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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 111 |
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管理番号 | 1153765 |
審判番号 | 取消2005-30831 |
総通号数 | 88 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-04-27 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2005-07-11 |
確定日 | 2006-12-27 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第1488595号の1商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第1488595号の1商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和46年1月19日登録出願、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とし、昭和56年11月27日に登録第1488595号商標として設定登録され、その後、平成9年9月17日に「ゴルフ練習場用防護ネット,バッティングセンター用防護ネット,テニスコート用防護ネット,その他の運動施設用防護ネット」についてその登録を取り消す審判の確定登録がされ、平成11年3月8日に「洗たく機」について、登録第1488595号の2商標へ分割移転の登録がされ、さらに、指定商品については、平成14年11月6日に指定商品の書換登録がなされた結果、第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品風水力機械器具,農業用機械器具(蚕種製造用又は養蚕用の機械器具を除く。),漁業用機械器具,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,機械式駐車装置,芝刈機,業務用食器洗浄機,業務用電気式ワックス磨き機,業務用電気掃除機,電動式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,軸・軸受・軸継ぎ手・ベアリング(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),動力伝導装置(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),制動装置(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),バルブ(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。)」、第11類「工業用炉,原子炉,ボイラー,業務用揚物器,業務用食器乾燥機,業務用炊飯器,業務用煮炊釜,業務用焼物器,業務用レンジ,冷凍機械器具,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),太陽熱利用温水器,浄水装置,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,し尿処理槽,業務用ごみ焼却炉」及び第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素(緩衝器,ばねを除く。),乗物用盗難警報器,落下傘」となって、現に有効に存続しているものである。 第2 請求人の主張 請求人は、「本件商標は、その指定商品中『第7類 化学機械器具、第11類 乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中「第7類 化学機械器具、第11類 乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器」につき、継続して3年以上日本国内において使用されていないので、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)被請求人は、「本件商標が商標権者によって日本国内において審判請求前3年以内にその指定商品である第7類の「化学機械器具」及び第11類の「乾燥装置」について使用されている」と主張している。しかし、被請求人の提出した各乙号証を精査しても、下記の理由により、本件審判請求前3年以内に、日本国内において商標権者自らが本件商標を第7類の「化学機械器具」及び第11類の「乾燥装置」について使用している事実が認められない。 (2)商標法の商品に当たるかどうかについて (ア)商標法における「商品」は、商取引の目的物として流通性のあるもの、すなわち、一般市場で流通に供されることを目的として生産される有体物であると解すべきである(平元.11.7東京高裁平成元年(行ヶ)139号判決、昭63.3.29東京高裁昭和62(ネ)1462号判決)。 