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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 110
管理番号 1168891 
審判番号 取消2006-30249 
総通号数 97 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-01-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-02-22 
確定日 2007-11-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第1916238号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1916238号商標(以下「本件商標」という。)は、「ココロ」の文字と「KOKORO」の文字とを二段に横書きしてなり、昭和59年1月27日に登録出願、第10類「理化学機械器具、光学機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、同61年11月27日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張の要旨
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「唾液を用いて人間のストレス度合いを測定する装置その他の測定機械器具及びこれらに類似する商品」についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)請求の理由
請求人の調査によれば、本件商標の指定商品中「唾液を用いて人間のストレス度合いを測定する装置その他の測定機械器具及びこれらに類似する商品」については、被請求人又は使用権者において過去3年間に全く使用された形跡がなく、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人は、株式会社国際電気通信基礎技術研究所からRobovie-2(「2」は、ローマ数字による表記。以下同じ)用ソフトスキンセンサ試作を受注した旨述べており、また、乙第5号証の「製品名」の欄には「新Roboviee2表面のセンサー付きソフト素材外装制作」と記載されており、更に、乙第6号証ないし同9号証の「商品名」及び「商品コード/品名」の欄にも「新ロボビー2用ソフトスキンセンサ試作」と記載されていることからみれば、被請求人は、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)から、ソフトスキンセンサの「試作」あるいは「試作品の制作」を依頼されたことは明らかである。そして、乙第5号証の「仕様」の欄には、「センサーはATRより支給」との記載がされており、この圧力センサは、人との触覚コミュニケーションを図るロボット用のスキンセンサにとっては、中核となる部品であって、係る部品の供給を受けて行う試作品の納品は、加工サービスに該当するサービスを行ったにすぎないものである。
(イ)乙第6号証ないし同9号証によると、受注先・宛名のすべてが株式会社国際電気通信基礎技術研究所であることから、当該ロボット用スキンセンサは、只1個の試作に係り、注文主である株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)に提供されたものであり、その後、その下部組織にすぎない知能ロボティクス研究所(IRC)に提供されたとしても、市場に流通する性質のものではなく、商標法上の「商品」に該当するものとはいえない。
(ウ)試作に係る「ソフトスキンセンサ」は、「センサ」を中核の部品とするもので、単に圧力を入力として感知し、それをセンサリードを通して出力するだけのものであり、「ある量の大きさを計器や装置を用いて計り、数値として出力する」という「測定」機能を備えず「測定機械器具」に該当しないものである。
(エ)乙第7号証ないし同9号証の取引書類には、アルファベット表記された「kokoro」がデザイン化された商標及び片仮名「ココロ」が法人を示す株式会社の文字と連続して標記されているが、ただ一度限りの使用であり、しかも、試作品を対象としたものであって、商品流通の場にあって取引の目印とされる商標の機能、すなわち、自他商品・役務の識別標識としての機能を発揮する態様で使用されたといえるものではなく、商標法上の「使用」には該当しないことは明らかである。
(オ)以上のとおり、乙各号証によるも、被請求人は、本件取消審判の予告登録前3年以内に、日本国内において、本件取消審判の請求に係る本件指定商品中の「唾液を用いて人間のストレス度合いを測定する装置その他の測定機械器具及びこれらに類似する商品」について、本件商標を使用したことを証明したとはいえない。

3 被請求人の答弁の要旨
