37号証(異議2000-90305の異議決定)は、引用商標が「マイクロプロセッサをはじめとするコンピュータ関連商品」に使用されて周知・著名であることを認め、この商品を指定商品に含む商標についての事案である。
甲第38号証ないし甲第40号証(平成11年審判第35227号、平成10年審判第35255号及び平成10年審判第35254号の各審決)は、何れも冒頭部が「Intel」である「Intelbee」という構成の商標についての審決であり、本件商標中の前記文字部分「INTELLASSET」とは事案を異にする。
なお、本件請求人による次の商標登録異議申立事件についての決定及び無効審判請求事件についての審決においては、それぞれの構成文字の語頭部に「INTEL」又は「INTELL」の文字を含むものではあっても、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第11号、同第15号又は同第19号に違反して登録されたものではないと判断されている。
(イ)異議2000-90632:「インテルサ」の文字と「INTELSA」の文字を二段に横書きしてなる商標(第5類)の登録異議申立についての平成12年12月18日付け異議決定(乙第44号証)。
(ロ)異議2001-90152:「Intellistore」(中央に位置する「i」の文字部分はやや図案化されている。)の商標(第9類)の登録異議申立についての平成14年4月11日付け異議決定(乙第45号証)。
(ハ)異議2001-90273:図形と「intelig」の組み合わせよりなる商標(第38類)の登録異議申立についての平成13年11月28日付け異議決定(乙第46号証)。
(ニ)無効2002-35109:前記(ハ)事件と同一商標の登録無効審判事件についての平成15年1月7日付け審決(乙第47号証)。
本件商標も、その構成中「INTELLASSET」の文字部分の全体が一体不可分のものとして認識・把握されるものであって、少なくとも「INTEL」の文字部分が殊更に分離・抽出されて認識されることはないから、請求人の主帳は理由がなく、前記法条に該当するものではない。
(9)結語
以上に述べたとおりであって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第8号、同第19号、同第10号、同第11号及び同第7号のいずれの規定にも違反して登録されたものではない。
よって、答弁の趣旨のとおりの審決を求めるものである。
2 弁駁書に対しての答弁の理由
請求人の平成17年9月12日付審判事件弁駁書に対して、被請求人は次のとおり答弁する。
(1)請求人の審判請求書及び弁駁書における主たる論点は、本件商標は、その構成中「INTELLASSET」の文字部分から「インテルアセット」の称呼が生じ、この称呼は「インテル」の称呼を含むから請求人会社及び引用商標を想起連想させるということにあると思われる。
しかし、本件商標中「INTELLASSET」の文字部分は、被請求人が答弁書において答弁したとおり「インテラセット」と称呼されるのであり、請求人の主張には無理がある。
(2)被請求人が提出した乙第6号証ないし乙第20号証(被請求人の名称「インテラセット」が記載されている新聞・雑誌記事)について、請求人は「被請求人会社の商号としてインテラセットの文字が使用されているに過ぎない」と述べている。
しかし、前記各書証は「インテラセット」が被請求人会社の略称として広く認識されていることを示している。
本件商標中の文字はカタカナ文字で表したものではないが「INTELLASSET」の文字に接する取引者・需要者は被請求人の前記略称を欧文字表記したものと認識して「インテラセット」と称呼するのが自然である。
(3)「商標、標章の類否は、その商品を熟知している業者や一部の顧客のみを対象として考えるべきではない」ことは甲第152号証の判決をまつまでもない。
請求人は、「『INTELLASSET』の文字部分からいかなる称呼が生じるかは、その構成文字に基づいて定めなければならず、本件商標あるいは被請求人会社を熟知する一部の需要者のみを基準として認定すべきではない」と述べ、本件商標あるいは被請求人を知る者は恰も「被請求人会社を熟知する一部の需要者のみ」であるかの如く述べているが、前記書証(乙第6号証乃至乙第20号証)は、そのような「一部の需要者」を対象とするものではない。