被請求人の使用に係る商品は、一般市場で流通に供されることを目的として生産された有体物ということはできないから、商標法における商品には当たらない。 (イ)甲第2号証の1は、被請求人によるホームページの企業情報を示すものであるが、まず、基本理念として「世界のピストンメーカーとして優れた製品を提供」する企業であることを謳い、会社概要の欄で生産品目として、各種内燃機関用ピストン、ピストンピン、その他アルミ鋳鍛造品を挙げ、会社沿革で、被請求人は、会社設立依頼一貫としてピストンの開発・製造・販売を行っている。すなわち、ピストン、ピストンピン、その他アルミ鋳鍛造品(以下「ピストン等」という。)の製造販売をしていることは示されているが、ピストン以外の装置又はピストン等の生産設備の製造・販売をしていることは示されていない。 甲第2号証の2は、被請求人に係るホームページの生産設備を示しているものであるが、「アートとアートグループの生産設備は、そのほとんどが自社オリジナルであり、企画・設計・製造まで内製化しています。」と記載され、その主な保有設備には、被請求人が化学機械器具という各種メッキ処理を行う各種表面処理設備が含まれている(ここで「アート」とは、被請求人「アート金属工業株式会社」のこと。)。アートとアートグループ(以下「アート等」という。)の生産設備は、いずれも、被請求人が製造・販売する商品であるピストン等を生産するためのもので、一般市場で流通に供されることを目的として生産される商品ではない。 すなわち、被請求人が販売したと主張する高圧洗浄装置、スズメッキ装置、あるいは、乾燥装置は、いずれも被請求人が保有するピストン等を生産する生産設備であり、一般市場で流通に供されることを目的として生産される商品ではなく、アート等がピストン等の生産に使用する内製の生産設備である。 (ウ)一方、被請求人が商品の販売先と主張しているタイ国のART‐SERINA PISTON CO.,LTDは、被請求人がタイ国に進出して設立した現地法人であり、アート等の一員である(乙第5号証の2、甲第2号証の1及び甲第3号種の1ないし4)。したがって、被請求人がアート等の一員に使用させるために内製した、ピストン等の製造に使用する生産設備をアート等の一員に引き渡し、その対価を受領したからといって、これは、被請求人を含むアート等に所属する会社間の内部取引と解されるものであり、被請求人の製造した生産設備は、一般市場で流通に供されることを目的として生産された有体物ということはできないから、商標法における商品には当たらない。 (3)使用に係る商品について (ア)被請求人は、乙第1号証、乙第4号証及び乙第6号証により、本件商標が「化学機械器具としての高圧洗浄装置」、「スズメッキ装置」、及び「乾燥装置」に使用されている事実を証明すると主張しているが、これら乙号証の印刷した写真が、それら装置を表しているのか不明である。これらの写真を印刷するに際し、これらの写真を加工して、写真内に、例えば、「高圧洗浄装置開閉状態」(乙第1号証の最上段の写真)なる文字を枠で囲んで挿入しているが、それが高圧洗浄装置であるか不明である。「同号証の下段の『高圧洗浄装置設備番号プレート』と示したものが前記銘板の拡大写真である。」と主張しているが、機械番号内の文字が不鮮明で、上段、下段に示す写真との関係が不明である。また、COMMERCIAL INVOICE(乙第2号証の1)には、「本件商標と、高圧洗浄装置の英文表記「HIGH PRESSURE WASHING MACHINE」とが表示されている」と主張しているが、乙第1号証に示すものが、高圧洗浄装置であるかどうか不明なのであるから、乙第2号証の1をもって乙第1号証に示すものが高圧洗浄装置か不明である。 さらには、乙第2号証の1は、最下行右側の署名欄に作成者の記名・押印或いは署名もなく、書証として成立し得るのか不明でもある。乙第2号証の2も作成者が不明であり、また、同号証によっても乙第1号証に記載のものが高圧洗浄装置であるか不明である。 なお、乙第3号証を挙げて「銘板を商品に取り付け、しかる後に商品が販売先に引き渡されるものであることはいうまでもないことである」と主張しているが、内製品に自社の銘板を取り付けることは通常行われることで、銘板を商品に取り付けることをもって商品を販売することにはならない。 (イ)「乙第4号証は、本件商標が『スズメッキ装置』に使用されている状態を示す写真である」と主張しているが、この写真に示すものが、「スズメッキ装置」なのか、また、被請求人が製造したものなのか不明である。同号証中段の写真の右側の装置の筐体上部に「301-T95003」とあるが、同号証下段の銘板の機械の番号は「301-T95005」と読み取れ、この銘板が中段に示す装置に対応するものなのか不明である。また、同号証の中段に示す装置と下段に示す装置の各部分の対応関係が不明である。さらに、「この商品は、乙第5号証の1の本件商標を付してなるCOMMERCIAL INVOICEからわかるように販売先であるタイ国のART-SERINA PISTON CO.,LTDを受取人として2003年4月30日到着予定で船積み荷として名古屋から出荷されていることがわかる」と主張しているが、乙第5号証の1は、最下行の署名欄に作成者の記名・押印あるいは署名もなく、書証として成立し得るのか不明である。