現在、審決メルマガは配信を一時停止させていただいております。再開まで今暫くお待ち下さい。

  • ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部無効 外観類似 無効としない Z35
審判 一部無効 称呼類似 無効としない Z35
審判 一部無効 観念類似 無効としない Z35
審判 一部無効 商8条先願 無効としない Z35
審判 一部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない Z35
管理番号 1172679 
審判番号 無効2006-89089 
総通号数 99 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-03-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2006-07-05 
確定日 2008-02-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第4488190号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1.本件商標
本件登録第4488190号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年12月27日に登録出願され、「新光みずほ証券」の文字を標準文字で書してなり、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同13年7月6日に設定登録されたものである。

第2.請求人の引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4246220号商標(以下「引用商標」という。)は、平成9年5月26日に登録出願され、「みずほねっと」の文字を標準文字で書してなり、第35類「広告,商品の販売に関する情報の提供」及び第38類「電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供」を指定役務として、同11年3月5日に設定登録されたものである。

第3.請求人の主張
請求人は、「本件商標は、その指定役務のうち『経営の診断及び指導,企業経営に関するコンサルティング,その他経営に関するコンサルティング,企業経営に関する情報の提供,企業の経営に関する調査及び研究,企業の合併及び企業の技術・販売・製造・資本などの提携に関する斡旋,企業の買収・合併及び提携に関する情報の提供,企業の動向に関する調査・分析,経済に関する調査・分析,市場調査,市場調査の結果の分析,事業開発・事業戦略に関する助言,商品の販売に関する情報の提供,経済情報の提供,企業情報の提供,経済予測,経済・経営に関する情報の提供,経済動向に関する情報の提供,広告,ホテルの事業の管理,広告用具の貸与,商品展示会及び商品見本市の企画・運営又は開催,商品の販売促進のための展示会及び見本市の企画・運営又は開催,トレーディングスタンプの発行,競売の運営』(以下「本件指定役務」という。)についての登録を無効とする。審判費用について被請求人の負担を求めない。」との審決を求め、その理由及び弁駁の理由を要旨次のように述べている。
1.請求の理由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同法第8条1項に該当するものであるから、その指定役務中、上記役務の登録は、無効とされるべきものである。
(1)本件商標を構成する文字に「みずほ」があることから、請求人所有の登録商標「みずほねっと」を引用商標とするものである。
本件商標「みずほ新光証券」と引用商標は共に構成する文字中に「みずほ」の文字を含むものである。
そして、引用商標と本件商標は、共にネット(インターネット)での役務の提供を対象除外とはしていない。
「広告」「商品の販売に関する情報の提供」といった情報提供の役務をネットで行なうにあたっては、電子メールやウェブサイトを用いることは決して稀なことではない。この電子メールやウェブサイトに使用するドメイン名として、「みずほねっと」に最も類似するといえるドメイン名に「MIZUHO.NET」がある。請求人はこの「MIZUHO.NET」を平成9年4月に取得しており、このドメイン名の取得を機に平成9年5月に「みずほねっと」を商標登録出願したものである。「MIZUHO.NET」の呼称「ミズホネット」、「みずほ(瑞穂)」と通信網(ネットワーク)・電気通信網(ネットワーク)・電子計算機(コンピュータ)網の略称としての「ネット」の複合語であり、これを我が日本生まれのかな(ひらがな)表記したものである。なお、「インターネット」は「inter(インター)」「network(ネットワーク)」の2つの語からの造語であり、「インターネット」は、「ネット」とも称されている。