商標から生じる称呼は、願書に記載された商標に基づき、その商標に接する一般的な取引者・需要者がどのようしこ称呼するのが自然であるかによって特定されるべきである。
本件商標の構成については、被請求人が答弁書の3ページに記述したように「『INTELLASSET』の欧文字(『I』と『A』の文字は他の文字に比しやや大きく表されている。)を同一の書体で一連に横書きし、その下部に両端を薄くした朱色の横線を介して『GROUP』の欧文字を小さく横書きして成る商標」である。
請求人は、本件商標の構成中の「INTELLASSET」の文字部分において冒頭の「I」と中間の「A」の文字が他の文字より大きく表示されていることをもって「INTELL」の文字と「ASSET」の文字を結合したものと認識されるから「インテルアセット」の称呼が自然に生じると述べている。
しかし、その文字の差はわずか(高さ比、約6:5)であり、各文字は同一の書体で且つ同一の間隔で一連に配置されている。このような構成から「INTELLASSET」の文字部分は一体的に認識されるものというべきである。そして、「INTELLASSET」の文字部分は、「インテル」(INTELL)「アセット」(ASSET)と称呼されるというよりも「インテラセット」と一連に称呼されるというのが自然である。
請求人が審判請求書で「INTELL」と「ASSET」の間にスペースを挿入したことについて、請求人は、本件商標の「INTELLASSET」の文字部分はワープロソフトのフォントのポイント数を調整して表示するというような特別の手法をとらない限り、その構成態様を紙面で表示するのは不可能であるから、便宜的にスペースを用いたと弁明しているが、文字の大きさに若干の差があるとしても一連に表された「INTELLASSET」の文字を「INTELL ASSET」のようにスペースを設けて表示することは少なくとも一般的ではない。
請求人が審判請求書で「INTELL ASSET」のようにスペースを設けて表記したことは、「インテルアセット」の称呼を導こうとする意図が見え隠れするのであり、公明かつ正大な態度とは思えない。
(4)被請求人は、「『INTELL』の文字は知性を意味するものである」とは一言も言っていない。
被請求人が答弁書において述べたところは、請求人が審判請求書でおいて本件商標中の「INTELLASSET」の前半部の文字「INTELL」につき当該文字は「INTEL」に「L」を一文字付加したもので著名な引用商標に対応する「INTEL」に強く惹かれると述べていることに対する反論である。
商標の前半部に「INTEL」の文字を有するということのみをもって、請求人の引用商標を想起するということはできない。冒頭部分に「INTEL」の文字を有するものではあっても、冒頭部分に「INTELL」の文字を有する語は答弁書で例示したとおり多数あること、そして、そのほとんどが知性に関係するものであることは否定できない事実である。
なお、「INTELL」の文字は「インテル」と称呼されるにしても、当該文字に母音字から始まる文字を結合した文字列は、例えば「intellectual」や「intelligence」のように「intell」の後ろに母音字「e」や「i」が続けば、「インテルエクチュアル」や「インテルイジェンス」ではなく、「インテレクチュアル」や「インテリジェンス」と発音される。また、例えば「intellect」は文節で表せば「in・tel・lect」であるが、これが「インテルレクト」と発音されることはない。
(5)商標法第4条第1項第15号の出所混同のおそれは、商品の類似を要件とするものでないことはいうまでもないが、当該商標が使用される商品役務の取引者・需要者が出所を混同するおそれがあることを要するから、当該商標の指定商品・役務の取引分野と引用商標が使用される取引分野との関連性が高いか低いかは当然考慮されるべきである。
引用商標は、本件指定役務の分野においては、半導体製品の分野におけるほど著名ではない。
したがって、半導体製品及びその関連商品について使用される商標についての審決や異議決定が、本件指定役務に使用される本件商標について直ちに妥当性があるものということはできない。
(6)請求人は甲第37号証に示す商標「intellige」に関する異議決定つき、当該商標は「標準文字でまとまりよく『一連一体に』表示したものであり、本件商標の『INTELLASSET』の文字部分と同様に、冒頭に『INTELL』(Intell)の文字を包含するものである。」と述べている。
