ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Z30 審判 査定不服 観念類似 登録しない Z30 |
---|---|
管理番号 | 1104696 |
審判番号 | 不服2002-8007 |
総通号数 | 59 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2004-11-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-05-08 |
確定日 | 2004-09-21 |
事件の表示 | 商願2000-115226拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「新美南吉のごん狐」の文字(標準文字による。)を書してなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品とし、平成12年10月24日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第1704695号商標(以下「引用商標」という。)は、「ごんぎつね」の文字を縦書きしてなり、昭和56年11月19日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同59年7月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 本願商標は、「新美南吉のごん狐」の文字を書してなるところ、その構成前半の「新美南吉」の文字が愛知県生れの童話作家であって、「おぢいさんのランプ」「花のき村と盗人たち」などの作品で知られている著者名であることを認め得るものである。 また、その構成後半の「ごん狐」の文字部分は、前記著者の著名な作品として、現在では小学校四年の国語教科書のほとんどに採用され、新美南吉氏の作品として広く知られている童話であることを認め得るものである。 そうとすると、本願商標は、これより生ずる「ニイミナンキチノゴンギツネ」の一連の称呼はやや冗長であることから、童話名として親しまれている「ごん狐」の文字部分より「ゴンギツネ」の称呼をも生じ、また、本願商標からは「『新美南吉』の著名な童話名である『ごんぎつね』」の観念を生ずるというのが相当である。 他方、引用商標は、「ごんぎつね」の文字を書してなるところ、引用商標からは、「ゴンギツネ」の称呼が生ずること明らかであり、また、前記のとおり該童話は周知なものであるから、これより、「『新美南吉』の著名な童話名である『ごんぎつね』」の観念を生ずるものである。 してみれば、本願商標と引用商標は、外観において異なるところがあるとしても、互いに生ずる「ゴンギツネ」の称呼及び「『新美南吉』の著名な童話名である『ごんぎつね』」の観念を共通にする類似の商標といわざるを得ず、また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。 なお、請求人は、「引用商標の『ごんぎつね』が、新美南吉の「ごん狐」であるとすれば、商標法第4条1項第8号に違反して登録されたものであり、かつ、著作者の承諾を受けていないものである。」旨述べている。 ところで、商標法は、商標登録が所定の無効理由に該当するときは、その商標登録について審判を請求することができる旨を規定している(同法第46条)。また、同法は、当該無効審判に除斥期間を規定しており、すなわち、商標登録が過誤によってなされたときでも、一定期間無効審判の請求がなく平穏に経過したときは、既存の法律状態を尊重し維持するために無効理由たる瑕疵が治癒したものとしてその理由によっては無効の請求を認めない(不正の目的で商標登録を受けた場合を除く。同法47条)。 ゆえに、請求により商標登録が無効にならない限り、当該商標権は、有効な権利であるといえる。 そこで、引用商標についてみるに、前記2のとおり、昭和59年7月25日に設定登録され、既に前記除斥期間を経過しており、また、不正の目的で商標登録を受けた場合は、前記除斥期間の対象とはならないが、引用商標に係る商標登録原簿を徴するも、無効審判の請求がなされていることを確認できないものである。 したがって、請求人の前記主張は、採用することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-07-27 |
結審通知日 | 2004-07-27 |
審決日 | 2004-08-11 |
出願番号 | 商願2000-115226(T2000-115226) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Z30)
T 1 8・ 263- Z (Z30) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高橋 厚子、池田 佐代子 |
特許庁審判長 |
小川 有三 |
特許庁審判官 |
岩内 三夫 早川 文宏 |
商標の称呼 | ニイミナンキチノゴンギツネ、ニイミナンキチ、ゴンギツネ |
代理人 | 竹中 一宣 |