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審決分類 審判 一部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z05
審判 一部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z05
管理番号 1113589 
審判番号 無効2003-35276 
総通号数 64 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-04-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-07-03 
確定日 2005-03-22 
事件の表示 上記当事者間の登録第4577305号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4577305号の指定商品中、第5類「薬剤」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4577305号商標(以下「本件商標」という。)は、「メバロカット」の文字(標準文字)を横書きしてなり、平成13年7月17日に登録出願、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用腕環,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,失禁用おしめ,人工受精用精液,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,ばんそうこう,包帯,包帯液,防虫紙,胸当てパッド」を指定商品として、平成14年6月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標
請求人が、本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2049558号商標(以下「引用商標1」という。)は、「メバロチン」の文字を横書きしてなり、昭和61年1月20日に登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和63年5月26日に設定登録され、その後、平成10年1月27日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。同じく、登録第2069627号商標(以下「引用商標2」という。)は、「MEVALOTIN」の文字を横書きしてなり、昭和61年1月20日に登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和63年8月29日に設定登録され、その後、平成10年4月28日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。同じく、登録第2448922号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、平成1年10月27日に登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、平成4年8月31日に設定登録され、その後、平成14年4月2日に商標権存続期間の更新登録がなされ、また、平成14年4月17日に指定商品の書換登録がなされ、指定商品は、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」、第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」、第4類「固形潤滑剤」、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」、第8類「ピンセット」、第9類「耳栓」、第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」、第19類「タール類及びピッチ類」、第21類「デンタルフロス」、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」になったものである。同じく、登録第2448923号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、平成1年10月27日に登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、平成4年8月31日に設定登録され、その後、平成14年4月2日に商標権存続期間の更新登録がなされ、また、平成14年4月17日に指定商品の書換登録がなされ、指定商品は、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」、第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」、第4類「固形潤滑剤」、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」、第8類「ピンセット」、第9類「耳栓」、第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」、第19類「タール類及びピッチ類」、第21類「デンタルフロス」、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」になったものである。