また、同号証の記載中の被請求人が摘示した番号「VF1-T95003」のうち「VF1」なる記号は、乙第4号証になく、かつ、銘板に記載の番号とも一致せず、さらに、当該番号の上に「PLANTING MACHINE」とあり、その英文名称からはスズメッキ装置とはいえず、その装置の内容が不明である。 したがって、これら乙第4号証、第5号証の1及び2から、本件商標が「スズメッキ装置」に使用されていることは証明されているとはいえない。 (ウ)「乙第6号証は、本件商標が『乾燥装置』に使用されている状態を撮影した写真である」と主張しているが、この写真に示すものが、「乾燥装置」なのか、また、被請求人が製造したものなのか不明である。 また、「この写真の真ん中の『乾燥装置側面』とある写真の右寄り中程に本件商標を付した赤い地色の銘板が写っているが、この銘板を拡大撮影したものが下段の写真である」と主張しているが、拡大撮影した銘板の本件商標の左側に白っぽい模様があり、これは、中段の写真の銘板の地色の模様とは異なっていて、下段に示すものが中段に示す装置の銘板の拡大撮影したのかも不明である。 乙第7号証の1は、2004年2月の船積み荷明細伝票と主張しているが、同号証最下段に日付と思われる「12MAR2004」が記載され、そして、その日付の上数行に亙りある金額を支払う旨の記載があり、これが船積み荷明細伝票なのか不明である。さらに、乙第7号証の2のCOMMERCIAL INVOICEは、最下行の署名欄に作成者の記名・押印或いは署名もなく、書証として成立し得るのか不明である。 (エ)以上、各乙号証によっても、被請求人が「化学機械器具としての高圧洗浄装置」、「スズメッキ装置」及び「乾燥装置」を製造・販売しているのか不明であり、また、被請求人の使用に係る商品は、一般市場で流通に供されることを目的として生産された有体物ということはできないから、商標法における商品には当たらない。 したがって、本件審判請求前3年以内に、日本国内において商標権者自らが本件商標を第7類の「化学機械器具」及び第11類の「乾燥装置」について使用している事実が認められない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)本件商標は、その請求に係る第7類の「化学機械器具」、第11類の「乾燥装置」に使用されているので、かかる請求人の主張は失当であるといわざるを得ない。 (2)化学機械器具としての高圧洗浄装置(機)への使用について 乙第1号証は、第7類の「化学機械器具としての高圧洗浄装置(機)」に本件商標が使用されている状態の写真である。この商品は、審判請求前3年以内にタイ国の企業へ販売されたものである。 この写真は、平成17年8月29日にART-SERINA PISTON CO.,LTD.の駐在員である奥村清一によって撮影されたものであり、写真中央部の金属色を呈するものが本件商標が使用されている「化学機械器具としての高圧洗浄装置(機)」である。 この装置の前面右下の赤い矩形状の部分が本件商標を付してなる商品の銘板であり、同号証の下段の「高圧洗浄装置設備番号プレート」と示したものが、前記銘板の拡大写真である。この銘板からは、「ARTの斜体欧文字を横書きし、当該文字ARTの前後にダブルクォーテーション・マークを付した本件商標」、被請求人の名称の英文表記、機械NO.及び製造日が表示されていることが確認できる。 銘板の製造日欄からは、2005年3月3日の日付が確認できる。そして、ART-SERINA PISTON CO.,LTD.を販売先として、この商品4ユニット(計4,664,000円)を東京からタイ国のバンコックへ2005年3月25日到着予定で船積み荷として輸出されたことがCOMMERCIAL INVOICE(乙第2号証の1)及びART-SERINA PISTON CO.,LTD.の2005年3月の船積み荷明細伝票(乙第2号証の2)から明らかである。 このCOMMERCIAL INVOICEには、本件商標と、高圧洗浄装置の英文表記「HIGH PRESSURE WASHING MACHINE」とが表示されているのである。 乙第2号証の3は、三井住友銀行の外国送金到着のご案内の写しである。この書証によれば、ART-SERINA PISTON CO.,LTD.から被請求人を受取人として、2005年5月24日に本件商品4ユニット分の代金を含む乙第2号証の2の明細伝票に記載の金額が支払われた事実が明白である。 前述のことから、審判請求前3年以内に「化学機械器具としての高圧洗浄装置(機)」が本件商標を付した銘板を輸出に先立って国内で取り付けられて流通過程に置かれ、その後船積みされて引き渡された事実が肯定される。 したがって、本件商標が商標権者によって審判請求前3年以内に「化学機械器具としての高圧洗浄装置(機)」について日本国内で使用されたことが明らかである。 なお、本件商標を付した銘板(乙第3号証)は、国内の銘板メーカーによって製作され被請求人に納入される。被請求人は、個々の商品を製造すると、その商品に付ける銘板に機械NO.