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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y1418
審判 全部申立て  登録を維持 Y1418
管理番号 1171248 
異議申立番号 異議2007-900319 
総通号数 98 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-02-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-07-13 
確定日 2008-01-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5038366号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5038366号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5038366号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成18年7月10日に登録出願、第14類及び第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年2月22日に登録査定され、同年4月6日に設定登録されたものである。

第2 申立て理由の概要
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4978932号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成14年10月29日を国際登録日とする国際登録第791468号商標が取り消されたことに基づく商標法第68条の32の規定による登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年8月18日に設定登録されたものである。
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は「エイチエム」の称呼を生じ、一方、引用商標も「エイチエム」の称呼を生ずるものである。また、引用商標は少なくとも外国において婦人服等について周知著名の商標であるところ、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と密接な関係にあるファッション関連商品である。本件商標は、引用商標が外国で周知著名であることを知りつつ、その構成態様を変更し、かつ、引用商標の指定商品でないファッション関連商品を指定して出願・登録されたものであって、かかる商標について出願することには不正の利益を得る目的が認められ、権利を取得することは国際信義に反する。すなわち、本件商標は、不正の目的をもってその使用をする商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の商標として、外国のみならず既に我が国においても広く一般に知られている(甲第3号証ないし甲第12号証)から、これと称呼が共通する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 本件商標と引用商標との類似性について
本件商標及び引用商標は、それぞれ別掲(1)及び(2)のとおりの構成よりなるものである。
そして、別掲(1)の本件商標の構成・態様は、赤色欧文字の「H」と「M」の間に、両文字の二分の一程度の大きさの赤色の五稜星を配してなるもので、該「H」と「M」の欧文字を構成するの横線部分が細く飛び出しているようにデザイン化されており、全体として、横広の安定感のある文字と星の組み合わせからなるものである。
これに対して、引用商標の構成・態様は、「H」と「M」の間に、両文字の四分の一程度の小さい「&」を配してなるもので、また、該「H」と「M」の欧文字はやや右に傾き筆字風に柔らかく、かつ文字の太さも一定しておらず、全体として、流れるような文字と「&」との組み合わせからなるものである。
そこで、本件商標と引用商標とを対比するに、上記のとおり、本件商標は、欧文字の「H」と「M」の間に「星」の図形が配され、該「H」と「M」の欧文字自体も横線部分が細く飛び出しているようにデザイン化され、全体として、横広の安定感のあるのに対し、引用商標は、欧文字の「H」と「M」の間に「&」が配され、該「H」と「M」の欧文字自体もやや右に傾き筆字風に柔らかく、かつ太さも一定しておらず、全体として、流れるよう文字と「&」との組み合わせからなるものあるから、両者は全体の印象が明らかに異なり時と所を異にして観察しても互いに紛れるおそれのない、商標として極めて類似性の程度の低いものというべきである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、商標として誤認混同しない外観上別異ものである。また、本件商標全体からは特定の称呼を生ずるとはいえないが、仮に生ずるとしても「エイチエム」の称呼であるのに対し、引用商標全体からは「エイチアンドエム」の称呼を生ずるものといえ、このことは申立人の提出に係る甲第5号証「フリー百科事典『ウィキペディア』」における「H&M(えいちあんどえむ)は、スエーデンのアパレルメーカー…」という記述からも裏付けられるものである。
してみれば、本件商標から生ずる「エイチエム」の称呼と引用商標から生ずると「エイチアンドエム」は、構成音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼上十分区別し得るものである。
さらに、観念については、両者は比較することができないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、時と所を異にして観察しても類似性の程度が極めて低い商標として誤認混同しないものというべきである。
2 商標法第4条第1項第19号について
上記1のとおり、本件商標は、引用商標とは商標において明らかに類似性の程度の極めて低い別異の商標というべきであり、引用商標等の出所表示機能を希釈化させたり、又は、その名声を毀損させるなど不正の目的をもって使用するものとはいえないものである。
3 商標法第4条第1項第15号について
引用商標が本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る「婦人服、紳士服」等のを表示する商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、本件商標と引用商標とは、上記とおり、商標において明らかに類似性の程度の極めて低い別異の商標というべきであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないといわざるを得ない。
4 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項19号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)登録第5038366号商標(本件商標)




(2)登録第4978932号商標(引用商標)


異議決定日 2007-12-20 
出願番号 商願2006-63981(T2006-63981) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y1418)
T 1 651・ 222- Y (Y1418)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大橋 信彦 
特許庁審判長 小林 和男
特許庁審判官 小川 きみえ
石田 清
登録日 2007-04-06 
登録番号 商標登録第5038366号(T5038366) 
権利者 サンヘルメス株式会社
商標の称呼 エイチエム、エッチエム 
代理人 原 隆 
代理人 田島 壽 
代理人 青木 篤 

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