3 請求人の主張の要点
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第33号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標1ないし4(以下「引用各商標」という場合がある。)を比較検討してみるに、本件商標からは、「メバロカット」の称呼を生ずるものであるというを相当とするのに対して、引用各商標からは、「メバロチン」の称呼を生ずるものというのが相当である。
しかして、本件商標より生ずる「メバロカット」の称呼と引用各商標より生ずる「メバロチン」の称呼とは、共に5音構成よりなるうち、語頭からの「メバロ」の3音を全く同じくしているところ、文字により構成された商標における、自他商品を識別するための標識としての機能を果たす場合において、最も重要な要素となる語頭部分に存する音であるばかりでなく、後半部において、「カット」と「チン」の音の差異を有するものではあるが、該、「カット」及び「チン」の文字は、いずれも薬剤の商標の接尾語として、これに接する者への印象は極めて薄く、看過省略されがちな語であることから、両商標が、薬剤について使用される場合には、その構成中の語頭部分の「メバロ」の文字部分は、後半部の「カット」及び「チン」の文字部分に比して、自他商品の識別力を果す最も重要な部分、いわゆる、商標の要部若しくは商標の基幹部分というべきものである。さらに、薬剤等の商標として、「メバロ」の音で始まるものは、引用商標のみであることからも、本件商標をその指定商品中「薬剤」について使用をするときは、観念的な連想を惹きおこし易い、その基幹部分「メバロ」を共通にし、しかも、薬剤の商標の接尾語として、取引者間に極めて印象の薄い「カット」を語尾部分に結合した点からも、請求人の製造・販売する商品「高脂血症薬剤」に使用する引用商標「メバロチン」を連想させ、これに接する取引者・需要者は、請求人のシリーズ商標若しくは姉妹商品として、請求人の製造・販売に係るものと誤認し、その商品の出所につき、混同を生じさせるおそれの充分にある、彼此相紛らわしい商標であるといわなければならない。
(2)さらに、引用各商標は、請求人の業務に係る商品「高脂血症用薬剤」(動脈硬化用薬剤)に付されて使用され、平成1年の発売以来、その売上高は、当初の70億円(市場占有率17.5%)から、その売上を延ばし、同11年度には、1288億円(市場占有率53.9%)にものぼり、「高脂血症用薬剤」の単品商品が、売出しからの僅か11年間で、1兆59億円にも達している事実がある(甲第11号証、請求人の商品「メバロチン」の平成1年から同11年度までの売上高及び市場占有率一覧表)。
(3)また、上記商品の宣伝広告活動も、広告代理店、株式会社丹水社を通じて、活発かつ盛大に行っており、その宣伝広告費も、単品商品「高脂血症用薬剤」の金額としては、平成1年に1600万円台であったものが、同14年は10月までに2100万円台を投じ、発売以来の14年間で、何と4億3000万円以上もの広告費をかけているものである(甲第12号証、株式会社丹水社の平成1年から同14年までの「メバロチン」広告掲載金額一覧表及び甲第13号証、同上の雑誌出稿一覧表)。
その他にも、「メバロチン」に関して、株式会社医薬広告社を通じて平成7年4月から同14年10月までの広告出稿一覧表(甲第14号証)、協和企画株式会社を通じて1995年度から2001年度にかけての広告出稿一覧表(甲第15号証)及び株式会社東宣を通じて1995年度から2002年度にかけての広告出稿一覧表(甲第16号証)がある。
(4)したがって、引用各商標は、請求人の業務に係る商品「高脂血症用薬剤」を表示するためのものとして、この種商品を取り扱う業界における取引者及び需要者の間において、広く認識されている、周知、著名な商標であるから、これと相紛らわしい本件商標を、その指定商品中の「薬剤」について使用をするときには、これらに接する取引者及び需要者をして、その商品が請求人の業務に係る商品であるかのごとく誤認し、その商品の出所につき混同を生じさせるおそれの充分にあるものといわなければならない。
(5)請求人の上記主張理由の正当性を立証すべく、本件事案と判断の軌を一にする次の審決例及び判決例を挙げる。
平成10年審判第35358号(平成11年7月22日審決)
昭和50年(行ケ)第74号(昭和51年7月13日判決)
(6)上記の事実を勘案するとき、薬剤の商標として「メバロ」の音で始まるものは、引用商標の外には存在しないことから、これに、薬剤の商標の接尾語として、取引者間に極めて印象の薄い「カット」を付した本件商標は、被請求人の創作に係る商標であるというよりは、むしろ、引用商標の著名性に、明らかに只乗りする意図の下に出願された商標であると断ぜざるを得ない。
