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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y0709 |
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管理番号 | 1149957 |
審判番号 | 不服2004-13228 |
総通号数 | 86 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-02-23 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-06-25 |
確定日 | 2007-01-09 |
事件の表示 | 2003年商標登録願第50938号拒絶査定に対する審判事件についてした平成18年1月5日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成18年(行ケ)第10233号、平成18年11月20日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第7類「圧延機,連続鋳造機,その他の金属加工機械器具」、第9類「測定機械器具,電気通信機械器具,電気磁気測定器,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成15年6月19日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4422292号商標は、「EXPACT」の文字を標準文字により表してなり、平成10年10月26日登録出願、第7類「粉体又は流体吹付けによる金属鋳物のバリ除去装置,その他の金属加工機械器具,プラスチック加工機械器具,動力伝導装置(陸上の乗物用のものを除く。),金属鋳物製品の搬送用コンベヤー,その他の金属鋳物製品の搬送装置」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,鋳造装置の制御プログラムを記憶した電子回路,その他の電子応用機械器具及びその部品」、第12類「金属鋳物製品の搬送用フォークリフト,金属鋳物製品移動用の無人搬送車,金属鋳物製品移動用の索道」を指定商品として、同12年10月6日に設定登録され、現に権利が有効に存続しているものである。(以下「引用商標」という。) 3 当審の判断 (1)本願商標は、別掲のとおり「X‐Pact」の欧文字と、これを囲むように、文字部分の上側左半分から左側、下側を通って右側中程に至るまで、半月刀ないし三日月様の図形が描かれている。そして、「X‐Pact」の文字には、標準文字ではなく、ゴシック様の斜字体が用いられて、文字部分と図形部分との配置関係についても、文字部分を図形部分が包み込むようなものとなっており、かかる配置は、デザインとしての一体性を有するものと認められる。したがって、本願商標は、文字部分と図形部分とを「分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合している」とまではいえないにしても、文字部分と図形部分との間に、デザインとしての有機的な関連性が認められる。 (2)また、本願商標の文字部分は、「X」と「Pact」とがハイフンで結ばれているところ、アルファベットのXと他の単語を組み合わせた語として「X線」「X染色体」「X軸」等がよく知られていること、「X」が初等の数学で未知数を表わすものとして用いられるアルファベットであること、等の公知の事実を考慮すれば、本願商標の文字部分に接する者は、これを「X」と「Pact」とに分離して認識し、ここから「エックス・パクト」という2音節の称呼が生ずるものと認められる。これに対して引用商標は、「EXPACT」の欧文字よりなるものであるから、その欧文字に相応して「エクスパクト」の称呼を生ずるものである。 そこで、両称呼を比較するに、本願商標の「エックス・パクト」という2音節の称呼と引用商標の「エクスパクト」という一連の称呼とは、類似するとしても、その類似の程度は比較的弱く、両者は、異なった称呼として認識されるものと認められる。 (3)そして、本願の指定商品中「圧延機,連続鋳造機」の商品は,その名称からして,製鉄工場等に設置される大規模な機械装置であって、取引者・需要者は製鉄業等の専門的知識を有する少数の者であり、実際の購入に当たっては、機械の性能やメーカーの信用等についての慎重な検討が行われることが、容易に推認される。そうすると,上記(1)及び(2)で認定したとおり、本願商標と引用商標とは外観において相違することや、称呼の類似の程度もさして高くはないことに照らし、取引者・需要者において、出所の混同が生じる可能性は著しく低いというべきである。 また、「その他の金属加工機械器具」として動力付き手持工具等を、及び「電子応用機械器具」としてパーソナルコンピューター等をそれぞれ想定した場合には、これらは一般の消費者も手にする商品であるから取引に際して払われる注意力等は、「圧延機,連続鋳造機」等の取引におけるものよりは相対的に低いと推認されるが、これらの商品も日用品とは異なるから、前記(1)及び(2)で認定した両商標の相違に照らして、取引者・需要者において出所の混同が生じる可能性は低いというべきである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるとは認められない。 したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 ![]() |
審理終結日 | 2005-12-19 |
結審通知日 | 2005-12-20 |
審決日 | 2006-01-05 |
出願番号 | 商願2003-50938(T2003-50938) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(Y0709)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 平松 和雄 |
特許庁審判長 |
中村 謙三 |
特許庁審判官 |
石田 清 橋本 浩子 |
商標の称呼 | エックスパクト、パクト |
代理人 | 藤田 アキラ |