本件商標については構成文字に「みずほ」があることから無効審判の請求をしたものであるが、被請求人の株式会社新光証券が「みずほ」の文字を構成中に有する「みずほ新光証券」の商標を出願し、また、登録商標として有しているのは、株式会社みずほフイナンシヤルクループの一員といった何らかの関係を有するものと考える。
(2)本件商標が商標法第4条第1頂第11号、同第15号及び同法第8条第1項に該当することについて
「みずほねっと」を例えば「MizuhoNet」、「MlZUHO NET」との表記で使用することは「平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の呼称及び観念を生ずる商標(商標法第50条第1項)といえるものである。では、「ドメイン名」はどうか、同条項の「社会通念上同一と認められる商標」に「みずほねっと」を「MIZUHO.NET」とするドメイン名の表示での使用が含まれるか否かの判断は特許庁に委ねることになるが、本件商標について商標法第4条第1頂第11号が適用されない場合であっても、同法第4条1頂第15条(出所について混同を生ずるおそれがある)の規定が適用されるべきである。
引用商標「みずほねっと」の「ねっと(ネット・NET)」の語(の部分)には自他役務の識別標識としての機能はなく、若しくは薄いものといえ、需要者・取引者に識別標識として強く認識されると思われる「みずほ(ミズホ・MIZUHO)」の部分のみをもって意識される場合も決して少なくない。
これに対し、本件商標「みずほ新光証券」の「みずほ」の部分からは、「ミズホ」の呼称及び「瑞穂(みずみずしい稲の穂)」の観念が生じる。
そうすると、「みずほねっと」の「みずほ」の部分からも、「ミズホ」の呼称及び「瑞穂(みずみずしい稲の穂)」の観念が生じるので、引用商標と本件商標とは同一又は類似のものであり、混同を生ずるおそれがある。
してみれば、本件商標の指定役務中、引用商標の指定役務及び類似役務については、商法法第8条第1項、同法第4条第1頂第11号及び同第15号のいずれかの理由、あるいは、複数の理由に該当するので、本件商標の登録は、指定役務中の前記の指定役務について、無効とされるべきものである。
2.弁駁の理由
(1)被請求人が答弁書で述べている、本件商標は「みずほ」「新光」「証券」の各語を軽重の差なく結合させた結合商標であり、構成全体として語呂・語感・語調がよいことから、被請求人が採択した一連の造語である。
したがって、本件商標からは、特段の観念は生じない(答弁書11頁26行目以下)との主張については、請求人は同意できない。
被請求人は、「みずほ新光証券」からは「瑞穂(みずほ)」の観念が生じるのか生じないのか、いずれをいっているのか、請求人ははっきり理解できない。
「みずほ」、「みずほフイナンシヤルグループに属さない内外の金融機関の名称(略称や旧称を含む。)」、「証券」という3つの語を結合させた結合商標について一連の造語であり特段の観念も生じないといえるのか。
(2)「辞書に多義的に記載されている」(答弁書4頁1行目)について
商標の類否判断上、ネットを辞書にあるその総ての記載を当てはめて、多義的が故に類似性を否定する立場は採るべきでない。証券業の業界においても「ネット取引」「ネット証券」といった言葉があり、需要者がどのように捉えるかが商標の類否を判断する上で大切なことである。
(3)国語審議会報告や内閣告示「外来語の表記」の表現方針から、ひらがな表示した「ねっと」は「インターネット」を示す文字ではない(答弁書3頁28行目)との指摘について
全ての文字をひらがな(同書・同大・同間隔)でまとまりよく一体的に表現されていて、引用商標全体から生じる呼称が全体で5音と短くよどみなく一気一連に称呼しうる(答弁書4頁18行目)との指摘について
(3-1)「みずほねっと」とあえてひらがなで表示・表記したことで、観念は別のものとなると被請求人は捉えているようである。
「瑞穂(瑞々しい稲の穂)」の観念・「みずほ」「ミズホ」「MIZUHO」の呼称・表音。また「通信網(ネットワーク)・電気通信網(ネットワーク)・電子計算機(コンピュータ)網といった網(ネット)・インターネット、ネットワーク、コンピュータネットワーク」の観念・「ねっと」「ネット」「NET」の呼称・表音が、ひらがなとカタカナとを混在させずに呼称・表音を表示・表記することで観念は全く別のものとなってしまうのか。
我が国の「仮名(かな)」「真名(まな)」文化、仮名「みずほ」の真名「瑞穂」、仮名「ねっと」の真名に相当するのは社会通念をして「(漢字ではないが)インターネット」となるのではないか。
(3-2)被請求人は「ネット」とカタカナ表示・表記していないのだから「インターネット」の意味ではないとの指摘である。
しかしながら、請求人の商標は「みずほネット」「瑞穂ネット」という表示・表記でなく「みずほねっと」とひらがな表示・表記をしたものである。ひらがな表示・表記した「ねっと」は「インターネツトを示す文字ではない」との指摘であるが、請求人は、商標の表示・表現については、国語審議会報告や内閣告示「外来語の表記」の表現方針に拘束されるものではないと考える。
