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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 009
管理番号 1126071 
審判番号 取消2004-31032 
総通号数 72 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-12-22 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-08-11 
確定日 2005-10-20 
事件の表示 上記当事者間の登録第3091426号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第3091426号商標の指定商品中「写真機械器具」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第3091426号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年9月1日に登録出願、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具」を指定商品として、同7年10月31日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張の要点
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。
本件商標は、その指定商品中「写真機械器具」に継続して3年以上日本国内において商標権者により使用されている事実は発見することができなかった。また、本件商標について、専用使用権通常使用権の登録もされておらず、したがって、これらの者による使用の事実もない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第4号証を提出した。
被請求人は、提出した証拠に甲1号証、甲第2号証のように甲号証として符号を付しているが、被請求人の提出に係る証拠であるから、以下、これらを符号に付された番号に従い乙1号証、乙2号証のように乙号証として記載する。
(1)本件商標の使用
(ア)商品に関して
乙第1号証は、本件商標権者である株式会社カジマビジョンが作成し、頒布した会社案内のパンフレットである。この乙第1号証の中の会社概要として営業種目が記載され、その中に(8)映像及び音声に関する機器類の販売及び賃貸とある。
この乙第1号証は、本件商標権者が営業を行うに際して使用する広告用のものであり、商標法第2条第3項8号での「商品若しくは役務に関する広告」に該当する。
すなわち、本件商標権者がどのような営業種目を行えるかを広告宣伝するものである。
前記営業種目として、(8)映像及び音声に関する機器類の販売及び賃貸と記載したことは、依頼があればそれに応じた営業、例えば、映像及び音声に関する機器類の販売を行うことに外ならない。
そして、映像及び音声に関する機器類とは、写真機械器具も含むものである。
(イ)標章に関して
乙第1号証では、本件商標権の標章と同じKPCの3文字を白抜き文字で並べた標章が記載されている。
(ウ)乙第1号証の提示、若しくは頒布に関して
乙第2号証は、乙第1号証の製作及び印刷を依頼した時の請求書、乙第3号証は、製作及び印刷を依頼した会社の証明書である。これにより、2003年4月15日付けで、3,000部が商標権者に納入されたことを立証する。
商標権者は、この乙第1号証の会社案内のパンフレットを持って営業活動を行った。営業活動は、当然、顧客への乙第1号証の会社案内のパンフレットの配布を含む。
乙第1号証の頒布の証の一つとして、乙第4号証を提示する。乙第4号証は平成16年8月10日に、三重県に提出した企画提案書の写しである。この乙第4号証の中に乙第1号証の会社案内のパンフレットは添付された。
この乙第4号証は、頒布の目的自体は写真機械器具の販売に関するものではないが、会社案内としての乙第1号証が頒布されたことを示すものである。
また、乙第5号証として、乙第4号証を提出するに当たっての公募要領を提示する。
(2)むすび
以上総合して、商標権者は、本件審判請求の平成16年8月11日以前に本件商標権の標章を写真機械器具の販売に関して使用していたものである。

4 当審の判断
被請求人は、「会社案内のパンフレット(乙第1号証)の中の会社概要として営業種目が記載され、その中に(8)映像及び音声に関する機器類の販売及び賃貸とある。この乙第1号証は、本件商標権者が営業を行うに際して使用する広告用のものであり、商標法第2条第3項8号での「商品若しくは役務に関する広告」に該当する。すなわち、本件商標権者がどのような営業種目を行えるかを広告宣伝するものである。前記営業種目として、(8)映像及び音声に関する機器類の販売及び賃貸と記載したことは、依頼があればそれに応じた営業、例えば、映像及び音声に関する機器類の販売を行うことに外ならない。そして、映像及び音声に関する機器類とは、写真機械器具も含むものである。」旨主張するので、以下検討する。
被請求人の提出に係る会社案内(乙1号証)には、三つ折りの裏表紙に被請求人の名称及び住所が記載されており、これは、被請求人の会社案内と認められる。
そして、該会社案内には、その表紙に「Imagine & Multiply」、「映像メディアのトータルコーディネーター KAJIMAVISION」と、折りたたみページを含めた2ページ以下に「映像・展示・情報をトータルコーディネイト 創造的な提案でユーザーのご要望にお応えします」、「伝統と実績、高い品質で 時代の姿と未来を描き続けます」、「カジマビジョンの3つの力」などの見出しでその内容が記載されている。また、裏表紙には、「会社概要」として「社名」「所在地」「設立」「資本金」「代表役員」「営業種目」について記載され、該「営業種目」には、被請求人の述べる「(8)映像及び音声に関する機器類の販売及び賃貸」が挙げられている。
以上からすると、該会社案内は、多くの会社が、仕入先や取引先に配布し、あるいは人材採用などの際に配布する目的で、会社の企業理念、事業内容、事業活動の目的、会社の業績、事業目標、会社の将来像などを記載して作成する「会社案内」と同様の体裁のものであって、該会社案内に記載されている「会社概要」は、一般の会社案内における「会社概要」と同様に、「社名」「所在地」「設立」「資本金」「代表役員」「営業種目」を記載することにより被請求人会社の概要を示したものということができる。
そうとすれば、「会社概要」に「営業種目」として挙げられている「(8)映像及び音声に関する機器類の販売及び賃貸」の記載は、被請求人会社の概要を示すために営業種目の一として表示されているにとどまるものというべきであるから、具体的な商品の製造、販売の事実あるいは役務の提供の事実を示すものではなく、かつ具体的な商品の販売あるいは役務の提供を目的とする広告にあたるものとも認められない。その他、該会社案内に本件商標を請求に係る指定商品に使用したと認め得る記載はない。
してみれば、該会社案内が請求の登録(平成16年8月30日)前3年以内に作成され(乙第2号証ないし同第3号証)、該会社案内に本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されているとしても、具体的な取引の事実を示す取引書類等の提出がない以上、該会社案内のみによって、本件商標を被請求人が主張する商品について使用したものとは認められない。
他に、本件商標を請求に係る商品に使用した事実を認め得る証拠はない。
したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商標を請求に係る指定商品について使用した事実を証明していないから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中、結論掲記の商品について取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲



審理終結日 2005-08-22 
結審通知日 2005-08-25 
審決日 2005-09-07 
出願番号 商願平4-169892 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (009)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田口 善久山内 周二三浦 芳夫 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 岩崎 良子
小川 有三
登録日 1995-10-31 
登録番号 商標登録第3091426号(T3091426) 
商標の称呼 ケイピイシイ 
代理人 久保 司 
代理人 勝部 哲雄 
代理人 青木 篤 
代理人 原 隆 
代理人 田島 壽 

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