しかし甲第37号証の異議決定は、半導体及びコンピュータ・通信関連等の商品をその指定商品に含む商標についての異議決定である。
また当該商標の指定商品は、前記半導体等の商品(第9類)に限られてはいないが、異議決定に当たって必ずしも異議申し立てに係る個々の商品の全てにわたって判断しなければならないというわけではない。前記商標は、半導体等の商品の他に第2類「電子計算機用プリンタのインクカートリッジ」等の商品を指定商品とするものであり、その多くは引用商標の指定商品に密接に関連するものである。
甲第37号証の異議決定は、かかる特殊な事情が考慮されたものであって、そうでなければ「intellige」の文字から「インテリッジ」のみならず「インテルリッジ」の称呼も生ずると認定することは容易に考えられない。
本件指定役務に使用される本件商標については、上記甲第37号証の異議決定よりも、本件商標についての乙第2号証(異議2003-90321)の異議決定を参照されるのが至当である。
(7)請求人は、商標法第4条第1項第8号の適用に関する主張においても、本件商標は「インテル」の称呼を含み「INTEL」の文字を含むことを前提としているが、本件商標は「インテル」の称呼を含むものではなく、また本件商標から「INTEL」の文字部分を分離抽出することは明らかに無理がある。本件商標は、「請求人の人格権」とはまったく関係ない。
(8)上述したところから明らかなとおり、請求人の主張は、その前提とするところに無理がある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号、同第10号、同第11号、同第7号に該当するものでもない。
(9)以上に述べたとおり、答弁の趣旨のとおりの審決を求めるものである。
第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第8号該当性について
(1)外観
本件商標は、別掲の構成から成るものであり、両端をぼかして描いた朱色の水平線を介して、その上部に「INTELLASSET」の文字(以下「本件商標の文字部分」という。)が等間隔に、その下部の中央部に本件商標の文字部分より小さく「GROUP」の文字が等間隔にそれぞれ配されている。また、本件商標の文字部分において、「I」と「A」の文字は他の文字よりも約1.25倍大きく(高く)書かれている。
甲第15号証及び甲第16号証によれば、請求人の名称は、「Intel Corporation」であることが認められる。
なお、引用商標は、上記第2(1)ないし(11)のとおりの構成から成り、引用商標1、2、4、5、7、10及び11は、英字の「INTEL」を大文字のみで綴ったものであり、引用商標3、8及び9は、別掲1ないし3のとおり、英字の「intel」を小文字のみで綴って、「e」の文字を他の文字より低く配置したものであり、引用商標6は、片仮名で「インテル」と綴ったものである(以下、引用商標1ないし5及び7ないし11を総称して「英字引用商標」という。)。引用商標は、いずれも文字のみで構成され、各文字は等間隔に配置されている。
これらを対比して考察すると、本件商標の文字部分はローマ字11文字から成り、英字引用商標はローマ字5文字から成るが、本件商標の文字部分「INTELLASSET」のうち冒頭の5文字が英字引用商標「INTEL」及び請求人の名称の冒頭部分と同一である。すなわち、本件商標の文字部分の冒頭には、英字引用商標及び請求人の名称の一部の文字が包含されている。
(2)称呼
本件商標の「INTELLASSET」の文字部分において、「I」と「A」の文字は他の文字よりも大きく(高く)書かれ、「ASSET」は英語の既存の単語として存在することからすれば、「ASSET」の部分から、その単語の発音に従い、「アセット」の称呼が生ずることまでは直ちに認識される。次に、「INTELL」は既存の語ではないため、各表音文字の音に従い、「インテル」の称呼が生じる。そして、「INTELL」と「ASSET」との間に空白(スペース)はないから、「INTELLASSET」を連続して発音すれば、「インテラセット」の称呼が生じ得るが、「I」と「A」の文字が他の文字よりも約1.25倍大きく(高く)書かれている点に着目すれば、2語から構成されるものとして、「INTELL」の後で一旦切って、次の「ASSET」を発音する称呼も生ずると考えられ、この場合は「インテルアセット」の称呼を生ずるものと認められる。