(3-3)全ての文字をひらがなで、標準文字(同書・同大・同間隔)にてまとまりよく一体的に表現されていて、商標から生じる呼称が全体で5音と短くよどみなく一気一連に称呼しうると、被請求人はあえて、平仮名表示・表記に限定した視点のみから主張しているのはなぜなのか、理解できない。
それに、まとまりよく一体的に表現されている商標は、別段珍しくない。日本の商標が、まとまりなく、てんでんばらばらの表現が一般的であるとは思えないし、なぜ、このような指摘を被請求人はするのか。

第4.被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。と答弁しその理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第19号証(枝番を含む)を提出している。
1.請求人の主張の要点
本件商標は、請求人が保有する引用商標に類似し、本件商標の指定役務中、前記の本件指定役務については、引用商標の指定役務と同ー又は類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同法第8条第1項の規定に該当する。
また、本件商標は、引用商標と同じく「みずほ」の文字を共通にし、この「みずほ」から同一の称呼及び観念が生じることから、混同を生じるおそれがあるので、本件商標は、同法第4条第1項第15号の規定に該当する。
2.請求人の主張に対する反論
以下の理由により、上記請求人の主張はいずれも成り立たない。
(1)本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとの主張について(1-1)本件商標は、引用商標に類似しない。
商標の類否の判断は、商標の有する外観、称呼及び観念のそれぞれの判断要素を総合的に考察しなければならない(特許庁商標審査基準第3の九、1参照)。そこで、本件商標と引用商標をその外観、称呼及び観念のそれぞれの判断要素に照らして考察すると以下のとおりである。
(ア)外観上、本件商標は引用商標に類似しない。
本件商標は、平仮名文字及び漢字の「みずほ新光証券」を標準文字にて横書きした商標である。他方、引用商標は、平仮名文字の「みずほねっと」を標準文字にて横書きにした商標である。したがって、両商標は文字構成が異なり、外観上、両商標が非類似であることは明白である。
(イ)称呼上、本件商標は引用商標に類似しない。
本件商標からは、その構成文字に照応して「ミズホシンコウショウケン」の称呼が生じるのに対し、引用商標からは、その構成文字に照応して「ミズホネット」の称呼のみが生じる。両称呼は、音数及び音構成が顕著に異なり、称呼全体の語調、語感が全く異なるため、取引者及び需要者が明確に聴別し得るものであるから、本件商標は引用商標と称呼上、非類似のものである。その理由を詳述すれば以下のとおりである。
「みずほねっと」は全体で一体不可分の造語である。
請求人は、『「インターネット」は「ネット」とも称されています』と主張し(答弁書10(3))、『「みずほねっと」は「みずほ」と「ねっと」の2つの語の結合商標といえ、「ねっと」の部分は形容詞的文字といえる』と主張している(審判請求書18)。しかしながら、仮に、「ネット」の文字が、請求人が主張するように「インターネット」の略称として用いられることがあるとすれば、まさに請求人自身が『「インターネット」は「ネット」とも称されています』と主張しているように、外来語の通常の記載方法に従って(乙第1号証及び乙第2号証)、片仮名文字をもって「ネット」と記載されるはずである。外来語である「インターネット」の略称を平仮名で「ねっと」と記載して表現することが一般的であるという事実は全く無い。
したがって、引用商標に接した需要者、取引者は、引用商標を構成する文字のうち「ねっと」の部分を「インターネット」の略称としての「ネット」と認識することは無い。
仮に、引用商標の「ねっと」の文字が外来語の「ネット」に通じるとしても、「ネット」は、例えば、一般的な辞書である広辞苑(乙第3号証)に記載されているように、『(a)網。「ヘア・-」「バック・-」、(b)球技などで、コートの中央に張った網。(c)ネットワークの略。「一局」、(d)正味。純益。掛値なし。(e)ゴルフで一ラウンドの打数の総計(グロス)から自己のハンディキャップを差し引いた数。これによって順位を決める。ネット・スコア。」といった多義的な英語の「NET(net)」の表音である。また、このような多義的かつ漠然とした観念しか生じない「ネット」の語は、広辞苑に記載されているとおり、「ネット・イン(バレーボール、テニス、卓球などで、ボールがネットに触れて相手方のコートに入ること。)」、「ネット・プライス(正価)」、「ネットワーク(a、多数のラジオ・テレビ局がキー局を中心にして組織している番組供給網、b、コンピューター・ネットワークの略)」、「ネット・ワーキング」等といったように、他の語と結合して独立した新たな語(造語)を形成しやすい性格の強い語である。
