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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 104
管理番号 1137946 
審判番号 取消2005-31061 
総通号数 79 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-07-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2005-08-30 
確定日 2006-05-22 
事件の表示 上記当事者間の登録第2219231号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2219231号商標(以下「本件商標」という。)は、「LOVE」の欧文字を書してなり、第4類「歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、昭和46年8月5日に登録出願、平成2年3月27日に設定登録されたものであるが、その後、同12年5月23日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の指定商品中『化粧品』についての登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中「化粧品」について、過去3年以上日本国内において使用された事実がないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第2号証(LOVEネイルシリーズのチラシ)には、日付がなく、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人が、本件商標を使用した証拠にはならない。
(2)乙第3号証(取引店の売り場写真)について
(ア)取引店の売り場写真の撮影日は、2002年12月であるが、撮影日は、写真に含まれない部分に被請求人が付加し、主張しているにすぎない。
(イ)「大阪市ピエール」の写真と「大阪市ノアール」の写真は、いずれも背景の棚の右上には女性の顔のアップ写真が飾られ、その下段にはファンデーションの見本らしきものが陳列されている。また、これら以外の細部も一致しており、同一のものと見られる。
したがって、これらの写真は、「大阪市ピエール」と「大阪市ノアール」のいずれを撮影したのか分からないため、それぞれの店舗で本件商標が使用されていたことを、立証し得ない。
(ウ)各店舗の名前は、すべて被請求人が写真の欄外に付加したもので、写真の中に撮っているのではない。確かに、各店舗名は、乙第4号証(物品受領書)の受領者の名称と一致しているが、それが単に被請求人によって書き加えられたものであるために、乙第4号証と関連付けることができない。
(エ)したがって、乙第3号証は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人が本件商標を使用した証拠にはならず、また、本件商標が、関西圏のいずれかの店舗で実際に使用されていたことも、証明し得ない。
(3)乙第4号証(物品受領書)における納品者は、クラブ化粧品販売株式会社(以下「クラブ化粧品」という。)であり、被請求人ではない。被請求人は、クラブ化粧品が被請求人と合併したとして乙第1号証(クラブ化粧品のウェブサイトプリントアウト)を提出するが、合併の日付は、平成17年1月1日であり、物品受領書に見られる日付(2002年(平成14年)12月25日及び同26日)よりも後であるため、物品受領書は、被請求人の使用の証拠とはならない。
(4)乙第5号証は、被請求人とイヴ・サンローラン・パルファン・エス・アー(以下「イヴ・サンローラン社」という。)の間で交わされた商標に関する紛争を避けるための覚書であり、使用許諾契約書ではない。覚書の内容は、被請求人がイヴ・サンローラン社に、ある商標の使用を許諾する形式をとっているが、その使用を許諾している対象は、本件商標ではなく、イヴ・サンローラン社所有の商標である。
そして、乙第6号証及び乙第7号証は、いずれもイヴ・サンローラン社がその所有に係る商標を使用している事実を示すにすぎないものであるから、本件商標の使用の事実を証明するものではない。
(5)乙第8号証の「商標使用許諾契約書」の第1条において、本件商標についての使用許諾が記載されているが、乙第9号証に示した使用に係る商標は、「ラブ ト-クン/LOVE TOKEN」と「ラブ ストラック/LOVE STRUCK」のみである。本件商標と「ラブ トークン/LOVE TOKEN」、「ラブ ストラック/LOVE STRUCK」が別個の商標であることは、その称呼、観念が相違することから明らかであり、本件商標の使用は、証明されていない。
(6)以上述べたように、乙各号証は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人又は被請求人が使用許諾を与えた者が本件商標を使用した証拠とは、なり得ない。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、取消しを免れない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
1 被請求人による使用
(1)被請求人は、その子会社であるクラブ化粧品(乙第1号証)を通じて、「ラブ ネイルシリーズ」としてネイルポリッシュ(ネイルエナメル)やネイルリムーバーを販売しており(乙第2号証)、これより、被請求人が本件商標及び「ラブ」の文字よりなる商標を使用していることは、明らかである。
