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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない Y43
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y43
管理番号 1174185 
審判番号 不服2007-3345 
総通号数 100 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-02-02 
確定日 2008-02-14 
事件の表示 商願2006- 36388拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成18年4月20日に登録出願し、その後、同19年3月27日付けの手続補正書により、第43類「博多産の魚を主とする飲食物の提供」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3180104号商標(以下、「引用商標1」という。)は、「大阪」の文字と「名物」の文字を2段に書し、その右横に前記2段の文字の幅で大きく「くいだおれ」の文字を書してなり、平成4年8月24日に登録出願、第42類「うどん及びそば・すし・てんぷら料理・とんかつ料理・その他の日本料理の提供,西洋料理の提供,中華料理の提供,アルコ?ル飲料の提供,茶・コ?ヒ?・ココア・清涼飲料及び果実飲料の提供,パフェの提供,アイスクリ?ム及びシャ?ベットの提供,ヨ?グルトの提供」を指定役務として同8年7月31日に設定登録され、その後、同18年4月25日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
同じく同第4365296号商標(以下、「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成10年6月3日に立体商標として登録出願、第9類「携帯電話機専用ストラップ,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」、第14類「貴金属,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製宝石箱,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」、第28類「遊戯用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,運動用具,スキーワックス,釣り具」、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,ファッション情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,社会保険に関する手続の代理,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,身の上相談,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,医業情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,家畜の診療,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,家事の代行,編み機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,会議室の貸与,展示施設の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,鉱山機械器具の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,芝刈機の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与,タオルの貸与,おしぼりの貸与,暖冷房装置の貸与,超音波診断装置の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,凸版印刷機その他の印刷用機械器具の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,布団の貸与,理化学機械器具の貸与,ルームクーラーの貸与,動力機械器具の貸与,風水力機械器具の貸与,冷凍機械器具の貸与,業務用調理機械器具の貸与,ガソリンステーション用装置の貸与(自動車の修理又は整備業のものを除く。),装身具の貸与,製図用具の貸与」を指定商品及び指定役務として、同12年3月3日に設定登録がなされたものである。(以下、これらをまとめていうときは、「引用商標」という。)

3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり「魚や」(「魚」の文字は、俗字で表されている。以下、同じ。)の文字を青色で縦書きにし、その文字の下部に、「博多」(「博多」の文字は、赤い枠線で囲まれている)の文字を赤色で横書きにし、「博多」の文字の左横に「くいだおれ」の文字を青色(「お」の文字だけは赤色)で縦書きにし、「く」及び「れ」の文字は他の文字に較べやや大きく表された構成よりなるところ、構成中の「魚や」の文字は、「魚類その他の海産物を売る店」(広辞苑第5版、株式会社岩波書店発行)の意味を有する「魚屋」を理解させるものであり、「博多」の文字は、九州の福岡市の中心部を形成する地域として全国的に知られている地名であることから役務の提供の場所を表したものと認識、理解されるものであって、それぞれの文字は、自他役務の識別標識としての機能は見出せないものといわざるを得ない。
そして、本願商標の構成中の「くいだおれ」の文字は、「飲み食いにぜいたくをして貧乏になること。」(広辞苑第5版、株式会社岩波書店発行)の意味合いを有し、本願指定役務の「飲食物の提供」との関係において、直ちに役務の質等を直接的、かつ具体的に表示しているものとはいい得ないから、自他役務の識別標識としての機能は十分に果たし得るというのが相当である。
そうすると、本願商標からは、「くいだおれ」の文字部分に相応して「クイダオレ」の称呼及び「飲み食いにぜいたくをして貧乏になること。」の観念が生ずるものと認められる。
他方、引用商標1は、上記のとおりの構成よりなり、構成中の「大阪」の文字は、「京都と共に二府の一」を意味し、「名物」の文字は、「すぐれた物。由緒あるもの。」(いずれも広辞苑第5版、株式会社岩波書店発行)の意味を有し、「大阪名物」の文字全体からは、「大阪のすぐれた物」の意味を有し、その土地のすぐれた物を表す語として「○○名物」の語が、普通に使用されていることから、自他役務の識別標識としての機能は見出し得ないものといわざるを得ない。
そうすると、引用商標1は、自他役務の識別標識としての機能を有する部分は、「くいだおれ」の文字にあるというのが相当であり、その文字に相応して「クイダオレ」の称呼及び「飲み食いにぜいたくをして貧乏になること。」の観念が生ずるものと認められる。
同じく引用商標2は、別掲2のとおり立体的形状中の太鼓の両面に「大阪名物」、「くいだおれ」及び「道頓堀」の文字を3列に縦書きした構成よりなるところ、立体的形状と文字部分とがそれぞれ独立して取引きに資されることも決して少なくないと見るのが相当である。
そして、引用商標2の構成中の「道頓堀」の文字は、大阪中央区の地名であり、特に食の街として全国的に知られている地名であることから、役務の提供場所であると理解、把握され、また、「大阪名物」の文字は、上記で述べたとおり、自他役務の識別標識としての機能は見出し得ないものと認められるから、引用商標2の文字部分において、自他役務としての識別標識を果たし得る部分は、中央に大きく表された「くいだおれ」の文字部分にあるというのが相当であり、該文字に相応して「クイダオレ」の称呼及び「飲み食いにぜいたくをして貧乏になること。」の観念が生ずるものと認められる。
そうすると、本願商標と引用商標とは、構成全体の外観において相違するとしても、「クイダオレ」の称呼及び「飲み食いにぜいたくをして貧乏になること。」の観念を同一にする類似の商標と認められ、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務中に包含されている類似の役務と認められるものである。
なお、請求人(出願人)は、本願商標の構成中の「くいだおれ」の語は、大阪の道頓堀界隈、ひいては大阪の街全体を示す名称として広く使用されているから、これを商標として使用しても、商標法第3条第1項第6号規定の「需要者が何人かの業務係る役務であるか認識することができない商標」に該当する。また、「くいだおれ」の語は、大阪の飲食店を営む同業者間に普通に使用された結果、役務出所機能、自他役務識別機能を失っており、商標法第3条第1項第2号慣用商標に該当するものであり、商標としての機能を有しない旨主張し、資料1ないし4を提出している。
そこで検討するに、本願商標の構成中の「くいだおれ」の文字は、上記で述べたとおり、本願指定役務との関係において、直ちに役務の質等を直接的、かつ具体的に表示しているものとはいい難いものである。
また、「くいだおれ」の文字が、飲食店名として一部インターネット等で発見(提出資料2ないし3)されたとしても、それをもって直ちに、該文字が、本願指定役務を取り扱う業界において、普通に使用された結果、自他役務の識別標識としての機能を有しないものとはいい得ないことから、商標法第3条第1項第2号慣用商標には該当しないというのが相当である。
なお、提出資料4は、福岡地方裁判所第一民事部の和解調書であり、その内容の一部に「ビジネス割烹博多くいだおれ」の商標出願(出願番号平成4年125559号)に関する和解条項が記載されているとしても、それをもって、本願商標と引用商標との類否判断に影響を及ぼすものとは認められないものである。
そうとすれば、本願商標の構成中の「くいだおれ」の文字についての前記請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)


別掲2(引用商標2)
第1/4図

第2/4図

第3/4図

第4/4図


(色彩については、原本を参照されたい。)

審理終結日 2007-12-06 
結審通知日 2007-12-11 
審決日 2007-12-27 
出願番号 商願2006-36388(T2006-36388) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y43)
T 1 8・ 263- Z (Y43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 手塚 義明
寺光 幸子
商標の称呼 サカナヤハカタクイダオレ、ハカタクイダオレ、サカナヤクイダオレ、クイダオレ 
代理人 綾田 正道 

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