してみれば、万一、仮に請求人が主張するように、「ねっと」の平仮名文字部分から「インターネット」の意味合いが生じることがあったとしても、「ねっと」の語が「みずほ」の語と結合して「みずほねっと」という独立した新たな語を形成していると看者から思われる基礎があることに加え、引用商標は、外観上、全ての文字を平仮名の標準文字(同書・同大・同間隔)にてまとまりよく一体的に表現されていること、引用商標全体から生じる称呼が全体で5音と短くよどみなく一気一連に称呼しうるものであること等を考え合わせると、引用商標に接した需要者・取引者は、これを全体として一体不可分の商標と理解・認識し、「ミズホネット」と称呼すると考えるのが自然である。
被請求人の挙げた登録例によれば、平仮名文字の「ねっと」は、他の語と結合して独立した新たな語(造語)を形成しやすい性格の強い語である事実を一般的に示しているといえる。したがって、引用商標の「みずほねっと」からは、称呼上「ミズホネット」の一連の称呼のみが生じる。
(ウ)小括
以上のとおり、引用商標のうち「ねっと」の部分は形容詞的文字であるという請求人の主張には、なんら合理的な理由がなく、被請求人が挙げた裁判例や特許庁における従前の登録実務で示されてきた判断基準とも相容れるものではない。引用商標のうち「みずほ」の文字が請求人の役務の出所を表示する商標として周知であるなどの特段の事情があるとすれば格別、そのような特段の事情がない本件においては、引用商標は、全体をもって特定の観念を生じない一体不可分の造語として認識し、把握され、その構成文字の全体に相応して「ミズホネット」の称呼のみが生じるものである。
そして、該称呼の「ミズホネット」を本件商標から生じる「ミズホシンコウショウケン」の称呼と対比すると、両称呼は、音数等の音構成に顕著な相違がみられることから、取引者及び需要者が十分に聴別し得るものであることが明らかである。
なお、請求人は、本件商標の『「みずほ新光証券」の「みずほ」の部分からは、「ミズホ」の称呼及び「瑞穂(みずみずしい稲の穂)」の観念が生じる』と主張し(審判請求書16頁)、本件商標から「ミズホ」の称呼が生じると主張しているが、仮にそうだとしても、「ミズホ」の称呼と引用商標から生じる「ミズホネット」の称呼を対比した場合、両商標は、構成音数や称呼全体としての語調・語感が顕著に相違するものであるから、需要者・取引者が十分に聴別できる点においてなんら変わるところはない。
したがって、称呼上、本件商標は引用商標とは非類似の商標である。
(エ)観念上、本件商標は引用商標に類似しない。
本件商標は、「みずほ」「新光」「証券」の各語を軽重の差なく結合させた結合商標であり、構成全体として語呂・語感・語調がよいことから被請求人が採択した一連の造語である。したがって、本件商標からは、特段の観念は生じない。他方、引用商標の「みずほねっと」という成語は存在しないから、引用商標に接した需要者、取引者は引用商標をなんら特定の語彙を有しない造語として認識し把握する。
したがって、本件商標と引用商標は観念上、類似しないことが明らかである。
(1-2)まとめ
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは外観、称呼及び観念のいずれについても類似しない商標であるから、互いに相紛れる恐れがないものであることは明白である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとの主張について 請求人は、引用商標を引用して、本件商標のうち本件指定役務について商標法第4条1項15号に該当すると主張するので、以下のとおり答弁する。
商標法第4条第1項第15号は、「他人の業務にかかる商品または役務と混同を生ずるおそれがある商標は、商標登録を受けることができないと規定する。したがって、同号に該当するためには、そもそも請求人が引用商標を何らかの業務について使用しているものであることが前提となるところ、本件商標の出願時および査定時において、引用商標が請求人の業務にかかる商品または役務について使用され、広く知られていたという事実はおろか、そもそも請求人が引用商標を何らかの業務について使用したという事実すらない。
よって、混同が生じる対象となる請求人の業務自体が存在しないのであるから、本件商標が引用商標との関係において商標法第4条第1項第15号に該当するとの請求人の主張は、主張自体失当である。
したがって、本件商標は、本件指定役務について商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
(3)本件商標が商標法第8条第1項に該当するとの主張に対する反論