被請求人は、本件審判請求は却下する、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第10号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)請求人は、本件商標の指定商品中の「唾液を用いて人のストレス度合いを測定する装置その他の測定機械器具及びこれらに類似する商品」の取り消しを求めているが、請求人が取消を求めている商品は、その範囲が不明確である。
よって、本件審判請求は、被請求人において指定商品の使用を立証する範囲を不明確にするものであって、不適法な審判請求であるから、商標法第56条で準用する特許法第135条の規定により、審決をもって却下されるべきものである。
(2)本件商標権者による本件商標の使用の事実について
(ア)本件商標権者は、ロボットの開発、企画制作、製造、販売等を目的とする会社であり(乙第1号証)、設立以来、今日までに国内外において広く人体型ロボット事業等を展開している(乙第2号証)。
そして、本件商標権者は、ロボット事業では、多くの研究機関に対して、当該研究機関で用いられる研究機材のロボットに取り付けられる測定装置等の測定機械器具の製造販売も行っており、例えば、2004年には、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)に対して、ロボット用ソフトスキンセンサの製造販売を行っている。
この株式会社国際電気通信基礎技術研究所は、電気通信分野における基礎的・独創的研究の一大拠点として内外に開かれた研究所を設立する構想のもとに設立され(乙第3号証の1)、下部組織として知能ロボティクス研究所(IRC)が設けられている(乙第3号証の2)。IRCは、コミュニケーションロボットの研究開発を進めており、その一つに、日常生活支援の人型ロボット「Robovie(ロボビー)」の開発がある(乙第4号証の1)。ロボビーは、ロボット単体の知能だけでなく、社会関係や周囲状況に応じた対話行動ができる社会的知能を備えるために、身振り、発話、スキンシップなど様々な手段で、人と違和感のないコミュニケーションを実現する技術が組み込まれている。乙第4号証に示すように、口ボビーはシリーズ化されており、Robovie-2にスキンシップ(触覚コミュニケーション)機能を持たせるためにソフトスキンセンサを組み込んだものとして、Robovie-2sがある。
(イ)本件商標権者の商品
本件商標権者は、株式会社国際電気通信基礎技術研究所によるRobovie-2sの開発において、Robovie2用のソフトスキンセンサの試作を受注し、製造販売した(乙第5号証ないし乙第9号証)。
このRobovie-2sは、Robovie-2用ソフトスキンセンサによって体表が覆われており、人がロボットに触れたときの各ピエゾセンサーからの出力を解析することで人の位置や姿勢を推定することができ、また、各ピエゾセンサー出力の時間変化を解析することで、人間がロボットのどこをどの様に触ったかといった人間の触り方を抽出・判別することができる(乙第4号証の2及び乙第4号証の3)。これにより、Robovie-2sは、人間の「なでる」「たたく」「くすぐる」などの触り方及び触った部位からその人の精神作用を分析し、精神療法に用いる看護ロボットといった福祉・医療用機器として応用することもできるのである。Robovie-2用ソフトスキンセンサについての詳細は、乙第5号証及び乙第10号証「超五感センサの開発最前線」に掲載されているとおりである。
このように、本件商標権者の製造販売に係るRobovie-2用ソフトスキンセンサは、Robovie-2に触覚コミュニケーション機能を付したRobovie-2sにおいて、人がロボット体表に触れた際にピエゾセンサーによって圧力を測り、その圧力分布から人の位置や姿勢、さらに精神作用等を判別させるものであるから、商標法上、「測定機械器具」に該当するものである。
(ウ)本件商標の使用時期及び使用場所について
上述したように、本件商標権者は、株式会社国際電気通信基礎技術研究所から、遅くとも2004年8月18日にはRobovie2用のソフトスキンセンサの試作を受注した(乙第5号証及び乙第6号証)。
そして、本件商標権者は、Robovie-2用ソフトスキンセンサを製造し、遅くとも2004年12月15日には製造した試作品を株式会社国際電気通信基礎技術研究所内にある知能ロボティクス研究所(IRC)に納入した(乙第7号証ないし乙第9号証)。
そして、本件商標権者が株式会社国際電気通信基礎技術研究所と交わした納品書、物品受領書及び請求書(乙第7号証ないし乙第9号証)には、デザイン化されているがアルファベットの「kokoro」と法人を示す株式会社の文字と連続して標記されているが片仮名の「ココロ」が表示されており、いずれも納品書、物品受領書及び請求書に記載された商品であるRobovie-2用ソフトスキンセンサの出所を示す記載として用いられているものであり、本件商標権者の商標として使用されているものである。
(エ)まとめ
