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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) Z25
管理番号 1155732 
審判番号 無効2006-89041 
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-05-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2006-04-04 
確定日 2007-04-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第4465596号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4465596号の指定商品中第25類「被服」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.本件商標
本件登録第4465596号商標(以下「本件商標」という。)は、「エミスフェール」の文字を標準文字で書してなり、平成12年5月9日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,べルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同13年4月6日に設定登録されたものである。

2.請求人の引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第1624716号商標(以下「引用商標」という。)は、「HEMISPHERES」の欧文字を横書きしてなり、第17類の願書に記載の商品を指定商品として、昭和55年1月28日に登録出願、同58年10月27日に第17類「被服,布製身回品,寝具類」を指定商品として設定登録されたものである。その後、同8年9月27日及び同15年11月25日に存続期間の更新がされ、指定商品については、同16年9月15日に、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」に指定商品の書換登録がされたものである。

3.請求人の主張の要旨
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第8号証(枝番を含む)を提出した。
(請求の理由)
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は商標法第46条第1項1号により無効とすべきものである。
(1)本件商標は引用商標と類似する。
本件商標は、前記の態様であるから「エミスフェール」の称呼を生ずる。
他方、引用商標からもその態様から「エミスフェール」の称呼を生ずる。
「HEMISPHERES」は、「半球」を意味するフランス語であり、また、本件商標の指定商品であり引用商標の指定商品である被服を取扱う業界では比較的フランス語がなじまれていることから、「HEMISPHERES」はフランス語読みに「エミスフェール」と発音される(甲3、同旨の審決、判決は多数ある)。
加えて、そもそも、引用商標「HEMISPHERES」は、著名なフランスのデザイナー ジャン-セバスチャン・ツバルク(故人。引用商標の出願人の一方であり、他方の出願人(現在の権利者でもある)は請求人の実母である。引用商標の現在の権利者の一方がジャン-セバスチャン・ツバルクの相続人である)が創作したブランドであるが、引用商標の登録された昭和58年から日本に導入され広く広告、宣伝、販売された。「HEMISPHERES」ブランドの婦人服は、被請求人の関連会社である株式会社ストックマン(甲4、甲5。なお、甲5に示す住所には株式会社ストックマンは登記されていない)がライセンシーとなり(子供服はレナウンがライセンシー)、昭和58年被請求人が設立され、被請求人が「HEMISPHERES」ブランドの婦人服を製造し、販売した(甲6、7枚目)。被請求人は、現在も「HEMISPHERES」ブランドの婦人服を製造し、青山店、玉川高島屋店、神戸店、大阪心斎橋店、京都店、名古屋店で販売し、広告宣伝している(甲6、甲7)。
即ち、被請求人は、ジャン-セバスチャン・ツバルク及びもう一人の権利者である請求人の実母の実質的なライセンシーであった。そして、現在は無断で引用商標を使用している。
被請求人は、「HEMISPHERES」ブランドの婦人服の販売広告宣伝に際し、「エミスフェール」を併記して使用したし、現に使用している。
従って、「HEMISPHERES」が「エミスフェール」と称呼することは、かかる使用によっても良く知られていた。実際、ネットのヤフーで「エミスフェール」で検索すると、約9710件ヒットし、「エミスフェール」と「HEMISPHERES」とを併記した見出しが幾つもある。
以上述べた通り、引用商標から「エミスフェール」の称呼が生ずること、明白である。
よって、本件商標は引用商標と類似する。
(2)本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と類似するものであり、かつ、引用商標の出願日、登録日は本件商標の出願日、登録日より先立つ
ものである。
(3)よって、本件商標は商標法4条1項11号に該当するものであるから、その登録は法46条1項1号により無効とすべきである。

4.被請求人の答弁
被請求人は、何ら答弁していない。

5.当審の判断
本件商標は、前記のとおり「エミスフェール」の片仮名文字よりなるから、構成文字に相応して、「エミスフェール」の称呼を生ずるものである。
これに対し、引用商標は、前記したとおり「HEMISPHERES」の欧文字よりなるところ、この綴り字は「(地球、天の)半球、半球体」を意味する英語の複数形と認められるから、これを英語読みにすれば「ヘミスフィアーズ」の称呼を生ずると認められるものであるが、同時に、「半球」を意味する仏語(複数形)の綴り字とも同じであることからすると、本件商標の指定商品(特に「被服」)を取り扱う業界においては、ファッションの発信地ともいわれるフランスとの関係において仏語が多く使用される実情を考慮した場合には、これを仏語読みにして「エミスフェール」(複数形は称呼されず。)の称呼をもって取引に資されることも決して少なくないと判断するのが相当である。
そうとすれば、引用商標からは、「ヘミスフィアーズ」の称呼のほか、「エミスフェール」の称呼をも生ずるものと認められる。
してみれば、本件商標と引用商標は、「エミスフェール」の称呼を同じくする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中「被服」と引用商標の指定商品中第25類「被服」とは同一又は類似のものといわなければならない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「被服」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきであり、その余の指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-11-06 
結審通知日 2006-11-09 
審決日 2006-11-27 
出願番号 商願2000-49986(T2000-49986) 
審決分類 T 1 11・ 262- ZC (Z25)
最終処分 一部成立  
前審関与審査官 柳原 雪身小林 裕子 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 岩崎 良子
小川 有三
登録日 2001-04-06 
登録番号 商標登録第4465596号(T4465596) 
商標の称呼 エミスフェール 
代理人 古木 睦美 
代理人 佐藤 雅巳 

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