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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 001
管理番号 1124480 
審判番号 取消2004-30450 
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-11-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-03-31 
確定日 2005-09-21 
事件の表示 上記当事者間の登録第4127549号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4127549号商標の「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4127549号商標(以下「本件商標」という。)は、「アオバの」、「土壌改良用」、「パウダー」の各文字を3行に縦書きしてなり、平成8年9月12日に登録出願、第1類「土壌改良剤」を指定商品として、平成10年3月20日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審判を求める。と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。
1 請求の理由
請求人の調査した限りにおいて、本件商標は、少なくとも、本件審判請求日前3年以内に日本国内において、その指定商品中「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」について使用されていない。
よって、本件商標は、その指定商品中「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」について、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
2 弁駁の理由
(1)被請求人が本件商標を使用していると主張する商品は、被請求人の提出に係る乙第1号証(2)及び乙第1号証(3)の品名欄に「アオバの土壌改良用パウダー」と表記されており、原材料欄には「凝灰質砂岩」と、形状欄には「粉末」と表記されているから、これらを総合した全体表記から見れば、「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」というべきものである。
また、被請求人は、本件商標をその登録以降現在に至るまで、商標権者たる被請求人が「土壌改良剤」に継続して使用している、と主張している。
しかしながら、その答弁書の理由7.1)(2)において、「被請求人の商品は『凝灰質砂岩を主原料とする土壌改良剤』である。」との主張から明らかなように、「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」についての使用と主張しているものであり、この主張が妥当であれば、本件審判の請求に係る指定商品「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」について継続的に使用しているとはいえないものである。
(2)被請求人は、「そもそも、被請求人の使用商品が『凝灰質砂岩を主原料とする土壌改良剤』としても、それが『土壌改良剤』であることに変わりは無い。請求人の主張は、恰も『登録商標が使用されているのは小麦を主原料にするパンに留まるから、ライ麦を主原料とするパンについてはこれを取消すべきである。』とするに等しく、商標法第50条第1項の審判請求対象のサイズの把握を誤ったものであり、失当である。」と主張している。
しかしながら、商標法第50条第1項は、「継続して三年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標…の使用をしていないときは、何人も、その指定商品又は指定役務に係る登録商標を取り消すことについて審判を請求することができる。」と規定しており、この規定における「各指定商品又は指定役務」とは、指定商品又は指定役務が二以上あるものをいうものである。
このことは、特許庁が編集し、社団法人発明協会発行の「特許庁編 工業所有権法逐条解説〔第16版〕」における、(商標登録の取消しの審判)第50条の〔趣旨〕の記載において、「商標登録に係る指定商品又は指定役務がいくつもあるときは、その一部の指定商品又は指定役務についての取消を請求することもできる。」と解説されている(甲第2号証)ことからも明らかである。
また、昭和63年(行ケ)第181号の判決においても、複数の指定商品のうち一部についても取消しを求めることができることを明確に認めているものである(甲第3号証)。
そうしてみると、「請求人の主張は、法第50条1項の審判請求対象のサイズの把握を誤ったものであり、失当である。」とする被請求人の主張は失当であること明白である。
(3)被請求人が提出した乙第1号証について、これらの全体をみれば、「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」というべきである。
また、乙第2号証は登録店一覧表であって、社内書類にすぎず、商標法第2条第3項第8号に定める取引書類には該当しないものであり、しかも、商品も商標も表示されていないことから、本件商標を請求に係る指定商品に使用していることの証拠とはなし得ない。
(4)以上を総合してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件審判の請求に係る本件商標の指定商品中の「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」について、本件商標を使用しているとはいえない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審判を求める。と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証(枝番を含む)を提出している。