以上のように、本件商標権者は、Robovie-2用ソフトスキンセンサの製造販売に関する取引書類である納品書、物品受領書及び請求書について商標「kokoro」及び「ココロ」を付している。また、これら取引書類に記載された取引対象であるRobovie-2用ソフトスキンセンサは、「測定機械器具」に該当するものである。
したがって、本件商標権者は、本件取消審判の予告登録日前3年以内に、日本国内において、本件取消請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していることは明らかである。

4 当審の判断
(1)本案前の主張について
被請求人は、請求人が取消を求めている商品の範囲は不明確であって、不適法な審判請求であるから、本件審判請求は商標法第56条において準用する特許法第135条の規定により、審決をもって却下されるべきものである旨主張している。
しかしながら、請求人が取消を求めている商品の範囲は、「唾液を用いて人間のストレス度合いを測定する装置その他の測定機械器具及びこれらに類似する商品」であり、仮に、被請求人において、例示として挙げられている「唾液を用いて人間のストレス度合いを測定する装置」が具体的にどのような商品であるのかを把握できなかったとしても、請求人が取消を求めているのは、該商品ばかりでなく、該商品を含む測定機械器具であり、「測定機械器具」自体は、平成3年10月31日通商産業省令第70号をもって改正された商標法施行規則の前後を問わず、その別表中に掲載されている商品表示である。
してみれば、請求人が取消を求めている商品の範囲が不明確であるとはいえないから、この点についての被請求人の主張は採用できない。
(2)次に、本件商標の使用の事実について判断する。
(ア)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
乙第5号証(制作伝票の写し)には、商標権者が株式会社国際電気通信基礎技術研究所から、「新Robovie2表面のセンサー付きソフト素材外装制作」を平成16年8月18日に受注したことが記載されており、乙第7号証(納品書控の写し)、乙第8号証(物品受領書の写し)及び乙第9号証(請求書の写し)には、商標権者が株式会社国際電気通信基礎技術研究所へ、依頼された製品を平成16年(2004年)12月15日に納品した旨記載されている。
そして、乙第7号証ないし乙第9号証の納品書、物品受領書及び請求書には、別掲のとおりの構成からなる商標がその右肩に表示されている。
また、乙第5号証の仕様欄の記載事項及び乙第10号証(株式会社エヌ・ティー・エス2005年11月25日発行「超五感センサの開発最前線」)には、「Robovie2表面のセンサー付きソフト素材外装」等の説明が記載されている。
(イ)上記において認定した事実によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成18年3月14日)前3年以内である平成16年8月18日に、「新Robovie2表面のセンサー付きソフト素材外装」の制作を株式会社国際電気通信基礎技術研究所から受注し、同年12月15日に株式会社国際電気通信基礎技術研究所へ該製品を納品したものと認められる。
(ウ)しかして、乙第5号証の仕様欄の記載事項及び乙第10号証の文献の記載によれば、該「Robovie2表面のセンサー付きソフト素材外装」は、人間の皮膚に似た触感覚を担保するシリコン樹脂シートと、シリコン樹脂シート上に複数配設されたピエゾセンサー(「piezo-」は、圧力(pressure)の意の連結形)と、ピエゾセンサーからの出力を制御回路に送る配線と、これらピエゾセンサー及び配線をシリコン樹脂シートとの間で挟持するウレタンシート及びベースシートからなっており、樹脂シートの全面に亘ってピエゾセンサーが規則的に配列されているため、人がロボットに触れると、その触れる場所によってピエゾセンサーの出力が異なるため、その各ピエゾセンサーからの出力を解析することで、人の位置や姿勢を推定することができ、また、各ピエゾセンサー出力の時間変化を解析することで、人間がロボットのどこをどの様に触ったかといった人間の触り方を抽出・判別することができるものである(乙第4号証の2及び乙第4号証の3)。
このようなセンサー付きソフト素材外装の構造に照らしてみれば、該センサー付きソフト素材外装は、人がロボットに触れたとき、どこをどの様に触ったかといった触り方を「測定」することにその中心的な機能があるものとみるのが相当である。
そうとすれば、該センサー付きソフト素材外装は、取消請求に係る「測定機械器具」の範疇に属する商品といわなければならない。
また、乙第7号証ないし乙第9号証の取引書類に表されている商標は、別掲に示したとおりの構成からなるところ、近年、構成文字の一部をデザイン化して表現することが少なくない実情にあることからみれば、その欧文字部分は、容易に「KOKORO」の欧文字を小文字をもって表したものと把握し得るものであり、片仮名文字部分は、「ココロ」の文字の左側に「株式会社」の文字が付されてはいるが、「ココロ」の文字が太字で大きく表されていることから、容易に「ココロ」の文字部分を「株式会社」の文字から分離して把握し得るものである。
