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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効としない Y09
管理番号 1126078 
審判番号 無効2004-35125 
総通号数 72 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-12-22 
種別 無効の審決 
審判請求日 2004-03-04 
確定日 2005-10-31 
事件の表示 上記当事者間の登録第4590941号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4590941号商標(以下「本件商標」という。)は、「携帯接楽」の文字(標準文字)を横書きしてなり、平成14年3月28日に登録出願され、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の記憶媒体,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,録音済み磁気カード・磁気シート及び磁気テープ,録音済みのコンパクトディスク,EPレコード,LPレコード,その他のレコード,電子出版物,オゾン発生器,電解槽,ロケット,スロットマシン,回転変流機,調相機,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,ガス漏れ警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,スプリンクラー消火装置,消防艇,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フイルム,スライドフイルム,スライドフイルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム,耳栓」を指定商品として、平成14年8月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4554771号商標(以下「引用商標」という。)は、「常時接楽」の文字(標準文字)を横書きしてなり、平成13年2月22日に登録出願され、第9類「電子計算機用プログラムを記憶した磁気ディスク・CD-ROM・DVD-ROM及びその他の記録媒体,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,電気計算機」を指定商品として、平成14年3月22日に設定登録されたものである。

3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
(1)本件商標「携帯接楽」と引用商標「常時接楽」とは、共にその略称として「接楽(せつらく)」が用いられ、出所の混同を起こすおそれがあり、本件商標は、引用商標に類似するので、商標法第4条第1項第11号に違反するから、その登録は無効とされるべきものである。
(2)引用商標「常時接楽」においては、「常時」から「じょうじ」という称呼を生じ、「接楽」から「せつらく」及び「せつがく」という称呼を生じるものである。また、引用商標は、「いつも」という意味を持つ漢字2文字の「常時」と、請求人の造語である漢字2文字の「接楽」から構成されている。この「接楽」という漢字2文字からは、「接続が楽に行える」、「接続して楽しくなる」などの観念を生じさせるものである。また、請求人は、モバイルカードを「常時接楽」という商標を附して販売しており、この商品名として「接楽(せつらく)」という略称で用いられる場合もある。引用商標「常時接楽」において、「常時」は自他商品識別機能がなく、「接楽」の文字部分に着目して取引に供されるので、自他商品識別機能は、主に「接楽」の文字部分で発揮されることになる。
(3)被請求人も、商標登録無効審判請求(無効2003-35483)において、請求人と同様に、本件商標「携帯接楽」において、「『携帯』は自他商品識別機能がなく、また『接楽』の文字部分に着目して取引に供されるので、自他商品識別機能は、主に『接楽』の文字部分で発揮されることになる。」と述べている。
(4)請求人は、「常時接楽」の略称として「接楽」が用いられるようになったことを考慮し、「接楽」の商標登録(商標登録第4674699号)を受けている。

4 被請求人の答弁
被請求人は、答弁の理由を要旨次のように述べた。
(1)請求人の主張は、要約すると、本件商標「携帯接楽」と引用商標「常時接楽」とは、共にその略称として「接楽(せつらく)」が用いられるから、両者は類似するというにある。
しかしながら、この請求人の主張は、本件商標「携帯接楽」と引用商標「常時接楽」は、共にその略称として「接楽(せつらく)」が用いられるという虚偽の事実を前提としているから、この一事をもってしても、全く理由のないものである。
(2)「携帯接楽」は、「接楽」とは略称されていないし、「常時接楽」は、「常時」についても「接楽」についても識別力があるほか、「常時接続」をもじったものであるから、一体として熟語的意味合いを形成しているので、分離観察されないこと明らかである。
請求人は、モバイルカードに「常時接楽」という商標を附して販売していると主張しているが、これも誤りであり、実際は、「いきなり常時接楽カード」として使用されている。この使用態様からみれば、「常時接楽」の文字部分に着目して取引に供されることはあっても、請求人の言うように、「接楽」の文字部分に着目して取引に供されることは考えられない。まして、略称「接楽(せつらく)」が周知なものとなっているということは、あり得ないというべきである。
また、請求人は、「接楽」は造語と主張しているが、「常時接楽」も造語であり、「いきなり常時接楽カードは1年間24時間つなぎ放題」と宣伝広告していることからしても、「常時接楽」は一体の造語として認識されること明らかである。
(3)請求人は、「携帯接楽」の構成全体として、一体として認識し得るような熟語的意味合いを与えるものではないと主張しているが、「携帯」が「携帯電話」の意味に認識されるとしたら、「接楽」は、請求人のいうように「接続して楽しくなる」等の観念が生じるものであるから、一体として「携帯電話に接続して楽しくなる」等の観念が生じるものである。
また、請求人は、「『常時』は自他商品識別機能がなく」と主張しているが、これも誤りである。