請求人は、引用商標を引用して、本件商標は、本件指定役務について商標法第8条第1項に該当すると主張するので、以下のとおり答弁する。
上記(1)で述べたとおり、本件商標はそもそも引用商標に類似しない。また、商標法第8条第1項は、時間的に先後して2以上の商標登録出願があった場合において、同一又は類似関係にある後願商標が先願商標より先に登録された場合に適用される無効理由であるところ、本件商標の設定登録日は平成13年7月6日であり、引用商標の設定登録日は平成11年3月5日であるから、本件商標の登録は引用商標の登録より後になされたものである。
したがって、本件商標は、本件指定役務について商標法第8条第1項に違反して登録されたものではない。
(4)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同法第8条第1項のいずれにも違反していないから、答弁の趣旨に記載のとおりの審決を求めるものである。

第5.当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおり「みずほ新光証券」の文字を書してなるから、これよりは「ミズホシンコウショウケン」の称呼及び該証券会社の名称を看取させるものと認められる。
これに対し、引用商標は、前記のとおり「みずほねっと」の平仮名文字を同書、同大、同間隔に一連に書してなるものであり、これより生ずる称呼も冗長でなく一気に称呼し得るものであるから、これよりは「ミズホネット」の称呼のみを生ずる造語よりなるものと判断するのが相当である。
しかして、本件商標より生ずる「ミズホシンコウショウケン」の称呼と引用商標より生ずる「ミズホネット」の両称呼は、音構成、構成音数において顕著な差異を有するものであるから、それぞれを一連の称呼しても、何ら相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と引用商標は、それぞれ前記の構成よりなるから、外観上、十分に区別し得る差異を有するものであり、さらに、観念においては引用商標は前記したとおり造語と認められるから、両者は比較し得ないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、その指定役務において抵触するところがあるとしても、その称呼、外観及び観念のいずれの点からみても、非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標は、上記(1)で認定・判断したとおり非類似の商標と認められるものであり、かつ、そもそも商標法第4条第1項第15号の規定は、引用商標が需要者の間に広く認識されていること(著名性)が要件とされているところ、請求人は、引用商標の著名性はもとより、引用商標をその指定役務に使用していることについて何らの証拠も提出していないものであるから、本件商標をその指定役務に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれがあるものとすることはできない。
(3)商標法第8条第1項について
商標法第8条第1項は、「同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について異なった日に二以上の商標登録出願があったときは、最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる」と規定されており、上記(1)のとおり、本件商標は、引用商標とは類似する商標とはいえないので、商標法第8条第1項に違反したものではない。
(4)結び
したがって、本件商標は、その指定役務中、請求人の主張に係る前記本件指定役務について、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-04-03 
結審通知日 2007-04-06 
審決日 2007-04-17 
出願番号 商願平11-118710 
審決分類 T 1 12・ 261- Y (Z35)
T 1 12・ 4- Y (Z35)
T 1 12・ 271- Y (Z35)
T 1 12・ 262- Y (Z35)
T 1 12・ 263- Y (Z35)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 青木 博文 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 寺光 幸子
小林 和男
登録日 2001-07-06 
登録番号 商標登録第4488190号(T4488190) 
商標の称呼 シンコーミズホショーケン、シンヒカリミズホショーケン、シンコーミズホ、シンコー、ミズホショーケン、ミズホ 
代理人 鳥海 哲郎 
代理人 永田 早苗 
代理人 阪田 至彦 
代理人 廣中 健 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