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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消200630406 審決 商標
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取消200130249 審決 商標
取消200630137 審決 商標
取消200530900 審決 商標

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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 128
管理番号 1111547 
審判番号 取消2004-30700 
総通号数 63 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-03-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-06-02 
確定日 2005-01-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第2207160号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1.本件商標
本件登録第2207160号商標(以下「本件商標」という。)は、「はくほう」及び「白峰」の文字を縦二行に書してなり、昭和56年6月26日に登録出願され、第28類「酒類(薬用酒を除く)」を指定商品として、平成2年1月30日に設定登録されたものである。そして、当該商標権は、その後存続期間の更新登録を経て、現に有効に存続するものである。

2.請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べた。
請求人が調査するも、本件商標がその指定商品について、少なくとも過去3年以内に日本国内において、被請求人により使用されている事実を発見することができなかった。また、被請求人から本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権の許諾を受けて、被請求人以外の者が本件商標を「酒類(薬用酒を除く)」について過去3年以内に日本国内において使用している事実も見出せなかった。なお、商標登録原簿によれば、専用使用権及び通常使用権の設定登録はされていない。
したがって、本件商標はその指定商品について、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上に亘り日本国内において使用されている事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

3.被請求人の答弁
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は、取り消しに係る指定商品中「清酒(日本酒)」につき、商標権者及び通常使用権者により継続して使用されている。
乙第1号証は被請求人(権利者)と株式会社亀井商店との間で昭和56年11月1日に締結された売買基本契約書であり、株式会社亀井商店(現、カメイ株式会社)が本件商標についての通常使用権を有している事実を証するものである。
本件商標は株式会社亀井商店がオリジナルブランドとしての使用を希望していたため、昭和56年6月26日に被請求人(権利者)により出願されたものであり、同年11月1日に清酒「白峰」印の製造売買に関する基本契約が締結された。清酒「白峰」印の商品の製造は被請求人(権利者)が行い、販売は株式会社亀井商店により行われ(第1条)、株式会社亀井商店のみによる独占使用が保証されている(第2条第3条)。また、契約の有効期間は定めないものとされている(第16条)。従って、本件商標の登録された平成2年1月30日以降は株式会社亀井商店は通常使用権者としての地位を有することとなっている。なお、株式会社亀井商店は1985年(昭和60年)に商号を変更し、カメイ株式会社となっているが、契約主体及び契約の内容に変動はなく、契約は有効に存続している。カメイ株式会社はガソリン等の燃料、食料品全般、医薬品等の販売及び卸しを行う会社であり、酒類については小売店等への卸売り、及び、自社の経営すスーパーマ一ケット(グリーンマート各店)において直販(小売り)を行っている。
乙第2号証は、商品(清酒)に貼付される肩貼及び胴貼のラベル現物である。これらのラベルは、乙第3号証に示されるように2001年(平成13年)11月に印刷されたものであり、2003年4月よりリサイクル法による「プラ」「中栓」等の表示義務が発生したため、該表示がされたシールを後から貼り付けたものとなっている。肩貼りのラベルには「白峰」及び「はくほう」の文字が表示され、胴貼りのラベルには「白峰」及び「HAKUHO」の文字が表示されており、本件商標と同一性のある商標の使用がされている。
また、製造元として被請求人(権利者)の名称及び住所が印刷され、販売元として通常使用権者であるカメイ株式会社の名称が印刷されている。
本件審判請求登録日前に、本件商標と同一性のある「白峰(はくほう)」商標が継続して使用されていた事実が示されるものである。