(7)本件商標は、引用各商標と称呼の点において、互いに彼此相紛らわしい類似の商標であるといわなければならず、かつ、本件商標の指定商品中「薬剤」は、引用各商標のそれに包含されていること明らかなところであり、引用各商標が、請求人の業務に係る商品「高脂血症用薬剤」を表示するためのものとして、取引者及び需要者の間において、極めて広く認識されている周知、著名な商標であるから、本件商標をその指定商品中「薬剤」について使用をするときは、これらに接する取引者及び需要者をして、その商品が、請求人の取り扱いに係る商品と誤認し、その商品の出所につき混同を生じさせるおそれの充分にある商標であるから、結局、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第21号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標と引用各商標の称呼について比較検討すると、両者の相違音は後半部分の「カット」と「チン」の音である。本件商標「メバロカット」を自然に称えると、相違音である「カット」のうち促音「ッ」の入った「カ」の音に必然的にアクセントがかかり、しかも該「カ」の音は後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する無声子音(k)と母音中でも強母音である(a)とを結合した音で極めて力強い明確な音であり、その上「カ」の前音の「ロ」は内にこもるような音として聴取されるため、一層「カ」の音は本件商標を一連で称呼した場合に際立った印象音として耳に残ることは明らかである。一方、引用商標の相違音「チン」のうち「チ」の音は、舌先と上前歯との間で形成される無声破擦子音(ts)と清澄かつ明確な音(i)との結合した音で明確に聴取できる強音で、しかも引用商標を一連に自然に称えた場合にその「チ」の音にアクセントがある。
また、両商標の相違音のうち語尾音「ト」と「ン」との称呼上の比較をすれば、「ト」の音はいったん閉鎖された呼気が閉鎖を破って急に発せられる音(破裂音)であるから明瞭な止音として発音されるのに対して、一方の「ン」の音は、呼気を鼻から洩らして発する弱い鼻音であり、両音の差は明らかである。
したがって、相違音のうち「カ」と「チ」の音は、子音はもちろん母音も相違しており、かつ発声する際の呼気の流れ方及び調音位置が全く異なり、しかも前記相違音がいずれも明確に聴取できる強音でかつアクセントをもって発声され、さらに後に続く音もその音の差が明らかな「ト」と「ン」であるため、たとえ前半部分の「メバロ」の音が共通していても両商標全体をそれぞれ一連に称呼したときには語感に際立った違いをもって感受され、両商標は薬剤の取引社会において称呼上十分に聴別でき区別できることは明らかである。
(2)請求人は、後半部分の音の「カット」及び「チン」はいずれも薬剤の商標の接尾語として、これに接する者の印象は極めて薄く、看過省略されがちな語であり、商標構成中の接頭部分の「メバロ」の文字部分は、後半部分の「カット」及び「チン」の文字部分に比して、自他商品の識別力を果す最も重要な部分である、旨を主張している。
しかしながら、前記主張は独善的でかつ杓子定規的であるといわざるを得ない。本件商標「メバロカット」も引用商標「メバロチン」も一体不可分の一連商標であり、前半部分の「メバロ」を分離して両商標を認識すべきではない。換言すれは、周知著名商標となっている商標は「メバロチン」であり、決して「メバロ」ではないはずである。接尾語の「チン」は印象が薄く看過省略されがちな語である、との請求人の主張は「メバロチン」の周知著名性自体をも自ら否定しかねない矛盾をはらんでいる。ことに、本件商標「メバロカット」も引用商標「メバロチン」も自然に称える場合には、前半部分の「メバロ」を平板上に称えるものの後半部分の「カット」の「カ」と「チン」の「チ」の個所に必然的にアクセントをおいて称えるため、称呼上後半部分の音が印象音として鮮明に残り、両商標とも前半部分と後半部分との軽重関係のないものとして認識されるものである。
したがって、請求人の前記主張は到底受け入れ難いものである。
(3)請求人は、薬剤等の商標として、「メバロ」の音で始まるものは、本件商標のみであるとして商品の出所につき混同を生じる、旨を主張している。
しかしながら、薬剤の商標において、周知著名な先発品の商標の語頭部分の3文字をそのまま語頭部分に用いている後発品の商標が現実の商品取引社会において枚挙にいとまがないほどに多数存在しており(乙第1号証の1及び2ないし乙第20号証の1及び2)、そのそれぞれが相互の業務に係る商品の混同を生じることなく各商標の機能を遺憾なく発揮しながら併存している事実がある。
(4)請求人が提示した「カプトロン」と「カプトリル」の事件の判決は、本件事案と判断の軌を一にするものではなく、本件事案に対する請求人側の証拠としての価値はないばかりか、逆に、本件商標「メバロカット」は「メバロチン」と類似せず、称呼上十分に聴別できることを暗に示しているともいえる。よって、被請求人は請求人の提示した甲18号証を被請求人側の証拠、乙第21号証として提示する。
また、請求人が提示した「アリナポン/ALlNAPON」と「ALlNAMIN/アリナミン」に事件については、両称呼において相違する音は5音中1音のみであるので、5音中2音が相違している本件事案とは論の根底を異にしていることは多語を要しないほど明らかである。