5 当審の判断
(1)被請求人の答弁について
被請求人が提出した審判事件答弁書には、答弁の趣旨が記載されていないが、記載の答弁の理由からすると、本件審判請求は成り立たないとの審決を求める趣旨の答弁と認める。
(2)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、上記のとおり、「携帯接楽」の文字(標準文字)を横書きしてなるものであり、一方、引用商標は、「常時接楽」の文字(標準文字)を横書きしてなるものである。
そこで、本件商標と引用商標を比較すると、両者は、その構成前半の「携帯」と「常時」の漢字が相違しており、後半の「接楽」の漢字が同一であるところ、「携帯」と「常時」はそれぞれ、その意味がよく知られている語であり、後半の「接楽」の漢字に相当する語は知られていないから、「接楽」は造語というべきものと認められる。
そして、本件商標と引用商標は、いずれも同じ書体の漢字をもって一連一体に表されているものであり、構成文字数も4文字であり冗長なものではないから、それぞれその構成全体がひとまとまりのものとして認識されやすいといえる。
そうすると、本件商標は「ケイタイセツラク」、引用商標は「ジョウジセツラク」と、その全体がそれぞれ一体として称呼されるというのが相当であり、いずれも、構成中前半の「携帯」あるいは「常時」の文字部分を省略し、「接楽」の文字部分より生ずる称呼のみにより取引に資されるというほど冗長な称呼ではないから、両者は、「ケイタイセツラク」と「ジョウジセツラク」の称呼において十分区別し得るものと認められる。
また、両者は、構成上、常に一体不可分のものとして認識されるといい得るから、たとえ、そのうち「携帯」と「常時」の文字の意味が、それぞれよく知られているとしても、造語と認められる「接楽」の文字を結合し、「携帯接楽」及び「常時接楽」と書してなるその構成よりは、全体として特定の意味合いは生じないということができるから、両者は、観念においても相紛れるおそれはない。
そして、両者は、4文字よりなり、決して冗長な構成ではなく、「携帯接楽」及び「常時接楽」の全体がひとまとまりのものとして需要者の注意を引くものといえるから、構成中、前半の「携帯」と「常時」の2文字の相違により、外観においても相紛れるおそれあるものとはいえない。
請求人は、モバイルカードを「常時接楽」という商標を附して販売しており、この商品名として「接楽(せつらく)」という略称で用いられる場合もある旨主張するが、その主張事実を立証する証拠の提出はないものであり、請求人がモバイルカードに使用する「常時接楽」という商標、すなわち引用商標が「接楽(せつらく)」という略称で取引に供されている事実を認めることはできない。
さらに、請求人は、被請求人が商標登録無効審判請求(無効2003-35483)において、本件商標「携帯接楽」は「接楽」の文字部分に着目して取引に供されるので、自他商品識別機能は、主に「接楽」の文字部分で発揮されることになる旨述べている点をとらえて、被請求人の主張は整合性や一貫性がないものと主張する。そして、この点の被請求人の主張は本件審判における主張と矛盾していることは認められるが、それによって本件商標の自他商品識別機能が主として「接楽」の文字部分で発揮されるものと直ちに判断すべき性質のものでないことは明らかである。
以上のようにみてくると、本件商標は、これを構成する「携帯接楽」、引用商標は、これを構成する「常時接楽」のいずれも文字全体をもって取引され、その「接楽」の文字部分のみに着目して取引に資されることはないものというのが相当であるから、本件商標と引用商標とは「接楽」の文字が同じであっても、外観、称呼及び観念のいずれにおいても紛らわしいところがないものというべきであって、両者は、非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないから、その商標登録を同法第46条第1項の規定により無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-04-15 
結審通知日 2005-04-19 
審決日 2005-05-10 
出願番号 商願2002-24602(T2002-24602) 
審決分類 T 1 11・ 262- Y (Y09)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 鈴木 新五
蛭川 一治
登録日 2002-08-02 
登録番号 商標登録第4590941号(T4590941) 
商標の称呼 ケータイセツラク、ケータイセツガク、セツラク、セツガク 
代理人 鈴木 直郁 
代理人 稲垣 仁義 

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