乙第3号証は宅配業者である佐川急便東仙台店の定型送り状である。
乙第2号証で示すラベルについて平成13年11月29日付で印刷業者(凸版印刷株式会社東北事業部)より被請求人(権利者)宛へ発送された事実を示すものである。送り状の備考欄に記載されているように、印刷された「白峰(はくほう)ラベル」の胴貼り及び肩貼り各5,000枚が、被請求人(権利者)宛送られたものであり、11/30AM必着とされており、「ハクシカ製品部」「受領 01.11.30」(2001年11月30日)等の表示がされた検収印が押されており、被請求人(権利者)に「白峰(はくほう)ラベル」が納品されていた事実が示されている。
乙第4号証は被請求人(権利者)の社内の販売記録をもとに1999年7月より2003年12月までの間に、通常使用権者であるカメイ株式会社の各支店等に配送(納品)された数量をまとめた一覧である。年月日は被請求人(権利者)よりの出荷日を示しており、商品名「1800×6白峰ポリケース」の表示は、1.8Lを瓶詰めした清酒「白峰(はくほう)」が6本1組とされポリケースに入れられた状態を示している。1999年7月より2003年12月までの間に1.8L瓶の総数で10,458本納品されており、「白峰(はくほう)」商標が継続して使用されていた事実が示されている。
乙第5号証の1は清酒「白峰(はくほう)」の受注伝票(No.12-507343)、乙第5号証の2は発送原票(No.081012)、乙第5号証の3は貨物受取書である。
カメイ株式会社宮城支店石巻営業所より平成15年12月20日に清酒「白峰(はくほう)」の6本入り27函(162本)の発注があり、それを被請求人(権利者)が受注、同年12月22日に出荷し、同年12月24日に納品したことを示す伝票類である。これら伝票類に記載されている商品コード3725は清酒「白峰(はくほう)」を6本入りポリケース詰めとしたものを示している。また、受注伝票に記載されている商品名「ジ 1800ハクホウ」は省略した商品名であり「上撰1.8L白峰(はくほう)」を示している。発送原票及び貨物受取書の右下には受注No.12-507343が記入されており、受注された商品が配送されていることが明らかにされている。貨物受取書には受取日の記載がないが、発注先に商品を届ける運送店に到着した後に被請求人(権利者)宛に返送されたものである。
乙第6号証の1は清酒「白峰(はくほう)」の受注伝票(No.12-507342)、乙第6号証の2は発送原票(No.081038)、乙第6号証の3は貨物受取書である。
カメイ株式会社宮城支店食料課(しらかし台食料流通センター)より平成15年12月20日に清酒「白峰(はくほう)」の6本入り143函(858本)の発注があり、それを被請求人(権利者)が受注、同年12月22日に出荷し、同年12月24日に納品したことを示す伝票類である。これら伝票類に記載されている商品コード3725は清酒「白峰(はくほう)」を6本入りポリケース詰めとしたものを示している。また、受注伝票に記載されている商品名「ジ 1800ハクホウ」は省略した商品名であり「上撰1.8L白峰(はくほう)」を示している。発送原票の及び貨物受取書の右下には受注No.12-507342が記入されており、受注された商品が出荷、納品されていることが示されている。貨物受取書は運送店が被請求人(権利者)の出荷センターに荷物を受け取りにきて、受け取りのサインをしたものであり、伝票記載の日付が出荷日となる。
乙第7号証の1はカメイ株式会社宮城支店しらかし台食料流通センター外観写真であり、乙第7号証の2は同食料流通センター倉庫の内部を示す写真であり、乙第7号証の3は同倉庫内の清酒「白峰(はくほう)」が置かれている場所の拡大写真であり、乙第7号証の4は倉庫内に保管されている清酒「白峰(はくほう)」のラベル部分の右側面を拡大した写真である。
カメイ株式会社宮城支店しらかし台食料流通センターに乙第6号証の1ないし乙第6号証の3の伝票類に基づき納品された6本入り143函(858本)の現在の在庫品の保管場所の外観及び倉庫内の保管風景を示している。乙第7号証の2及び乙第7号証の3に示されているようにポリケースに各6本「白峰(はくほう)」商標が表示されたラベルが貼られた清酒が入っている。乙第7号証の4はポリケース内の商品のラベル部分を拡大したものであるが、製造年月として「0312CE」と表示されている。「03」は「2003年(平成15年)」を、「12」は「12月」を、「CE」は製造日をそれぞれ示すものであり、乙第6号証の1ないし乙第6号証の3の日付と一致するものである。なお、清酒には製造年月の表示は義務づけられているものであるが、製造日の特定の義務はない。また、清酒につき賞味期限の表示義務はないが、一般に製造されてから1年以内に販売され消費されるものである。
乙第8号証は、株式会社吉岡屋の物品受領伝票(発注No.84614)である。
株式会社吉岡屋が平成15年5月27日に清酒「白峰(はくほう)」6本を発注し、それを通常使用権者が平成15年5月28日に納品したことを示す伝票である。「吉岡屋」「16.5.28」「鈴木」と表示された受領印が押されている。吉岡屋は酒類等の一般の小売店であり、本件審判請求登録日前に「白峰(はくほう)」商標の表示された商品が取り引きされていた事実が示されている。

