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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
判定2008600011 審決 商標
判定2007600083 審決 商標
判定2007600086 審決 商標

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審決分類 審判 判定  属する(申立て成立) Y42
管理番号 1178001 
判定請求番号 判定2007-600085 
総通号数 102 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標判定公報 
発行日 2008-06-27 
種別 判定 
2007-11-01 
確定日 2008-05-21 
事件の表示 上記当事者の登録第4973674号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 役務「インターネットを介した電子会議室・電子掲示板へのアクセスタイムの貸与」に使用するイ号標章は、登録第4973674号商標の商標権の効力の範囲に属する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4973674号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゴルトモ」の文字を標準文字で表してなり、平成17年10月18日に登録出願、第42類「インターネットを介した電子会議室・電子掲示板へのアクセスタイムの貸与」を指定役務として、同18年7月28日に設定登録されたものである。

第2 イ号標章
株式会社スコアネット(以下「本使用者」という。)が、役務「インターネットを介した電子会議室・電子掲示板へのアクセスタイムの貸与」(以下「使用役務」という。)に使用する標章として示したイ号標章は、別掲のとおり、「ゴルトモ」の文字と旗章をモチーフとした図形からなるものである。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の判定を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 判定請求の必要性
請求人は、イ号標章の本使用者の代理人である。本使用者に対して、登録第4945203号商標及び登録第4999215号商標の商標権者から、警告書(甲第1号証)が送付された。これに対して、請求人は、本使用者によるイ号標章の使用は、本件商標の使用であると判断した。
そこで、請求人は、本件商標の商標権の効力の範囲について判定を求めるものである。
2 判定請求の理由
(1)イ号標章の説明
本使用者は、遅くとも平成17年12月頃より、ウェブログをディスプレイ等に表示したときに、標章「ゴルトモ」が表示される態様で、イ号標章の使用を開始し、現在に至っている。
本使用者は、「インターネットを介してウェブログを含む電子掲示板へのアクセスタイムの貸与」という役務(以下「使用役務」という。)を提供している。具体的には、http://www.gorutomo.net/about.htmlというURLなどが割り当てられているウェブページ(甲第2号証)などへのアクセスタイムの貸与という役務を提供している。
本使用者は、典型的には、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)にダウンロードしたウェブページであって、PCのディスプレイに表示されるウェブページに、イ号標章を表示する態様、つまり、電磁的方法により行う映像面にイ号標章を表示する態様で使用している(商標法第2条第3項第7号)。
(2)イ号標章が商標権の効力の範囲に属するとの説明
(ア)本件商標とイ号標章の類否について
本件商標は「ゴルトモ」の文字を書してなるものであるから、これより「ゴルトモ」の称呼が生ずる。
また、イ号標章も「ゴルトモ」の文字と旗章をモチーフとした図形とからなるものであるから、「ゴルトモ」の文字部分より「ゴルトモ」の称呼が生ずる。
したがって、本件商標とイ号標章とは、称呼と観念とを共通にしているから、同一又は類似のものである。
(イ)役務の類否について
本件商標に係る指定役務とイ号標章の使用役務は、同一の役務である。したがって、本使用者が、役務「インターネットを介した電子会議室・電子掲示板へのアクセスタイムの貸与」に使用するイ号商標は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。
(ウ)イ号標章の役務の概要
イ号標章に係る役務は、甲第2号証の記載内容から明らかなように、「インターネットを介した電子掲示板へのアクセスタイムの貸与」であり、独立した役務である。
(3)甲第2号証のウェブページの内容説明
(ア)「ゴルトモで何ができるのか?」内の「ゴルフ仲間との楽しいコミュニケーション」という見出しを付して、利用者に向けてウェブサイトの利用方法等を説明している。具体的には、「自分の顔写真、自己紹介などを登録して、あなたがどんな人なのか友達に分かりやすく表現するプロフィールが簡単に作成できます。またブログ、ラウンド日記なども掲載でき、…。」と記載されている。
この説明は、利用者に向けてなされたものであるから、「自分の顔写真、自己紹介などを登録して」、「プロフィールが簡単に作成できます」など明記されているように、「登録」「作成」の主体はあくまで利用者である。実際に、本使用者は、「登録」「作成」という行為を、一切行っていない。
また、「ブログ、ラウンド日記なども掲載」する主体も利用者であって、本使用者ではない。
(イ)また、「ゴルトモで何ができるのか?」内の「ゴルフ仲間との楽しいコミュニケーション」という見出しの下では、「クラブページは、ゴルフ場のメンバーシップや友の会、企業や大学などのゴルフ部、一般のゴルフサークルが利用することができるコミュニティースペースです。… 一番の特徴はラウンドお誘い機能です。クラブが主催するコンペなどに一人でも気軽に参加申込することができます。…また、クラブ内で一緒にラウンドする相手を見つけたいときには、このラウンドお誘い機能を使って自分で簡単にラウンド募集を行うこともできます。」と記載されている。
「クラブぺージは、…コミュニティースペースです」と記載されていることから明らかなように、本使用者は、「コミュニティースペース」を利用者に対して提供するために、「インターネットを介した電子掲示板へのアクセスタイムの貸与」を行っている。本使用者は、利用者に対しては当該行為のみ行っていて、当該行為は独立したものである。
また、「一番の特徴はラウンドお誘い機能です。クラブが主催するコンペなどに一人でも気軽に参加申込することができます。」と明記されているように、「誘い」、「参加申込」の主体は、利用者である。実際に、本使用者は、これらの行為を一切行っていない。
(ウ)「ゴルトモの機能」の「ブログ」という見出しの下では、「写真付きの日記を書くことができます。…」と記載されている。
上記の場合と同様に、「写真」を付けたり「日記を書く」主体は、利用者である。実際に、本使用者は、これらの行為を、一切行っていない。
したがって、利用者が、自身に割り当てられたマイページに対して、例えば、「ゴルフコンペを開催予定なので参加希望者を募集します」という旨の情報をアップロードしても、本使用者自身が「インターネットを利用したスポーツの興行の企画・運営または開催に関する情報の提供」等を「業として」(商標法第2条第1項第2号)行っていることにはならず、あくまで、本使用者自身が「業として」行っている役務の提供は、独立した「インターネットを介したウェブページ(電子掲示板)へのアクセスタイムの貸与」にとどまる。
なお、本件商標に係る指定役務「インターネットを介した電子会議室・電子掲示板へのアクセスタイムの貸与」は文字通りの意味であるが、「インターネット」とは、「個々のコンピューター通信ネットワークを相互に結んで、世界的規模で電子メールやデータベースなどのサービスなどのサービスを行えるようにした、ネットワークの集合体」の意味であり、「電子会議室」とは「電子掲示板などのシステムを利用して、離れた場所からでも電子的に会議を行うシステム」の意味であり、「電子掲示板」とは、「インターネット上でメッセージを記録したり、そのメッセージに対して返事を書き込んだりすることができるシステム」及び「参加者が自由に文書などを投稿し、書き込みを連ねていくことができるシステム」の意味であり、「アクセスタイム」とは、「ネットワークサービスにおいて、ホストコンピュータに接続していた時間のことである。ログインからログアウトまでの時間」の意味である。
(エ)したがって、本商標権に係る指定役務は、典型的には「インターネットを介したシステム(ウェブページ)へのログインからログアウトまでの時間を貸し与える」という意味内容であり、イ号標章にかかる役務と合致する。

