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審決分類 |
審判 一部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効としない Z38 審判 一部無効 その他 無効としない Z38 |
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管理番号 | 1179130 |
審判番号 | 無効2006-89028 |
総通号数 | 103 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-07-25 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2006-02-26 |
確定日 | 2008-06-05 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4602351号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4602351号商標(以下「本件商標」という。)は、「iモード」の文字を標準文字で表してなり、平成13年9月17日に登録出願、第38類「移動体電話による通信,電子計算機端末による通信,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供」を指定役務として、同14年8月16日に登録査定がなされ、同年9月6日に設定登録されたものである。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中、第38類「移動体電話による通信,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第108号証を提出した。 1 請求の理由 被請求人が本件商標である「iモード」の文字を付した携帯電話の構成要素及び実施形態は、請求人が所有する特許第3611580号ほかの特許権を侵害しているので、商標法第29条第1項に該当する。 また、本件商標は、公の秩序又は、善良の風欲を害するおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。 2 答弁に対する弁駁 本件商標は、商標法第4条第1項第19号ほかに違反して登録されたものであるから、無効とすべきである。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第3号証を提出した。 1 本件審判の審理対象は、商標権を発生せしめる商標登録における無効理由の有無であって、特許における無効理由の有無ではないから、請求人は、本件審判を請求する利益はない。 2 商標法第29条は、同法第46条第1項各号に掲げられた無効理由に含まれておらず、請求人の主張は失当である。 3 請求人は、本件商標登録が商標法第4条第1項第7号に違反してされたものであるとする具体的な理由を何ら示していない。 第4 当審の判断 まず、当事者間で請求の利益について争いがあるも、一概に請求の利益がないとも断定できないので、以下、本案に入って審理する。 1 被請求人が本件商標である「iモード」の文字を付した携帯電話の構成要素及び実施形態は、請求人が所有する特許第3611580号ほかの特許権を侵害しているので、商標法第29条第1項に該当し、本件商標登録は無効にされるべきである旨主張している。 これに対して、被請求人は、商標法第46条第1項各号に掲げられた無効理由に含まれていない同法第29条によるものである旨主張しているので、まず、この点について判断する。 商標登録無効審判における無効事由は、商標法第46条で規定されているとおり、原則として法定列挙主義をとっている。すなわち、第46条の規定で列挙された事由以外の事由によっては無効審判を請求することができないものである。 そうとすれば、商標法第29条第1項に該当するとした無効事由による本件審判請求は、不適法な請求であり、補正することができないものであるから、却下すべきものである。 2 そこで次に、本件商標の登録が商標法第4条第1項第7号に違反してされたものであるか否かについて判断する。 商標登録を受けることができない商標として、商標法第4条第1項において規定されている商標のうち、第7号において規定されているのは、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」である。 そして、この規定に該当する商標としては、商標の構成自体がきょう激、卑わいな商標、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような商標、構成自体に問題がなくても、指定商品について使用することが社会公共の利益や一般的道徳観念に反することとなる商標、あるいは、他の法律によって、その使用等が禁止されている商標、特定の国若しくはその国民を侮辱するような商標又は一般に国際信義に反する商標、更には、公正な取引秩序を乱し、ひいては公序良俗を害することとなるような商標がこれに当たるものと解されている。 本件商標は、上記第1のとおりの構成よりなるものであるから、その構成態様からみて、上述したような商標に当たらないことは明らかである。 また、請求人は、本件商標の出願・登録にあたって、被請求人(出願人)に何らかの不正の意図があったというような事情についての主張・立証もないから、本件商標は、公正な取引秩序を乱し、ひいては公序良俗を害することとなるような商標にも該当しないものといわなければならない。 そうとすれば、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものということはできない。 3 その他の主張について 請求人は、弁駁書において、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当すると主張しているが、これは新たに無効理由を追加し、請求の理由の要旨を変更するものであるから、商標法第56条第1項で準用する特許法第131条の2第1項により認められない。 4 まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものではないから、その指定商品中の第38類「移動体電話による通信,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供」についての登録は、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-06-28 |
結審通知日 | 2007-07-05 |
審決日 | 2007-07-24 |
出願番号 | 商願2001-83974(T2001-83974) |
審決分類 |
T
1
12・
22-
Y
(Z38)
T 1 12・ 9- Y (Z38) |
最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
山田 清治 |
特許庁審判官 |
久我 敬史 関根 文昭 |
登録日 | 2002-09-06 |
登録番号 | 商標登録第4602351号(T4602351) |
商標の称呼 | アイモード、イモード、モード |
代理人 | 佐藤 英二 |
代理人 | 浜田 廣士 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |