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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y3343 審判 全部申立て 登録を維持 Y3343 審判 全部申立て 登録を維持 Y3343 審判 全部申立て 登録を維持 Y3343 審判 全部申立て 登録を維持 Y3343 審判 全部申立て 登録を維持 Y3343 審判 全部申立て 登録を維持 Y3343 |
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管理番号 | 1123339 |
異議申立番号 | 異議2004-90154 |
総通号数 | 70 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2005-10-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2004-03-22 |
確定日 | 2005-09-14 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4733058号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4733058号商標の登録を維持する。 |
理由 |
1.本件商標 本件登録第4733058号商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年2月28日に登録出願、後掲(1)のとおりの構成よりなり、商品及び役務の区分第33類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年12月12日に設定登録されたものである。 2.登録異議申立の理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第11号、同第15号、同第17号及び同第19号に該当すると要旨次のとおり主張して、その登録の取消を求めると申し立てた。 (1)商標法第4条第1項第8号について 申立人は、ブルゴーニュ産ワインの振興団体であり、申立人の名称に含まれる「タストヴァン(Tastevin)」は、元来「利き酒用小皿」を意味するフランス語であるが、ワイン愛好家のみならず、世界的に申立人の活動を表すシンボルとしてよく知られているものであるから、「タストヴァン(Tastevin)」の語は申立人の著名な略称といえるものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、登録第2302165号商標(以下、「引用A商標」という。)及び登録第2302166号商標(以下「引用B商標」という。)と、称呼、外観及び観念において類似する。 (a) 引用A商標は、昭和63年9月5日に登録出願、後掲(2)のとおりの構成よりなり、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年2月27日に設定登録、その後、指定商品については平成13年9月26日付けで第33類「果実酒,薬味酒」に書換登録されたものである。 (b) 引用B商標は、昭和63年9月5日に登録出願、後掲(3)のとおりの構成よりなり、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年2月27日に設定登録、その後、指定商品については平成13年9月26日付けで第33類「果実酒,薬味酒」に書換登録されたものである。 (3)商標法第4条第1項第10号について 引用A商標、引用B商標並びに商標「LE TASTEVIN(英語:THE TASTVIN)」は、申立人が第33類「果実酒,薬味酒」、第43類「飲食物の提供」等について使用する商標として、取引者・需要者の間に広く知られておりいる。そして、本件商標は上記商標と類似する。また、本件商標の指定商品及び指定役務と申立人の商標の使用に係る商品・役務とは同一又は類似する。 (4)商標法第4条第1項第15号について 申立人の名称、略称、引用A商標及び引用B商標並びに商標「LE TASTEVIN(英語:THE TASTVIN)」は、日本を含む世界中において著名である。したがって、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用する場合には、申立人の業務に係る商品及び役務と何らかの関係があるかの如く誤認混同するおそれがある。 (5)商標法第4条第1項第19号について 引用A商標、引用B商標並びに商標「LE TASTEVIN(英語:THE TASTVIN)」は、日本を含む世界中において著名である。そして、本件商標は、その構成中に「TASTEVIN」の文字を含んでおり、上記商標に類似し、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用する者であれば、申立人のことを知っていたと推測される。したがって、本件商標は不正の目的をもって使用するものであるといわざるを得ない。 (6)商標法第4条第1項第17号について 本件商標はその商標中に「TASTEVIN」の文字を含む。そして、当該文字は、専らブルゴーニュ地方においてワインの利き酒用小皿を意味する語であり、また、ブルゴーニュ産ワインの振興団体である申立人の活動を表すシンボルとしてよく知られているものである。したがって、ブルゴーニュ産ワイン以外について、これを商標として使用することは本来禁止されるべきである。 (7)商標法第4条第1項第7号について 「TASTEVIN」は、専らブルゴーニュ地方のワイン造りに用いられた利き酒用の小皿であるばかりでなく、ブルゴーニュ産ワインの振興団体である申立人のシンボルとするものであり、申立人の略称として用いられ、世間一般にブルゴーニュ産ワインとの関連性があるものとして理解されている。しかるに、上記と何ら関連性を持たない者が、本件商標をその指定商品・指定役務について使用した場合、世人をしてブルゴーニュ産ワインとの関連があるかの如く誤認混同を生じせしめるおそれがある。 3.当審の判断 (1)商標法第4条第1項第8号について 申立人の名称は、「コンフルリー デ シュバリエ デュ タストヴァン(Confrerie des Chevaliers du Tastevin:アクサン記号は省略した。)」であり、申立人がブルゴーニュ産ワインの振興団体であることは認め得るところである。しかし、「Tastevin(タストヴァン)」の語は、「利き酒用小皿」を意味するフランス語と認識される場合があるとしても、これ以上に甲各号証からは直ちに「Tastevin(タストヴァン)」又は「TASTEVIN」の文字自体が申立人の著名な略称であるとの点は見出せず、他にこれを認めるに足りる証左を発見することができない。 (2)商標法第4条第1項第11号について 引用A商標は、後掲(2)のとおりゴシック風書体で一連に「Confrerie des Chevaliers du Tastevin(アクサン記号は省略した。)」と書してなるところ、一連一体に把握されるものであって、構成中最後部の「Tastevin」の文字部分を分離して、認識しなければならない格別の理由は見当たらないところである。 また、引用B商標は、後掲(3)のとおり特異な書体でレタリングされた文字からなり、全体を湾曲させ一連に「TASTEVINAGE」と書してなると理解されるとしても、一体的に看取されるものであって、構成文字中から「Tastevin」の文字部分のみを分離抽出して、認識しなければならない格別の理由は見当たらないところである。 そうすると、引用A商標及び引用B商標より「Tastevin」の文字部分が独立して、自他商品の識別標識として機能するといえないから、これを前提に本件商標との類似を述べる申立人の主張は採用できない。その他、本件商標と引用A商標及び引用B商標とが類似するとの点は見出せず、彼此相紛れるおそれはないもの判断するのが相当である。 (3)商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号について 甲各号証によれば、「Confrerie des Chevaliers du Tastevin(アクサン記号は省略した。)」、「TASTEVINAGE」がブルゴーニュ産ワインの振興に関する活動状況等において一定の使用実績を認め得るとしても、それらは当該商品又は役務に関する直接的な商取引に係る宣伝・広告の具体的状況を客観的に明らかにし得るものでなく、かつ、当該商品及び役務の流通市場における評価、占有率などの事情も不明といわざるを得ないから、これら提出に係る証拠をもってしては、上記標章等が本件商標の登録出願時において取引者・需要者間に広く認識されていたものとは俄に認め難いものである。 そうすると、本件商標をその指定商品に使用したとしても、これに接する需要者が直ちに引用にかかる標章を想起し、申立人又は申立人と事業上何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。 さらに、商標権者が本件商標を使用する行為に不正の目的があったとは認められないところである。 (4)商標法第4条第1項第17号について 本件商標構成中の「TASTEVIN」の文字が、ブルゴーニュ産ワインの産地表示であるとはいえないところであって、申立人提出に係る甲各号証によってもこれを認めることはできない。 (5)商標法第4条第1項第7号について 本件商標は、前記の構成よりなるものであって、それ自体何ら矯激、卑猥もしくは差別的な印象を与えるものでなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとすべき事由はなく、かつ、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められない。 (6)結論 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第11号、同第15号、同第17号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
(1)本件商標 (2)引用A商標 (3)引用B商標 |
異議決定日 | 2005-08-26 |
出願番号 | 商願2003-15717(T2003-15717) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(Y3343)
T 1 651・ 25- Y (Y3343) T 1 651・ 29- Y (Y3343) T 1 651・ 222- Y (Y3343) T 1 651・ 22- Y (Y3343) T 1 651・ 23- Y (Y3343) T 1 651・ 26- Y (Y3343) |
最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
田辺 秀三 |
特許庁審判官 |
佐藤 達夫 高野 義三 |
登録日 | 2003-12-12 |
登録番号 | 商標登録第4733058号(T4733058) |
権利者 | 朝治 博 |
商標の称呼 | テーストビン、タストバン |
代理人 | 高梨 範夫 |
代理人 | 安島 清 |
代理人 | 大村 昇 |
代理人 | 小林 久夫 |
代理人 | 木村 三朗 |