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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 Z41
管理番号 1116583 
審判番号 不服2002-9946 
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-04-30 
確定日 2005-05-18 
事件の表示 商願2000-126499拒絶査定に対する審判事件について、平成16年3月23日にした審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決[平成16年(行ケ)第206号、平成16年9月30日判決言渡]があったので、更に審理の上、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「秘書士」の文字を横書きしてなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成12年11月8日に登録出願、その後、指定役務については、当審における同17年1月25日付けの手続補正書により、第41類「秘書学を学ぶ者に対する資格の認定・資格の付与」と補正されたものである。

2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、あたかも『秘書に関する国家資格』であるかの如く誤認を生じさせる『秘書士』の文字よりなるものであり、このようなものをその指定役務として登録し使用することは、国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、「秘書士」の文字を横書きしてなるものである。
ところで、本願は、請求人(出願人)が個人名義で出願しているが、昭和48年8月に設立され、多数の大学及び短期大学が加入(平成15年現在 大学56校、短期大学224校)している全国大学実務教育協会(以下「教育協会」という。)が法人格を有していない団体であることから、同協会の代表者である請求人が個人名で出願したことが認められる。
そして、教育協会による「秘書士」の認定は、昭和50年3月から開始されており、「秘書士」の称号は、加盟各大学、短期大学において、必修科目を履修した者に対し認定・付与され、平成15年3月末現在30万8千人の認定者を輩出している。
以上によれば、本願は実質的に教育協会の出願に係るものであり、また、「秘書士」の称号は、秘書教育の関連分野の取引者・需要者間において、これとは異なる文部科学大臣の認定を受けた秘書技能検定(昭和48年開始 累計合格者255万人)と並んで周知となっていたことが認められる。
これらの事情に照らすと、教育協会の代表である請求人が実質的には、同協会のために、本願商標を出願したことは、その行為の目的に照らして社会的に相当なものであるから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえないばかりでなく、また、「秘書士」と「秘書技能検定」とは、外観、称呼及び観念上誤認を生ずるほど類似するということはできないから、これが「秘書技能検定」の公的資格と誤認を生ずるおそれがある商標ということはできず、本願商標は、この点からも、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標に該当するものとはいえない。
そして、本願商標は、末尾に「士」の文字を有してなるが、一般国民が、末尾に「士」の付された名称に接した場合、一定の国家資格を付与された者を表していると理解することが多いと一般的にはいうことができても、本願においては、上記のとおり、教育協会の行ってきた「秘書士」の称号認定が、秘書教育の関連分野における取引者、需要者の間において周知となっていたことや、「秘書士」と「秘書技能検定」の語が類似していないことを考慮すれば、本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者をして、秘書技能検定の他に、秘書職に関する国家資格、公的資格が存するかの如く誤信せしめるものということはできない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項7号には該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願についての拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-02-18 
結審通知日 2004-02-27 
審決日 2004-03-23 
出願番号 商願2000-126499(T2000-126499) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (Z41)
最終処分 成立  
前審関与審査官 金子 尚人 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 鈴木 新五
蛭川 一治
商標の称呼 ヒショシ 
代理人 大木 一幸 

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