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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y32
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y32
管理番号 1134902 
異議申立番号 異議2004-90751 
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-12-09 
確定日 2006-03-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第4803696号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4803696号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4803696号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成16年2月4日に登録出願され、第32類「清涼飲料,果実飲料」を指定商品として、平成16年9月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。
本件商標は、その構成中、「ION」は人間の体内の新陳代謝を左右する生体イオンを称し、「SUPPLY」はイオンを供給することを意味し、また、「JELLY」はゼリーを示すものであって、指定商品の品質等を表示するものであり、かつ、イオンを有しない商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第3条第1項第2号、同第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 本件商標に対する取消理由の要旨
当審において、平成17年10月25日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
(1)商標法第43条の8において準用する同法第56条第1項で準用の特許法第150条第1項に基づいてした職権による証拠調べによれば、「イオンサプライ」、「ゼリー飲料」の語について、以下の事実が認められる。
(ア)1991年4月4日付け化学工業日報(9頁)には、「大塚製薬、3年度の飲料売り上げを2500億円へ、ネスカフェなど」の見出しのもと、「【ポカリスエット】・・イオンサプライ市場は、飲料分野でのシェアが下降気味であったが、今年度はシェアを9%から10%に拡大していく。」との記載がある。
(イ)1996年9月18日付け日本食糧新聞には、「大塚製薬、イオンサプライ飲料『ホットポー』10月から発売」の見出しのもと、「同製品は、お湯で溶かして飲む粉末清涼飲料で、カラダに必要な電解質とビタミンCをホットで飲むイオンサプライ飲料。」との記載がある。
(ウ)1996年10月7日付けPharmaweek(13頁)には、「〈新製品〉【健康飲料】」の見出しのもと、「大塚製薬はホットで飲むIon Supply(イオンサプライ)『ホットポー(Hot Po)』を発売した。カラダに必要な電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)とビタミンCを一緒に摂取できるホットで飲む新しい健康飲料。」との記載がある。
(エ)2001年6月5日付け化学工業日報(7頁)には、「野村事務所、工業塩市場に進出、R&H製の高純度品投入」の見出しのもと、「・・同社では、・・ますます高純度品へのニーズが高まるエレクトロニクス用薬品、イオンサプライ飲料、メディカル分野など対象に市場開拓を進める計画。」との記載がある。
(オ)「Malarkey Alert!/The Truth About Hangovers and Hangover Remedies/二日酔いはなぜ起こるの?」のホームページ(http://www.proudia.com/acn/acn020110.htm)には、「脱水症状」の項目に、「予防・・体の電解質を整える意味では水よりもイオンサプライ飲料の方がよいでしょう。」との記載がある。
(カ)1997年1月10日付け日本食糧新聞には、「業種別に見るトレンド展望 栄養補助食品類=機能性ゼリーが快進撃」の見出しのもと、「バランス栄養食、機能性ゼリー飲料、栄養補助食品などが、CVSやスーパーの健康食品コーナーの棚を占拠、各社参入してきてアイテム数も増え、商品群としての訴求力が高まっている。」との記載がある。
(キ)1999年6月7日付け日本食糧新聞には、「ゼリー飲料特集:主要各社動向=ネスレ日本」の見出しのもと、「・・甘さ控えめのブラックコーヒーゼリーにカフェインを強化。・・ゼリー飲料の機能性強化タイプとして『ゼリー飲料へ新しさを求める若者や、カフェインを求める男性にアプローチしたい』としている。」との記載がある。
(ク)2003年2月3日付け日本食糧新聞には、「味の素2003春:アミノ酸『アミノバイタル』170億円を達成」の見出しのもと、「・・今春から同ブランドのゼリー飲料、『クイックリフレッシュ』を新発売。全四品のアイテム展開で、二〇〇三年度の売上高目標を六五億円としている。従来のスポーツ・コンセプトから、日常生活へ飲用の機会拡大を図ることで、新たな需要層の獲得を目指す。・・機能性ゼリー飲料の市場規模は年々拡大を続けており、昨年は約三八〇億円まで膨らんだと予測。森永製菓の『ウイダー』シリーズがシェアトップを独走するなか、二・三位争いが激化している。とくに『アミノ酸含有』ゼリー飲料は近年、市場の伸びをけん引しており、昨年の売上げ(予測)は一一六億円と前年より四二億円増加したという。」との記載がある。
(2)前記(1)で認定した事実によれば、本件商標の登録査定前には既に、飲料等を取り扱う分野において、健康によいとされるイオンを体に補給する飲料が出回っており、これらの飲料について「イオンサプライ飲料」と称していたこと、また、ゼリー飲料に各種栄養素等を付加して商品への訴求力を高める動きが増大しており、これらの商品を機能性ゼリー飲料と称していたことが認められる。
(3)本件商標は、別掲のとおり、「イオン」を意味する「ION」と、「供給する」などを意味する「SUPPLY」と、指定商品との関係から「ゼリー飲料」を表したと理解される「JELLY」の各文字を三段に横書きしてなるものであるところ、上記飲料等における取引の実情からすると、本件商標を構成する文字全体から、体にイオンを補給する機能性を有するゼリー飲料なる意味合いを表したと容易に認識されるものということができる。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品中「イオンを補給するゼリー飲料」について使用しても、単に商品の品質を表示したものと認識されるに止まるものであって、前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわざるを得ない。

4 商標権者の意見
商標権者に対し、上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。

5 当審の判断
本件商標は、上記3で述べたとおり、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標



異議決定日 2006-01-17 
出願番号 商願2004-9404(T2004-9404) 
審決分類 T 1 651・ 272- Z (Y32)
T 1 651・ 13- Z (Y32)
最終処分 取消  
前審関与審査官 梶原 良子 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 小川 有三
岩崎 良子
登録日 2004-09-17 
登録番号 商標登録第4803696号(T4803696) 
権利者 オリヒロ株式会社
商標の称呼 イオンサプリジェリー、イオンサプリゼリー、イオンサプリ、イオン、アイオオエヌ 
代理人 岩田 慎一 
代理人 緒方 雅昭 
代理人 吉原 弘子 
代理人 吉原 省三 
代理人 石橋 政幸 
代理人 石橋 政幸 
代理人 宮崎 昭夫 
代理人 伊藤 克博 

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