(5)以上述べたように、本件商標「メバロカット」は、周知著名な引用商標「メバロチン」とは、薬剤を取り扱う取引者及び需要者が商品の誤認、商品の出所につき混同を生じさせるおそれのない商標であるから、商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号に違反されて登録されたものではない。

5 当審の判断
本件商標と引用各商標との類否について検討する。
本件商標と引用商標1を比較すると、本件商標と引用商標1は、語頭からの3文字「メバロ」が一致しており、これ以外の構成文字は「カット」と「チン」の差異がある。次に、本件商標と引用商標2、引用商標3及び引用商標4を比較すると、本件商標は、「メバロカット」と称呼されることが明らであり、これに対し、引用商標2、引用商標3及び引用商標4は、「MEVALOTIN」の文字よりなり、又は、「MEVALOTIN」の文字をその要部として有しており、この文字から「メバロチン」の称呼が自然に生ずると認められる。そして、本件商標の「メバロカット」の称呼と引用商標2、引用商標3及び引用商標4から生ずる「メバロチン」の称呼は、語頭からの3音「メバロ」が一致しており、これ以外の構成音は「カット」と「チン」の差異がある。
また、甲第11号証ないし甲第16号証、甲第24号証ないし甲第30号証によれば、請求人は「高脂血症用薬剤」について、引用各商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標を使用し、この分野の医薬品として高い市場占有率を占め、宣伝広告も行った結果、「メバロチン」、「MEVALOTIN」の文字よりなる商標及びその組合せからなる商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、少なくとも医薬品の取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていた事実が認められ、この点については、被請求人も認めるところである。
そうしてみると、本件商標は、これをその指定商品中の「薬剤」に使用した場合、語頭部分に位置するため比較的印象が強いといえるその「メバロ」の文字部分が、「高脂血症用薬剤」に使用して広く認識されるに至っていた請求人の前記「メバロチン」の文字よりなる商標の語頭からの文字部分と一致し、又、請求人の前記「MEVALOTIN」の文字からなる商標と語頭からの3音が一致しているところから、取引者、需要者は請求人の前記各商標のシリーズ商標又は姉妹品として請求人の業務に係る商品であるかのように誤認し、その商品の出所につき混同を生ずるおそれが、本件商標の登録出願時及び登録査定時にあったものと認めるのが相当である。
この点に関して、被請求人は、請求人の商標「メバロチン」は、一体不可分の一連商標であり、前半部分の「メバロ」を分離して認識すべきではないこと、及び、後半部分の「カ」と「チ」の音の鮮明な違いなどの構成音の相違を主張しており、その限りでは首肯できるが、上記の認定判断を左右するものでない。また、被請求人は、薬剤の商標において、周知著名な先発品の商標の語頭部分の3文字をそのまま語頭部分に用いている後発品の商標が現実に多数存在しており(乙第1号証の1及び2ないし乙第20号証の1及び2)、そのそれぞれが相互の業務に係る商品の混同を生じることなく併存している事実がある旨主張する。しかし、乙第1号証の1及び2〜乙第20号証の1及び2は、商標公報とこれらに係る商標登録原簿謄本であり、これらの登録商標が現実に使用されている事実を直接示すものではなく、増して、商品の出所混同を生ずることなく併存して使用されている事実を示すものではないから、前記主張は採用できない。
してみれば、被請求人が本件商標をその指定商品中の「薬剤」に使用した場合には、前記認定の実情よりして、これに接する取引者、需要者は、「メバロ」の文字部分に着目し、該商品が請求人の取扱に係る商品であるかの如く誤認し、その出所について混同を生じるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定に基づき、本件審判請求に係る指定商品「薬剤」についての商標登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)引用商標1
(色彩については原本参照)

(2)引用商標4
審理終結日 2004-02-05 
結審通知日 2004-02-10 
審決日 2004-02-23 
出願番号 商願2001-65315(T2001-65315) 
審決分類 T 1 12・ 271- Z (Z05)
T 1 12・ 262- Z (Z05)
最終処分 成立  
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 小林 薫
岩崎 良子
登録日 2002-06-14 
登録番号 商標登録第4577305号(T4577305) 
商標の称呼 メバロカット 
代理人 浅村 肇 
代理人 岡野 光男 
代理人 浅村 皓 
代理人 宇佐美 利二 
代理人 宮田 信道 
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