甲第15号証及び甲第16号証によれば、請求人の名称は「Intel Corporation」であり、「インテルコーポレーション」の称呼を生ずる。
なお、引用商標は、上記第2(1)ないし(11)のとおりの構成から成るものであり、引用商標6の称呼は「インテル」であり、英字引用商標の「INTEL」は既存の単語にはないため、各表音文字の音に従い、いずれも「インテル」と称呼される。
本件商標から「インテルアセット」との称呼も生じ得ることからすれば、本件商標の冒頭部分の称呼の4音が引用商標の称呼及び請求人の名称の冒頭部分と同一である場合があり、この場合には、本件商標の冒頭には、引用商標及び請求人の名称の一部の称呼が包含される。
(3)観念
ア 本件商標の文字部分「INTELLASSET」の「I」と「A」の文字は他の文字よりも約1.25倍大きく(高く)書かれているから、本件商標は、「INTELL」と「ASSET」の2語から成るものとして、「ASSET」の部分を既存の英単語として認識することができ、「ASSET」の意味として一般に親しまれている「資産、財産」の観念が生じ得る。しかし、「INTELL」は、既存の英単語にないから、この部分から特定の観念が生ずるものとはいえない。
イ 被請求人は、本件商標が「intelligent asset」からの造語であると主張し、「INTELL」から「intelligent」や「intellectual」を連想するのが自然であると主張する。
乙第22号証によれば、「intell」で始まる英単語はいずれも、名詞の「intellect」又は「intelligence」と語幹を同じくする語又はこれらを含む派生語であることが認められる。しかし、乙第22号証は英和辞典であり、上記の点は辞書による検索の結果初めて認識されるものであって、語頭が「intelli」ならばともかく、「INTELL」という綴りに接しただけでは、需要者が「intelligent」や「intellectual」を直ちに連想するものと認めるに足りる証拠はない。
他方、甲第15号証によれば、引用商標の「INTEL」は、「INTegrated ELectronics」の下線部分の文字を語源とするものであり、「intelligent」や「intellectual」の語とは無関係に作られた造語であることが認められる。しかし、この点も、需要者が一語となった「INTEL」という綴りに接しただけで認識し得るものとはいえない。
ウ 本件商標の文字部分「INTELLASSET」の「I」と「A」の文字は他の文字よりも大きく(高く)書かれ、かつ、「INTELL」と「ASSET」との間に空白(スペース)がないことに着目すると、「INTELLASSET」は、「INTELL」と「ASSET」とを合わせて1語とした造語であると認識され、「ASSET」が「資産、財産」の意味の名詞であるから、需要者には、「INTELL」は「ASSET」の修飾語であると認識され、「INTELL」の意味が不明でも、「『INTELL』な資産、財産」という観念までは生ずると認められる。
請求人は、出所識別標識として語頭部分が重要であり、「ASSET」の語は「資産、財産」を意味する普通名詞であるから、「ASSET」の部分の自他識別力の程度は極めて弱く、「INTELLASSET」のうち、冒頭の「INTEL」の文字が引用商標及び請求人の名称の冒頭部分と一致する点を重視すべきであると主張する。
確かに、「ASSET」の語は「資産、財産」を意味する普通名詞ではあるが、「資産、財産」という語自体が財産的価値のあるものを総称していうときの抽象的一般的概念を表わすものであり、特定の資産や財産を意味するものではない。また、「ASSET」の語は、「BANK」や「INSURANCE」のように特定の業種や役務を表わすものともいえないから、「ASSET」の部分の自他識別力の程度が極めて弱いともいえない。
なお、「アセットマネジメント」との語が用いられていれば、資産の運用に関する業務との観念が生じ得るが、「アセット」だけでこの観念が生ずるとはいえず、「アセット」が「アセットマネジメント」の略称として一般に用いられていると認めるに足りる証拠もない。
「INTELL」が既製語にはないのに対して、「ASSET」は一般に「資産、財産」の意味であると認識されるから、「INTELLASSET」から生ずる観念としては、「ASSET」を軽視することはできず、何らかの「資産、財産」、少なくとも「資産、財産」に関する何らかの観念が生じるものというべきである。