1 請求人の主張について
請求人は、その調査によれば、本件商標はその指定商品中「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」について使用されていない、と主張しているが、不正確であり、被請求人の商品は「凝灰質砂岩を主原料とする土壌改良剤」である。
2 被請求人の主張
証拠説明の欄記載のとおり、本件商標は、その登録以降現在に至るまで、商標権者たる被請求人自身が、指定商品たる「土壌改良剤」に、継続的に使用している。
そもそも、上記被請求人の商品が「凝灰質砂岩を主原料とする土壌改良剤」であったとしても、それが「土壌改良剤」であることに変わりはない。 請求人の主張は、恰も「登録商標が使用されているのは小麦を主原料にするパンに留まるから、ライ麦を主原料とするパンについてはこれを取消すべきである。」とするに等しく、商標法50条1項の審判請求対象のサイズの把握を誤まったものであり、失当である。
3 証拠説明
乙第1号各号証は、商品パッケージの写真と同パッケージ貼付用シールであり、本件商標が「土壌改良剤」につき使用されている事実を示す。
乙第2号証各号証は、2003年11月25日改定の価格表に本件商品が記載されている事実を示す「商品価格表ハードコピー」と2002年1月23日付けほかの当該商品が販売された実績を示す「売上票ハードコピー」である。

第4 当審の判断
1 商標法第50条第2項は、「商標登録の取消しの審判があった場合は、その審判請求の登録前三年以内に日本国内において商標権者等のいずれかがその請求に係る指定商品(役務)のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品(役務)に係る登録商標は取消しを免れない。」旨規定されている。
2 これを本件審判請求についてみるに、本件商標の指定商品は、前述のとおり、第1類「土壌改良剤」であるところ、請求人の取消請求に係る商品は、上記指定商品中の「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」である。
ところで、「土壌改良剤」とは、「土壌を耕作に適する状態に改良するために施用する薬剤」(広辞苑 第五版1998年株式会社岩波書店発行)、「土壌の物理・化学及び生物学的の性質を改善する物をいう。土壌改良材」(肥料用語事典 改訂四版1992年肥料協会新聞部発行)と認められ、当審におけるインターネットによる調査等によっても、さまざまな原材料を用いた「土壌改良剤」が存することが窺われる。
このことは、特許庁がインターネットで公開している特許電子図書館(IPDL)の「商品・役務名リスト」中にも「土壌改良剤」の項目に、第1類「キトサンを含有した土壌改良剤」、「麦飯石を配合してなる土壌改良剤」等々多数が採用されていることからも首肯できるものである。
そうすると、本件商標の指定商品「土壌改良剤」中には、さまざまな原材料からなる土壌改良剤が包含されているとみるのが相当であって、本件審判請求に係る商品は、「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」であるから、当該商品のいずれかについて、審判請求登録前3年以内に被請求人等が使用していることを立証しない限り、当該商品について本件商標の登録は取り消されるべきものと判断するのが相当である。
3 そこで、被請求人提出の乙各号証によれば、被請求人の使用に係る商品は、乙第1号証(1)(2)及び(3)の何れの写真からも「凝灰質砂岩」を原材料とする「土壌改良用パウダー」と認められるものであり、また、乙第2号証(2)は、上記商品の売上票と推認し得るものであって、他に「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」について、使用していることを推認させるような証拠は見当たらない。
また、被請求人自らも、本件商標を使用しているのは「凝灰質砂岩を主原料とする土壌改良剤」と述べており、これは、表現は異なるものの実質的には「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」と同一商品と認め得るものである。
4 以上のことから、被請求人の主張・答弁及び提出に係る乙号各証をもってしては、被請求人(商標権者)が本件商標を指定商品中の取消請求に係る商品について、請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたものとは認められず、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-07-22 
結審通知日 2005-07-27 
審決日 2005-08-10 
出願番号 商願平8-102274 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (001)
最終処分 成立  
前審関与審査官 馬場 秀敏 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 小林 薫
岩崎 良子
登録日 1998-03-20 
登録番号 商標登録第4127549号(T4127549) 
商標の称呼 アオバノドジョーカイリョーヨーパウダー、アオバ 
代理人 宮嶋 学 
代理人 石橋 政幸 
代理人 伊藤 克博 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 小泉 勝義 
代理人 大岡 啓造 
代理人 吉武 賢次 
代理人 宮崎 昭夫 

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