及び製造年月日を表示するとともに、前記銘板を商品に取り付け、しかる後に商品が販売先に引き渡されるものである。 (3)スズメッキ装置への使用について 乙第4号証は、本件商標が「化学機械器具」の範疇の商品である「スズメッキ装置」に使用されている状態を示す写真である。この写真は、前記乙第1号証の写真と同様に奥村清一が撮影したものである。 この書証の下段の「スズメッキ装置設備番号プレート」として本件商標を付した銘板が写っているが、この銘板は、前記商品に付されている銘板を拡大撮影したものである。銘板からは、本件商標、製造販売者である被請求人の社名の英文表記、機械NO.及び製造日とが確認できるが、銘板の機械NO.欄には「301-T95003」と記され、この機械NO.がこの商品に表示されている番号「301-T95003」と符合している。そして、この銘板の製造日欄からは、2003年3月31日の日付が確認できる。 してみると、この商品は、2003年3月31日に製造されたことがわかる。 この商品は、乙第5号証の1の本件商標を付してなるCOMMERCIAL INVOICEからわかるように販売先であるタイ国のART-SERINA PISTON CO.,LTD.を受取人として2003年4月30日到着予定で船積み荷として名古屋から出荷されたものである。 このCOMMERCIAL INVOICEにある「VF1-T95003」が商品の機械NO.であり、前記第4号証の写真の機械NO.と一致する。 乙第5号証の2は、被請求人のART-SERINA PISTON CO.,LTD.に対する売掛金を示す補助元帳の写しであり、相手科目欄の中程(伝票No40186)に記載されている「輸出D/No.64004」とあるのが前記乙第5号証の1に記載されている「Invoice No.AT-64004」なのである。 これらのことから、写真の商品が2003年3月31日に製造されて本件商標を表示した銘板が国内で当該商品に付され、その後タイ国の企業へ販売されたことが明らかである。 したがって、本件商標が「スズメッキ装置」に本件審判請求前3年以内に被請求人によって使用された事実が明白である。 (4)乾燥装置への使用について 乙第6号証は、本件商標が第11類の「乾燥装置」に使用されている状態を撮影した写真である。この写真は、前記奥村清一によって平成17年8月29日に撮影されたものである。 「乾燥装置側面」とある写真の右寄り中程に本件商標を付した赤い地色の銘板が写っているが、この銘板を拡大撮影したものが下段の写真である。この拡大写真からは、本件商標、製造販売者である被請求人の英文表記、機械No.、製造日を確認することができる。 この銘板によれば、本件商標を付した商品が機械No.「RD1-T04002」として、2004年2月10日に製造されたことがわかる。 乙第7号証の1は、ART-SERINA PISTON CO.,LTD.の2004年2月の船積み荷明細伝票であるが、この伝票のNO.10のInvoice No.欄の「AT-64-121」は、 乙第7号証の2の被請求人のCOMMERCIAL INVOICEの「Invoice No.AT-64-121」のことである。 そこで、乙第7号証の2のCOMMERCIAL INVOICEを見ると、本件商標が付されている上に、そのDESCRIPTION OF GOODS欄の末行に「DRYER MACHINE NO.RD1-T04002」と記載されていることが確認できる。さらに、前記商品がART-SERINA PISTON CO.,LTD.を受取人として、2004年3月4日到着予定で被請求人から船積み荷で名古屋からタイ国へ出荷されていることがわかる。 乙第7号証の3は、三井住友銀行の外国送金到着のご案内の写しである。この写しによれば、「ACCOUNT NO.200454」で2004年4月22日にART-SERINA PISTON CO.,LTD.から被請求人に所定の代金が支払われたことがわかる。 すなわち、乙第7号証の3の外国送金到着のご案内の写しの送金額が乙第7号証の1の船積み荷明細伝票の「乾燥装置」の代金を含む総額と一致していることからして、前記商品が製造された2004年2月10日以降、2004年3月4日頃までに被請求人から受取人へ販売されたことが裏付けられるのである。 このようなことから、本件商標が国内において審判請求前3年以内に被請求人によってその指定商品である第11類の「乾燥装置」に使用された事実は、明白であるといわざるを得ない。 (5)このように本件商標が商標権者によって日本国内において審判請求前3年以内にその指定商品である第7類の「化学機械器具」及び第11類の「乾燥装置」について使用されている。 よって、被請求人は、答弁の趣旨のとおりの審決を求める次第である。 2 弁駁に対する答弁 (1)商標法の商品に当たるかどうかについて (ア)請求人は、被請求人の使用に係る商品は一般市場で流通に供されることを目的に生産された有体物ではないから商標法にいう商品には当たらないと主張し、前記商品の販売先であるタイ国のART-SERINA PISTON CO.,LTD.