そうとすれば、商標の使用は、商標を付する対象に応じて、適宜に変更を加えて使用されるのがむしろ通常であり、本件商標と別掲の使用に係る商標とは、その表現方法に若干の差異があるとしても、本件商標も使用に係る商標も、いずれも、「ココロ」という同一の称呼を生ずるものであって、商標の持つ出所表示機能自体に差異はなく、この程度の変更がなされているとしても、社会通念上同一の商標と認識し得る範囲内の使用と認めることができる。
(エ)以上を総合してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取引書類に表示して、「測定機械器具」の範疇に属する商品と認められる「Robovie2表面のセンサー付きソフト素材外装」を販売したものと認めることができる。
(3)請求人の主な反論について
(ア)本件商標は、商品について使用されたものではなく、試作品の制作という、それも主たる部品を制作依頼主より供給を受けて行う加工役務について使用されたものである旨の主張について
乙第1号証(履歴事項全部証明書)によれば、被請求人は、ロボットの開発、企画制作、製造、販売並びに賃貸や、コンピュータ制御応用機械の開発、企画制作、製造、販売並びに賃貸、動刻(動く動物模型)の設計、製作、販売並びに賃貸、さらに看護ロボット等福祉・医療関連機器、遊具の開発、企画制作、製造、販売並びに賃貸等を目的とする会社であり、乙第2号証(被請求人の会社案内)によれば、被請求人は、設立以来、今日に至るまで、国内外において広く動刻事業、人体型ロボット事業等を展開していることを認めることができる。
そうとすれば、依頼者である株式会社国際電気通信基礎技術研究所にとっては、「新Robovie2表面のセンサー付きソフト素材外装」の試作品としての依頼であったとしても、受注者である被請求人は、「ロボットの開発、企画制作、製造」等を業務にしているのであるから、依頼に基づいて、「新Robovie2表面のセンサー付きソフト素材外装」の開発・製造をしたとしても、被請求人が自己の企画・設計に基づいて開発・製造した製品を納品した行為は、被請求人にとっては、商標法上の商品としての製造であり、商標法上の商品として販売したものというべきである。そして、該製品に用いる「センサー」を依頼者から提供されていたとしても、被請求人が自己の企画・設計に基づいて開発・製造した製品は、乙第5号証の仕様欄の下部にも記載されているように、「新たな構造のスキン」の制作であり、単に、提供されたセンサーを加工処理することにとどまるものとはいえない。
(イ)試作品は只一個、依頼主に納入されたものであって、流通を前提とする商標法上の商品には該当しない旨の主張について
被請求人と株式会社国際電気通信基礎技術研究所との間で「試作」という用語を用いていたとしても、上記したとおり、被請求人は、商標法上の商品として「Robovie2表面のセンサー付きソフト素材外装」の製造・販売をしたものというべきである。そして、商品の中には、部品や中間製品などのような性質の商品もあることからみれば、該商品自体がその後転々流通することを前提としていないからといって、商標法上の商品の製造・販売に当たらないとはいえず、また、商標法上の商品といえるか否かは、製造・販売した商品の個数によって決まるものでもない。
(ウ)「ソフトスキンセンサ」は、「センサ」を中核の部品とするもので、単に圧力を入力として感知し、それをセンサリードを通して出力するだけのものであり、「ある量の大きさを計器や装置を用いて計り、数値として出力する」という「測定」機能を持つものではなく、「測定機械器具」には該当しない旨の主張について
上記したとおり、本件商標の使用に係る「Robovie2表面のセンサー付きソフト素材外装」は、人がロボットに触れたとき、どこをどの様に触ったかといった触り方を「測定」することにその中心的な機能があるものということができる。
ところで、本件商標の指定商品は、第10類「理化学機械器具、光学機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品とするものであるところ、平成3年10月31日通商産業省令第70号をもって改正された商標法施行規則の前後を問わず、その別表中に表示されている「測定機械器具」の概念の中には、次のような商品が例示されている。
「1 基本単位計量器」として「物指し、はかり、温度計」等の商品が、「2 誘導単位計量器」として「速度計、圧力計、濃度計、比重計」等の商品が、「3 精密測定機械器具」として「長さゲージ、角度ゲージ、ねじ測定機械器具」等の商品が、「5 材料試験機」として「金属材料硬さ試験機、金属材料強度試験機、繊維材料試験機」等の商品が、「6 測量機械器具」として「精密経緯儀、距離測量機、写真測量機、ジャイロコンパス」等の商品が、「7 天文用測定機械器具」として「天頂儀、子午儀、天体分光儀」が例示されており、これらの商品は、測定機能が前面に出ている「測定機械器具」ということができる。
