• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y03
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y03
管理番号 1181132 
審判番号 不服2007-7558 
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-08-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-03-14 
確定日 2008-06-23 
事件の表示 商願2006- 18450拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「泡洗浄ポンプ」の文字を標準文字で書してなり、第3類に属する「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、平成18年3月2日に登録出願されたのものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ポンプ式の泡洗浄剤』の意味合いを認識させる『泡洗浄ポンプ』の文字を標準文字により書してなるものであるから、これをその指定商品中、上記意味合いに照応する商品、例えば『ポンプ式の泡で洗浄するタイプのせっけん類』に使用するときは、単に商品の品質、機能を表示するにすぎず、自他商品識別標識として機能し得ない。なお、出願人は、種々述べ、事例を挙げているが、本願とは事案を相違することから、これを本願の判断に採用することは適切ではない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標を構成する「泡洗浄ポンプ」の文字が、自他商品の識別標識としての機能を有するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知した内容は、以下のとおりである。

本願商標は、「泡洗浄ポンプ」の文字を標準文字で表してなるところ、「広辞苑 第五版」(岩波書店発行)によれば、その構成中、「泡」の文字は、「液体が空気を含んで、まるくふくれたもの。気泡。あぶく。」等の意味を有する語であり、「洗浄」の文字は、「あらいきよめること。洗濯。」の意味を有する語であり、「ポンプ」の文字は、「圧力の働きによって流体を送る装置」の意味を有する語である。
そして、本願商標の構成中の「泡洗浄」の文字は、下記1の記載よりすれば、「泡で洗う」程の意味合いをもって一般に使用されているものであり、同じく「ポンプ」の文字については、下記2の記載よりすれば、「せっけんを泡立てる仕掛けのあるポンプ式容器に入った商品」が、長年にわたり製造、販売されて、一般にも知られていることを窺い知ることができる。
そうとすれば、本願商標は、本願指定商品との関係においては、「せっけんを泡立てる仕掛けのあるポンプ式容器に入ったもの(ポンプ式の泡で洗浄するタイプのせっけん類)」程の意味合いを端的に表したものと認識されるにとどまるものと認められ、単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識として機能し得ないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
これに対して意見がある場合には、この発送の日から40日以内に意見書を提出されたい。



1 「泡洗浄」の文字が、「泡で洗う」程の意味合いで使用されている例
(1)「全身泡洗浄料を開発 学研都市の構造機能科学研 初の消費者向け」の見出しのもと、「開発した全身泡洗浄料『リムソープS』・・・容器から出る泡を顔や体になじませ、汚れだけを落とすと同時に、肌表面の皮脂膜の成分に近い二ナノ(十億分の一メートルの分子膜が皮膚を覆い保護するという。」との記事(京都新聞、2005年3月9日付け朝刊15版29頁)。
(2)「月刊・ちょっと便利な暮らしグッズ:『見えないところで気配り』号」の見出しのもと、「洗顔でおなじみの泡洗浄は、全身にも取り入れたい洗い方。敏感肌やアトピーなどタオルで肌をこすりたくない場合に、たっぷりの泡を使って手でなで洗いできる。」との記事(毎日新聞、2005年1月19日付け東京朝刊12頁)。
(3)「『お肌の健康と美』を実現する新機能スキンケア基礎化粧品 『RIMシリーズ』の見出しのもと、「製品構成 RIMシリーズは、肌の洗浄と保護保湿が同時にできる全身泡洗浄料『RIMソープ』とエモリエント(皮膚柔軟化)保湿オイル『RIMエモール』のシンプルな構成のスキンケア・ペア製品です。・・・用途 泡で出てくる全身用の洗浄料です。」との記載(http://www.kozoken.jp/kiso.html )。
(4)「フロッシュ フォームボトル」の見出しのもと、「ノズルをキュッと押すだけで、きめ細かな泡が出てきます。『泡洗浄はお肌に優しい』というのはよく聞きますが・・・」との記載(http://www.rakuten.co.jp/feuille/823096/823896/823420/)。
(5)「デリケートなお肌にやさしい 口コミ化粧品ナンバー1!のオードムーゲ『マイルドウォッシュ』」の見出しのもと、「『かんたんプッシュ、泡洗浄!』 やさしい泡がお肌に負担をかけずにしっかり洗い上げる・・・やさしい泡が、お肌をいたわりながら、うるおいを守り、汚れはシッカリおとします。ポンプを押すだけで洗顔に最適な泡が出るので、手軽に洗顔が楽しめます。」との記載(http://www.rakuten.co.jp/kireigenki/1203136/1398242/1398244/ )。
(6)「泡洗浄・液晶乳化で、進化した低刺激スキンケア」の見出しのもと、「メイク落し、洗顔、ボディ用としても使える泡洗顔ソース。特殊なノズルで、泡状で出てきます。泡を肌に置いて、数分たったら洗い流す独自の洗浄法。こすらないので、摩擦による刺激がありません。使用後には超しっとりな肌を実感。」との記載(http://www.home.cs.puon.net/d-teduka/reidai06-2/Ato.htm)。
(7)「ムダ毛処理後のお手入・お肌すべすべボディローション(パイナップル豆乳ローション)スムーズスキン」の見出しのもと、「私の場合、まずボディ洗浄はサプリメントソープの泡で行います。綿素材のタオルにソープを含ませ十分に泡立てます。そして泡で包み込むように優しく洗います。洗顔に関しては、泡立てネットを使ってコクのある泡で洗う方が増えてきていると思いますが、ボディだって同じように泡洗浄が基本です。ゴシゴシ洗いは厳禁です!!」との記載 (http://www.froome.jp/co04.htm)
(8)「本草方 美麗」の見出しのもと、「●高い泡洗浄力で、ニキビ、肌荒れ、くすみ、毛穴の黒ずみを防ぐ 高麗人参などサポニンを含む天然植物エキス配合で、すばやくキメ細かい泡が立ちます。肌の隅々まで高い泡洗浄力を発揮して、ニキビ、肌荒れ、くすみ、毛穴の黒ずみを防ぎます。」との記載(数回の使用でお肌の変化を実感できます(http://www.yuuca.net/skincare/honsouhou.htm)。
(9)「メンソレータムアクネス(ニキビケア)」の見出しのもと、「特徴 ・泡で洗う肌にやさしい泡洗顔料・・・・ふんわりやさしい泡状フォーム」との記載(http://www.rakuten.co.jp/benkyo/525918/525921/ )。