がアート等の一員であると決めつけ、商品の販売が会社間の内部取引に当たるから、商品が一般市場を目的に生産された有体物とはいえず、したがって、商標法における商品ではないとしているが、極めて失当である。 前記商品は、一般市場で販売することを目的に生産されるものであって、被請求人によってタイ国の別法人である会社に販売されたのである。ただ、商品が特殊なものであって、価格も高いので、数多く販売されるという性格のものではない。たまたま、証明期間との関係で提出した資料が外国法人向けに売却したものとなったが、証明期間の前後では(審判請求前3年以内の証明とはならないので提出を省く。)、当然のことながら国内の法人に一括払いで販売したり、あるいはリースにて販売したりしているので、一般市場で流通過程にのせて取引されているといえるのである。 例えば、乙第9号証は、被請求人によって製造されたアルマイト処理装置がトヨタ自動車株式会社へ販売されたことを示す取引伝票及び商品の仕様書の写しであるが、この資料からも被請求人によって製造された商品がART-SERINA PISTON CO.,LTD.以外の法人へ販売されていること、換言すると、被請求人によって製造された商品が広く一般市場で流通過程にのって取引されていることが理解されよう。 (イ)請求人は、甲第2号証の1からピストン等の製造販売をしていることは示されているが、ピストン以外の装置又はピストン等の生産設備の製造・販売をしていることは示されていないと述べているが、この点については、甲第2号証の1のインターネット・ホームページで触れられていないだけのことである。 また、請求人は、アート等の生産設備は、いずれも被請求人が製造・販売する商品であるピストン等を生産するためのもので、一般市場で流通に供されることを目的に生産される商品ではないと主張しているが、高圧洗浄装置、スズメッキ装置、乾燥装置は、ピストン等を生産する生産設備に限定されるものではなく、ピストン等以外、換言すると自動車産業以外の分野の各種の製品やそれらの部品の高圧洗浄や錫鍍金あるいは乾燥のための汎用装置として広く利用できるものである。 したがって、高圧洗浄装置、スズメッキ装置、乾燥装置がピストン等の生産に使用する内製の生産設備であるとする請求人の主張は、当を得ていないのである。内製とは、請求人がいうようなアート等の一員に使用させるためにだけ製品を被請求人の会社で製造することをいうのではない。アート等の一員も含めて一般企業をも対象とした製品作りを被請求人の会社で行っていることは、当然のことである。 (ウ)請求人は、甲第2号証の1、甲第3号証の1ないし4を提出して、「ART-SERINAPISTON CO.,LTD.」は被請求人の現地法人でアート等の一員であるから、「ART-SERINA PISTON CO.,LTD.」から対価を受領しても会社間の内部取引にあたり、引き渡した生産設備は、商標法上の商品には当たらないと主張している。 内部取引とは、企業内部で行われる価値の移動をもたらす取引のことであると解されるところ、例えば、支店間の取引は、企業単位で捉えた場合には内部取引であるが、独立会計を採用している場合で会計単位で捉える場合には、外部取引となるのである。「ART-SERINAPISTON CO.,LTD.」は、合弁企業であって企業としては別法人、独立した別会計であるので、高圧洗浄装置、スズメッキ装置、乾燥装置は、流通市場を介して販売されたものであるといえ、商標法における商品なのである。 (2)「化学機械器具としての高圧洗浄装置」、「スズメッキ装置」、「乾燥装置」への使用について (ア)乙第1号証、乙第4号証及び乙第6号証の各写真は、「化学機械器具としての高圧洗浄装置」、「スズメッキ装置」、「乾燥装置」を撮影した写真に相違ない。 乙第1号証の写真について「化学機械器具としての高圧洗浄装置」であるか不明であると述べているが、この写真の金属色を呈する装置は、当該装置内に被洗浄物を入れ、蓋をして装置内で高圧力の洗浄水を吐出して被洗浄物を洗浄するものである。この装置は、高圧洗浄装置として特殊な構造をしているわけではないので、高圧洗浄装置の写真に高圧洗浄装置の名称が付されていれば、当該分野の取引者なら当然のようにそれが「高圧洗浄装置」であることを認識理解するのである。 乙第2号証の1は、作成者の記名・押印あるいは署名もなく、乙第2号証の2も作成者が不明であり、また同号証によっても乙第1号証のものが高圧洗浄装置であるか不明であると述べている。しかし、 乙第2号証の1の「COMMERCIAL INVOICE」は、担当者によって真正に作成されたものであり、乙第2号証の2については、取扱者の捺印及び署名が認められるものであり、これら乙第2号証の1及び乙第2号証の2に記載の金額が乙第2号証の3の三井住友銀行の外国送金到着の案内伝票と符合するので、乙第2号証の1ないし乙第2号証の3の各書証から「高圧洗浄装置」が販売されたことは明らかである。 「高圧洗浄装置」について登録商標が使用された事実は、乙第2号証の1の「COMMERCIAL INVOICE」の左肩部分に登録商標が大きく付されていることからも肯定される。 乙第3号証の銘板について、内製品に自社の銘板を取り付けることは通常行われることで、銘板を商品に取り付けることをもって商品を販売することにはならない、と請求人は主張しているが、乙第3号証の銘板は、被請求人が販売する商品に付されるものなのである。