しかしながら、「測定機械器具」の概念の中には、このような商品ばかりでなく、「4 自動調節機械器具」として、「温度自動調節機械器具、熱量自動調節機械器具、圧力自動調節機械器具、真空自動調節機械器具、液体自動調節機械器具、液面自動調節機械器具、液体組成自動調節機械器具、自動燃焼調節機械器具、プログラム調節機械器具」が例示されている。
そして、特許庁商標課編集、社団法人発明協会発行の「商品区分解説」によれば、この「4 自動調節機械器具」の解説として「”オートメーション装置”といわれるものである。これらは、主体が測定機械器具なので、この概念に属することとなる。」と記載されている。
上記した商標法施行規則別表の商品分類及び商品区分解説を総合してみれば、「測定機械器具」という概念に含まれる商品は、請求人が主張しているような「ある量の大きさを計器や装置を用いて計り、数値として出力する」という測定機能を第一義的に持つ商品ばかりではなく、測定機能を前面には出していないが、その主体が測定機械器具であると認められるような商品も「測定機械器具」の概念に包含されているものということができる。
このことに照らして、本件商標の使用に係る「Robovie2表面のセンサー付きソフト素材外装」をみるに、上記したとおり、該商品は、人間の皮膚に似た樹脂シートの全面に亘ってピエゾセンサーが規則的に配列されているため、樹脂シートの一部に触れると、場所によってピエゾセンサーの出力が異なり、圧力分布が表れて、その各ピエゾセンサーからの出力を解析することで、人の位置や姿勢を推定し、また、各ピエゾセンサー出力の時間変化を解析することで、人間がロボットのどこをどの様に触ったかといった人間の触り方を抽出・判別することができるものであるから、該センサー付きソフト素材外装は、測定機能そのものを前面に出してはいないが、その主体は測定機能にあるものとみるのが相当である。
そして、現実に使用されている商品は、商標法におけるいずれの商品類似群に属するかについて、その判断が極めて困難な商品も存するのが実情であり、特に、不使用取消審判の場においては、登録商標の使用されている当該商品の実質に則して、それが真に複数の商品類似群に属する多面性を有する商品であれば、当該複数の商品類似群に属する商品について登録商標が使用されているものと扱っても差支えないというべきであり、このように解しても、不使用取消審判制度の趣旨に反することにはならないものというべきである。
そうとすれば、被請求人の取り扱いに係る商品は、その主体が測定機能にあるものということができるから、これは、取消請求に係る「測定機械器具」の範疇に属する商品として使用されていたものといわなければならない。
(エ)取引書類に表示されている商標は、ただ一度限りの使用であり、しかも、試作品を対象としたものであって、商品流通の場にあって、自他商品・役務の識別標識としての機能を発揮する態様で使用されたものではなく、商標法上の「使用」には該当しない旨の主張について
被請求人の製造・販売に係る製品の商品性については、先に判断したとおり、商標法上の商品と認められるものである。そして、商品の取引書類に表示されている商標も自他商品の識別標識としての機能を発揮し得る態様で使用されているものであって、商標法第2条第3項第7号に規定されている使用行為と認められるものである。
(オ)そうしてみると、請求人の上記主張は、いずれも理由のないものというべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標を取消請求に係る指定商品中の「測定機械器具」の範疇に属する「Robovie2表面のセンサー付きソフト素材外装」について使用していたものといわなければならない。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る「唾液を用いて人間のストレス度合いを測定する装置その他の測定機械器具及びこれらに類似する商品」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
使用に係わる商標

審理終結日 2006-12-26 
結審通知日 2007-01-09 
審決日 2007-01-23 
出願番号 商願昭59-6160 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (110)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小松 英世 
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 山口 烈
井岡 賢一
登録日 1986-11-27 
登録番号 商標登録第1916238号(T1916238) 
商標の称呼 ココロ 
代理人 川瀬 幹夫 
代理人 田村 榮一 
代理人 小池 晃 
代理人 小谷 悦司 
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