2 「せっけんを泡立てる仕掛けのあるポンプ式容器に入った商品」が、製造、販売されていることが記載されている例。
(1)「積水化学、米ぬかハンドソープを発売」の見出しのもと、「ポンプを1回押すと約一ミリリットル分の泡が出る。」との記事(1994年6月25日付け日刊工業新聞8頁)。
(2)「ライオン、新ハンドソープを発売、医療用殺菌剤配合」の見出しのもと、「また、容器は液剤が泡のフォーム状になって出てくるポンプ式容器を採用している。」との記事(1997年5月22日付け化学工業日報4頁)。
(3)「ロート製薬、ニキビ対策品を発売、原因菌殺菌成分を配合」の見出しのもと、「・・・ポンプ式泡状洗顔液『フォーミングウォッシュ』など四種類。」との記事(1998年3月13日付け化学工業日報5頁)。
(4)「山之内製薬、乳児用ソープ新製品を発売、アミノ酸系主成分」の見出しのもと、「全身シャンプーにはフォームポンプ(泡形成ポンプ)を採用している。」との記事(1999年5月28日付け化学工業日報4頁)。
(5)「〈商品ニュース〉新しい薬用泡状洗顔料」の見出しのもと、「ポンプタイプの洗顔料で、ワンプッシュで出るホイップクリームのようなきめ細かい白泡が、肌をやさしく洗う。」との記事(2003年2月18日付け琉球新報朝刊6頁)。
(6)「花王、新ハンドソープを発売、泡が出て手洗い容易」の見出しのもと、「ポンプを押す中味がきめの細かい泡となって出てくるので、子供でもスムーズに泡を広げられ、手の甲や指の間まできれいに洗うことができる。」との記事(2004年1月30日付け化学工業日報4頁)。
(7)「【好感度アップのコスメ術】『オー セリュレール ムース』」の見出しのもと、「ポンプタイプできめ細かい泡が出てくるので泡洗顔も簡単。」との記事(2004年7月20日付けFujiSankei Businessi.27頁)。
(8)「【ニュースリリース】シェービングもできる洗顔料『メンズビオレ 泡タイプ洗顔』」の見出しのもと、「伸び、持ちのよいホップ状の泡タイプの洗顔料。容器のポンプを押すとクリーミィーな泡が顔全体に広がり、泡立ての必要がなくスピーディーに洗顔でき、そのままシェービングできる。」との記事(2004年9月2日付けFujiSankei Business i.27頁)。
(9)「【ニュースリリース】身体用洗浄料『ママ&キッズ ボディシャンプーフレイチェ』」の見出しのもと、「ポンプを押すとホイップ状の泡が出てくる。」との記事(2005年7月24日付けFujiSankei Business i.8頁)。
(10)「【ニュースリリース】泡状の洗顔用せっけん『パックスオリー フェイスフォーム』」の見出しのもと、「きめの細かい泡がポンプから直接出てくるため、泡立ての必要がなく、汚れをよく落とす。」との記事(2006年1月11日付けFujiSankei Business i.19頁)。
(11)「【ニュースリリース】『サナ』ブランドから基礎化粧品シリーズ『こぬか』」の見出しのもと、「ポンプを押すだけできめ細かい泡が出てくる洗顔料『同 泡洗顔』・・・」との記事(2006年2月22日付けFujiSankei Business i.17頁)。
(12)「ナガセビューティケァ、男性用新スキンケア化粧品を発売」の見出しのもと、「洗顔料は豊かできめ細かい泡が出てくるポンプタイブで、肌のうるおいを守りながら、過剰な皮脂や汚れを取り除く。」との記事(2007年2月27日付け化学工業日報3頁)。
(13)「ユニリーバ・ジャパン、泡で潤う洗顔フォーム発売」の見出しのもと、「ポンプを押すだけで手でつくることのできないきめ細かい泡が出る製品。泡が汚れを包み込みしっかりと落としながら、潤いを与えて洗い上げる。」との記事(2007年3月13日付け化学工業日報5頁)。