(4)請求人の略称としての「INTEL」の著名性
ア 請求人は、1968年、アメリカ合衆国カリフォルニア州シリコンバレーに集積回路の研究・開発・販売を主軸とする半導体製造メーカーとして誕生し、前項イに認定したとおり、社名を「INTegrated Electronics」の2語から造語した「INTEL」とし、1970年にICメモリ1103を、1971年には我が国企業の依頼に基づきマイクロプロセッサ4004をいずれも世界で初めて開発・製造し、以後、MPU(超小型演算処理装置)の分野において常に先進的製品(1993年インテルPentiumプロセッサを、1998年にはインテルCeleronプロセッサを、1999年にはインテルItaniumプロセッサ等)を開発・販売し続ける世界的メーカーとして、半導体製品の売上高において、1992年から2002年まで連続して世界一を達成する(1990年代にMPUの金額ベースの世界市場占有率で約8割に達している。)など世界規模で事業展開を進めている企業である(甲第8号証、甲第15号証及び甲第16号証)。
請求人は、MPU自体はパソコン内部に組み込まれる部品に過ぎないが、エンドユーザーである消費者に請求人社製の高性能・高コスト効率・高信頼性のMPUが使用されているパソコンであることを印象付けるとのブランド戦略に基づき、1991年4月、ウオール・ストリート・ジャーナル紙に掲載されたIBM社製のパソコンの広告に初めて「Intel Inside」の文字の入ったロゴ・マークを採用した。請求人は、「Intel Inside」の文字の入ったロゴ・マークを同社のMPUが組み込まれたパソコンの表面に貼り付けるなどし、パソコン製造メーカーには上記ロゴ・マークが貼付されたパソコンの販売台数に応じて報奨金を提供するなど、2000年頃までにその宣伝活動に70億ドル以上の資金を投入した。その結果、「Intel Inside」の文字の入ったロゴ・マークが貼付されたパソコンは、「最新のテクノロジー・最高の品質・信頼性」を備えたものであることを消費者に印象付けることに成功してきた(甲第72号証、甲第73号証(枝番を含む)、甲第138号証及び甲第139号証)。
請求人は、我が国において、1971年にインテル・ジャパン・コーポレーションを開設し(甲第15号証)、1976年にはインテルジャパン株式会社を設立して営業活動を展開し、「Intel Inside」のロゴ・マークのほか「インテル 入ってる」などの標語をテレビジョン放送や雑誌等の各種広告媒体を使用して宣伝し(甲第138号証)、国内パソコン市場の年間出荷台数が1989年には200万台であったものが1998年には600万台超と急速に拡大する中で(甲第74号証)、1994年1月発行の「小学館ランダムハウス英和大辞典」1390頁(甲第140号証。株式会社小学館)、1996年7月発行の「英和コンピュータ用語大辞典第2版」516頁(甲第141号証。株式会社紀伊国屋書店)及び2000年1月発行の「カタカナ・外来語/略語辞典」67頁(甲第142号証。株式会社自由国民社)等に、「Intel」の社名が採用されるなど、2000年ころまでには、請求人の名称はパソコンに関係を持つ国民の間に浸透していった。
他方、請求人は、上記のようなMPU等の半導体製品の製造・販売に加え、請求人のIT部門が蓄積してきたIT技術やノウハウを活かして各企業のIT化に技術的なアドバイスの提供やコンサルテーション事業などのテクノロジー・ソルーション、ビジネス・ソルーション等の事業戦略を展開し(甲第77号証ないし甲第85号証(各枝番を含む。))、また、1991年には投資事業部門として「インテル キャピタル」社を設立して、ITベンチャー企業に投資する事業を世界26か国475社以上に展開し、我が国でも2001年までに十数社に投資し(甲第86号証ないし甲第98号証(各枝番を含む。))、更には2001年4月からは全国の小学校、中学校及び高等学校の教員約1万人以上を対象として実践的パソコン利用法を伝授するインテル情報教育教員支援プログラムやインテルパソコンスクールを全国各地で展開して学校教育におけるIT化を支援するなどの活動を展開してきた(甲第15号証、甲第16号証及び甲第102号証ないし甲第122号証(各枝番を含む。))。