第4 当審の判断
1 本件商標とイ号標章との類否について
本件商標は、「ゴルトモ」の片仮名文字を書してなるものであるから、これより「ゴルトモ」の称呼が生ずること明らかである。
また、イ号標章は、「ゴルトモ」の片仮名文字を白抜きで表した旗章をモチーフとした黒色の図形とその右側に「ゴルトモ」の片仮名文字を配した構成よりなるところ、これからも該「ゴルトモ」の文字部分より「ゴルトモ」の称呼が生ずること明らかである。
したがって、本件商標とイ号標章とは、「ゴルトモ」の称呼を共通にする類似の商標といえる。
2 本件商標に係る指定役務と使用役務との類否について
甲第2号証は、インターネットのホームページと認められるところ、そこには以下の記載が認められる。
(ア)ホームページの上部左側には、イ号標章が記載されている。
(イ)「ゴルトモには、ゴルフ仲間とのコミュニケーションを楽しむためのさまざまな機能があります。」と記載されている。
(ウ)「プロフィールページ」の見出しのもと、「自分の顔写真、自己紹介などを登録して、あなたがどんな人なのか紹介するプロフィールが簡単に作成できます。プロフィールにはゴルトモでリンクしたゴルフ仲間の顔写真、ブログやラウンド日記などが掲載されます。」と記載されている。
(エ)「ブログ」の見出しのもと、「写真付きの日記を書くことができます。」と記載されている。
(オ)「ラウンド日記」の見出しのもと、「写真付きのラウンド日記を書くことができます。・・・ゴルトモ全ユーザーのラウンド日記を見ることもできるので、興味を持ったゴルフ場について他のゴルトモユーザーがどのようなラウンド日記を書いているか見ることもできます。」と記載されている。(カ)「クラブ」の見出しのもと、「ゴルトモ上の“クラブ”は、同じクラブに所属するゴルフ仲間同士のコミュニケーションの場です。」と記載されている。
(キ)「ラウンドお誘い」の見出しのもと、「ラウンドお誘い機能は、クラブ内のメンバー同士が気軽にどんどん誘い合ってゴルフに行くためのものです。」と記載されている。
以上の事実によれば、インターネットのホームページ上に、イ号標章が記載され、さらに、ユーザー自らが「自身のプロフィール、日記、ゴルフのラウンド日記」などを掲示することができる電子掲示板が設けられていることが認められる。
そうとすれば、使用役務は、本件商標の指定役務に含まれる「インターネットを介した電子掲示板へのアクセスタイムの貸与」と判断するのが相当である。
3 まとめ
したがって、イ号標章は、本件商標に類似するものであり、かつ、本件商標の指定役務中に含まれる役務「インターネットを介した電子会議室・電子掲示板へのアクセスタイムの貸与」についての商標の使用と認め得るものであるから、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。
よって、結論のとおり判定する。
別掲 別 掲
イ号標章


判定日 2008-05-09 
出願番号 商願2005-97145(T2005-97145) 
審決分類 T 1 2・ 081- YA (Y42)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大井手 正雄 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 木村 一弘
末武 久佳
登録日 2006-07-28 
登録番号 商標登録第4973674号(T4973674) 
商標の称呼 ゴルトモ 

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