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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Y0916 審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Y0916 審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Y0916 |
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管理番号 | 1164244 |
異議申立番号 | 異議2006-90315 |
総通号数 | 94 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-10-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-07-10 |
確定日 | 2007-08-17 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4940925号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4940925号商標の指定商品中、第9類「電気コネクタ,接続器」についての登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4940925号商標(以下「本件商標」という。)は、「ロータリーオプティカルコネクタ」の文字を標準文字で表してなり、平成17年8月17日に登録出願、第9類「光コネクタ,電気コネクタ,接続器」及び第16類「印刷物」を指定商品として、同18年3月31日に設定登録され、その後、その指定商品中の「光コネクタ」以外の全ての商品について、商標権の一部放棄による抹消の登録が同19年6月27日にされているものである。 第2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、(1)本件商標の指定商品中、第9類「電気コネクタ,接続器」については、商標法第4条第1項第16号に該当する。(2)指定商品中、第16類「印刷物」については、同法第4条第1項第11号に該当する。及び(3)指定商品中、第9類「光コネクタ」については、同法第4条第1項第15号に該当する旨主張し、本件商標は、同法第43条の2第1項により、取り消されるべきである旨述べ、証拠方法として、甲第1ないし第17号証を提出している。 1 商標法第4条第1項第16号について 本件商標は、「ロータリーオプティカルコネクタ」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、コネクタを取り扱う業界において、「オプティカルコネクタ」の語は、「光コネクタ」を表示するものとして普通に使用されている事実があることから、本件商標をその指定商品中「光コネクタ」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきである。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)引用商標 申立人が引用する登録第397098号商標(以下「引用商標」という。)は、「ROTARY」の欧文字と「ロータリー」の片仮名文字とを二段に書してなり、昭和24年11月21日に登録出願、旧々第66類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同26年3月3日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品及び商品区分については、第16類「書画,写真及び印刷物」とする書換登録が平成13年4月11日にされたものである。 (2)本件商標と引用商標は、「ロータリー」の称呼を共通にする類似のものであり、その指定商品も同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、取り消すべきものである。 3 商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、申立人に係る商標として広く認識されているものであり、本件商標がその指定商品「光コネクタ」に使用されるときは、これに接する取引者、需要者は、申立人の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、取り消すべきものである。 第3 本件商標に対する取消理由通知 当審は、商標権者に対し、意見書を提出する期間を指定して、平成19年1月26日付けで商標登録の取消の理由を通知した。その要旨は、次のとおりである。 1 申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。 (1)オーシャンフォトニクス株式会社のホームページ(甲第2号証)には、その取扱製品「ファイバマルチチャンネル分光器」3品目の「仕様」の欄に、「オプティカルコネクタ」の記載がある。 (2)INCOM CO.,LTDのホームページ(甲第3号証)には、製品名を「オプティカル・メタルハイブリッドコネクタ」として、その製品画像とともに、製品説明として「・・・オプティカルコネクタ部は、コンベンショナルなLC Duplexコネクタ・・・」との記述があり、カテゴリの項目に「電子部品(光デバイス/光ファイバ関連機器)」と記載されている。 さらに、当審において職権をもって調査したところ、以下の事実が認められる。 (3)トモカ電気株式会社の製品情報(www.tomoca.co.jp/neutrik/neutrik.html)には、「オプティカルコネクター」として、甲第3号証とほぼ同様の形状をした製品写真が掲載されている。 (4)株式会社コレガの製品情報(www.corega.co.jp/products/list/others/mc100sc.htm)には、「メディアコンバータ」の仕様について、インターフェースとして「オプティカル コネクター」の表示がある。 (5)マルティメディア・インターネット事典(デジタル・クリエーターズ連絡協議会。www.jiten.com)によれば、「光コネクタ」の項に「Optical conector」の語が併記されている。 