第4 証拠調べに対する意見の要旨
当審において行った、上記の「証拠調べ通知」に対して、請求人は、意見書を提出し、要旨以下のように述べている。

1 請求人は、「証拠調べ通知」の認定には承服できない理由について
(1)証拠調べ通知で認定された「泡」「洗浄」「ポンプ」の各語の意味が、「広辞苑」を挙げて指摘されたとおりのものであることは請求人も認めるところである。また、「泡洗浄」の文字が「泡で洗う」程の意味合いをもって理解されうること、「ポンプ」の文字については、「せっけんを泡立てる仕掛けのあるポンプ式容器に入った商品」が存在することも事実である。しかし、事実はそこまでである。
(2)以上の事実のみに基づき、証拠調べ通知は、本願商標は「せっけんを泡立てる仕掛けのあるポンプ式容器に入ったもの(ポンプ式の泡で洗浄するタイプのせっけん類)」程の意味合いを端的に表したものと認識される、と認定しているが、この認定は、上記認定の事実からは明らかに飛躍している。
(3)すなわち、本願商標のように、「泡洗浄」と「ポンプ」とが一体として使用されている事実がないことはもとより、これらの語が一緒に用いられることも全く一般的ではない。
(4)因みに、証拠調べ通知は、実に22もの広告文等の実例を検索されて挙げられているが、その中で、「泡洗浄」の語と「ポンプ」の語が共に使用されているのは、1(5)の例のみであり、しかも『かんたんプッシュ、泡洗浄!』という標語の中で「泡洗浄」の語が用いられた後、「やさしい泡がお肌に負担をかけずにしっかり洗い上げる」「口コミ化粧品ナンバー1、オードムーゲのさっぱりタイプの洗顔料。」「お顔を濡らした後に、2回プッシュ。こすらずに、お肌を包み込むように、やさしく洗って下さい。」「保湿成分 アロエエキスとヨクイニン(ハトムギ)エキス配合のやさしい泡が、お肌をいたわりながら、うるおいを守り、汚れはシッカリおとします。」という4行に亘る4つの長い文章の後に、「ポンプを押すだけで洗顔に最適な泡が出るので、手軽に洗顔が楽しめます。」という文章が現れてくるのであり、この記事においても、「泡洗浄」の語と「ポンプ」の語とは、全く一体性なく用いられているのである。他の21例には、両語が共に使用されたものは存在しない。
(5)以上の事実からも明らかなとおり、「泡洗浄」の語と「ポンプ」の語とを、本願商標のように一体として使用した例はなく、また両語が一般に併用されているとの事実もない。
(6)したがって、証拠調べ通知に挙げられた実例から、本願商標が「せっけんを泡立てる仕掛けのあるポンプ式容器に入ったもの(ポンプ式の泡で洗浄するタイプのせっけん類)」程の意味合いを端的に表したものと認識される、と認定することは飛躍があり、理由がないというべきである。

