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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項19号 不正目的の出願 取り消して差戻し Y141843 |
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管理番号 | 1179302 |
審判番号 | 不服2007-26109 |
総通号数 | 103 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-07-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-09-25 |
確定日 | 2008-06-16 |
事件の表示 | 商願2005- 90654拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願は、更に審査に付すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、後掲のとおりの構成よりなり、第14類、第18類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成17年9月28日に登録出願されたものである。 そして、本願商標と同一又は類似する商標で、同一又は類似する役務に使用する他人の同日に提出された商標登録出願(国際登録番号0868141号)が存在するため、同18年3月23日付けで、特許庁長官は、「本願商標と下記の商標登録出願(国際登録番号0868141号)とは、商標法第8条第2項に規定する同一又は類似の商品又は役務について使用する同一又は類似の商標について、同日に商標登録出願があった場合に該当する。したがって、同条第4項の規定によって、その出願人と協議し、その結果を記載した書面を指定された期間に提出すること、及び協議が成立しないとき又は期間内に書面の提出がなかったときには同条第5項の規定により商標登録を受けることができる者をくじによって決定する。」旨の協議命令書を通知したものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『Nikki Beach』と書した構成よりなるところ、該語は、アメリカ合衆国フロリダ州在のペンロッド マネジメント インターナショナル エルエルシー(Penrod Management International LLC)が経営する北米、欧州及びカリブ海沿岸で展開されているクラブ・レストランの名称であり、アメリカ等において取引者・需要者間に広く認識されている商標『NIKKI BEACH』(以下「引用商標」という。)の文字と同一又は類似する商標であるから、出願人が商標として採択にするにあたり、偶然に前記商標と酷似する結果となったというよりは寧ろ、前記商標が我が国で登録されていないことを奇貨として、先取り的に出願したもの、又は外国の権利者の国内参入を阻止したり、代理店契約締結を強制する目的で出願したものと推認するのが相当であり、不正の目的をもって使用するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、後掲のとおり、薄青色の斜体太文字で「Nikki Beach」と書してなり、その構成中の「Nikki」及び「Beach」の各文字は、内側を白色、外側を薄灰色の太線により切れ目なく縁取って表されているところ、その構成中の「Nikki Beach」の文字部分と同一又は類似する引用商標については、原審における引用商標所有者提出の刊行物等提出書を斟酌し、かつ、職権をもって調査するも、これが本願商標の登録出願時すでに、原審説示の如き北米、欧州及びカリブ海沿岸で展開されているクラブ・レストランの名称として、米国等において周知であったとするに十分な客観的・具体的証拠(例えば、引用商標の使用時期、使用地域、使用頻度等を示す客観的な資料)は見当たらず、また、引用商標が、我が国で登録されていないことを奇貨として、先取り的に出願したもの、あるいは、外国の権利者の国内参入を阻止したり、代理店契約締結を強制する目的で出願したものであるといような不正な意図を窺わせるような状況もなく、その証拠(例えば、引用商標所有者が、我が国に進出する具体的計画・近い将来の事業規模の拡大計画、出願人からの商標の買取り・代理店契約締結の要求等を示す資料)も見出せなかった。 そうとすると、本願商標について、その登録出願時・査定時及び審決時において、我が国はもとより外国における引用商標の周知性を確認することができないばかりでなく、不正の目的をもって使用をするものということもできない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第19号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取り消しを免れない。 次に、前記1のとおり、本願と商標登録出願(国際登録番号0868141号)とは、協議命令書の対象となっているところ、指定した期間内に協議が成立した旨の届け出がないため、商標法第8条第5項の規定によるくじを経る必要があることから、更に審査に付することが適当と認め、同法第56条で準用する特許法第160条第1項の規定により、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
後掲 本願商標 (色彩は、原本を参照) |
審決日 | 2008-05-26 |
出願番号 | 商願2005-90654(T2005-90654) |
審決分類 |
T
1
8・
222-
W
(Y141843)
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最終処分 | 差戻し |
前審関与審査官 | 平澤 芳行、田口 玲子 |
特許庁審判長 |
伊藤 三男 |
特許庁審判官 |
齋藤 貴博 岩崎 良子 |
商標の称呼 | ニッキビーチ、ニッキ、ビーチ |
代理人 | 秋山 敦 |