この銘板には、機械NO.や製造日のほかに登録商標が表示されているのである。通常、機械(装置)類などには、この種の銘板が付けられて取引されており、銘板に付されたマークが商標として自他商品識別機能を果たしているのである。 商標法第2条第3項の定義より、商品に商標を付することは、商標の使用に当たるのであるから、商品「高圧洗浄装置」に本件商標を(銘板をもって)付することは、本件商標の使用にほかならないのである。 この点における商標の使用については、「商品に登録商標を付することは本法2条3項1号の示すごとく、その商品が専ら輸出に供されるものであったかどうかとかかわりのないところであり、訴外通常実施権者において注文品に登録商標が付されていたとするならば、その者において商標を使用していたものであり、それにも拘わらず、登録商標が指定商品について使用された事実の立証を欠くとした審決の判断は矛盾するもので違法といわなければならない。」(昭和59年2月28日東京高裁昭和57年(行ケ)236号)との判例があり、この判決は最高裁でも支持されて確定しているのである(昭和59年10月25日最高裁昭和59年(行ツ)249号)。ことからも裏付けられる(乙甲第8号証)。 乙第1号証の下段の銘板の写真には、製造日として2005年3月3日の日付が刻印されており、乙第2号証の1の「COMMERCIAL INVOICE」が2005年3月4日に作成され、2005年3月12日に「高圧洗浄装置」を出荷することからすれば、本件商標が表された銘板が当然のことながら出荷前に日本国内で「高圧洗浄装置」に付されていたことは、疑いの余地のないところである。 そうとすれば、前記判例から本件商標は審判請求前3年以内に日本国内で使用されていたことは、明白なのである。 (イ)乙第4号証の写真に示すものは、「スズメッキ装置」に相違なく、被請求人が製造して「ART-SERINAPISTON CO.,LTD.」に販売したものである。 同号証の銘板の写真について、銘板の機械番号が「301-T95005」と読み取れるとのことであるが、銘板が汚れたり、傷ついたりしているので、末尾の数字「3」が「5」のように見えるのである。また、この装置は、撮影角度や撮影枚数などの関係で対応関係がわかりにくいところがあるが、銘板は、写真に示す「スズメッキ装置」のものである。銘板の機械NO.「301-T95003」と装置の筐体上部に表示されている記号番号「301-T95003」が同じであることからも把握できる。また、乙第5号証の1の「COMMERCIAL INVOICE」の署名欄に作成者の記名・押印あるいは署名がないことを指摘されているが、この点については、記名・押印などが省略されているとしても真正に作成されたものに相違ないのである。乙第5号証の2の売掛金を示す補助元帳の写しと金額が符号することを見れば納得できるはずである。 乙第5号証の1に関して、「VF1-T95003」の「VF1」なる記号は乙第4号証になく、銘板に記載の番号とも一致しないとのことであるが、前記記号は商品の種類を示す略号であり、加工装置などに使用されている。 さらに「PLANTING MACHINE」の英文名称からはスズメッキ装置とはいえないと指摘されているが、前記英文表記は「PLATING MACHINE」とすべきところを、「PLANTING MACHINE」と打ち間違ったものである。「PLATING MACHINE」は、「メッキ装置」として認識理解されるので、前記指摘については単純なミスタイプとして納得できよう。 本件商標が「スズメッキ装置」に使用されているといえるのである。 (ウ)乙第6号証の写真のものは、「乾燥装置」であって、被請求人が製造し、「ART-SERINA PISTON CO.,LTD.」に販売した商品である。 また、前記写真に関し、拡大撮影した銘板の左側に白っぽい模様があり、これは中段の写真の銘板の地色の模様と異なっているとの点については、中段の写真と拡大撮影した銘板の撮影角度や位置、光線のあたり具合などによって色調が微妙に違ったり、反射したりした結果によるものである。銘板の拡大写真は、中段の装置の銘板を拡大したものに相違ないのである。 乙第7号証の1について船積み荷明細伝票なのか不明であるとのことであるが、船積み荷を InvoiceのNo.や日付順に整理し、支払い金額等必要事項が伝票形式で記載されているので、船積み荷明細伝票と称したのである。 さらに、乙第7号証の2の「COMMERCIAL INVOICE」については、署名欄に作成者の記名・押印あるいは署名がないとの指摘であるが、記名等がないとしても真正に作成されたものである。乙第7号証の2の「Invol Ce・No:AT- 64-121」が、乙第7号証の1のNO.欄の10.に記載されており、両書証の「Invoice No:AT- 64-121」の金額が一致しており、さらに、乙第7号証の1には「ACCOUNT NO:200454」が付けられていて、この「ACCOUNT NO:200454」で総括された金額が被請求人に支払われたことが乙第7号証の3の三井住友銀行の外国送金到着のご案内で明白である。 