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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Y0305
管理番号 1187496 
審判番号 不服2008-2278 
総通号数 108 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-02-01 
確定日 2008-11-07 
事件の表示 商願2006- 25781拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ナチュラルベビーソープ」の片仮名文字を標準文字で横書きしてなり、第3類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年3月23日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、同年12月14日付け、平成19年5月30日付け並びに同年11月7日付け手続補正書において、最終的に、第3類「塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「消臭剤(身体用のもの及び工業用のものを除く。),芳香消臭剤(身体用のもの及び工業用のものを除く。),防臭剤(身体用のもの及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),その他の薬剤(日本薬局方の薬用せっけんを除く。),医療用腕環,失禁用おしめ,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」に補正されたものである。

2 原審の拒絶の理由
(1)本願商標については、原審において、請求人に対して、平成18年10月23日付けの拒絶理由通知書をもって、以下の(ア)及び(イ)の拒絶の理由が通知されたものである。
(ア)本願商標は、「ナチュラルベビーソープ」の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中の「ナチュラル」の文字がその指定商品中「せっけん類」との関係において「石油系のものでなく、その成分が自然のものあるいは自然に限りなく近いもの」を意味するものであり、また、その構成中の「ベビーソープ」の文字が「乳児用石鹸」を意味するものであるから、これをその指定商品中「乳児用石鹸」に使用しても、「石油系のものでなく、その成分が自然のものあるいは自然の成分に限りなく近い乳児用石鹸」の意味合いを認識させるにとどまるものであって、単に商品の品質・内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の「せっけん類」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、かつ、その指定商品中の「歯磨き,化粧品」に使用するときはあたかも「石鹸」であるかのごとく、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
(イ)本願商標は、拒絶理由通知で引用する6件の登録商標と類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本願商標については、さらに、平成19年8月31日付けの拒絶理由通知書をもって、「本願商標は、該構成中に、ごく普通に商品の一般名称として使用され、『赤ちゃん用の石けん』を意味する『ベビーソープ』の文字を有するものであるから、これをその指定商品に使用したときは、あたかも、該商品が『赤ちゃん用の石けん』であるかの如く、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨の拒絶の理由が通知されたものである。

3 原査定の要旨
原査定は、上記2(2)に記載の理由をもって、本願を拒絶したものである。

4 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「ナチュラルベビーソープ」の片仮名文字を標準文字で横書きしてなるところ、その構成中「ベビーソープ」の文字は「赤ちゃん用の石けん」を理解、認識させるものであり、これを補正後の指定商品に使用したときには、あたかも、その商品が「赤ちゃん用の石けん」であるかのごとく、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ないことは、原査定が述べるとおりである。
ところで、原査定の前提として通知した、上記2(2)の平成19年8月31日付け拒絶理由通知書についての経緯をみてみると、本願代理人はオンラインによる通知等の受領希望を行っていることから、該通知書は、オンラインによる発送書類として、同年9月3日午前9時から同月14日午後10時までの間、特許庁の受付サーバにおいて申請人からの発送要求を待っていたところ、当該期間内に受領がなされなかったため、郵送による発送が、特許庁から本願代理人に対して、平成19年9月28日に書面により発送していることが認められる。
そして、商標法は、同法第15条の2として「審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、商標登録出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。」と、また、同法第16条において「審査官は、政令で定める期間内に商標登録出願について拒絶の理由を発見しないときは、商標登録をすべき旨の査定をしなければならない。」と、それぞれ定めているが、同法第16条の趣旨は「商標登録出願人は自己の商標登録出願について、商標登録の拒絶理由を政令で定める期間内に知ることが制度的に担保されることになる。」(社団法人発明協会発行「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第17版〕」1239ページ参照)と解される。
さらに、「商標審査基準 第11 第16条(商標登録の査定)」(特許庁ホームページにおける公表URL http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/syouhyou_kijun/36_16.pdf)には、「1.商標登録出願について、本条で規定する『政令で定める期間』内に拒絶の理由を発見したか否かは、当該出願に係る拒絶理由通知書を発送した日を基準にすることとする。」と規定している。
そうすると、上記2(2)の平成19年8月31日付け拒絶理由通知書について、特許庁から請求人に対して現実に発送されたのは、同年9月28日であることから、該拒絶理由通知書が、商標法施行令第2条第1項で定めるところの「商標登録出願の日から1年6月」すなわち、本願については、出願日から1年6月後の平成19年9月23日を経過して発送されたものである以上、本願商標は、商標法第16条の規定により、該拒絶の理由をもって拒絶をすべき旨の査定をすることはできないといわざるを得ない。
なお、原審における上記2(1)の平成18年10月23日付けの拒絶理由通知書については、上記1のとおり本願の指定商品が補正されたことにより、該理由中のすべての理由が解消しているものと判断される。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2008-10-23 
出願番号 商願2006-25781(T2006-25781) 
審決分類 T 1 8・ 272- WY (Y0305)
最終処分 成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人井出 英一郎 
特許庁審判長 林 二郎
特許庁審判官 杉本 克治
小畑 恵一
商標の称呼 ナチュラルベビーソープ、ナチュラルベビー、ナチュラル、ベビーソープ 
代理人 小林 久夫 
代理人 大村 昇 
代理人 高梨 範夫 
代理人 安島 清 
代理人 木村 三朗 

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