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審決分類 審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 審決却下 119
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 審決却下 119
審判 全部無効 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 審決却下 119
管理番号 1100066 
審判番号 審判1998-35597 
総通号数 56 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-08-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-11-30 
確定日 2004-07-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第2595450号商標の商標登録無効審判事件についてされた平成14年9月27日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成14年(行ケ)第551号平成15年9月29日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求を却下する。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2595450号商標(以下「本件商標」という。)は、「RUDOLPH VALENTINO」の欧文字を横書きしてなり、第19類「台所用品、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年4月17日登録出願、同5年11月30日に設定登録され、その後、同15年11月11日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張(要旨)
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第71号証(枝番を含む。甲第62号証は欠号。)及び参考資料1ないし参考資料7を提出した。
1 本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号に該当するものであって、同法第46条第1項第1号により、その登録は無効とされるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)利害関係について
請求人は、本件商標の登録が存在することにより、自己の取扱いに係る商品と本件商標の指定商品との間に、出所の混同を生じさせるおそれがあり又は請求人の人格権が害されるから、直接不利益を被る者である。
したがって、請求人は、本件商標の登録無効の審判を請求することについて、法律上の利害関係を有するものである。
(2)除斥期間について
被請求人は、本件無効審判の請求につき、除斥期間寸前の名目上の審判請求、除斥期間経過後の詳細な理由及び証拠方法の提出であり、除斥期間の趣旨を潜脱する不適法なものであり、却下されるべきである旨主張する。
しかしながら、「商標法第47条が一定の事由による無効審判請求について除斥期間を定めたのは、公益的事由による場合を除き、瑕疵ある登録商標の権利行使によって生ずる弊害と、その登録を無効とすることによってもたらされる弊害とを比較し、後者の弊害がより大であるとの政策的判断に立って、既存の法律関係を尊重し、権利の安定を図ろうとしたものである。すなわち、設定の登録後5年の間登録の瑕疵について争いがなかったという事実状態を尊重して、瑕疵を争えなくしようというものである。しかし、除斥期間内に無効審判請求がされた以上、右の紛争がなかったという事実状態は破れたのであり、法が除斥期間を定めて権利関係を速やかに確定し、法的安定性を期待する利益はすでに失われたものというべきである。」(東京高裁昭和56年(行ケ)第151号昭和57年4月27日判決、乙第3号証参照)。
これを本件についてみると、請求人は、本件商標の登録日である平成5年11月30日から、5年以内の平成10年11月30日に本件審判を請求し、その上で、除斥期間の経過後ではあるが、平成11年1月27日に詳細な理由及び証拠を補正しているものである。
そうだとすれば、除斥期間内に本件無効審判請求がされ、両当事者間に紛争状態が生じている以上、法的安定性を期待する利益はもはや失われており、本案に入って審理するのが法の趣旨に沿ったものである。
したがって、本件審判請求は、適法なものであって、却下されるべきではない。

第3 被請求人の答弁(要旨)
被請求人は、結論同旨の審決を求めると、答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第51号証(枝番を含む。)を提出した。
1 利害関係について
無効審判を請求するには民事訴訟法の「利益なければ訴権なし」の原則が適用されるので、無効審判を請求することについての法律上の利益が必要とされるところ、請求人は、引用商標の商標権者であることは認められるものの、商標を各種商品に使用していることを明らかにする証拠を提出していないから、他人の商標の使用に基づき商標法第4条第1項第15号の請求をしているといわざるを得ない。
2 除斥期間について
本件審判請求は、本件商標についての無効審判請求の除斥期間経過の一日前の平成10年11月30日になされ、その審判請求の理由には「詳細な理由及び証拠方法は追って補充する。」と述べるのみで、除斥期間経過後の平成11年1月27日に手続補正書として詳細な理由と証拠方法が提出されたものである。
このような除斥期間寸前の名目上の審判請求、除斥期間経過後の詳細な理由及び証拠方法の提出は、除斥期間の趣旨を潜脱するものである。
すなわち、このような請求を認めることは5年間の除斥期間を実質的に延長することを認めるに等しい結果となるからである。