乙第7号証の1ないし3を総合勘案すれば、乙第7号証の1及び2に対する請求人の疑問は、解消されるはずである。 また、乙第7号証の2の「COMMERClAL INVOICE」には本件商標が付されており、「乾燥装置」を指称する「DRYER」が商品の明細に記載されているので、換言すれば商品のINVOICEに本件商標が付されているので、この点からも商標の使用といえるのである。 乙第6号証ないし乙第7号証の3から本件商標が審判請求前3年以内に「乾燥装置」について使用されていた事実は、疑いの余地のないものである。 (エ)請求人は、被請求人が「化学機械器具としての高圧洗浄装置」、「スズメッキ装置」、「乾燥装置」を製造・販売しているか不明であると主張しているが、各乙号証による書証及び被請求人の答弁から被請求人が前記各商品を製造販売していることは、争えない事実である。 また、被請求人の使用に係る前記各商品は、一般市場で流通に供することを目的に生産販売されるものであるから、商標法上の商品であることに相違ないのである。 ここで前記各商品の輸出について触れると、輸出するにあたっては、その前段階として日本国内で商品が譲渡される。すなわち、日本国内で商標を付した商品の譲渡が発生しているので、その譲渡段階で商標が取引の目印として機能するから、当然に商標の使用が発生しているわけである。 本件の場合、被請求人がタイ国の「ART-SERINA PISTON CO.,LTD.」に商品を輸出しているが、その輸出に先立って日本国内で本件商標が付された商品の譲渡がなされているのである。この商品の譲渡の段階で本件商標が使用され、商標としての機能を発揮しているのである。商品を購入する者にとっては、商品を実際に目で確認し、商品の品質性能、使い勝手、価格等の商品情報を事前に十分に調査し、知っておくことは極めて重要なことであり、商品購入に当たっては、当然なされなければならない検討課題である。本件の場合、「ART-SERINA PISTON CO.,LTD.」にとっては、購入する商品そのものがいずれも大変高額なものであるので、当然のことながら十分慎重に商品選びがなされるはずである。 このようなことを考慮すれば、「ART-SERINA PISTON CO.,LTD.」の立場からは、輸出に先立って日本国内での譲渡前に十分な時間をかけて商品の選択行動がとられているのである。すなわち、日本国内で譲渡前に本件商標が付された商品の確認がなされているだろうから、遅くともこの段階で本件商標が使用され、自他商品識別機能を果たしているのである。 被請求人は、「化学機械器具としての高圧洗浄装置」、「スズメッキ装置」、「乾燥装置」を製造し、これら製造した各商品に本件商標を付して輸出前に流通過程におき、その状態において国内で前記商品の譲渡が成立したのであるから、本件商標は被請求人によって審判請求前3年以内に日本国内において使用されていたことが明白である。 また、前記各商品に本件商標を付すること、取引書類に本件商標を付することは商標法第2条第3項の使用の定義から商標の使用にあたるので、この点からも本件商標は被請求人によって審判請求前3年以内に日本国内において使用されていたといわざるを得ない。 第4 当審の判断 1 乙第1号証ないし乙第7号証によれば、以下の事実が認められる。 (1)乙第1号証は、化学機械器具に属する高圧洗浄装置の使用時の写真、側面写真、及び当該商品に取り付けられている銘板の写真と認められ、該銘板には、本件商標及び被請求人の英語表記の名称と認められる「ART MATAL MFG.CO.,LTD」の記載があり、機械NO.欄に「301-T95003」の記載、製造日欄に「3.MAR.2005」の記載がある。 乙第2号証の1は、左上部に本件商標が付された2005年3月4日付けCOMMERCIAL INVOICEであり、商品名欄に「HIGH PRESSURE WASHING MACHINE」、数量欄に「4 UNITS」の記載があるほか、単価、総額が記載されている。 乙第2号証の2は、2005年3月船積み荷に係るART-SERINA PISTON CO.,LTD.から被請求人への三井住友銀行を取扱銀行とする送金明細と認められるが、該明細の上記インボイスのInvoiceNO.欄に記載と同一のNO.である「AT-65-114」の欄に、上記インボイスの総額と同じ金額の記載がある。 乙第2号証の3は、送金人を「ART-SERINA PISTON CO.,LTD.」とし、被請求人を受取人とする三井住友銀行による2005年5月25日付け「外国送金到着のご案内」であり、送金額欄に乙第2号証の2の総額欄と同額の金額が記載されている。 (2)乙第4号証は、化学機械器具に属するスズメッキ装置の全面写真、側面写真、及び商品に取り付けられている銘板の写真と認められ、該銘板には、本件商標及び被請求人の英語表記の名称と認められる「ART MATAL MFG.CO.,LTD」の記載があり、機械NO.欄に上記装置の側面に記載されている番号と同一の「301-T95003」の記載、製造日欄に「31.MAR.2005」の記載がある。 