(2)乙第3号証は、本件審判の請求の登録前3年以内である2002年12月に撮影した取引店の売り場の写真であり、大阪市内、津市、名古屋市、伊勢市、松阪市内の各店舗において、本件商標が付された商品が実際に販売されている状態を示すものである。
(3)乙第4号証は、本件審判の請求の登録前3年以内に発行された物品受領書(写し)であり、上記(2)の写真が撮影された各取引店の捺印がされ、乙第2号証に示した商品が、実際に取引されたことを示すものである。いずれの物品受領書も、「商品コード/商品名」の欄に、被請求人の商品である「ラブ ショカイノウニュウセット」、「ラブ ネイルポリッシュ」、「ラブネイルリムーバー」と記載されている。
(4)本件商標と「ラブ」の商標は、商標法第50条第1項に規定する「平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生じる商標」である。
よって、「ラブ」の商標が本件商標と社会通念上同一と認められる商標であることが明らかである。
(5)以上により、本件商標が、被請求人によって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用されていることが、明らかである。
2 通常使用権者による使用
(1)イヴ・サンローラン社の使用
(ア)乙第5号証は、被請求人とイヴ・サンローラン社の間で取り交わした本件商標の使用許諾に関する覚書(写し)である。該覚書では、被請求人は、イヴ・サンローラン社に対して、本件商標及び「ラブ」の文字よりなる商標(登録第2219232号)の使用について許諾をしている。
(イ)乙第6号証は、本件審判の請求の登録前3年以内に印刷されたインターネットウェブサイトのプリントアウトであり、イヴ・サンローラン社の商品が、インターネット上で販売されていることを示している。
(ウ)乙第7号証は、通常使用権者が販売する商品及び当該商品を購入した際のレシートである。これらには日付が打刻されており、本件審判の請求の登録前3年以内のみならず、現在においても継続して通常使用権者の商品が販売されていることを示すものである。
(2)株式会社マリークヮントコスメチックスジャパン(以下「マリークヮント社」という。)の使用
(ア)乙第8号証は、被請求人とその関連会社であるマリークヮント社の間で取り交わした、本件商標の使用許諾に関する商標使用許諾契約書である。該契約書では、被請求人は、マリークヮント社に対して、本件商標及び「ラブ」の文字よりなる商標(登録第2219232号)の使用について、許諾をしている。
(イ)乙第9号証は、マリークヮント社のウェブサイトのプリントアウト、その他のインターネットウェブサイトプリントアウト、ニューズレター及び売上リストであり、これより、本件商標及び登録第2219232号商標を構成要素とした「LOVE TOKEN」、「LOVE STRUCK」及び「ラブ トークン」、「ラブ ストラック」が、香水について使用されていることが明らかである。
3 結び
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本において、被請求人によって、商品「化粧品」の範疇に含まれる「ネイルポリッシュ(ネイルエナメル)、ネイルリムーバー」について使用されており、また、通常使用権者によって「香水」について使用されているから、請求人の主張は、理由がない。

第4 当審の判断
1 請求人は、クラブ化粧品の使用に関し、その使用に係る商標が、本件商標であること、及び、同じく使用に係る「ラブ」の文字よりなる商標が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であること、並びに、使用に係る商品「ネイルポリッシュ(ネイルエナメル)、ネイルリムーバー(除光液)」(以下「使用商品」という。)が、本件請求に係る指定商品に含まれるものであることについては、争いがない。
そこで、本件商標及び「ラブ」の文字よりなる商標が、本件審判の請求の登録(平成17年9月14日)前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかにより使用商品について使用されたか否かについて検討する。
2 乙第1号証ないし乙第4号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)クラブ化粧品は、商標権者(被請求人)の子会社であったが、平成17年1月1日に、商標権者に合併されたこと(乙第1号証)。
(2)クラブ化粧品の発行に係る「ラブ ネイルシリーズ」と題したチラシには、「ネイルポリッシュ全8色 定価500円」、「ネイルリムーバー 定価350円」などの文字が記載され、「LOVE」の文字を表示した使用商品の写真が掲載されていること、また、同チラシには、「ラブ ネイルポリッシュ01〜08」、「ラブ ネイルリムーバー」について、これらの商品をセットとする旨の「初回納入 各3個/定価 13,050円(税抜)」の文字が記載されていること(乙第2号証)。
(3)「LOVE ネイルシリーズ」の取扱店の売り場写真(2002年12月)には、関西地域を中心とした12店舗の売り場の様子が示され、各店舗には、「LOVE/NAIL ネイルアートで指先注目度アップ!」などと記載された広告の下、乙第2号証に示された商品が陳列されたこと(乙第3号証)。
(4)クラブ化粧品は、2002年(平成14年)12月25日から同27日にかけて、「品名」を「ラブ ショカイノウニュウ セット(13050)」(セット内容が記載されているものについては、例えば、「ラブネイルポリッシュ(500)01〜08 8色各3コ、ラブネイルリムーバー(350)、上記テスター各1コ」などのような記載がある。)とする商品を乙第3号証に示された各店舗に納品したと推認されること(乙第4号証)。