してみれば、本件審判請求は不適法なものとして却下されるべきものである。
3 本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号に該当するものではなく、同法第46条第1項第1号により、その登録は無効とされることはない。
4 以上のように、本件審判請求は不適法ものであり却下されるべきか、あるいは全て理由のないものである。

第4 当審の判断
1 利害関係について
請求人は、本件商標の登録が存在することにより、自己の取扱いに係る商品と本件商標を使用した商品との間に、出所の誤認混同を生じさせるおそれがある、ないし請求人の人格権が害されると主張しているのであるから、本件商標の登録を無効にし、排除せんとすることは、商標権の本質に照らして当然の権利というべきものである。
したがって、請求人は、本件商標の存在によって、直接不利益を受ける者であるから、本件審判の請求をするにつき、利害関係を有するというべきである。
2 除斥期間について
(1)商標法56条1項において準用する特許法第131条第1項第3号は、審判を請求する者は、請求の趣旨及びその理由を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならないと規定し、商標法第46条第1項は、柱書前段において、商標登録が次の各号の一に該当するときは、その商標登録を無効にすることについて審判を請求することができると規定し、同項第1号ないし第5号において、無効理由を列挙している。他方、商標法第47条は、商標登録が同法第4条第1項第8号若しくは第11号に違反してされたとき、又は同項第15号に違反してされたとき(不正の目的で商標登録を受けた場合を除く。)は、その商標登録に係る無効審判は、商標権の設定登録の日から5年を経過した後は請求することができない旨規定する。この除斥期間の定めは、上記のような私益的規定に違反して商標登録がされたときであっても、一定の期間無効審判の請求がなく経過したときは、その既存の法律状態を尊重し、当該商標登録の瑕疵を争い得ないものとして、権利関係の安定を図るとの趣旨に出たものであるから、上記の私益的規定の違反を無効理由とする無効審判の請求人が商標法第47条の規定の適用を排除するためには、除斥期間の経過前に、各無効理由ごとに1個の請求として特定された請求の趣旨及びその理由を記載した請求書を特許庁長官に提出することを要するものと解される。
(2)本件において、請求人が、除斥期間経過前である平成10年11月30日に提出した本件審判請求の審判請求書(以下「当初請求書」という。)には、本件商標の商標登録を無効にするとの請求の趣旨が記載され、無効審判の対象となる登録商標は特定されていたものの、請求の理由については、詳細理由は追って補充するとのみ記載され、具体的な無効理由を構成する事実は何ら記載されていないばかりか、商標法第46条の定める無効理由のいずれに該当するのかを示す適用条文さえも記載されていなかったものであるから、このような当初請求書の記載をもって、各無効理由ごとに1個の請求として特定された無効審判請求があったものと認めることはできない。
したがって、他に特段の事情のない本件においては、請求人が、手続補正書により、具体的な無効理由を補正するとともに証拠方法を提出した平成11年1月27日の時点で、新たに特定された無効審判の請求をしたものとみるほかはないが、その時点では、本件商標の商標登録について無効審判請求の除斥期間が既に経過していたことは明らかであるから、結局、補正による新たな無効審判請求は許されず、本件無効審判請求は除斥期間経過後の請求として不適法であるといわざるを得ない。
(3)請求人は、請求の理由が記載されていないという不備は補正できるものであって、その瑕疵は補正により審判請求時に遡及して治癒されたものというべきである旨主張するが、請求書の不備の性質上、補正が許されるか否かの問題と、補正が新たな無効審判請求に該当するか否かの問題とは次元を異にするというべきである。上記(2)のとおり、本件においては、当初請求書をもって、各無効理由ごとに1個の請求として特定された無効審判請求があったものとは認められず、手続補正書により補正された時点で新たな審判請求があったと解すべき以上、除斥期間経過後の補正は、除斥期間経過後の新たな無効審判請求にほかならないから、当初請求書の不備の性質自体は補正できる性質のものであったとしても、除斥期間の経過後は、商標法47条の規定によって、新たな無効審判請求に当たる補正は許されなくなると解するのが相当である。
また、請求人は、除斥期間内に本件審判請求がされ、両当事者間に紛争状態が生じている以上、法的安定性を尊重する利益はもはや失われており、本案に入って審理するのが法の趣旨に沿うものであるとも主張するが、当初請求書の記載をもって特定された無効審判請求があったものと認められないことは上記のとおりであるから、請求人の上記主張は、前提を欠き、採用の限りでない。
3 むすび
以上のとおり、本件審判の請求は、商標法第47条除斥期間経過後に無効理由を提示した、不適法なものであるから、商標法第56条第1項において準用する特許法第135条の規定により、これを却下すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-09-06 
結審通知日 2002-09-11 
審決日 2002-09-27 
出願番号 商願平2-43491 
審決分類 T 1 11・ 23- X (119)
T 1 11・ 26- X (119)
T 1 11・ 271- X (119)
最終処分 審決却下  
前審関与審査官 竹内 弘昌江崎 静雄 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 茂木 静代
高野 義三
登録日 1993-11-30 
登録番号 商標登録第2595450号(T2595450) 
商標の称呼 ルドルフバレンチノ 
代理人 末野 徳郎 
代理人 杉村 興作 
代理人 小川 順三 
代理人 中村 盛夫 
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