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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y18 審判 全部申立て 登録を維持 Y18 審判 全部申立て 登録を維持 Y18 |
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管理番号 | 1127808 |
異議申立番号 | 異議2004-90484 |
総通号数 | 73 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2006-01-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2004-08-13 |
確定日 | 2005-12-03 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4769478号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4769478号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4769478号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年8月27日に登録出願、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成16年5月14日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立の理由の要旨 登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲1〜17号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 商標法4条1項10号及び15号について 本件商標は、その構成から「エルエーエンジェル」及び「エンジェル」の称呼が生ずる。一方、申立人の引用する商標は、別掲(2)〜(7)に示すとおりの構成(以下、これらを纏めて「引用商標」という。)よりなるところ、これより「エンジェルス」の称呼が生じる。両商標の称呼における差異は「ス」の音の有無であるが、該差異音は、それ自体響きの弱い無声摩擦音であるばかりでなく、比較的聴取され難い語尾に位置する音であるから、両商標は、称呼上類似する。また、引用商標が付された様々な商品(18類に属する商品を含む)が我が国でも販売(インターネット販売を含む)されていると共に広告・宣伝も行われている。 さらに、引用商標は、以下のとおり、周知著名となっている米国メジャーリーグの球団である「ANAHEIM ANGELS」(以下、「エンジェルス球団」という。)を指称するものであると共にエンジェルス球団関連の商品(18類に属する商品を含む)・役務の販売促進にも使用されている。また、近年、メジャーリーグの人気は、1995年の「野茂英雄」投手の渡米を皮切りに日本人メージャーリーガーの活躍及びこれに伴うマスコミ報道等と相まって、本件商標出願前から益々拍車がかかっており、このことは、選手のユニフォームの他、帽子等のエンブレム等として引用商標が使用されていることを認識把握するものであり、間接的に引用商標の周知・著名性を立証しているものである。 エンジェルス球団自体は、1961年に設立された40年以上の歴史を有する球団で設立以来、ワールドシリーズで2回の優勝のほか、アメリカンリーグ西地区優勝を3回果たしている等、日本をはじめ世界中でANGELS(エンジェルス)の略称で親しまれてきた周知・著名な球団であって、当初(1961年)の名称は、「LOS ANGELES ANGELS」(ロサンジェルス エンジェルス)であったが1965年には、翌年に南部のアナハイムに新設のスタジアムに移すに先立ち、「CALIFORNIA ANGELS」(カリフォルニア エンジェルス)と改名、さらに1996年末に「ANAHEIM ANGELS」(アナハイム エンジェルス)と改名したものである。 以上より、本件商標は、周知著名な引用商標と称呼上類似するものであるから、商標法4条1項10号に該当し、また、それ故、商品の出所の混同を生じる虞があるから、同15号にも該当する。 2 商標法4条1項19号について 本件商標に接した需要者は、上記1のとおり、引用商標の著名性故に、引用商標を想起するものであり、本件商標権者は、明らかに申立人所有の著名な引用商標の顧客吸引力にフリーライドする目的で使用するものである。 したがって、本件商標は、商標法4条1項19号に該当する。 第3 当審の判断 申立人より提出された甲3〜19号証(枝番号を含む。)を総合勘案するに、米国メジャーリーグに属するエンジェルス球団「ANAHEIM ANGELS(アナハイム・エンジェルス)」(現在の名称は「LOS ANGELES ANGELS OF ANAHEIM」である。)の略称である「ANGELS(エンジェルス)」の名称は、本件商標の出願時のみならず登録査定時においても、わが国の不特定多数の者に知られていたものと認められる。 しかして、本件商標は、別掲(1)のとおり、左右に広げた羽根状の図形とその下部に「L.A.ANGEL」の文字を表してなるところ、該文字部分は、同じ書体で、同じ大きさ、同じ間隔で、まとまりよく一体不可分に表してなるものであって、これより、「エルエイエンジェル」の称呼を生ずる。また、後半部の「ANGEL」の文字部分が、「天使」の観念を有する英語として、わが国でも広く一般に親しまれている成語であること、同じく前半部の「L.A.」の文字部分がアメリカ合衆国カリフォルニア州南西部にある米国第二の都市「Los Angeles」の略称として広く一般に親しまれていることから、「ロサンジェルスの天使」程の意味合いを理解、認識するものである。 してみれば、別掲(2)〜(8)の引用商標から生ずる「エンジェルス」、または「アナハイムエンジュルス」の称呼とは、その称呼を異にするものであり、観念についても引用商標からは、エンジェルス球団の著名性故、エンジェルス球団そのものを連想、想起することから、観念においても異なるものである。更に外観についても、両商標は、その構成からして異なること明らかである。 したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても別異の商標と認められるものであって、本件商標からは直ちにエンジェルス球団を連想、想起させることはないと判断するのが相当である。 仮に本件商標中の「L.A.」の文字部分の意味合いより、本件商標から、「ロサンジェルスエンジェル」の称呼が生じ得ることがあるとしても、エンジェルス球団が「LOS ANGELES ANGELS」(ロサンジェルスエンジェルス)なる球団名であった時期は、設立当時の1961年〜1965年の途中までの僅か4年強の短期間であるうえ、当該時期は、本件商標の登録出願日(平成15年8月27日)よりも約40年近くも前であって、かつ、我が国において、メジャーリーグに関する情報が今日程多くないことを併せ考えれば、少なくとも本件商標の出願時において、本件商標に接する需要者は、本件商標を構成する「L.A.ANGEL」の文字部分から米国メジャーリーグの「ロサンジェルスエンジェルス」球団を想起、連想することはないものと判断するのが相当である。 そうとすると、引用商標の構成文字に相応し「エンジェルス」の称呼を生じ、また、申立人が本件商標に係る指定商品を含む商品に引用商標を付した商品についての商品化事業を行っているとしても、本件商標をその指定商品について使用するも、前記認定のとおり、両商標は、別異の商標と認められることから、その商品がエンジェルス球団又は同球団と事業上何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものとは認められない。 さらに、両商標は、別異の商標と認めることは上記認定のとおりであるから、本件商標は不正の利益を得る目的をもって出願されたものとも認められない。 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
【別掲】 (1)本件商標(登録第4769478号) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) |
異議決定日 | 2005-11-15 |
出願番号 | 商願2003-78231(T2003-78231) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(Y18)
T 1 651・ 252- Y (Y18) T 1 651・ 222- Y (Y18) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 保坂 金彦 |
特許庁審判長 |
佐藤 正雄 |
特許庁審判官 |
山本 良廣 水茎 弥 |
登録日 | 2004-05-14 |
登録番号 | 商標登録第4769478号(T4769478) |
権利者 | 株式会社ヒロ・コーポレーション |
商標の称呼 | エルエイエンジェル、エルエイエンゼル、エンジェル、エンゼル |
代理人 | 高部 育子 |
代理人 | 中山 健一 |
代理人 | 松嶋 さやか |
代理人 | 松原 伸之 |
代理人 | 橋本 千賀子 |
代理人 | 村木 清司 |