ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない Y08 |
---|---|
管理番号 | 1152107 |
審判番号 | 不服2004-21731 |
総通号数 | 87 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-03-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-10-21 |
確定日 | 2007-01-31 |
事件の表示 | 商願2003- 84209拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.本願商標 本願商標は、「M3」の文字を標準文字により表してなり、第8類「かみそり刃,その他のかみそり,その他の手動利器」を指定商品として、平成15年9月29日に登録出願されたものである。 2.原査定の拒絶理由の要点 原査定は、「本願商標は、商品の品番、等級等を表示する記号、符号として一般に使用されているローマ文字1字の一類型と認識される『M』の文字と、数字の『3』を組み合わせ、単に『M3』と書したにすぎないから、これはきわめて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3.当審の判断 本願商標は、前記のとおり、「M3」の文字を書してなるところ、ローマ文字「M」と数字「3」の組み合わせよりなるものと容易に認識されるものである。 ところで、本願の指定商品を取り扱う業界においては、ローマ文字1文字と数字とを組み合わせて、商品の品番として採択・使用することは普通に一般に行われており、また、切削用超硬質工具材料の、用途による呼び方をJISB4053?1998では規定され、工具の使用分類の用途記号「M」は、「連続型若しくは非連続型切りくずの出る鉄系金属または非鉄金属の切削用途」とされているところである。 そして、上記した実情は、以下のインターネットの情報からも裏付けられる。 (1)「工具の使用分類」(http://unit.aist.go.jp/dmrc/db-dmrc/cutting/basic/tool_material/classfy/classfy.htm)の見だしのもと「表2 用途記号(大分類)」の記号として「P」、「M」、「K」との記載、「表3 使用材料の分類の例」として、使用分類記号として「P10」、「K10」との記載。 (2)「GLOBAL(グローバル)文化包丁180mm【名入れ無料】」(http://store.yahoo.co.jp/ichimonji/g-4.html)の見だしのもと、包丁の写真とともに品番として「g-4」との記載。 (3)「料理包丁 洋包丁シリーズ」(http://www.hounen.co.jp/youhoutyou.htm)の見だしのもと、包丁の写真とともに品番として「R-005」との記載。 (4)「有限会社上田鐵工製作所」(http://www.kuma.ne.jp/ueda/item/houchou/index.html)のホームページには、「包丁」の品番として「A-1」、「B-8」、「C-4」、「D-2」等の記載。 (5)「工具 型紙用紙/ハサミ/カッター」(http://www.sgs-japan.com/sgs/tools/tool01.htm)の見だしのもと「●国産ガラスカッター 三星ダイヤモンド/普及型オイルカッター」の項に写真とともに「M15A/¥1,250-」、「M17:¥1,250-」等の記載。 (6)「MISUZU理美容はさみシリーズ」(http://www.misuzu-hasami.co.jp/riyo.html)の見だしのもと「セニングタイプ(スキ用)」の品番の欄に「MRBS-6.0-30M」、「MRBS-6.0-40M」等の記載。 以上より、ローマ文字1字と数字の組み合わせが、本願の指定商品に含まれる包丁、はさみ及び工具の品番表示として類型的に採択使用されているものと認められる。 そして、本願商標は、ローマ文字1文字「M」と数字の「3」を結合し、普通に用いられる方法で「M3」と表したこと以外、なんら、特別の構成を備えていない。 そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、商品の品番表示として理解するに止まり、それ以上に当該商品の出所を示す識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわなければならない。 なお、請求人(出願人)は、本願商標の構成中「M」の文字は、音速を表す「マッハ」の記号として広く認識され、本願商標は「マッハスリー」又は「マッハサン」の称呼、観念を有するもので、商品の品番、型式などを表すための記号、符号であると認識されない旨主張しているが、本願指定商品を取り扱う業界における実情は、上記のとおりであり、また、例えば、株式会社岩波書店 広辞苑第五版の「M」の項をみると「アルファベットの13番目の文字。ローマ数字の千。メートルの記号。単位の接頭語ミリの略号。単位の接頭語メガの略号。質量を表す記号。音速の単位マッハ数。地震の大きさの単位マグニチュード。寸法が普通の大きさであることを表す記号。M判。男性」等と記載されているとおり、いろいろな意味の略号であると認められ、「マッハ」のみの観念が生ずるものとはいい難いので、その主張は採用できない。 したがって、本願商標は商標法第3条第1項第5号に該当するものであって、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-09-06 |
結審通知日 | 2006-09-08 |
審決日 | 2006-09-20 |
出願番号 | 商願2003-84209(T2003-84209) |
審決分類 |
T
1
8・
15-
Z
(Y08)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小松 里美 |
特許庁審判長 |
小林 薫 |
特許庁審判官 |
長柄 豊 寺光 幸子 |
商標の称呼 | エムサン |
代理人 | 岡野 光男 |
代理人 | 新田 藤七郎 |
代理人 | 浅村 皓 |
代理人 | 浅村 肇 |