4.当審の判断
被請求人提出の乙各号証及び答弁によれば、以下の事実が認められる。
被請求人は株式会社亀井商店との間で、昭和56年11月1日に売買基本契約を締結したこと、当該契約により、株式会社亀井商店は本件商標について独占的な通常使用権を許諾されたこと、当該契約が期限を定めていないことが認められ(乙第1号証[売買基本契約書写])、昭和60年に上記亀井商店はその商号をカメイ株式会社に変更した。
乙第2号証は商品(清酒)の貼付用の肩貼り及び胴貼りラベルの現物と思われるところ、両者は同様の配色を施しており、また、「白峰」の筆致及び「清酒」等の記載よりみて、同じ商品(清酒)の貼付用の肩貼り及び胴貼りラベルと認められる。そして、当該肩貼りラベルには、「白峰」、「はくほう」の文字とともに、「発売元 カメイ株式会社」及び「製造元 辰馬本家酒造株式会社」の文字が表示されており、また、当該胴貼りラベルには、「白峰」、「HAKUHO」の文字とともに、「清酒」、「上撰」及び「1.8L詰」が表示がされているものである。
さらに、同第3号証は佐川急便の送り状(写し)であるところ、同送り状によれば、荷送人を凸版印刷株式会社 東北事業部とし、被請求人を荷受人として、荷内容の欄と思われる個所にある「白峰ラベル」の「胴貼5000 肩貼5000」が、平成13年11月29日に送付され、同月30日に受領されたことが認められる。
そして、平成15年12月20日のカメイ株式会社からの注文に応じ、被請求人からカメイ株式会社へ、同年12月22日に、商品の納品がなされたことが取引書類(写し)によって認められ、納品された当該商品の品名欄には「白峰」または「ハクホウ」の表記がされていること、及び「上撰」「1.8L」等の記載があることよりみて、前記標章のラベルが付された商品(清酒)の納品がなされたものと推認し得るところである(乙第4号証ないし同第6号証)。
加えて、平成15年5月28日に、カメイ株式会社から株式会社吉岡屋へ、後者からの発注に応じて、商品が納品されたことが取引書類(写し)によって確認でき、その納品された品名欄中に「白峰」と表示した商品(数量6)が含まれていることを確認し得るところである(乙第8号証)。
しかして、前記標章は、本件商標とその称呼・観念を同一にするものであって、社会通念上同一と認められる商標とみて差し支えがないものである。
以上によれば、本件審判請求の登録(平成16年6月21日)前3年以内である前記年月日に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用した商品(清酒)の取引がなされたことを推認することができ、商標権者及び通常使用権者によって、本件商標が上記商品に使用されたと認め得るところである。そして、前記使用に係る商品(清酒)は、取消請求に係る指定商品に包含されるものであることが明かである。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者及び通常使用権者によって、その取消請求に係る指定商品の一について使用されていたということができる。
なお、請求人は、被請求人の答弁及び提出の証拠について何ら弁駁するところがない。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において、その取消請求に係る指定商品について使用されなかったものということはできないから、商標法第50条の規定により、その登録を取消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-12-01 
結審通知日 2004-12-03 
審決日 2004-12-14 
出願番号 商願昭56-53700 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (128)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 浜島 一孔 
特許庁審判長 涌井 幸一
特許庁審判官 小川 有三
富田 領一郎
登録日 1990-01-30 
登録番号 商標登録第2207160号(T2207160) 
商標の称呼 ハクホウ、シラミネ 
代理人 網野 友康 
代理人 網野 誠 
代理人 初瀬 俊哉 

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