3 前記2で認定した事実によれば、本件審判の請求の登録前3年以内である2002年(平成14年)12月25日から同27日にかけて、当時商標権者の子会社であったクラブ化粧品は、「LOVE」及び「ラブ」の文字よりなる商標を使用した使用商品について、これをセットにした「初回納入各3個」を関西地域を中心として取引に資したものと推認することができる。
そして、上記のとおり、クラブ化粧品は、平成16年12月31日まで商標権者の子会社であったのであり、商標権者と営業上密接な関係を有していたことが認められ、少なくとも、商標権者から黙示的に通常使用権を許諾されていた者と認めることができる。
したがって、本件商標の通常使用権者と認め得るクラブ化粧品は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品に含まれる「ネイルポリッシュ(ネイルエナメル)、ネイルリムーバー(除光液)」(使用商品)について、本件商標及びこれと社会通念上同一と認められる商標を使用していたものというべきである。
4 請求人の主張について
(1)請求人は、乙第2号証について、日付がなく、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人が本件商標を使用した証拠にはならない旨主張する。
しかしながら、乙第2号証は、本件商標や「ラブ」の文字よりなる商標が、どのような態様で使用商品について使用されているかを示す証拠であって、本件商標や「ラブ」の文字よりなる商標が表示された使用商品が、本件審判の請求の登録前3年以内に取引に資されたことは、乙第4号証により推認することができるから、乙第2号証に日付がないことをもって、直ちに本件商標を使用した証拠にはならないとすることはできない。
(2)請求人は、乙第3号証について、撮影日及び各店舗名は、被請求人が写真の欄外に付記しているものであるから、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用した証拠にはならない旨主張し、さらに、「大阪市ピエール」の写真と「大阪市ノアール」の写真は、背景等から同一のものと認められ、いずれの店舗で撮影したものか不明であるから、それぞれの店舗で本件商標が使用されていたことを立証し得ない旨主張する。
確かに、乙第3号証の撮影日及び各店舗名は、写真中にないことは、請求人主張のとおりである。しかし、乙第2号証ないし乙第4号証を総合的に判断すれば、前記認定のとおり、商標権者から黙示的に通常使用権を許諾されていたと認められるクラブ化粧品は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品に含まれる使用商品について、本件商標及びこれと社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと見ることができるのである。このことは、仮に、「大阪市ピエール」の写真と「大阪市ノアール」の写真とが、同一のものであるとしても、乙第2号証ないし乙第4号証を総合して判断すれば、上記のとおり、本件商標の使用の事実を推認することができるから、単なる錯誤により同一の写真を掲載したにすぎないものと見ることができる。
(3)請求人は、乙第4号証の納品者はクラブ化粧品であり、被請求人ではない。乙第4号証は、被請求人とクラブ化粧品とが合併した日付より前のものであるから、被請求人の商標使用の証拠とはならない旨主張する。
しかしながら、前記認定のとおり、クラブ化粧品は、平成16年12月31日まで商標権者の子会社であり、商標権者と営業上密接な関係を有していた者といえるから、たとえ、商標権者そのものではないとしても、少なくとも、商標権者から黙示的に通常使用権を許諾されていた者と認めることができる。
したがって、被請求人のいう「被請求人による使用」とは、必ずしもいえないとしても、クラブ化粧品による使用は、商標法第50条第2項でいう商標使用者の要件を具備しているというべきである。
(4)以上によれば、請求人の上記主張は、いずれも理由がなく、採用することができない。
5 結び
したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定商品中の「ネイルポリッシュ(ネイルエナメル)、ネイルリムーバー(除光液)」について、本件商標の使用をしていたことを立証したものと認め得るところである。
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、その指定商品中の「化粧品」について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-03-14 
結審通知日 2006-03-20 
審決日 2006-04-11 
出願番号 商願昭46-84213 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (104)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 有阪 正昭半戸 俊夫 
特許庁審判長 大場 義則
特許庁審判官 柳原 雪身
内山 進
登録日 1990-03-27 
登録番号 商標登録第2219231号(T2219231) 
商標の称呼 ラブ 
代理人 工藤 一郎 
代理人 深見 久郎 
代理人 森田 俊雄 
代理人 竹内 耕三 
代理人 野田 久登 
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