2 また、請求人は、本件審判請求書において、概ね次のような主張をも行った。
(1)本願商標の構成は、「泡洗浄ポンプ」であり、これが「泡による洗浄を行うポンプ」なのか「泡で洗浄されるポンプ」であるのか、その意味を明確に理解することは不可能である。
(2)しかし、本願商標の末尾は「ポンプ」であり、全体としては何らかの「ポンプ」を意味するものと理解されることが明らかであるが、本願指定商品に「ポンプ」ないしポンプに類する商品は含まれず、したがって、本願商標は、指定商品との関係において十分な識別力を有するとともに、商品の品質誤認を惹起するおそれもない。
(3)原審における拒絶理由通知は、本願商標を「せっけんを泡立てる仕掛けのあるポンプ式容器に入ったもの(ポンプ式の泡で洗浄するタイプのせっけん類)」と認定しているが、「ポンプ式」とか「せっけん類」とかを意味する言葉は本願商標には全く含まれておらず、このような認定は、本願商標の構成と、その意味の認定の間にあまりに飛躍があり、明らかに穿ちすぎというべきである。
(4)原審における拒絶理由通知は、本願商標が上記の意味を端的に表したものと認識される旨認定するが、仮にそのような商品が存在し、その品質を表示しようするのであれば、「ポンプ式泡洗浄せっけん」等と明確かつ具体的に表示することができ、それが自然である。逆に、上記のような商品の品質表示として、「泡-洗浄-ポンプ」というような意味が明確でない組み合わせの言葉を使用する必然性は全くない。つまり、本願商標のような意味の曖昧なものを商品の品質表示であるとする認定は、「品質表示」の目的からみて経験則に反する。したがって、この観点からも本願商標は、品質表示ではあり得ない。
以上の4点のような主張について、証拠調べ通知は全く言及・考慮しておらず、単に「泡洗浄」の語の使用例と、この語とは無関係に、「せっけんを泡立てる仕掛けのあるポンプ式容器に入った商品」が存在することのみを理由として、本願商標の識別性を否定しているが、このような認定方法及び認定は誤りというべきである。

3 結論
以上のとおり、本願商標は、本願商標「泡洗浄ポンプ」ないしこれに近似した表示が一般的に使用されていないこと、及び上記2の(1)?(4)記載の理由から、本願指定商品の品質表示とはいえず、その指定商品について品質の誤認を生じさせるおそれもないというべきである。

第5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、前記「第1」のとおり、「泡洗浄ポンプ」の文字を標準文字で書してなるものである。そして、これを構成する「泡洗浄」の文字は、せっけん類を取り扱う業界において、「泡で洗う」程の意味合いをもって一般に理解され使用されており、また、「せっけんを泡立てる仕掛けのあるポンプ式容器に入ったもの(ポンプ式の泡で洗浄するタイプのせっけん類)」が、多数製造・販売されている実情にあるということができる。
そうとすると、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、取引者・需要者をして、単に「せっけんを泡立てる仕掛けのあるポンプ式容器に入ったもの(ポンプ式の泡で洗浄するタイプのせっけん類)」程の意味合いの、商品の品質を表示したものとして理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとしては認識され得ないというのが相当である。
なお、請求人は、本願指定商品を取り扱う業界において商品の品質を表示するものとして「泡洗浄」の語と「ポンプ」の語とを、本願商標のように一体として使用した例はないことはもとより、両語が一般に併用されているとの事実もないので、商品の品質を表示するものではない旨主張しているが、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年(行ケ)第76号、東京高裁平成12年9月4日判決言渡参照)」から、たとえ、本願商標が、その指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を表示するものとして使用されている事実が存在しなくとも、本願商標が商品の品質を表示するものであるとすることの妨げにはならないものである。
さらに、請求人は「本願商標は、その意味を明確に理解することは不可能である」、「本願商標の末尾は『ポンプ』であって、指定商品との関係において十分な識別力を有する」、「本願商標は、証拠調べ通知で認定された『ポンプ式』『せっけん類』を意味する言葉は含んでいない」「本願商標のような意味の曖昧なものを商品の品質表示であるとする認定は、『品質表示』の目的からみて経験則に反する。」旨も主張しているが、本願指定商品との関係及び本項冒頭に示した、せっけん類を取り扱う業界における実状を考慮すると、本願商標は、前述の如き意味合いの品質を表示したものとして理解されるにとどまるものといわざるを得ない。

(2)商標法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標が、商品の品質を表示するものであることは上記「第5(1)」のとおりであるから、これをその指定商品中、上記品質に照応しない商品に使用したときには、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものと認める。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきでない
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-04-21 
結審通知日 2008-04-22 
審決日 2008-05-12 
出願番号 商願2006-18450(T2006-18450) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y03)
T 1 8・ 272- Z (Y03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小川 敏 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 杉山 和江
馬場 秀敏
商標の称呼 アワセンジョーポンプ、アワセンジョー、ポンプ 
代理人 大島 厚 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