イ 以上の事実関係からすると、「INTEL」は、本件商標が出願された平成14(2002)年当時において、パソコンを日常生活や業務で使用するなどパソコンに何らかの関係を有する極めて広範囲の国民の間に、「INTEL」といえば請求人(インテル コーポレーション)を表わす略称として広く知れ渡っていたものと推認することができる。
なお、「カタカナ・外来語/略語辞典」67頁(甲第142号証)によれば、「インテル(Intel)」の語には、「活字の行間を適当な広さにするためにはさむ鉛合金板」との意味もあることが認められるが、その意味から明らかなように印刷業の分野における専門用語であり、このような意味を一般国民が認識しているものとはいえない。
(5)「INTELL」が既製語にはなく、それ自体から特定の観念は生じないものの、上記(4)のとおり、「INTEL」は、請求人の略称として広く認識されており、本件商標の文字部分「INTELLASSET」の冒頭には、請求人の著名な略称である「INTEL」が包含されることは一見して明らかであるし、また、「I」と「A」の文字は他の文字よりも約1.25倍大きく(高く)書かれ、「INTELL」と「ASSET」とを分けて認識させることから、「インテルアセット」の称呼も生じ得ることは、前記(2)に説示したとおりである。
確かに、「INTELL」と「ASSET」との間に空白(スペース)はなく、「INTELLASSET」全体を1語として認識することができ、「INTELL」は上記著名な略称と完全には一致せず、本件商標には、文字部分のほかに、朱色の水平線及び「GROUP」の文字も配置されている。しかし、「INTELL」と「INTEL」の相違は、最後の「L」1文字にすぎず、微差であり、いずれも「インテル」の称呼を生ずる綴りである。また、「GROUP」の部分は、企業又は人の集まりとの観念を生じるにすぎないし、朱色の水平線も本件商標の文字部分に比して目立つものではないから、出所識別に何ら寄与しない。
被請求人は、本件商標の文字部分「INTELLASSET」において、「INTELL」は、商標に採択されることの多い「intelligent」や「intellectual」の略語であるから、冒頭の「INTEL」にのみ着目すると、これらの語で始まる全ての商標について、請求人の独占を認めることになり、このような広範な独占は、商標法の本来予定するところではないと主張する。
しかし、「INTELL」が「intelligent」や「intellectual」の略語として、広く定着していると認めるに足りる証拠はないから、被請求人の主張を採用することはできない。
これらを総合して判断すれば、本件商標に接した需要者は、その文字部分「INTELLASSET」から「資産、財産」の観念を感得するとともに、請求人の著名な略称である「INTEL」をも認識し、ひいては請求人を想起すると認められる。
被請求人が「INTEL」の使用につき、請求人の承諾を得たと認めるに足りる証拠はない。
2 結論
以上に検討したところによれば、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものであるから、その余の無効理由について判断するまでもなく、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効にすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】


審理終結日 2008-06-24 
結審通知日 2008-06-27 
審決日 2008-07-08 
出願番号 商願2002-48743(T2002-48743) 
審決分類 T 1 11・ 23- Z (Y35)
最終処分 成立  
前審関与審査官 熊谷 道夫 
特許庁審判長 林 二郎
特許庁審判官 杉山 和江
鈴木 修
登録日 2003-03-07 
登録番号 商標登録第4651763号(T4651763) 
商標の称呼 インテラセットグループ、インテラセット、インテラスセット、インテルアセットグループ、インテルアセット、インテル 
代理人 宮川 美津子 
代理人 柳田 征史 
代理人 佐久間 剛 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 田中 克郎 
代理人 中熊 眞由美 

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