2 以上よりすれば、「オプティカルコネクタ」の文字は、取引上光コネクタを表示するものとして普通に使用されているとみるべきであるから、本件商標をその指定商品に使用するときには、その構成中、後半の「オプティカルコネクタ」の文字部分に着目した取引者・需要者が当該商品を光コネクタ(オプティカルコネクタ)と認識し理解するというのが相当である。 そうとすれば、本件商標を、第9類の指定商品「光コネクタ,電気コネクタ,接続器」中「光コネクタ」以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。 3 したがって、本件商標の登録は、「光コネクタ」以外の上記指定商品について、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものである。 第4 商標権者の意見 上記第3の取消理由に対して、商標権者は、その意見を要旨次のように述べた。 本件商標の登録に関し、指定商品中、「光コネクタ」以外の商品について一部抹消登録申請書を提出したので、取消理由は解消したものと思料する。 第5 当審の判断 1 商標法第4条第1項第16号について 本件商標を構成する「オプティカルコネクタ」の文字は、前記第3(取消理由の通知)で認定したとおり、コネクタを取扱う業界において取引上「光コネクタ」を表示するものとして普通に使用されているとみるべきである。 したがって、本件商標についてした先の取消理由は妥当なものであって、本件商標の登録は、第9類の指定商品「光コネクタ,電気コネクタ,接続器」中「光コネクタ」以外の商品については、商標法第4条第1項第16号に違反するものとして、取り消すべきものである。 なお、商標権者は、本件商標について、商標権の一部放棄を理由にその取消理由が解消する旨意見(上記第4)を述べているが、登録異議の申立てにおいては、「取消決定が確定したときは、その商標権は、初めから存在しないものとみなす」(商標法第43条の3第3項)と規定されていることから、いわゆる、取消の効果は登録時まで遡及するものというべきである。 他方、商標権の権利放棄の効果は、専ら当該放棄に係る権利の抹消登録後において発生するものであって、放棄前にまでその効果が遡及するものと解すべきではないから、本件商標の登録後にされた商標権の一部放棄の事由は、本件商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとした先の取消理由の認定判断に何ら影響を及ぼすものではない。 2 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記第1に記載したとおり「ロータリーオプティカルコネクタ」の文字からなるところ、構成各文字ともに、まとまりよく一体的に表されており、その指定商品中の「印刷物」との関係においては、いずれの部分が強く印象され、それより生ずる称呼・観念をもって、取引に資されるとすべき格別の理由も見出せない。 また、構成全体より生ずる称呼「ロータリーオプティカルコネクタ」もやや冗長といえるとしても、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、これよりは、「ロータリーオプティカルコネクタ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないとするのが相当である。 他方、引用商標は、その構成文字に相応して「ロータリー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 そうすると、両称呼は、その構成音数において明確な差異を有するから、判然と区別し得るものであり、また、観念については、比較することができないものである。 さらに、両商標は、それぞれの構成において明らかに相違するから、外観上相紛れるおそれもないものである。 してみると、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点よりしても、引用商標と類似する商標と判断することはできない。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第16類「印刷物」について、商標法第4条第1項第11号に違反するものとして取り消すべきものとすることはできない。 3 商標法第4条第1項第15号について 申立人が提出した甲各号証によれば、引用商標が、出版物などに使用されている事実は認められるものの、これらの甲各号証によっては、引用商標が、取引者・需要者間において周知・著名なものとなっていると認めるに十分とはいえないものである。 そうであれば、本件商標をその指定商品中、「光コネクタ」に使用しても、その商品が申立人または同人と何らかの関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所についての混同を生ずるおそれがあるとすることはできないものと判断する。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第9類「光コネクタ」について、商標法第4条第1項第15号に違反するものとして取り消すべきものとすることはできない。 4 したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項により結論掲記の指定商品について取り消すべきものとし、本件異議申立に係るその余の商品である第9類「光コネクタ」及び第16類「印刷物」についての登録は、取り消すべき理由がないものであるから、同法第43条の3第4項の規定により、登録を維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2007-07-02 |
出願番号 | 商願2005-76712(T2005-76712) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
ZC
(Y0916)
T 1 651・ 272- ZC (Y0916) T 1 651・ 271- ZC (Y0916) |
最終処分 | 一部取消 |
前審関与審査官 | 佐藤 達夫 |
特許庁審判長 |
山田 清治 |
特許庁審判官 |
鈴木 新五 久我 敬史 |
登録日 | 2006-03-31 |
登録番号 | 商標登録第4940925号(T4940925) |
権利者 | 中部日本マルコ株式会社 |
商標の称呼 | ロータリーオプティカルコネクタ、ロータリーオプティカル、ロータリー |
代理人 | 飯田 伸行 |
代理人 | 林 恒△徳▽ |
代理人 | 土井 健二 |