乙第5号証の1は、左上部に本件商標が付された2003年4月11日付けCOMMERCIAL INVOICEであり、商品名欄に「PLANTING MACHINE NO.VF1-T95003」、数量欄に「1」の記載があるほか、単価、総額が記載されている。 乙第5号証の2は、被請求人によるアートセリナピストン(株)の売掛金の補助元帳であるが、上記インボイスのInvoiceNO.と認められる「輸出D/NO.64004」の欄に、上記インボイスの総額と同じ金額の記載がある。 (3)乙第6号証は、乾燥装置の投入口部写真、側面写真、及び当該商品に取り付けられている銘板の写真と認められ、該銘板には、本件商標及び被請求人の英語表記の名称と認められる「ART MATAL MFG.CO.,LTD」の記載があり、機械NO.欄に上記装置側面に記載の番号と同一の「RD1-T04002」の記載、製造日欄に「10.FEB.2004」の記載がある。 乙第7号証の2は、左上部に本件商標が付された2004年2月17日付けCOMMERCIAL INVOICEであり、商品名欄に「DRYER MACHINE NO.RD1-04002」、数量欄に「1 Unit」の記載があるほか、単価、総額が記載されている。 乙第7号証の1は、2004年2月船積み荷に係るART-SERINA PISTON CO.,LTD.から被請求人への三井住友銀行を取扱銀行とする送金明細と認められるが、上記インボイスのInvoiceNO.欄に記載と同一のNO.である「AT-64-121」の欄に、上記インボイスの総額と同じ金額の記載がある。 乙第7号証の3は、送金人を「ART-SERINA PISTON CO.,LTD.」とし、被請求人を受取人とする三井住友銀行による2004年4月23日付け「外国送金到着のご案内」であり、送金額欄に乙第7号証の1の・・・の総額欄と同額の金額が記載されている。 (4)上記(1)ないし(3)によれば、被請求人は、本件商標を付した高圧洗浄装置を2005年3月頃、同じくスズメッキ装置を2003年4月頃、同じく乾燥機を2004年2月頃、それぞれART-SERINA PISTON CO.,LTD.に販売したことが認めることができる。 (5)そうすると、被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成17(2005)年7月27日)前3年以内に日本国内において、本件請求に係る指定商品中の「化学機械器具としての高圧洗浄装置」、「スズメッキ装置」、「乾燥装置」について、本件商標を使用していたことを証明したと認め得るところである。 2 請求人の主張について (1)請求人は、被請求人が商品を販売したとするART-SERINA PISTON CO.,LTD.は、被請求人のグループの一員であり、被請求人の上記取引は、内部取引と解されるものであるから、被請求人の生産した生産設備は、一般市場で流通に供されることを目的として生産された有体物ということはできないから、商標法における商品に当たらない旨主張している。 しかしながら、被請求人と本件商標の使用に係る商品の取引先であるART-SERINA PISTON CO.,LTD.は、別法人であることは明らかであり、前記1のとおり、取引がなされたことが認められるものであるから、その主張は採用できない。 (2)請求人は、乙第1号証等の写真からは、当該商品がいかなる商品であるか不明である、当該商品と銘板の関係及びCOMMERCIAL INVOICE等の書類の作成者が不明である等から、本件商標を当該商品に使用されていることが証明されているとはいえない旨主張している。 しかしながら、乙第1号証及び乙第2号証の1ないし3を総合して判断すれば、本件商標を高圧洗浄装置に使用されていることを優に認めることができるし、同様に、乙第4号証ないし乙第7号証によって、本件商標がスズメッキ装置及び乾燥装置に使用されていたことを認め得ることは、前記のとおりであるから、この点に関する請求人の主張も理由がない。 3 結び したがって、本件商標は、その指定商品中「第7類 化学機械器具、第11類 乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものではない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(別掲) |
審理終結日 | 2006-07-28 |
結審通知日 | 2006-08-03 |
審決日 | 2006-08-17 |
出願番号 | 商願昭46-2587 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(111)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小宮山 貞夫、依田 孝次郎 |
特許庁審判長 |
田代 茂夫 |
特許庁審判官 |
内山 進 藤平 良二 |
登録日 | 1981-11-27 |
登録番号 | 商標登録第1488595号の1(T1488595-1) |
商標の称呼 | アート、エイアアルテイ |
代理人 | 石橋 政幸 |
代理人 | 宮崎 昭夫 |
復代理人 | 生沼 徳二 |
代理人 | 緒方 雅昭 |
代理人 | 北村 欣一 |
代理人 | 岩田 慎一 |